給料を下げるとどうなるのかを知りたい
やりたいことを優先すべきか迷う
給料を下げてでも仕事から解放されたい
転職する時に給料を下げるか悩みますよね。僕も給料を下げて転職をした経験があるのでよくわかります。
条件が良くなる代わりに、給料を下げるという選択は、ある意味究極の選択です。
年収が下がる分、生活水準などの制約が増えたりするので簡単には決断できません。
一方で、僕は給料を下げた転職をした後に、給料を「上げた」経験があります。
僕自身8回の転職を経験していて、そのうち給料を下げる転職は3回経験しています。
一時的に下げはしたものの、現在では年収を数100万円アップできています。
頑張った
この記事の結論としては、給料を下げる転職は「あり」ということをお伝えしていきます。
僕の経験から、給料に固執すると失敗するという点も踏まえて、人事目線でアドバイスします。
僕自身も当時は悩んだ末の給料ダウンだったので、あなたの参考になれば幸いです。
またこの記事は、年収を下げる転職についての調査と編集を30時間以上かけて真剣に執筆しています。
ぜひ最後までお読みください!
【体験談】年収100万円下がる転職の話
はじめに僕の給料を下げた体験談をお伝えします。
給料は働く上で、一番と言っても過言ではないほど重要なものです。
この給料を下げる転職とは、どういうことになるのかをお話しできたらと思います。
【大公開】僕の年収の推移
給料が低くても転職した理由
結果的に年収を上げられた
【大公開】僕の年収の推移
僕は3回ほど年収を下げる転職をしました。
正直自分の意思とは違う事情で、給料を下げたことが2回あります。
1度目は倒産を経験した時
2度目は業界を変えた時
3度目は会社に騙された時
さすがに8回も転職をしていると、多少の給料の浮き沈みはあります。
しかし結果的に昇給することができて、当時よりも給料は増えていているのです。
ある程度の実績と言えるものとしては、年収700万円という数字です。
国税庁の調べによると年収700万円は「全体の4.4%」しかいないことがわかります。
年収700万円が高いというわけではなく、努力することで狭き門を突破してきた実績があることをお伝えしたいです。
ちなみに、こちらが僕のこれまでの年収の推移です。
地方出身や低学歴、就職氷河期などなど、あらゆる障害を乗り越えてきました。
新卒の頃から比較すると、約2倍の年収に到達することができたのは、自分でも良く頑張ったなと言いたいところです。
えらい
この記事を読んでいるあなたが気になっているのは、給料を下げると「将来どうなってしまうのか」という部分だと思います。
僕は望まない給料ダウンを経験していますが、それは僕が特殊な経験をしているというわけではありません。
実際会社の倒産は誰にでも起こりうるものですし、倒産まではいかなくても事業縮小や早期退職などリスクはあります。
さらに僕は、知り合いの会社役員に嘘をつかれて、入社した瞬間に年収を100万円下げられた経験があります。
本来は「年収は維持」という約束で入社したのですが、入社した瞬間見事に手のひら返しをされました。
当時LINEくらいしか証拠もなく、泣き寝入りするしかない状況だったのです。
この件については、信用していた人物だったので油断してしまい、口約束のまま入社を決めてしまった自分にも落ち度があります。
人間不信になった
そんな人いるんだ
この口約束というのは、僕のようにひどくなくても十分あり得ます。
1年くらいで昇給するといった言葉は信じてはいけません。
入社するときは都合のいいことを言うのは珍しいことではないからです。
必ず書面で確認するようにしましょう。
給料が低くても転職した理由
僕が自分の意思で年収を下げて転職したのは、起業に失敗した時です。
当時は起業するはずだったのですが、会社をおこすための資金が集まらず、メンバーはそれぞれ転職活動をすることになりました。
急に無職になる可能性が出てきたので、とても焦っていたのを覚えています。
緊急事態だよ
焦ってはいましたが、給料を下げるつもりはありませんでした。
元々の給料水準は維持したいと思っているので、できるだけ条件に見合う会社を探そうと求人を探してしまいます。
ただ、起業が失敗したということは、ほぼ無職と変わらない状況です。
転職活動ができる期間は長くても2ヶ月だったので、あまり選べる状況ではありませんでした。
この期間で決めなければ、貯金が底をつく可能性があったのです。
結果的に僕は期限に焦ってしまい「内定がゴール」の転職活動をしてしまうことになります。
本来転職活動は、納得できる材料が揃ってはじめて結論を出すべきです。
それなのに、僕は会社が「ある程度安定していること」くらいの雑な判断基準で選ぼうとしていました。
よくない
本当に反省してる
そして、内定が出た企業は100年以上続く長寿企業でした。
給料は下がるものの、雇用の安定と生涯働けるくらいの経営基盤の堅さに目がくらんだのを覚えています。
当時は「年収は少しずつ上げていけばいいや」くらい楽観的に考えていました。
しかし、僕は転職活動において大切な「自分の譲れないもの」を考えていませんでした。
