田舎の求人ヤバすぎる!徹底調査でわかった厳しい地方の現実

田舎に戻りたいけど求人が少ない
給料が低すぎて生活に困るって本当?
田舎からは出たほうがいいのかな

田舎の求人はヤバすぎると感じることありますよね。

僕も九州の田舎、限界集落の出身なので「求人すらない」田舎の現状をよく理解しています。

田舎は人口も少なければ、企業の数も比例して少ないのが実態です。

フユスケ

田舎は人がいない

ハルシバ

冗談抜きで職探しは厳しいよ

田舎で生まれた人は、最初から就職や転職で苦しい思いをしなければなりません。

田舎から人が流出する原因の1つに、今回の記事のテーマである「求人のヤバさ」があります。

僕もその求人のヤバさに絶望して20歳で上京しました。

記事を通してお伝えする結論としては、田舎や地方の現実を把握してとるべき行動を考えるということです。

田舎には田舎の良さがあります。生活するうえで困ることはなく、記事の前提として田舎が悪いという話ではありません。

正直、僕も仕事があるなら地元の九州で親の近くで働きたいというのが本音です。

一方、田舎にストレスを感じているのであれば、選択権は自分にあります。

この記事を書いている僕は、九州の田舎で20年生活した後に上京して、東京で20年生活しています。

プロフィール

仕事は人事をしています。上京してブラック企業に苦労しながら8回の転職を経験しました。

そのため、地方から都会に移ることの大変さや苦労はよくわかっています。

今では、社会人の中で約15%しかいないと言われる「年収700万円」に届くことができました。

僕は現在も東京に住んでいますし、今後九州に帰ることはありません。

僕がなぜ、そのような価値観になったかも含めて記事でお伝えします。

この記事は「田舎の求人」について、あらためて30時間以上の時間をかけて調査と執筆を行っています。

また、僕の出身である九州エリアとの比較も行っていきます。

僕の人事という立場からの知見や、データに基づいた田舎の求人の実態を知ってください。

この記事を最後まで読むことで、田舎がどういうものかを知りどう行動すべきかを考えられるようになります。

ぜひ最後までお読みください!

