- 大企業は本当に安定と言えるのか
- このまま大企業の経験だけで良いのか
- 本当はもっと活躍できる場所があるのではないか
大企業に勤めていると、居心地の良さを感じる反面、漠然とした不安がよぎることがありますよね。
僕も大企業を2回辞めた経験があるので、言いようのない不安はとてもわかります。
大企業とは一般的に1000人以上の規模の会社を指し、従業員数が多く縦割り組織になっているので仕事のやりがいを感じにくくなることがあるのです。
僕は大企業を辞めた当時、このまま勤めていて良いのか迷いに迷ったあげく勇気を出して退職をしました。
まじで勇気を出した
数年経った今では、キャリアアップや年収アップを実現することができたので、思い切って辞めて良かったなと実感しています。
- 大企業はしがみつくべきではなく利用するべき
- 大企業以外にも選択肢がある
- 価値観を明確にしてやりたいことができる人材にを目指す
僕は人事として実務経験を積みながら、MBAや国家資格キャリアコンサルタントを取得することで経営やキャリアを誰よりも深く考えてきました。
当時の僕みたいな不安を抱えている人に、教えてあげられることが多くあることに気付いてこの記事を書いています。
この記事では僕が大企業を辞めた話を交えつつ、客観的に見てどう判断すればいいのか選択肢を整理してお伝えします。
本記事を読むことで大企業勤めすることへの不安が和らぐと思いますので、ぜひ最後までお読みください!
ここで、企業の「人事」として、またキャリアコンサルタントとして、少しだけアドバイスさせてください。
これまで多くの方の採用やキャリアに向き合ってきた経験からお伝えすると、「キャリア相談」は、迷ったその瞬間がベストなタイミングです!
なぜなら年齢を重ねるほどに選べる道が少しずつ狭まってしまうから…。
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大企業で働くことをゴールにせず自分のキャリアを考え続ける
まずはじめに、僕の結論は大企業にはしがみつくべきではないということです。
しがみつくとは、しっかりつかみ離さないことなので、何かに執着している状態を表しています。
執着することで考え方が偏ったり、物事の本質が見えにくくなるので注意が必要です。
- 会社は利用するもの
- 自分がやりたいことを目指す
- 働く環境を選ぶための判断基準を持つ
仮に大企業であっても、自分のありたい姿をイメージできていれば問題ないと言えます。
会社は利用するもの
僕は長い間ブラック企業により搾取を受けてきた経験があります。
このままでは「企業から利用されるだけで終わる」という強い危機感から、会社は利用するものという感覚を自然と持つようになりました。
いいように使われてたよ
事実としてブラック企業でなくても、会社が終身雇用により人生を保証してくれるような時代は終わりました。
東京商工リサーチ社の調べでは、今は企業の平均寿命が20年前後とかなり短くなっています。
2022年の倒産企業の平均寿命は23.3年(前年23.8年)で、2年ぶりに前年を下回った。
株式会社東京商工リサーチ|平均寿命23.3年 ~2022年 業歴30年以上「老舗」企業の倒産~
鶴>1950年代の企業寿命は60年前後です。
人間の寿命が伸び、企業寿命は短くなるという反比例の現象が起きています。
自分の社会人人生よりも先に、会社が消える可能性の方が高いのです。
このような時代において、会社に人生を預けるような考え方自体にリスクがあることがわかります。
あぶないんだね
しかし、長くサラリーマンをやっていると、何のために働いているのか目的を見失うことがあります。
特に大企業のように安定している環境では、大きな不満もなく生活を送ることができるので、何かに悩むということ自体が少ないのです。
そうすると目的を見失ったまま「このままでいいか」と思考停止して、会社に利用される状態になってしまうのです。
結果的に大企業にしがみつくことになってしまうリスクがあります。