その結果、仕事や企業文化が合わずに「9ヶ月」という短期間で辞めることになります。
僕が合わなかったのは「ワンマン社長のパワハラ」でした。
給料が下がることには耐えることができたのですが、給料以外の要素に耐えることができなかったのです。
残念ながら面接では本性は見抜けないので、こういう不確定要素が転職の怖いところです。
記事的には「給料下がったけど良かった」とお伝えしたいところですが、正直に僕の経験をお伝えしました。
こういうパターンもあるのだと気をつけてもらえればと思います。
結果的に年収を上げられた
僕は給料の浮き沈みは経験してきましたが、最終的には年収アップを実現することができました。
転職して給料を下げても年収を上げることができたのは、経験を売りにしてきたからです。
転職回数が多いだけなら、「ジョブホッパー」扱いを受けて本来は年収が下がります。
しかし、僕はデザインと営業を経験して「人事」になり転職を重ねてきたことで、会社からすると「豊富な経験」という評価になります。
最初から人事を目指してキャリアを描いていたわけではありません。
様々な職種を経験する中で、自分の価値観や大事にするべきポイントがわかったから選ぶことができたのです。
たまたまそうなったの?
ここは計画していない
ここで重要なことが1つあります。
仕事は経験しない限り、わからないということです。
何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、本当のことです。
そのため、給料を軸に転職をする場合は「同じ仕事」を選ぶことがほとんどだと思います。
その場合の人生は、どんな仕事が自分に合うかわからないままということになります。
僕はたまたま、この「仕事をやってみる」という経験を積むことができたので、自分に合う「人事」という仕事を見つけることができたのです。
転職が当たり前になった今なお、「短期間で転職を繰り返す“ジョブホッパー”はよくない」という声は根強い。しかし、20代で3社以上の転職経験を持つ3人に話を聞いてみると、「転職を繰り返してキャリアップに成功」していることがわかった。
type|20代で3回以上転職した3人の体験談を、転職のプロが解説! 成功者に「ジョブホッパー」は多いけれど……?
デザインの仕事をしている時は、ハードワークが割に合わないと感じていましたし、営業の時は、数字のノルマが厳しく息が詰まるような感覚が嫌だと感じていました。
これらは経験したからわかることであって、経験しない限りは合うか合わないかはわかりません。
一方で二つの職種を経験して、人事の仕事に就いてからは、軸をブラさずに15年の経験を積み上げてきました。
給料を最終的に上げられたのは、自分のキャリアプランを意識して努力をしたからだと思います。
転職経験を積むなら異業種
MBAをとり経営もわかる人事
キャリアコンサルタント資格あり
現在はこれらに加えて、ウェブマーケティングのスキルを習得している最中です。
「こういう人材が欲しいだろうな」という逆算から、資格や経験を積むようにすることが重要だと思います。
また、一番大切なのは、自分が「やってみたい」と思える仕事に触れることです。
そしてその仕事が合ったなら、現在は給料が低くても周囲との差別化を意識して努力することで年収は上がっていきます。
転職して年収がダウンしても幸せな理由
ここまでは僕が給料を下げて転職した経験をお伝えしました。
自分の意思で下げるパターンと、アクシデントで下がるパターンどちらも経験しているのは希少だと思います。
ここからは年収がダウンしても幸せと言える理由をお伝えします。
やりたい仕事ができる
ハードワークからの解放
人間関係からの解放
やりたい仕事ができる
やりたい仕事ができるのであれば、年収を下げる価値はあります。
人生の大半は仕事の時間なので、その仕事をやりたいことに変えられるなら人生の充実度が数段上がります。
もし現在の仕事ではなく、「やりたい」と強く思える仕事があるならチャレンジする価値は十分にあります。
もちろん年収が下がることにより制約は増えるため、これまで通りの生活は難しいかもしれませんが、やりたい仕事ができる充実感が上回るはずです。
実際僕も倒産をきっかけに人事になり、年収が下がりましたがやりたい事ができている充実感のほうが上回っていました。
正直年収下げて正解
それは羨ましいかも
営業で多少高い年収を貰っていましたが、やりたい仕事ではなかったので充実しているとは言えない状況でした。
しかし年収を下げて人事にキャリアを変えたことで、「自分の関心」と「仕事の内容」が重なりやりがいや充実度は大きく上回ったのです。
当時僕は、「このまま営業を続けていたらどうなるか」をよく想像していました。
部下をマネジメントすることになって年収が上がっても、結局は「数字、数字」の世界なので息苦しさからは抜け出せないのではと不安がありました。
そのため、ずっと続けたい仕事とは思ってはいませんでした。
好きではないものを知ると、好きなものが見えてきます。僕は営業の仕事の中でも人が喜んだり、成長する姿が好きでした。