ここで「転職」についてよくわからないという人にだけ、少し説明させてください。

転職は自分1人で考えると「思い込み」に左右されてしまうので危険です。転職を8回経験した僕は、必ず人材エージェントに相談するようにしています。

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目次

【体験談】田舎で稼げなくて絶望した

田舎のヤバい求人

まずはじめに、僕の田舎で働いた実体験からお伝えします。

僕は九州の大分という温泉が有名な地方の出身です。

大人は同じような仕事に就いている環境だったので、「仕事とはなんてつまらないのか」と感じて育ちました。

田舎に絶望した僕は上京するのですが、ここではそれまでの苦労をお話しします。

田舎に絶望

手取り12万円!田舎のブラック企業
田舎に移住して住み込んで地獄を経験
田舎実家暮らしの選択肢は販売か土木

手取り12万円!田舎のブラック企業

上京をするきっかけになったのは、新卒の時に働いていたインターン企業でした。

僕はデザイン関連の学校を卒業し、福岡にあるデザインの会社に「正社員」前提でインターンをしていました。

福岡というと都会のイメージがあるかもしれませんが、僕が働いていたエリアは田んぼがあるような田舎だったのです。

田舎だと、なかなかインターン先を見つけることも難しく、このデザイン会社はようやく決まったインターン先だったのです。

僕は当時アルバイトをしていた飲食店の仕事を辞めて、学生ではありつつもほぼ「正社員」と変わらない勤務形態で働くことになりました。

フユスケ

学生と社会人半々

ハルシバ

扱いは社員と何も変わらなかったよ

このインターン先の会社が、僕の人生を決定づけるきっかけになります。

なんとインターン先のデザイン会社は、地方でも有名な「ブラック企業」ということが働く中でわかりました。

まだ正社員でもない僕のことを即戦力扱いしないと、現場が回らないような環境だったのです。

ナツル

ブラック企業と言える環境は以下のようなものでした

初任給の手取りが12万円
残業代が払われない
徹夜が週に2回以上

田舎の会社あるあるですが、「給料」が低すぎることはどうしても受け入れられませんでした。

手取り「12万円」は新卒だった僕でも、給料が低すぎると感じる金額になります。

年収で言えば額面で「180万円」程度です。

国税庁の調べでは、年収200万円以下の割合は「約20%」で、僕の給料は国民の最低ラインだったことがわかります。

年収分布
国税庁│民間給与統計実態調査

当時田舎の福岡でも家賃は6万円くらいかかります。手取りが12万円ということはすでに家賃で半分は消えてしまう計算です。

当時高い学費を払ってせっかく卒業しようとしているのに、入社するところが田舎のブラック企業で低賃金だったことに絶望しかありませんでした。

今でも覚えているのですが、仕事で徹夜明けだった時に屋上で先輩社員に言われた一言があります。

それは「社員になったらもっと手取りが減るよ」という、新卒にとっては衝撃的な事実だったのです。

正社員になったら手取りがもっと減るという事実は、このまま田舎の会社で働いても意味がないと思わせる内容でした。

もっと言うと、その先輩社員も新卒でかつインターンの僕と給料が大差なかったのです。

この言葉をきっかけに、僕は「ヤバい田舎から出よう」と決意することになりました。

僕はインターンでコツコツと貯金した40万円を元手に、東京に行くことを決めたのです。

田舎に移住して住み込んで地獄を経験

僕は田舎で「住み込み」で働いたことがあります。

専門学校に進学するときに、学費がなくて「新聞奨学生」という制度を使いました。

あまり有名ではないかもしれませんが、新聞販売店と雇用契約を結び、新聞配達をすることで学費を免除してくれるという制度です。

僕も当時誤解をしていましたが、大手新聞会社との雇用契約ではなく「個人経営の田舎の販売店」と雇用契約を結ぶというとんでもなくリスクの高い制度でした。

僕は、田舎の求人のヤバさを新聞奨学生という、仕組みを通して痛感することになります。

〇〇新聞奨学会と、大手の新聞社の名称の冠がついていますが、新聞奨学生が雇用契約を結ぶのは新聞社ではなく系列の新聞販売店です。

奨学金なるほど相談所│新聞奨学生

当時大分というヤバすぎるくらいの田舎からどうしても出たくて、少しでもマシな田舎である福岡に移住したのです。

田舎から出たいけど、お金がない僕にとっては「新聞奨学生」は渡りに船のような感覚でした。

現実的な問題として、親が学費がないケースで進学したかったり、田舎から出る手段としては選択肢の1つになると思います。

フユスケ

田舎からでるのハードル高い

ハルシバ

実際簡単に出れないよ

僕の場合も少しマシな田舎の福岡に出ることもできるし、住み込みなので家もあります。

そのおかげで、お金のない若いうちに移住することが叶ったのも事実です。

一方で、雇用契約を結ぶ新聞販売店によっては「ハズレ」があります。

僕は新聞販売店はハズレを引いています。

ナツル

劣悪な環境の1つは居住環境でした

住み込みする家は鍵なし長屋
風呂は爆発するバランス釜
中国人と3人で同居

住む家がとんでもなく老朽化した長屋で、鍵さえついていない家だったのです。

そこに中国人の配達員と一緒に、3人で住むことになります。

今思うと家賃の低い家に住まわすことで、新聞販売店の経営者が利益の「中抜き」をしていたんだろうなと感じます。

田舎の新聞販売店がヤバかったのは、労働基準法無視の労働環境です。

休みは2ヶ月に1日しかなく、1日の労働時間は12時間を超えます。

僕は仕事の合間に学校に行くしかないので、まったく楽しいという記憶はありませんでした。

<新聞奨学生を考えている人へメッセージ>
絶対にやめろ、という。借金してでも新聞奨学生はやらない方がいい。自分は良心的な販売店に恵まれたが、浪人時代は最悪だった。

毎日コムネット│新聞奨学生時代以上の苦しみはない

なんとか新聞販売店は辞めることができたのですが、トラウマになるほど地獄の経験でした。

新聞配達に限らず、田舎の個人経営している会社の求人はヤバい傾向があります。

人事が存在せず、経営者の感覚で働かせているのでコンプライアンスの意識がないからです。

こんな選択肢を選ばなければならない、田舎は貧困の問題も含めて本当にヤバいと実感しています。

田舎実家暮らしの選択肢は販売か土木

僕が育った九州の大分は、本当に田舎です。

地元で働くとすれば、販売職か土木などの力仕事しか選択肢はありません。

一方で、出身の有名人はそれなりにいて、漫画の『進撃の巨人』の作者とは出身県が同じです。

『進撃の巨人』の作者は、閉塞感漂う地元の田舎をモチーフに漫画を描いたといいます。

フユスケ

有名な漫画だ

ハルシバ

大分のダムがモチーフだよ

さて、そんな田舎では大学進学というものは「当たり前」ではありません。

僕の出身である大分県の大学進学率は、文部科学省の調べでは「約49%」半数を割ります。

都道府県別の順位で見ても、31位と下位にいます。

大学進学率
がくたま|大学進学率

なぜ、ここまで低いのかは田舎の収入によるところも多いと感じます。

実際僕は親に「学費がない」と言われ、新聞奨学生をするしかありませんでした。

また親世代も大学まで進学をしておらず、そのまま地元で就職しているケースが多いです。

価値観としても「学費がもったいないから、高卒で早く働いてほしい」という親が多かったです。

ナツル

そして、田舎で優良と言われる就職先は以下のです

公務員
大企業

この2択以外はいわゆるサービス業か、土木もしくは農業が中心になります。

田舎で働いていた、大人の大半は知っている限りでは男性は土木や工場、女性はサービス業というパターンがほとんどでした。

そして、「キャリア形成」という概念がないので、仕事を転々と移りジョブホッパー化する大人の姿を見て育ちました。

そもそも「キャリア」について教えてくれる人もいなければ、「職種」の選択肢もないことが、田舎がヤバいと言われるところです。

キャリア形成とは、個人が仕事を通じて経験やスキルを蓄積し、自己実現を追求するプロセスのことです。

JMAM|キャリア形成

正直なところ、友達の親が働いていないということも、あまり珍しくはありませんでした。

フユスケ

きつい気がする

ハルシバ

子供ながら心配だった

また、田舎で働く人は、自分の適性や天職がわからないまま歳を重ねます。

全てとは言えないものの、職業の選択肢がないので、自分に合う仕事かどうかもわからないまま続けていくしかありません。

僕も親から土木か、農業などの仕事に就くように促されていました。

親戚などからは「公務員になれ」と、洗脳かと思うほど言われてきたのです。

しかし、僕は田舎にある仕事に興味を持てなかったし、「稼いでいる」人も見たことがありませんでした。

だから田舎で働こうという気持ちにはならなかったのです。

事実として、地方の田舎にいたままだったら、デザインや人事という仕事が自分に向いているということはわからないままでした。

田舎にろくな仕事がないと感じる理由

田舎のヤバい求人

ここまでは、僕の田舎のヤバい仕事の体験談をお伝えしました。

正直、仕事をするうえでは「田舎がいい」と思ったことは1度もありません。

九州は地元なので今でも好きですが、働くことを考えたらもう戻ることはないと思います。

ここからは、田舎にろくな仕事がないと感じる理由をお話しします。

何がヤバいのかを、一緒に実態を見ていきましょう。

ろくな仕事がない理由

給与が低すぎて普通の生活さえ厳しい
職種が少なすぎて選択の余地がない
求人がなさすぎて良い求人の奪い合い

給与が低すぎて普通の生活さえ厳しい

田舎の給料の低さは異常です。

田舎に住んでいた時に、給料が低いと感じていたので生活水準に合っているということではありません。

単純に低賃金の仕事が多いだけなのです。

内閣府の調べによれば、時給換算した場合に地方と東京には、例えば男性では賃金の差が「500円」程あることがわかります。

東京:2300円
地方:1800円

地方と東京の年収
内閣府|一般労働者の賃金の推移

月の労働時間で概算してみると「約8万円」もの差があることになります。

フユスケ

デカすぎる

ハルシバ

実際はもっと差があるよ

地方に行けば物価が下がるから「地方は収入が低い」ということにはなりません。

三菱UFJ銀行の調べによれば、地方は支出が下がる分収入も下がっていて東京とそこまで変わらない状況です。

地方と東京の収入と支出
三菱UFJ銀行|地方暮らしと東京暮らし。お金事情の差はどれくらい?