一方で大企業には多くのメリットがあり、一時的に滞在するようなイメージであれば利用する会社の環境としては最高だと考えます。
経験を積ませてもらってから、自分の目指したいものに向かうことをおすすめします。
自分がやりたいことを目指す
大企業にしがみつくべきか迷うということは、自分がやりたいことがわからなくなっている状態です。
大企業は働きやすい反面、組織ごとに業務が細分化されています。
中小企業などと比較すると業務の範囲は狭くなり、自分の好きか嫌いかを知るための経験が少なくなります。
価値観ってやつだよ
今の仕事が好きなのであれば、突き詰めればよいだけの話です。
ただ、好きかどうかわからない仕事を長く続けても、好きになる可能性は低いです。
僕も仕事の中では、事務処理関係は長くやっても興味を持つことができませんでした。
一方、人事としての採用活動や人事制度づくりといった、創造性を発揮する仕事は楽しく感じたので今も突き詰めています。
僕のこの気付きは、転職を何度か経験することで見つけることができました。
興味のある仕事を探したよ
エン・ジャパン社の転職活動で困ることについてのアンケートでは「自分のやりたいことがわからない」が40%近くいることがわかります。
「転職活動で困ることは何ですか?」と伺うと、トップ3は「自分のアピールポイントがわからない」(43%)、「自分の適性がわからない」(43%)、「自分のやりたいことがわからない」(39%)でした。
エン・ジャパン株式会社|1万人が回答!「転職活動」実態調査―『エン転職』ユーザーアンケート―
実際に多くの人が、自分のやりたいことがわからないのでひとまず安心してください。
やりたいことがわからない原因の一つには、経験の少なさがあります。
大企業の枠組みの中で、与えられた仕事だけをしていると、経験を積む機会が極端に少なくなります。
やりたいことや自分の価値観はすぐに見つかるものではないので、少しずつ新しい経験を積み価値観を知ることが有効です。
働く環境を選ぶための判断基準を持つ
判断基準を持ち選択肢が多いうちに行動することが重要です。
大企業を選んだ時も、自分の価値観で選択したのではないでしょうか。
この価値観はライフステージや年齢で変化します。
大企業にしがみつくべきかどうかも、あなたの年齢や環境によって慎重に考える必要があります。
十人十色だよ
年収や条件面を棚卸しすることで、大企業にいた方がいいのか、別の規模がいいのかがわかります。
転職する際のチェックリスト大項目をつくりました。
1.仕事内容:やりたい仕事や必要な経験を積むことができる
2.収入:必要な年収を得られる
3.キャリアパス:将来必要な役職や年収を目指すことができる
4.働き方:理想的な働き方ができる
5.ワークライフバランス:自分や家族の時間を確保できる
6.福利厚生:会社に支援をしてもらうことができる
7.企業文化:自分の価値観に合う
全てを叶える環境であれば、転職を考える必要はないと言えます。
しがみつくべきかどうかを悩んでいる場合は、悩む原因になっている不満があるはずです。
不満を感じる部分を埋めて、完璧な会社を探すことは不可能に近いです。
現実的には一長一短の会社がほとんどなので、何かを犠牲にする必要があります。
何を重要視するかという点を明確にすることは、価値観を明確にすることとほとんど同じです。
犬>譲れないものだね
重要視するものの中で、中小企業やスタートアップ企業でしか得られないものがある場合は、転職する選択肢も出てきます。
一方で僕たちには「年齢」という、逆らえないものがあります。
一概には言えませんが、年齢が上がれば転職などで動きにくくなるのは事実です。
dodaの調べによると、転職に成功した人のうち、40代以上は約14%と高齢になるほど少なくなっていることがわかります。
転職に成功した人の年代で最も多かったのは20代後半(25~29歳)で、40.6%でした。それに30代前半(30~34歳)が23.6%でつづき、3番目に多いのは40代以上(40歳以上)で13.9%です。
doda|転職するなら何歳まで?年代別の転職活動のポイントは?