こういう部分に貢献できる仕事ができたら楽しそうだなと思って、興味の幅が広がっていったのを覚えています。
いろいろ調べていくうちに、やりたい仕事に「人事」という選択肢が見つかったのです。
エン・ジャパンの調べによると転職活動をする人の中で、「やりたいこと」がある人は32%となっています。
これだけ多くの人がやりたいことがわからないのが現実です。
実際、人事として面接をしていても「本当にやりたいこと」を見つけている人に出会う確率と近いと感じます。
一方ですでに、やりたいことがある場合は、その仕事を選ぶことができる状態です。
もし年収を下げることでやりたい仕事に就ける可能性があるのであれば、前向きに検討してみることをおすすめします。
ハードワークからの解放
年収を下げる理由の1つに、ハードワークから解放されたいという切実な想いがあります。
僕もブラック企業やデザイン業界で経験がありますが、無理は長続きしないものです。
経験を積むなどの目的がある場合は、短期的であれば頑張ることはできます。
一方で職種的にハードワークが日常の場合は、職種を変えない限りハードワークから解放されることはありません。
疲れちゃうよ
仕事で決まってる
転職会議の調べによると、大手広告代理店の退職理由1位は「ハードワーク」になっています。
キラキラしている広告代理店の仕事は、ハードワークから成り立っているのです。
例にあげた大手広告代理店もそうですがハードワークになりやすい仕事には特徴があります。
期日がつきものの仕事
関係者が多い
薄利多売
こういった特徴のある仕事は、一言で言うと「自分でコントロールができない部分」が多いのです。
ハードワークの場合、文字通り働く時間が長くなります。
ブラックだよ
給料が上がったとしても、お金を使う時間がないので充実感が増えることはありません。
また、家族がいる場合は、家族との時間を犠牲にして仕事をすることになります。
給料が下がったとしても、ハードワークから解放されれば自由な時間が増えます。
ライフワークバランスがとれて、自分や家族との時間が増えれば幸福度や充実感は高まるのです。
実際に僕は営業から人事という事務職に変更したことで、数字を追うというハードワークから解放されました。
給料は下がりましたが、自分の時間が増えたので副業をはじめる余裕が生まれました。
給料だけにこだわり続けてハードワークを続けていたら気づけなかった視点だと思います。
人間関係からの解放
会社の仕事は1人ではできません。
そのため、一緒に仕事をする仲間との相性が合わなければ、大きなストレスを抱えることになります。
人事業界では「退職理由は職場の半径10m以内にある」と言われているくらいです。
実際退職理由の本音は、人間関係が常に上位を占めています。
AlbaLink社の調べでは、入社1年以内に退職した理由の1位が「人間関係」になっています。
そんなに人間関係いやなの?
相性が合わないと最悪だよ
僕も人間関係が悪いことが原因で退職したことがあります。
僕の場合は人事なので、同僚というより一緒に仕事をする経営者との相性問題が多かったです。
人間関係が原因で、職場にどうしても居られなくなった場合は給料を下げてでも転職することを考えることになります。
もちろん給料を維持できるのであれば、そのほうがいいのですがそれができない場合のパターンです。
給料を下げることは勇気がいるのですが、人間関係は一度こじれると修復は難しいのが会社です。
特に採用に失敗してモンスター社員を雇ってしまったり、お局や派閥問題のある職場の場合は改善は期待できません。
新しい職場に行けば人間関係はリセットできますし、前職の経験をいかすことで、同じトラブルを避けることも可能です。
ビズヒッツ社の調べでは、転職後の良かったことの上位に「人間関係」の改善があります。
人間関係が良くなるということは、日常のコミュニケーションが改善されるということです。
のびのびと仕事ができるようになったり、上司と良好な関係を築くことができれば評価も後からついてくるものです。
僕はブラック企業時代に「アンチ」と言われ、役員から嫌われていていたので人間関係は最悪でした。
そんな職場でいくら頑張っても、評価されることはありませんでした。
かわいそう
よく耐えたと思うよ
一方で給料を下げて、相性の合う会社へ転職をした途端に評価されました。
文化や人との相性が良いので、コミュニケーションもスムーズになるという好循環を経験しました。
現在は、給料よりも「人間関係」を重視するのが、僕の転職軸です。
まずエージェントに相談する時も、「相性の合う人」がいる会社を探していると伝えているくらいです。
転職で給料は上がるものではない
ここまでは、給料を下げて転職をしても幸せな理由をお伝えしました。
結論から言うと、給料が全てではないということです。
給料はもちろん重要ですが、仕事というのはやりがいや、人間関係、将来の目標など様々な要素が複雑に絡み合っているのです。
給料を下げても他の要素が満たされれば、相対的に幸せになる可能性は十分にあります。
ここからは年収アップは実は難しいということをお伝えしていきます。
年収アップできないの?