一見問題はなさそうに見えますが、車の維持費など田舎特有の出費があります。

また地方や東京という場所の影響を受けないスマホやパソコンについては、相対的に高くなり購入することが難しくなるのです。

格安スマホがある中で、端末料金が20万円近くする「iPhone」は、もはやブランド品といえます。

また、仮に子供が生まれた場合は田舎から出て、都会の学校に進学する可能性もあります。

その場合は、田舎の低賃金で蓄え続けても、学費と老後の貯蓄を考えるとまったく足りないという現実があります。

フユスケ

深刻な問題

ハルシバ

選択肢が減るよ

さらに、給料が少ないという問題は「貧困」につながります。

「貧困」と聞くと海外の問題のように聞こえるかもしれませんが、日本にも貧困は存在します。

貧困率とは、(ある特定の年齢層で)所得が貧困線を下回っている人の割合のことです。貧困線は、全人口の家計所得中央値の半分とされています。

OECD|貧困率

特に沖縄県や高知県といった地方は、貧困率が高くなっています。

貧困率が高くなる原因は「給料が低い」ことや、「非正規雇用」しか選べない環境が影響しているのです。

給料が低くて求人がヤバいという問題は想像以上に深刻です。

沖縄県、高知県、鹿児島県、徳島県は47都道府県の中でも高い貧困率となっており、その地域の特性や置かれている環境などが貧困率を高めているという背景が見られます。

gooddo|日本で貧困率が高い都道府県やその理由は?

なんとか今は貧困から脱却できましたが、僕はまさにこの貧困世帯で育ちました。

学費がないと言われて、「自分の家は貧乏なんだ」と実感したのを覚えています。

当たり前かもしれませんが、学費がない家庭の子供は学校に進学できません。

ある程度は学歴で生涯年収は決まってしまいます。

結果的に低年収の親の子供は、年収が低いという連鎖がうまれます。

僕が社会人になって、大学院でMBAを学んだ時に驚いたのは、入学者の学歴の中で「高卒」や「専門卒」の割合は5%だったことです。

多くが大学か大学院を卒業している「恵まれた人たち」なんだと自分の置かれた立場との違いを痛感しました。

フユスケ

高学歴な人たち

ハルシバ

僕は自腹で通ったよ

こういった貧困がさらに貧困を呼ぶことを「貧困の連鎖」といい、深刻な社会問題となっています。

貧困の連鎖とは、低所得世帯の子ども達が将来低所得者になる可能性が高く、貧困から抜け出すことができないことを指す。

松下政経塾│貧困の連鎖を断ち切る‘生き抜く力’

一時的に給料が低くてヤバいという状況であれば、そこまで深刻な問題ではありません。

一方で田舎の場合は一時的ではなく、都会と比較するとずっと低いままという状況が続きます。

田舎を出るか、副業で稼ぐか何かアクションを起こさなければ現状が変わることはないのです。

職種が少なすぎて選択の余地がない

田舎は職種が極端に少ないです。

人が少なければビジネスの機会も少なく、田舎で選べる職種はかなり限定されてしまいます。

実際に『リクナビNEXT』で、僕の地元の大分県を調べてみました。

ナツル

実際に見つかった主な職種は以下の内容です

農業・土木・工場
医療関連
サービス業

20年以上経った今調べても職種に大きな変化はありません。こう考えるとやはり田舎の環境は10年単位では変わるものではないと実感させられます。

給料は高めに表示されていましたが、責任の重い管理職や店長職の「最大値」を表示しているだけなのであまり参考にはなりません。

ちなみに、人口減少が多い「長崎県」も調べて見ましたが、ほとんど同じ職種が並んでいたので地方の田舎の需要は変わらないように感じます。

フユスケ

仕事選べない

ハルシバ

キャリアの選択肢が狭いよね

中小企業庁の調べによると、大都市に比べて地方には「情報通信業」など極端に少ない職種があることがわかります。

一方で僕が調べた結果と同じで「サービス業」や「医療関係」の仕事は田舎にも十分あります。

労働生産性の高い業種
中小企業庁│地方と大都市における業種構造の違いについて

少し補足すると「情報通信業」とはインターネットを含む、情報の処理や提供のサービスを行う事業です。

ナツル

有名なところでは以下のような会社があります

LINEヤフー
ソフトバンク
メルカリ

田舎には仕事はあるものの、職種の選択肢が少ないというのが現状です。

生活するうえではなんとかなりますが、「キャリア形成」や「自己実現」という観点ではかなり難しいと言わざるを得ません。

キャリア形成とは、仕事を通じて経験やスキルなどを蓄積して自己実現を図っていくプロセスのことです。

東京しごとセンター│キャリア形成

僕の経験談でもあるのですが、前述したような田舎の仕事に興味を持てなかった理由は「大人が楽しんでいなかった」ということです。

憧れられる大人がいなかったのです。

仕事は生活のためにある苦痛を伴うもので、できるなら働きたくないというイメージを幼少期から持つようになりました。

結果的に田舎の子供には多いのですが、やることもなければ勉強する意味もわかりません。

結果的に「ゲーム」や「マンガ」というメディアに時間を使うことが多くなります。

そして、いつのまにかエンターテインメント業界を目指すようになるのです。

社会も仕事も知らない田舎の高校生が、専門学校に入学して「専門学校卒」という学歴を手に社会に出ることになります。

誰もが一度は憧れる声優や漫画家の門戸は狭すぎます。しかし田舎では誰もツッコまないのです。

フユスケ

ツッコんで!