人事の僕から見ても、40代を超えると採用の間口は狭まるのは事実です。
転職市場においてはいつまでも何でもできるというのは幻想です。
やりたいことのために、できるだけ早めに判断基準を決めて、選択肢が多いうちに行動をするべきなのです。
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辞めて良かった…大企業でもまったく安定していなかった経験談
ここまでは大企業かどうかに加えて、自分の価値観が重要という話をしました。
ここでは、僕が実際に大企業を選んで辞めた体験談をお伝えします。
大企業に入った理由
僕は大企業を2社経験しています。
どちらの大企業も入社した理由は安定しているからです。
ブラック企業勤めに疲れていたのもあるのですが、当時起業に失敗したというのもありました。
疲れてたんだよね
エージェントの紹介で選んだのは、葬儀業界の大企業。
地域ではトップブランドで、従業員は3,000人を超えて大所帯です。
僕個人としては、業界にはネガティブなイメージが強く入社することには正直躊躇していました。
しかし、冷静に業界や企業の収支を見ていくと、ずっと黒字だったのです。
こんな業界あるのかと思った
疲れていた僕はもうじき100年を超えるような歴史のある会社に、身を委ねたいという甘い考えを持っていました。
社食や社用車はもちろんありましたし、社屋も自社ビルで新築です。
働いている人も中高年の方が多くて長く勤められるのだろうなと勝手に思っていたのを覚えています。
実際、長く勤めている人が多い会社だったのです。
大企業を辞めた理由
大企業である葬儀会社に入社後、9ヶ月程で退職することになります。
「定年までいれるかも」と考え入社した会社だったので、早すぎる退職は自分でも予想外でした。
退職理由は主に大企業ならではの理由です。
- 細分化されたやりがいのない仕事
- 変わることのない非効率な組織
- 日常的なワンマン社長のパワハラ
大企業と言っても非上場の企業でしたので、外部の監視がなく閉ざされた環境でした。
実情としては、経営者によるハラスメントも起きていたのです。
パワハラは大企業でもあるよ
長年いる従業員はパワハラには耐えてたというか、慣れていた感じでした。
確かに会社は長年黒字で潰れるリスクはなく、福利厚生も安定しています。
外から見れば社会的な信頼も高く、知り合いからは「良いところに入ったね」と言われていました。
一方で、初めて経験した大企業ならではの仕事には、まったく馴染むことができませんでした。
人事といいつつやることは事務作業ばかり、しかも紙で仕事をしているので、ハンコを押す仕事や書庫の整理ばかりしていたのです。
大きな会議が近づくと、人事総出でプリントしてホチキス止めをするような作業を数日続けます。
さらに、お茶出しや掃除といったことも、人事の業務として割り当てられていました。
お茶出しは人事だったよ
「これは一時的なものかな?」甘く考えていたのですが、残念ながらこの職場は年中そういった業務を続けていたのです。
当時僕は、人事としてのキャリアを突き詰めたいという価値観だけは明確に持っていました。
会社がいくら安定していて楽だとしても、やりがいや価値を見いだせなかったら苦痛だということをあらためて実感しました。
転職を安定に振りすぎて失敗
結局、この思考停止した仕事と、変わるつもりがない職場に慣れず、9ヶ月という短期間で辞めることを決めました。
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大企業を勢いで退職するのはもったいない!焦らず慎重に考えよう
ここまでは僕の大企業の体験談をお伝えしました。
僕の場合は慣れることが出来なかったので辞めましたが、大企業の居心地が良ければそれはそれでありだと思います。
ここでは世の中の雰囲気に流されて、辞めてしまわないようにしましょうというお話しをします。
- 国が進める人材活用
- 国も支援するスタートアップとは
- 活況な転職市場の罠
国が進める人材活用
日本は少子高齢化によって、1995年からずっと人口は減り続けています。
特に深刻なのは『生産年齢』と言われる、15歳から64歳までの人口が増えないことです。
生産年齢人口の減少により、労働力の不足、国内需要の減少による経済規模の縮小など様々な社会的・経済的課題の深刻化が懸念される。