現実は厳しいんだ
【実態】年収は上がりにくい
年収の上げすぎは早期離職に
【要注意】隠れ年収ダウンとは
【実態】年収は上がりにくい
転職で年収は上げにくいです。
転職は「年収を上げるもの」というイメージが強いですが、実際にはそう簡単ではないのです。
年収は上がるものという感覚で転職活動をしていると、現実とのギャップに苦しむことになるかもしれません。
厚生労働省の調べによると、転職で年収が増加した人は約32%と多くありません。
10%以上の割合で年収が増加した人は21%と、更に少なくなります。
すくない
だいたいこの位だよ
厚生労働省の統計を見るだけでも、年収を上げる転職は多くないということがわかります。
また、多少調査の期間は違いますが、民間であるリクルート社の調べでも、10%以上増加した転職者は「約31%」と同程度の数字が示されています。
実際に僕も転職時に、年収が極端に上がった経験はありません。
統計が示すように、「10%程度」の年収が上がれば、かなり嬉しいものです。
仮に年収500万円の10%上げれば550万円となり、「50万円」の年収アップです。
しかし、会社側は保険料などの追加負担がありますので、約15%ほどの支出が上乗せされることになります。
500万円の人の年収アップの例をわかりやすくすると以下のようになります。
【10%アップした場合の金額】
本人:550万円/年
会社:635万円/年
このように、雇う側は従業員には見えない、税金などのコストが上乗せされるので年収アップには慎重になるのです。
一方で、doda社の調べでは年収が下がる人も約「31%」となっており、年収が上がる人と同程度いることがわかります。
会社の提示する金額に妥協すれば、年収は下がる可能性もあります。
実は、求人を出す「会社側」の内情をお伝えすると、提示できる年収には上限が必ずあるのです。
これは会社が出し惜しみしているわけではなく、以下のように様々な要因によって決まるものです。
職種の年収相場
既存従業員とのバランス
入社時の等級
本音はコストをかけて、バンバン採用したいと思っている会社がほとんどだと思います。
どうしても採用したいという場合は、年収を引き上げることもありますが、基本的には相場の範囲で収まります。
年収の上げすぎは早期離職に
年収には相場というものがあります。
年齢や経験によって年収の相場があるので、採用する会社側もそれに見合う金額で給料を設定します。
その相場からズレた、高い給料を出す仕事には注意する必要があるのです。
ハードワークになる可能性
マネジメントなど負担増加
高いノルマを課せられる
高収入をアピールしている求人の代表格は「営業職」です。
営業職は未経験からの転職が容易で、コミュニケーション能力が高ければ採用される可能性がある職種です。
一方、未経験の場合は、営業職にはどんな「ストレス源」が存在するか想像できません。
ノルマや上司からのプレッシャーで、精神にダメージを負って退職することは少なくないのです。
UZUZ社の調べでは、第二新卒の前職は営業職が多いことがわかります。
営業職は「利益」に直結するのでインセンティブなどが高く設定されていることが多いです。
実際に契約をもらえるようになるまでのハードルは決して低くはありません。
また、外資系企業の場合も給料が高い場合が多いです。
ただ外資系企業の場合は、高い成果を求められます。成果が出なければ「退職勧奨」をされるリスクがあります。
外資系企業が日本でリストラを行う際には、多くの場合「解雇」ではなく、「退職勧奨」の方法がとられています。退職勧奨とは、会社が従業員に対して任意に退職することを促す手続きです。
e-falcon|外資系企業は簡単に解雇できる? NG? 日本におけるリストラの実態を弁護士が解説
高い年収を魅力に感じて転職しても、合わない仕事を選んでしまうことは早期離職につながります。
ちなみに僕は年収が上がった転職の中に、「マネージャー職」がありました。
いわゆる管理職ですが、マネージャーは部下の管理が半分くらい占めるので、自分のやりたいことができなくなります。
僕は中年の女性をマネジメントする仕事がストレスだったのです。
多少年収が上がっても、マネジメントのストレスが増えたことで相殺されたような気持ちになったのを覚えています。
【要注意】隠れ年収ダウンとは
年収を上げたつもりが、実際は下がってるというケースがあります。