ハルシバ

正直専門学校は無駄だった

まとめると、田舎には選べる職種が少なく、自分がどうありたいかに気づけない可能性があります。

やりたい仕事がない、という問題以上に深刻なのが「田舎の職種の少なさ」なのです。

求人がなさすぎて良い求人の奪い合い

田舎にはそもそも求人が少ないです。

前述の職種が少ないことにも関連していますが、いつも掲載されている求人はブラック企業や不人気な職種ばかりです。

いわゆる「おいしい求人」というものは、すぐに定員が埋まります。

もっと言えば、縁故採用で充足させてしまうので世の中にでないことも多々あります。

僕の父は仕事を手配しているのですが、声をかけるのは知人のみで求人は出したことはないのです。

父が紹介する仕事は「公共」の仕事もあり、田舎の求人の中では割りがいいものが多いようです。

フユスケ

紹介してほしい

ハルシバ

田舎は人脈大事かもね

なぜ求人の奪い合いになるかというと、田舎は同じようなスキルセット(能力や経験)の求職者が多いからです。

簡単に言うと「できることが似ている」ので、求人への応募は偏り、条件の良いところが埋まりやすいのです。

一方で、常にあるような求人は、そこまで良い求人ではないことがあります。

ナツル

田舎の求人を調べる中で見つかった特徴は以下です

運転免許が必須
有給消化を指定される
求人数が少ない

1つずつ説明します。

運転免許が必須

田舎でのオフィスワークは、あまり多くありません。

仕事は現場作業などが多く、移動する手段や輸送とい仕事では「運転免許」が必要になることがほとんどです。

生活手段としても必要なので、運転免許の保有率は「山梨」や「群馬」という地方が多くなっています。

免許保有率
警察庁交通局運転免許課|運転免許統計

僕は運転免許は持っていますが、運転は事故が怖いので絶対に避けたい仕事です。

仕事に加えて、個人的なリスクまで背負いたくないからです。

有給消化を指定される

また、調べていくと「有給を指定する」といった、会社があることがわかりました。

東京などでは、あまり見かけませんが、年間休日の中に「使う分の有給」も入っているというものです。

ハロワにきいたら通常は107のほかに更に有給の三日間は会社指定日にすると言ってましたが、そのあと、念のため私直接会社電話したら107日の中に3日入ってるといわれた。

Yahoo! 知恵袋|就職活動

年間休日が少ないうえに、有給を含めて水増ししているようになっているのはかなりブラック企業と言えます。

東京では採用難が続いているので、そもそも採用するために求人や福利厚生は充実させています。

グローバルウェイ社の調べによると、休日の満足度が高いのは「東京」をはじめとした都会が多くなっているようです。

僕の地元の大分は「29位」と下位にいます。

休日の満足度
グローバルウェイ|職場の休日に関する満足度が高い都道府県ランキング

この統計を見ても、地方や田舎は休日が少なく満足度が低いことがわかります。

求人数が少ない

今回『リクナビNEXT』で求人数を調査をしたところ、地方は圧倒的な少なさでした。

ナツル

実際に検索をして得た数値は以下です

東京都【23区】:45384件
大分県:1764件
長崎県:1791件

本記事で参考にしてきた、九州の2つの件を東京と比較してみました。

東京との求人の差は「約26倍」もあります。

ここまでの差があることにあらためて驚きましたが、これが現実です。

日本最大の会員登録者がいる『リクナビNEXT』の数字なので、信ぴょう性は高いと思います。

少し乱暴な言い方をすると、田舎と東京では仕事の選択肢が「26倍」も違うと言えます。

ちなみに、他社の口コミや評判を調べたいなら『転職会議』という無料サービスがおすすめです!