総務省|生産年齢人口の減少
生産年齢人口は約7,000万人ですが、2050年には約5000万人に激減します。
日本の未来がやばいね
これ以上労働力が増えないことは事実なので、国としては今いる人口でなんとかしようとしているのです。
その政策の一つとして『労働移動』というものがあります。
労働者に転職してもらうことで、企業としての技術レベルを高めていこうというものがあります。
人材が一つの企業内に留まっていているよりは、企業も国も成長出来るといった考えです。
この政策を担うのが、僕たち国家資格キャリアコンサルティング保有者です。
国の労働政策の1つに、キャリアコンサルティング保有者を10万人にする計画が存在します。
標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリア・コンサルティング技能士の累積養成数について、平成36年度末に10万人とすることを数値目標とする。
厚生労働省|キャリア・コンサルタント養成計画について
キャリアコンサルタントに相談をしてもらうことで、積極的にキャリアを検討の検討を促そうとしています。
国もいつの間にか終身雇用といった昔の考え方を捨てて、転職が当たり前といった価値観にシフトしているのです。
しかし何度も言うように、自分が納得出来ている環境であれば大企業でも辞める必要はありません。
国も支援するスタートアップ企業とは
スタートアップ企業の明確な定義はありませんが、創業から間もない急成長を目指す企業を指します。
スタートアップとは、急成長をする組織のことです。わずか数年間で数千億円の価値評価が付く会社や、数十年で世界を変革するような事業を行おうとしている会社などをさします
東大IPC|スタートアップとは?ベンチャーとの違いを解説【図解あり】
Apple社やGoogle社などの巨大企業は、もともとはスタートアップです。
どちらもガレージからスタート
スタートアップが世界的に見て優れたサービスや製品を創ることで、国そのものの経済力を高めることができます。
大企業や中小企業も国としては重要ではあるものの、大きく飛躍する可能性があるスタートアップ企業には特に期待しています。
日本経済が成長軌道を取り戻すために欠かせないのが、勢いのあるスタートアップの出現だ。政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置付け、年末までに「スタートアップ育成5か年計画」を策定する方針を打ち出している。
経済産業省|スタートアップ創出元年、「5か年計画」で政策をギアチェンジ
しかし世界から見ると、日本はこのスタートアップ企業が圧倒的に少ないです。
スタートアップ企業が生まれる数が少ないので、そこから成功する企業も少ないというのが実際のところなのです。
しかし、国としてはなんとしてもスタートアップ企業に力を注ぎたいと考えていて、前項と重なりますが人材の流動性を高めようとしています。
人材流動性を高め、スタートアップへの転職を容易にするため、終身雇用を前提とした働き方、兼業・副業の禁止、新卒一括採用偏重といった雇用慣行を見直す。
内閣府|世界に伍するスタートアップ・エコシステムの形成について
世の中でスタートアップが注目される背景には、こうした国の事情も少なからず絡んでいます。
ただ、僕もスタートアップ企業に転職したことがありますが、国から企業が支援されていると実感したことはありませんでした。
キラキラしているように見えますが、潰れるところはどんどん潰れているのがスタートアップの現実と言えます。
条件によっては大企業で働くほうがメリットが多いこともあるので、安易にチャレンジすることはおすすめしません。
活況な転職市場の罠
どこの企業も人手不足で、転職市場は活況です。
リクルート社の調べでは、2023年の求人は全職種で過去最高を記録しています。
全ての職種でコロナ禍前の水準を超え過去最高値を更新しています。『リクルートエージェント』利用企業に聞いた「2022年度上半期 中途採用動向調査」(22年7月〜9月調査)では、実に81.0%の企業が中途採用計画に対して未充足となっており、景況感の見通しを加味しても、人材不足の様相は変わりません。