年収が少し上がったくらいだと、内訳の変化ですぐに前職を下回る可能性があるのです。
年収が下がってしまう原因はいろいろありますが、代表的なものはこちらです。
みなし残業がある
変動給比率が高い
長時間労働になる
1つずつ見ていきましょう。
みなし残業とは「固定残業制」と言われるもので、給料の総額に一定の残業代が含まれているものです。
一般的に多いのは、「45時間分」の残業が含まれているケースです。
僕の働いている会社もみなし残業を導入しているので、45時間まで残業しても追加で支払われることはありません。
前職が1分単位で残業代を支払う会社だった場合、同じ時間働いても大きく収入が減る可能性があります。
それは嫌すぎる
結構みなし残業は多い
また、変動給比率が高いというのは、「賞与」や「残業代」の比率が高くなることを言います。
そもそも賞与は基本的に払う必要はない性質なので、いつ打ち切られてもおかしくないというリスクがあります。
また残業代が1分単位で支給されるとしても、残業代を見込んだ総額だった場合、その分は残業しなければならなくなるのです。
僕はこの変動給比率が高い条件で、内定をもらったことがあります。
年収は一見高くなっていたのですが、残業を「30時間すること」が前提の提示額だったことに驚きました。
さらに賞与の比率も高くなっていたので、リスクやデメリットが高すぎて辞退しました。
みなし残業のほうがマシ
残業したくないよね
最後の長時間労働については、ご想像のとおり時間が長くなれば「時給単価」が低くなります。
年収アップというと聞こえはいいですが、長時間労働になれば時間あたりの給与は下がります。
労働というのは時間を切り売りしているので、この時給単価が下がると総合的に見れば収入は下がっているということになります。
副業できる時間など、お金を生み出すための時間がなくなっているからです。
長時間労働になって自由に使える時間が減る場合は、年収アップしたと言うことは無理があるかもしれません。
一方で自由な時間が増えれば、副業やスキルアップが可能です。
年収や給料総額だけに捉われず、時間あたりの給料に目を向けることをおすすめします。
人事が教える給料が昇給する仕組み
ここまでは転職時の給料についてお話ししました。
いくら給料を下げる転職をしたとしても、ずっとそのままというわけにはいきません。
ここからは、給料を下げたとしても、その後どうやったら昇給していくのかについて、人事目線でお伝えします。
会社任せにしていると、「ずっと給料が変わらない」ということもありますので読んでみてください!
一度年収を下げると上がりにくい
評価制度に昇給の鍵がある!
入社前に知るべき重要項目
一度年収を下げると上がりにくい
身も蓋もない話ですが、給料は一度下げると上げにくくなります。
転職時に考慮されるのは、「前職の給料水準」だからです。
正直なところ、一度下げた年収を元に戻すことは大変です。
そのため、転職活動を焦って「給料を下げた」内定を承諾してしまうと、後から後悔することになるのです。
早く内定欲しい
甘く見たらダメ
仮に転職先の企業で昇給が見込めなければ、次に転職をすることになった場合は下がった年収がスタートラインになってしまいます。
500万円の年収を10%下げた場合、約50万円の減額です。
月額で計算すると約4万円なので、1年の昇給が1万円だった場合でも元に戻るまでには「4年」も必要になります。
経団連の調べでは、定期昇給がある会社の平均は約6,000円です。
人事制度を設計している僕から見ても、だいたいの相場のイメージと近いです。
ずば抜けた成果でも出さない限り、昇給は5,000円から20,000円の間に収まります。
業界にもよりますが、利益率の低い飲食業界だと1年頑張って「数千円」ということもありました。
「昇給するから大丈夫ですよ」という言葉を、鵜呑みにしないようにしたほうがいいのは、この昇給額は限度があるからです。
その限度を決めているのが、「等級制度」という会社の人事制度です。
この等級を上げていくことを昇給というのですが、いきなり年収を上げてしまうとすぐに天井に届いてしまい、制度が破綻してしまいます。
そのため、少しずつ昇給していくことになるのです。
下げても元に戻せばいいと、安易に考えてしまうと痛い目を見るかもしれません。
どのくらいで元に戻せるかを理解して納得した上で、給料を下げた転職をするべきです。
評価制度に昇給の鍵がある!