退職者のリアルなコメントから、「ブラック企業」ではないかを事前に調べることが可能です。

田舎のヤバさを裏付ける深刻なデータ

田舎のヤバい求人

ここまでは田舎にろくな仕事がない、ということについてお伝えしました。

結論を言うと仕事はあるけど、選べる職種は少ないという状況です。

ここからは、MBA的な視点から独自の調査をもとに「田舎のヤバさ」をデータでお伝えします。

データで俯瞰して、田舎の置かれている状況を眺めていきましょう。

田舎の深刻なデータ

東京と地方の格差は想像以上にあった
業界動向から見る地方の仕事と現実
求人以外もヤバすぎる!田舎の未来

東京と地方の格差は想像以上にあった

僕は経営学のMBAを修得する中で、データで捉える重要性を学びました。

データは客観的な事実なので判断を誤りにくいからです。

では、東京と地方の田舎にはどのような「数字」の違いがあるのか確認していきましょう。

フユスケ

お勉強の時間

ハルシバ

ヤバいか判断できるよ

まず一人当たりの求人数が、どれだけあるのかを示す「有効求人倍率」についてです。

厚生労働省の調べで、有効求人倍率の全国平均は「1.27」となっています。

有効求人倍率
厚生労働省|一般職業紹介状況

「1.27」という数字は、求職者1人に対して「1つ以上の求人がある」という見方ができます。

僕の地元九州の有効求人倍率を平均したところ「1.24」となり、全国平均よりやや低い数字でした。

一方で、東京の有効求人倍率は「1.74」と平均よりかなり高い数字になっています。

この厚生労働省のデータから読み取れることとして、東京は1人におおよそ2つの求人がある状況ですが、地方は1つの求人という見方ができます。

次に東京と地方の田舎の企業数の違いについて見ていきます。

東京都の調べでは、東京の企業数は「約42万社」あることがわかります。

企業数についてはどのデータベースを見ても、少し前の数字になっており集計が追いつかないのだと思います。

東京の企業数
東京都│東京の産業と雇用就業

一方で、僕の地元大分は「約3.4万社」と東京の10%も満たしていません。

九州全体を合計すると「約41.5万社」となり、ようやく東京と同じ数の企業数になるというのが実情です。

ざっくり面積だけで計算すると、東京は九州の「6%」しかありません。

それなのにも関わらず九州とほぼ同じ数の会社が密集しているのです。

ちなみに、会社の「卵」であるスタートアップの数も東京都が圧倒的に多いのが現状です。

フォースタートアップス社の調べによると、東京都のスタートアップの数は「約1万社」です。

これは全国の「約66%」を占める数字になります。

さらに東京に続き、大阪や神奈川と都会にスタートアップが偏っている傾向が見られます。

スタートアップの数
フォースタートアップ│独自分析

付加価値の高いビジネスを創出するスタートアップは、雇用創出も期待されるので存在意義は大きいです。

今では有名な「メルカリ」も、もともとはスタートアップでした。

スタートアップの話をすると長くなるのでこのあたりにしておきますが、1点だけスタートアップが都会に集中する理由を人事視点でお伝えします。

それは「人材」です。

スタートアップは採用する人材が最重要と言っても過言ではありません。

都会であれば多くの人材が集まっているので、競争が激しいということを除けば採用すべき人材は豊富にいます。

求めるスキルセットを持っている人材が多い都会にスタートアップが集中して、より過密になっていくことは仕方がないことだと感じます。

フユスケ

色々事情があるね

ハルシバ

特にIT人材が地方には少ない

続いては「労働生産性」についてです。

なんだか難しそうな話ですが、ようは「1人あたり」が、どれだけ売上を生み出しているかという話です。

「労働生産性が向上する」ということは、同じ労働量でより多くの生産物をつくりだしたか、より少ない労働量でこれまでと同じ量の生産物をつくりだしたことを意味します。

公益財団法人│日本生産性本部

意外とこの記事のテーマでもある「ヤバい求人」とも関わる、とても重要な指標だったりします。

国土交通省の調べでは、地方や田舎に多い業種である「サービス業」や「農林漁業」は労働生産性が低いことがわかります。

グラフのピンク色部分が、労働生産性が高い業種です。

労働生産性の業種分布
国土交通省│賃金、労働生産性の地域間格差

ピンク色部分に多いのは「情報通信業」や「金融」という労働生産性が高い業種が多く、田舎や地方には労働生産性の低い業種が多いという分布になっています。

このデータからは、多くの売上という付加価値を生む業種が東京に多いので、地方や田舎と還元される賃金に格差が生まれているということが言えます。

さらに同調査で、地方や田舎は事業所の「規模が小さい」ということがわかりました。

九州経済産業局によると、九州には「54万」万もの事業所があるようです。

家族や個人で小規模のビジネスをしているところが多いということになります。

九州の事業所数
九州経済産業局│九州経済の現状

実は財務省の調べによると、会社の規模が大きいほど労働生産性が高くなることがわかっています。

地方や田舎は、業種に加えて規模も労働生産性を下げている要因の1つです。

①製造業は、企業規模が大きいほど賃金、労働生産性とも高いこと、②サービス業の大規模企業(250 人以上)は、製造業ほど企業規模と賃金、労働生産性の関係が強くはないこと、③製造業、サービス業とも、労働生産性と賃金は正の相関があること、が分かった。