人事制度は僕の本業ですが、「評価制度」が昇給の鍵です。
評価制度はどうやったら昇給させるかをルールにしたものだからです。
逆に評価制度がない会社は、社長の感覚で決めていることがほとんどです。
中小企業診断協会の調べでは、評価制度がある会社の割合は約50%と半数程度となっています。
極論ですが、評価制度がなくても会社は経営できます。
例え昇給しなくても、払うべき給料を払えば何も問題はないからです。
一方で従業員には転職という選択肢があります。嫌なら出ていけばいいのです。
会社が面倒な評価制度をわざわざ設計して、コストをかけて運用する意味はこうした離職を抑える目的が含まれています。
また従業員にどうなって欲しいかという、会社の「願い」も込められているのが評価制度です。
従業員のこと考えてる
制度つくるの大変だよ
給料を下げて転職する場合に確認するべきポイントは、評価制度の有無と内容です。
何を評価するのかを把握できれば、自分が入社後に昇給することができるのかどうかを、シミュレーションが可能です。
「身についた能力」を評価される場合は、実績をコツコツ積み上げていけば評価されるので年功序列のような評価を期待できます。
また、「成果」が評価対象だった場合は、具体的にどういったものが成果として評価されているか聞くことをおすすめします。
成果をおおまかに確認する方法は、「あなたへの期待値」を聞くことです。
基本的にどんな仕事であれ、採用する職種には期待値が設定されています。
成果が評価対象ならばその「期待値」を超える結果を出せれば、高い評価を受けることができるはずです。
入社前に知るべき重要項目
給料を下げる転職をする時に確認すべきポイントがあります。
それは給料を上げられる可能性についてです。
前項の評価制度もその1つですが、確認したほうがいいポイントはそれ以外にも複数あります。
平均残業時間
副業可能かどうか
年間の昇給率
大前提として拘束時間の長さを確認するべきです。
残業が多ければ、給料をわざわざ下げてまで転職する意味がなくなります。
飲食業界のように、構造的に給料が低くても、残業が多い業界もあるので注意が必要です。
残業時間が長ければ残業代を稼ぐという発想もできますが、時間を切り売りするだけになるのでおすすめできません。
また自由に使える時間が減るので、将来的なスキルアップや副業といった収入を増やす種をまくことができなくなります。
給料を下げた転職でも自由な時間があれば、副業ができるのでトータルで年収をアップさせることも可能です。
副業については曖昧にしている会社が多く、聞かないと教えてくれません。
せっかく給料を下げて、自由な時間がある会社に入っても副業が禁止されていると収入を増やす手段が限られてしまいます。
就業規則で禁止されていることをすると、解雇とまではいかなくてもペナルティを受ける可能性があるので注意が必要になります。
そのため、副業の可否と、残業時間の確認は必ず行うべきです。
副業したい
確認するべきだよ
最後に昇給率については、文字通り昇給する割合です。
実はこの昇給率は会社ごとに定められており、上限が決まっていることがほとんどです。
厚生労働省の調べでは、直近の昇給率平均は2.1%となっていることがわかります。
ここ数年を見ても大きな変化はなく、5年の平均は約1.5%程度です。
つまり500万円の年収だった場合、75,000円の昇給になり月あたりは6,250円です。
昇給率は教えてくれる企業とそうでない企業がありますが、聞けるなら聞くべき項目です。
この数字で昇給させている会社かどうかを、判断することができるからです。
僕は必ず聞くようにしています。確認するためのテクニックとしては、内定を貰ったあとに聞くことをおすすめします。
僕の経験した会社では昇給率が1%未満のところもありました。この場合いくら頑張っても昇給は微々たるものになるのです。
転職後年収が下がることに後悔しない方法
ここまでは、給料を下げる転職をする場合に確認すべきポイントをお伝えしました。
単純に給料を下げるだけではなく、下げた後に上げられるかが重要です。
ここからは、年収を下げる転職をしても後悔しない方法をお伝えしていきます。
僕自身8回の転職と給料を下げる経験をすることで得た気付きをまとめましたので、参考にしてみてください。
正直居心地のいい会社が一番
キャリアプランを描く重要性
求人票には大切なことは書いていない
正直居心地のいい会社が一番
会社を選ぶ基準は本当に複雑です。
本記事のように「給料」という判断基準以外にも、本当に多くの選択肢があります。
その中で、合理的に会社を選ぶことは、正直経験を積んだ僕でも難しいものです。
わからないものなの?