財務省│企業規模と賃金、労働生産性の関係に関する分析 

この項目は少し長くなりましたが、最後は「年収」の格差についてです。

東京と地方や田舎の年収の格差は、内閣府の調べによるとざっくり「100万円」です。

東京:531万円
地方:437万円

地方との年収差
内閣府│一般労働者の年収推移

細かいデータはありますが、地域が違うだけで100万円もの差がついてしまうのです。

事実として、僕は九州で働いていた時は200万円を下回る年収でしたが、東京に出てからは350万円を下回ったことはなく、今は700万円までアップしています。

前述した通り地方や田舎では労働生産性の低い業種が多く、賃金を下げているのです。

まとめると、東京と地方や田舎では産業に大きな違いがあります。

そこから生み出される価値(売上)が低いことで、地方の給料は下がっているということになります。

同じように働いても生み出す価値によって、得るものが違うというのが東京と地方や田舎の違いです。

業界動向から見る地方の仕事と現実

会社や業界の動向を探ると、田舎の実態がつかみやすくなります。

求人を出す企業が属している業界、その業界が今どのような状況なのかを知れば、田舎の求人のヤバさが見えてくるからです。

ポイントとしては、伸びている業界があるかどうかが重要になります。

まずは、成長している業界はどういった業界かを調べました。

ナツル

成長業界は以下です

半導体関連業界
IT関連業界
SaaS関連業界

成長している業界
デジタル&ワークス│業界動向サーチ

デジタル化があらゆる産業で加速しているので、ITやSaaS(サブスク)といったビジネスが成長を維持していることがわかります。

デジタル化が進む背景には、人手不足解消や業務効率化があります。

「DX」という言葉が流行ったように、ITの力で人力だったものを自動化しようという流行りがあるのです。

フユスケ

なんでも自動化

ハルシバ

ある程度一巡はしたけどね

IT技術はAIなども含めてますます加速していく可能性が高く、これから就職をしようと考えている人にもおすすめできる業界です。

それでは、国内IT市場のこれからの成長予測を見てみます。

IDC Japan社の調べによると、国内IT市場は2.9%で成長していくと予測されています。

IT業界の推移
日経XTECH│国内ITサービス市場

これらIT関連の業界は「情報通信業」とよばれる業界にまとめられています。

大正大学の調べによれば、情報通信業は東京への「超一極集中」が起きているのが実態です。

いわゆる都市といわれる大阪や神奈川などを抜き、圧倒的に東京に集中しています。

東京に偏るIT業界の実態
大正大学│IT産業の東京一極集中の現状

地方でIT関連の企業や仕事を探してもなかなか見つからないのは、こうした偏りがあるからだと言えます。

IT業界、どこでも起業できそうなイメージとは裏腹に「超」がつくほどの一極集中で、従業者の約60%が首都圏1都3県に住んでいる。

Togetter│なぜIT職は首都圏に一極集中するのか【6割が一都三県在住】

また、前述した「労働生産性」が高いことが情報通信業の特徴です。

技術力でシステムやサービスを一度作り出せば、原価はあまりかからずに売り続けることができるので利益率も高くなります。

国土交通省の調べでも、情報通信業は東京に偏っており、地方や田舎は労働生産性が低い業界が多く存在することがわかります。

労働生産性の業種分布
国土交通省│賃金、労働生産性の地域間格差

高い労働生産性と、高い成長率の産業がある東京と田舎ではこうした点から差がうまれているのです。

求人以外もヤバすぎる!田舎の未来

僕は田舎出身ですが、今は東京在住です。

九州に20年、東京に20年とちょうど半分ずつ住んだ経験があるので、客観的に田舎についてお話しができると思います。

国土交通省の調べによると、東京も地方も人口減少と高齢化を迎えることがわかります。

少子高齢化は日本全体の問題ですが、田舎や地方は総数が少なく、自治体など市区町村の機能を維持することが難しくなります。

地方の人口減少予測
PRESIDENT│東京以外は荒廃していく

実は田舎の問題は「人」だけではありません。インフラの50年問題というものをご存知でしょうか。

インフラの耐用年数は約50年とされており、日本にあるインフラの多くは1960年代に建てられたものが多くすでに50年を経過し始めています。

国土交通省の調べでは、2030年には橋の55%が「50年」を経過することがわかります。

インフラの劣化
国土交通省│社会資本の現状と将来予測
フユスケ

古い建物

ハルシバ

このままだと危険なんだ

このインフラの老朽化が何を意味するかというと、事故や災害の被害拡大につながる可能性を高めてしまいます。

老朽化が進めば、普段当たり前に生活で利用している、道路やトンネルでさえ事故が起こる可能性があるのです。

インフラの劣化といえば、やはり2012年に起きた笹子トンネル天井板落下事故が思い出される。9名が亡くなった痛ましい事故だが、実は同トンネルの完成は1975年。

シルト│2028年に橋梁の半数が耐用年数を超過 インフラ老朽化の背後に潜む「人材不足」

さらに、前述の人口減少が進むと、これらのインフラをメンテナンスできる「専門人材」も不足していくことがわかっています。

人口減少が起因しているものが多いのですが、インフラを維持するための「自治体」そのものも存続が危ぶまれています。

自治体がなくなれば、ごみ収集や手続きなど生活を維持する基盤を失うことになるのです。

元総務相の増田寛也氏によると、行政サービスなどが立ち行かなくなり896もの自治体が消滅する可能性があると言われています。

「このままでは全国896の地方自治体が消滅する可能性がある」――。そんな衝撃的な独自推計を含んだリポートを民間団体「日本創成会議」が公表したのは2014年5月。

読売新聞│「日本消滅」へ危機感、「増田リポート」の増田氏らが開いた記者会見…未曽有の人口減少にどう立ち向かうか

このまま何も変化がなければ、実際に自治体のない街が日本に増えていくかもしれません。

また、田舎の人口が減る原因に人口流出があります。

東京に有名企業へ就職できる大学が集中していたりすることも、田舎から人口が流出する原因の1つです。

僕もそうですが、せっかく働くなら稼ぎたいと考えています。

大企業に入社できる大学の分布
国土交通省│東京一極集中の是正方策

まとめると、地方や田舎は求人以外に深刻な問題を抱えています。

1つ言えることは、状況が好転する可能性は低いということです。

そういった状況を踏まえて、何を選択するかは僕たち個人に委ねられているということです。

何が正解かということではなく、自分がどうしたいかということが重要になります。

求人よりヤバい!田舎のキャリア形成

田舎のヤバい求人

ここまでは、データから読み取れる地方や田舎の深刻さをお伝えしてきました。

結論として、日本全体が少子高齢化でヤバい状況に向かっているのですが、地方はより早くその影響を受けることになることが予想できます。

その場に留まるかどうかは選択権があるので個人の自由ですが、僕は20歳の時に上京してからずっと東京にいます。

さて、ここからはこれまでお話ししてきた「求人」どころではないというお話しです。

キャリアコンサルタントでもある僕が、人事として15年かけて得た「キャリア」についての知見をお伝えします。

キャリア形成への影響

自分に向いてる仕事がわからない
優秀な人材との出会いや気づきがない
都会では通用しない田舎での職務経験

自分に向いてる仕事がわからない

田舎や地方で働くうえでのリスクは「向いてる仕事がわからない」ことです。

「やればできる」の精神でいけば、たいていの仕事はできます。

一方で人生という少し長めの時間軸で考えてみると、仕事の意味は変わってきます。

仕事が楽しければ人生は楽園だ 仕事が義務なら人生は牢獄だ

これはロシアの作家『マクシム・ゴーリキー』の言葉です。

僕が育った大分では、仕事について熱く語っている大人の姿を見たことがありませんでした。

ですから僕は仕事は苦痛を伴う義務なのだとずっと思い込んでいました。

フユスケ

仕事嫌だ

ハルシバ

楽しい仕事もあるよ

仕事は人生のうち「約30%」以上を占めるといわれています。

それだけ大きな割合を占める仕事が義務でしかなければ、引用したように牢獄にいるような状況です。

サービス業、土木や農業といった田舎に多い仕事に興味を持てなければかなり苦しいと思います。

一方で、都会に行けばそれ以外に選択肢はあるのが事実です。

僕も含めた田舎の子供は、大学を卒業した先にある「キャリア」についてあまり学べません。

教えてくれる大人もいなければ、ロールモデルになるような大人がいないのです。

僕には20歳くらい離れた弟がいます。

その弟は、記事でもお伝えしたような典型的なパターンを辿り、エンターテイメント業界を目指しています。

フユスケ

厳しい世界

ハルシバ

誰も教えられないんだよ

キャリア、つまり自分がどう「ありたいか」を叶えるには自分に向いた職種に出会う必要があります。

絶対とは言いませんが、向いていない職種は価値観が合っていないので、ありたい自分になれる可能性は低いです。

キャリアコンサルタントの世界には「計画的偶発性理論」という言葉があります。

スタンフォード大学の『ジョン・D・クランボルツ教授』により提唱された理論で、キャリアは偶然決まるというものです。

計画的偶発性理論によれば、キャリアの80%は偶然で決まると言われています。

計画的偶発性
厚生労働省|計画的偶発性理論

これは、8回転職した僕の経験上からもしっくりきます。

ナツル

これまでのキャリアは以下のようなものです

デザインは自分で決定
営業も自分で決定
人事は倒産という偶然で発見

僕がキャリアで1番長い15年続けている、人事の仕事は「偶然」見つかりました。

一方で東京という場所で、様々な職種を選べたことで人事という仕事に「気づけた」のだと思います。

今ではやりがいを感じながら、自分の目指している方向に進んでいる感覚があります。

地元の大分では僕の場合は、人事というキャリアにたどり着くことはできなかったと考えています。

まとめると、田舎の限られた仕事だけでは、仕事の向き不向きを判断することはできないということです。

優秀な人材との出会いや気づきがない

優秀な人材との出会いは、人生を大きく変えます。

田舎にも優秀な人材はもちろんいますが、人口自体が少ないので出会える確率は低くなります。

僕自身は優秀な人材と東京で出会えたことで、自分がどうありたいかという気づきを得ることができました。

上司も含めて優秀な人材から受ける影響は、とても大きいものがあります。

ライズ・スクエア社の調べでは、尊敬できる上司がいる割合は50%となっています。

尊敬できる上司
ライズ・スクエア|尊敬できる上司とできない上司の特徴

調査の対象が全国なので、田舎も含めて約半分の人は尊敬できるような上司がいないようです。

東京なら転職で優秀な人との出会いの確率を上げることもできますが、田舎では求人も少なく限定的になります。

僕がMBAを学んだ大学院学長は、元マッキンゼー社長の『大前研一』氏でした。

大前研一氏が教えてくれた「人が変わる3つの条件」があります。

ナツル

それはこちらです

住む場所を変える
時間配分を変える
付き合う人を変える

自分を変える方法の2つ目は「住む場所を変える」。住む場所を変えるだけで、随分視点が変わってくる。たとえば同じ中央線沿線でも高級住宅街の国立と個性的な商店がひしめく高円寺では雰囲気が全然違う。

PRESIDENT|大前流「自分を変革する」3つの方法

僕は社会人を20年やっていますが、この3つの条件は真理をついていると思います。

「住む場所を変える」は、引用の内容のように東京都内での移動でも大きな影響があります。

これが田舎から東京という変化であれば、「付き合う人」も変わることになるので影響は想像以上です。

これを教えてくれた大前研一氏は、僕の尊敬する優秀な人材の1人です。

今の僕の価値観に大きな影響を与えており、勝手に心の中に「上司」として存在してもらっています。

別に優秀な人材は、上司に限る必要はありません。

大前研一氏が生きているうちにMBAを学び、会って話を聞こうと考えて入学しました。

尊敬できる優秀な人材は本でも探せますし、心の中に存在をつくることもできます。

都会であれば僕のように、本で大前研一氏を見つけて自ら出会うという行動も可能です。

一方で田舎はこういった出会う機会自体が限られているので、著名人含めてなかなか会うことはできません。

都会では通用しない田舎での職務経験

僕は「田舎の仕事経験」が東京で役立ったことはありません。

正直なところ仕事の量や質が、全く異なるという印象です。

デザインという仕事を例えにお話しします。

僕の場合は地方のデザイン会社で、1年経験を積んでから上京しました。

新卒ではあるものの1年間、社員と変わらないレベルで働いていたので即戦力になる自信もありました。

東京で僕を採用してくれたデザイン会社も、戦力と考えて採用してくれたのだと思います。

しかし実際の東京での実務を経験すると、仕事のレベルが全く異なっていて衝撃を受けたのを覚えています。

フユスケ

そんなに?

ハルシバ

冷や汗が出るほどだったよ

デザインの仕事の例ですが、例えば田舎は納品先が決まっている場合が多かったです。

デザインといっても広告チラシの仕事が多く、テンプレートに近い作業をすれば作業はできていました。

このように決まったデザイン作業を行う仕事は「DTPオペレーター」と言います。

デザイナーとして募集されて入社したので田舎で仕事をしていた時は気づきませんでした。

DTPオペレーターはDTPルールに則り、文字詰めやレイアウト調整を行って印刷物を出力できる形に仕上げるのが仕事となります。

KENスクール|DTPデザイナーとの違い

一方で東京での仕事は「DTPデザイナー」という、本当のデザインの仕事だったのです。

田舎でデザインの経験を積んだと、思い込んでいた僕は東京の仕事のレベルに衝撃を受けました。

一切経験が使えないのです。

デザインという大きなカテゴリーでは同じですが、仕事に求められるセンスや品質が全く異なっていました。

結果的に上司から「使えないやつ」扱いされてダンボールを蹴られたことがあるくらいです。

なんとかその状況から脱却するために僕は必死で経験を積むことにしたのです。

上京でわかった田舎に縛られない方法

田舎のヤバい求人

ここまでは、田舎のキャリア形成についてお話ししてきました。

職業の選択肢が狭い田舎で働く場合は、自分が何に向いているかがわからない可能性があります。

ここからは田舎の制約に縛られないためには、どうすればよいかという対処法をお伝えします。

田舎に縛られない方法

メリットあり!選択肢としての地方
人事が教えるキャリアアップする方法
地方から上京するためにやるべきこと

メリットあり!選択肢としての地方

この記事では田舎の求人のヤバさをお伝えしてきました。

一方で田舎には田舎のメリットがあります。

満員電車ない
生活コストが低い
実家で暮らせる

自ら田舎で働くという、選択肢についての情報をまとめたのでお伝えします。

カケハシスカイソリューションズの調べでは、地方移住に関心がある人は約45%と過去に比べて増えていることがわかります。

地方移住に憧れる東京都民がいることは事実です。

地方移住への関心度
カケハシスカイソリューションズ|地方への移住・転職に関するアンケート調査

Uターンなどで都会で仕事をしていて、そのままの仕事で田舎の支店や地方に移住するメリットはあります。

都会の給与水準を維持しながら、生活費が比較的低い田舎で生活することができます。

大手総合コンサルティングファームのアクセンチュアでは、2022年8月に日本全国どこに住んでいても勤務できる「ロケーション フレキシビリティ制度」を導入。

BUSINESS INSIDER|働き方
フユスケ

生活がしやすそう

ハルシバ

給与が高ければいいよね

マイナビ社の調べでは、都会から田舎に移住した人の中で、転職をしていない人が「約50%」いることがわかります。

半分の人が移住前の仕事を維持しながら、働いているということになります。

地方移住の転職
マイナビ|地方移住者の実態

一方で田舎でも、高待遇が期待できる仕事も存在します。

田舎から出ずにそのまま高待遇の会社で働けば、安定して暮らすことはできます。

東京に本社がある会社
独占している市場がある
地方で勢いがある会社

コールセンターや製造業は、東京に本社を構えている場合があります。

その場合は東京の条件で地方で働くことができます。

また、数は少ないものの地方でも勢いのある会社はあるのでそういった会社も選択肢です。

九州なら知っている人も多い、小売り大手の「トライアルホールディングス」も勢いのある会社の1つです。

福岡市に本社を置くトライアルホールディングスは、とても大きな店舗に豊富な品揃えがあるスーパーセンターを経営しています。

まとめ買いができる倉庫スタイルの「スーパーセンター」から「トライアルGO」と呼ばれる小型のコンビニエンスストアまで多岐にわたる。同社の2023年6月期の売上高は前年比9.7%増の6531億円で、純利益は13.2%増の1252億円だった。