正解はないからね
これが正解という基準はないのですが、20年の経験で僕が見つけた会社を選ぶ基準は「居心地の良さ」です。
仕事は、人生の中の時間を「30%」近くも使うと言われています。
瞬間的に条件が良くても、健康面やプライベートのバランスが取れなければ長く働くことはできません。
長く働くために重要な居心地の良さとは、ずばり「人間関係の良さ」です。
僕たちは、知らないうちに仕事やプライベートで「自分」を使い分けています。
「素の自分」でいられる場所は少なく、自分をさらけ出すことができる空間は限られてしまうのです。
一方で人間関係がよく、自然なコミュニケーションができる職場であれば、少しずつ「素の自分」をさらけ出すことができるようになります。
素の自分を出せるようになると、単純に仕事がしやすくなります。
少し別の言い方をすると、相手を「同じ人間」だと思って接することができるような職場です。
「社長」や「部長」といった役職は会社における記号でしかありません、それを度外視したときにその人と自然なコミュニケーションができるかが重要だと思います。
同じ人間同士と感じられる相手であれば、安心することができるので「素の自分」を出せる可能性が高まります。
気持ちが楽だね
本当にこれが重要
自分で言うのもおかしいですが、僕は仕事では「高いパフォーマンス」を発揮できます。
営業や人事など職種を変えても、実績を出してマネージャーに昇格するなど一定の評価をされてきました。
しかし、相手が怖い人だと萎縮してしまい、本来の能力を発揮することができなくなることがこれまでの経験でわかりました。
自然に話せる相手であれば、自分の能力を最大限発揮できるので、僕は居心地の良さという点を判断基準にしています。
いくら給料が上がったとしても、サイコパスな上司やハードワークのせいで、年収アップのメリットはほとんど相殺されることがわかっているからです。
転職するときに「給料を下げてでも転職したい」と思うのであれば、面接の時に「自然に話すことができるか」を確認してみてください。
僕は最終面接まで一貫して、この「自然と話せるか」ということを確認し続けています。
相手にも伝えてるよ
緊張しないって大事
人間関係や人との相性を面接で見抜くことは難しいですが、面接の印象は実際そのまま「仕事で打ち合わせをしている場面」につながります。
面接には多少の慣れも必要ですが、面接の時に怖くて自然と話せない場合は要注意です。
自分にとっては相性が悪いのかもしれないということを、頭のすみに置いておくことをおすすめします。
キャリアプランを描く重要性
給料を下げる転職をする場合だけに限らず、おおまかなキャリアの計画を立てることは重要です。
無計画に給料を下げると、後悔だけが残ることになるからです。
そこで重要になるのが「キャリアプラン」という考え方ですが、キャリアプランとは、将来のありたい自分を実現させるための計画です。
給料を下げる転職は、「逃げ」の転職でも一時的であれば問題ありません。
仕事が嫌だったり、ハードワークで疲れていたり、給料を下げてでも転職したいという強い思いは譲れないものだと思います。
嫌なものは嫌
めちゃわかるよ
ただ、いずれは給料を上げたいと思っている人が多いと思います。
その場合にはキャリアプランを明確にする必要があるのです。
キャリアプランを描くには、なりたい自分と今の自分のギャップを確認するところがスタートラインです。
給料を下げる転職をした会社で、昇給するために頑張るのか、その次の会社を見据えていくのかで、選ぶ会社自体が異なるのです。
僕のおすすめは3年から5年をめどに経験を積んで、自分の価値を高めてから転職することです。
長く同じ会社にいてもいいですが、下げた分を取り戻したくらいの年収に到達できれば転職先の選択肢も増えています。
元の年収に到達したら再スタートが可能になります。
基本的に年収は少しずつ上がるので、この上がる分を見込んでおくことがポイントです。
そのまま居続けるのか、それとも転職するのかで過ごし方が違います。
せっかく給料を下げるなら、そのデメリットと引き換えに自分の市場価値を高める経験を積める会社を選ぶことをおすすめします。
僕は営業だけで食べていくのは難しいと考えて、事務職で食べていける経験が積める会社を選んで給料を下げました。
結果的に人事という仕事になりましたが、きっかけは「営業を続けなくてもいい」キャリアプランを考えたからです。
当時営業職から逃げるためなら、なんでもいいという考えだったら今の僕のキャリアは描けていません。
求人票には大切なことは書いていない
求人票の情報には、大切なことが書いていません。