Forbes|福岡の小売「トライアル」創業者、株価上昇でビリオネアに

トライアルホールディングスの上場時に、創業者は「ビリオネア」になったと話題になりました。

求人に記載のある「年収1000万円」という、高待遇も現実味があります。

この会社、実は地元の知人が働いています。

大学卒業後にそのまま働いているので辞めていなければ、10年以上は勤めていることになります。

地元にあるスーパーで年収1000万円が実現できるなら、かなり魅力的だと思います。

まとめると、東都会の条件を維持したまま働いたり、田舎でも勢いのある会社を選べばキャリアには大きくプラスです。

人事が教えるキャリアアップする方法

田舎で求人がヤバいと感じていたらここを読んでください。

僕は、8回の転職と15年の人事経験を持っています。

さらに上京して20年、東京でキャリアを積み上げることに努力をしてきました。

その経験の中から得た知見をお伝えします。

まずキャリアアップしていくには、自分に合う仕事を探していく必要があります。

田舎で求人探しというと、ハローワークで探すという人が多いと思います。

しかし、ハローワークは無料掲載できるので、採用にお金をかけたくない会社の求人が集まっている可能性が高いです。

できれば『リクナビNEXT』などの求人メディアで探すことをおすすめします。

採用コストを削って採用する会社の多くは、資金が潤沢にありません。

そういった会社は人事担当もいないので、人事制度がないかあっても古いままで社長の裁量で決まる可能性があります。

結果的に転職したとしても、理想とするような昇進は期待できないのです。

フユスケ

人事重要

ハルシバ

いないと人事制度が古いよ

また、安く採用して安く働かせるというような、ブラック企業を避けることは転職するうえで重要なポイントです。

そして田舎での転職や、田舎から出るための転職をするためには人材エージェントが重要です。

転職は1人で進めてしまうと、思い込みにより失敗する可能性があるからです。

3社くらいの人材エージェントを併用することで、自分でも気付けない可能性を示してくれる場合もあるのでおすすめです。

最後に、田舎にいながらスキルを高める方法としては、ITスキルを身につけることです。

Webライティング
Webマーケティング
Webデザイン

すべてに「Web」がつくように、インターネットを使ったビジネススキルは場所を選びません。

また、市場の成長という点でも魅力はあります。総務省の調べでは、広告の中で唯一伸び続けているのはWeb広告だけです。

伸びるWeb広告の市場
総務省|広告

キャリアアップするために重要な視点として、伸びる市場に身を置くという点が重要になります。

しかも現代では動画などで地方でもWeb広告に関するスキルを身につけることができます。

例えば、こういったブログ記事を書くことでも、関連するスキルを身につけることが可能です。

リスクを取らずに、田舎から実績を積み上げて上京するといったこともできます。

何も考えずに年齢を重ねると、上京や田舎から出る機会も減ってしまいます。

自分の目指したい姿を考えることをおすすめします。

地方から上京するためにやるべきこと

上京にはハードルがあるのは事実です。

僕が実際に上京した時の経験から、上京の仕方をお伝えします。

まずは貯金です。東京で半年は生活ができるように貯金をしておくことです。

賃貸物件も借りないといけないので、初期費用も合わせて準備します。

東京での就職活動をしてすぐに決まるわけではないので、一定期間就職活動に専念できるようにすることが重要です。

当時の僕は2ヶ月分の貯金しかありませんでした。

1ヶ月でデザイン会社に内定をもらえたので良かったのですが、落ちていたら九州に戻っています。

フユスケ

無計画すぎる

ハルシバ

勢いってこわいよね

また、田舎で事前にできることは『リクナビNEXT』などで事前に転職活動を進めることです。

ナツル

おすすめは以下のサイトです

リクナビNEXT
ビズリーチ
Wantedly

リクナビNEXTは求人を探すために登録しておき、興味のある会社には応募していきます。

今はリモートでの面接も多いので選考を進めることは可能です。

またビズリーチやWantedlyはスカウトを待つことと、カジュアル面談を目的に登録します。

カジュアル面談とは面接ではなく、雑談して会社と求職者が情報交換する場です。

カジュアル面談ができればいろいろな情報が聞けますし、面接に進むかも選べるのでおすすめです。

またスカウトが届くサービスなので、自分が知らない会社から声がかかる可能性があります。

フユスケ

あの会社が!

ハルシバ

僕も週何通かは届くよ

このような準備をして内定が決まれば、安定した上京が実現できるのです。

地方で内定が取れない場合は、経験やスキルが不足していることが考えられます。

その場合は、人材エージェントに相談しつつ自分に合った求人を探したり、現職で必要な経験を積む必要があります。

絶対僕のように出たとこ勝負で動くべきではありません。

職場監視
【無料】おすすめの転職サービス3種

田舎の求人についてよくある質問

田舎のヤバい求人
田舎は社会保険完備していない会社ばかりなのでしょうか?

社会保険完備をしていない会社は少ないです。社会保険を完備していない会社の求人はメリットがないので避けるべきです。

ハローワークとチラシ以外の求人を探す方法は田舎にはないのでしょうか?

田舎の会社には人事担当がいないことが多くハローワークに求人掲載することが多いです。一方でリクナビNEXTなどであれば田舎の求人も探すことが可能です。

求人がなくて就職できずにフリーターっておかしいのでしょうか?

おかしくはありません。僕もそうですが就職氷河期世代は、不況のあおりで求人がなく、フリーターになるしかない人もいたのです。

田舎の現実を理解して行動するべき

最後まで読んでいただきありがとうございました!

フユスケ

ありがとうございます!

ハルシバ

どうもです!

田舎は人口や会社の数などさまざまな要因が絡み合って、求人がヤバくなっています。

自分の住むところは自分で決めることができます。

田舎を取り巻く環境を考えてどうするべきか考えてみることをおすすめします。

まとめます。

田舎は職種の選択肢が少ない
求人以外にも深刻な問題が多い
田舎でキャリアを築く方法を考える

田舎には田舎の良さがあるのは事実です。

問題はありますが、都会には都会の問題があります。

重要なことは田舎か都会かではなく「自分がどうありたいか」です。

なんとなく都会に行くと厳しい現実が待っています。

ぜひこの記事を通して、自分がどうありたいかを考え抜いてください。

この記事があなたの役に立っていれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

ハルシバのアバター ハルシバ MBA/国家資格キャリアコンサルタント/人事

これまで8回の転職をした現役の人事です。就職氷河期世代であり、ほぼすべてが超ブラック企業という過酷な環境を乗り越えてきました。

ついでに倒産や起業も経験しています。このブログではブラック企業の経験やMBA、国家資格キャリアコンサルタントを学んで社会人としてのブランディングに成功した経験をお伝えしていきます。

https://twitter.com/ten_keshi

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