少し何を言っているかわかりにくいと思いますが、僕たちが会社を選ぶ時に確認できる求人票にはモチベーションにつながる情報は少ないのです。
「給料はモチベーションになるのでは」という意見が聞こえてきますが、給料はモチベーションにはなりにくい要素なのです。
モチベーションとは、人が目標や対象・方向に向かって行動を起こす、それを維持するための原動力・動機・やる気となるような目的やきっかけを意味する表現です。ビジネスの世界では「仕事への意欲」を指し、社員のモチベーションを引き出すことは「動機づけ」と呼ばれています。
スタッフサービス|モチベーションとは? 意味や上げるメリット、方法をわかりやすく紹介
モチベーションとは「動機づけ」という意味ですが、この動機づけには二種類あります。
ハーズバーグの二要因理論と言われており、「衛生要因」と「動機づけ要因」に分けることができます。
むずかしそう
結構簡単だよ
簡単にいうと求人票で確認できる「給料」や「職場環境」は動機づけにはなりにくいのです。
給料は衛生要因に分類されますが、衛生要因とは「あって当たり前」のもので、満たされないと不満を招きます。
給料面が満たされてもやる気にはなりにくいのです。
高い給料を得ても幸せを感じられない人がいるのは、自分で時間をコントロールできなくなっているからかもしれません。
一昔前に比べて、現代人は自分の時間をコントロールできなくなっている。そして時間を好きに使えないことは、幸福度に大きな影響を与える。だから、かつてないほど豊かになった人々が、あまり幸せを感じていないのも無理はない。
DAIAMOND|「給料が高いから」という理由で仕事を選んだ人の“悲惨な末路”とは?
僕も他人に自由を奪われることが一番嫌いです。これはマネジメントが嫌いになった理由の1つでもあります。
自分が何に動機づけられやる気を感じるかを知っておくことは重要です。
一方で「成長」や「評価」は動機づけ要因とされており、これらがやる気を上げるきっかけになりやすいのです。
周りから評価され、なりたい自分に近づいているという実感は充実感を感じることができるものです。
給料などの求人票の情報で決めてしまうと、仕事そのものにやる気を感じにくくなってしまう危険性があります。
本記事でお伝えしてきたように、「給料を下げる」ことは重要な意思決定ですが、働く上で重要な要素は他にもあります。
あなたが「どうなりたいか」、「仕事から何を得たいか」という観点から転職軸を考えることが重要です。
転職軸を定めることで、給料を下げても満足のいく転職を実現できるようになるのです。
僕が求人票できちんと確認する項目はこれだけです。
会社概要
事業内容
仕事内容
何を武器(技術や製品)に戦っている会社なのかを確認して、共感できるかどうかをまずは見ます。
その中でどういう困り事があるのかを確認して、仕事内容で自分が役に立てるかで選考を受けるか決めます。
正直、武器が弱ければその段階で、選考対象からは外してしまいます。
なぜならワクワクしないからです。
基本的に求人票で確認できるやる気を引き出すための「動機づけ」の要素はこのくらいです。
あとは面接でとことん人の相性をみていくだけなのです。
求人票の内容で判断しないように注意していきましょう。
まとめ:計画的に給料下げる転職はあり
最後までお読みいただきありがとうございました。
ありがとうございました!
給料を下げても「良かった」と思えることは大いにあり得ます。
ただしキャリアプランを立てないまま、給料を下げるという選択肢を選ぶと失敗のリスクがあるので注意しましょう。
この記事の内容をまとめます。
給料を下げても幸せを感じることはできる
給料を下げる場合キャリアプランを立てる
給料以外にも多くのやりがい要素がある
僕自身が給料を下げたおかげで、人事というキャリアがひらけました。
15年前の当時、「給料」に固執してしまっていたら、今の僕はいなかったと思うと本当に給料を下げて良かったなと感じます。
もちろん給料を上げることは、経済的にも選択肢が増えいいことだと思います。
しかし、転職と年収アップをひもづけて考えるのは危険です。
僕は転職とは給料を上げ下げすることを目的として行うものではないと考えています。
自分の「ありたい姿」に近づくために、環境を変えるというのが転職の本質です。
給料はその次くらいについてくる結果のようなものです。
ぜひ自分のありたい姿を考えて、満足のいく転職を実現してください。
応援してます!
がんばって!
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