リクルートダイレクトスカウト|【2023年】転職市場の今後|全15業界の中途採用状況
人事をしている僕としても、採用は売り手市場と言える状況だと感じます。
ほんとに人が採用できない
約80%の企業が人手不足と言われているため、人材業界は常に引っ張りだこです。
日々企業に対して、求められる人材を送り込むために求職者を集めていきます。
テレビを見ていると、よく人材業界の広告を見かけると思いませんか。
テレビCMやラジオなどでよく流れている「動くなら今しかない」といった内容の広告です。
広告には多額のコストがかかりますが、それを補っても余りある利益が出るのが人材業界なのです。
人材紹介のビジネスモデルは1人の採用が決定すると、年収の約30%から50%の報酬が発生する仕組みです。
原価は広告費と人件費程度なので、認知度を上げて転職希望者を集めることができればとても利益率の高いビジネスになるのです。
約2万社も人材紹介会社があるよ
毎日転職を煽る広告を見ていると「どこかに活躍する場所があるのでは」と焦りを感じるのはわかります。
ただ、僕も実際それで何度か失敗して後悔しました。
転職活動に前向きになる事自体は僕はいいことだと思います。
一方で、毎日広告を見ていると「どこかに転職するべきなのでは」と、どうしても考えるものです。
なんとなく転職した方が良い気がするという気持ちで動くと、あっという間に内定が出て決断を迫られることになります。
そうならないようにするために、自分の現状を棚卸しして自己理解を深めることをおすすめします。
自分の考えは誰かに「話す」ことで整理できます。ポジウィルキャリアの無料相談を使って整理するのがおすすめです。
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なんだかんだ大企業で働き続けるメリットとデメリットを解説
ここまでは大企業の体験談や、転職市場についてお伝えしました。
ここでは大企業を含めた選択肢を客観的に把握することで、どの企業が合うかわかるようにしています。
まずは大企業の特徴についてです。
- 待遇が良く安定して働くことができる
- 会社のブランド力で仕事ができる
- 役割や経験が限定され巨大組織の歯車化
- 早期退職や役職定年の現実
待遇が良く安定して働くことができる
大企業にいると気付きにくいメリットに『好待遇』があります。
待遇については違う規模の企業と比較しないとわからないものですが、厚生労働省の調査によれば男女ともに大企業の方が賃金が高いです。
収入が高い点は大きなメリットです。
大企業はブランドが確立されており、安定して大きな収益を上げることができます。また採用においても認知度が高く、広告費を払わなくても人を集められるのが特徴です。
稼ぐ力があるので、競争力を高めるために従業員に投資することができます。
いい会社だ
また有給取得日数についても、厚生労働省の調査によれば大企業のほうが上です。
休みをとっても誰かが補ってくれるので、安心して休むことができます。
こうした有給取得のしやすさは従業員満足度に直結します。
他社に引き抜かれないように、居心地よく働いてもらうために企業努力をしているのです。
このように大企業は、労働環境が整備されているので安定して働くことができます。
また、中小企業庁のデータによれば、日本の企業数は全体で約421万社と言われています。
中小企業は、我が国421万企業のうち99.7%を占める。
中小企業庁|<1.日本の中小企業>
大企業はその内わずか0.3%の1.2万社しかありません。
大企業で働けているということは、それだけで貴重な経験をしている可能性があります。
会社のブランド力で仕事ができる
大企業最大の武器はブランド力です。
築き上げてきたブランドによって、ビジネスは成り立ち一定のシェアを獲得しています。
ブランドと言うと抽象的でわかりにくいですが、日経リサーチ社がブランド力についての基準を設けています。
<浸透レベルの調査内容>
◇認知度:それぞれの企業について社名をしっているか
◇理解度:それぞれの企業について事業内容・領域を理解しているか
◇購入・利用経験:それぞれの商品・サービスを購入・利用したことがあるか
◇共感度:それぞれの企業の姿勢・活動・考え方に共感するか
◇購入・利用意向:それぞれの企業の商品・サービス・店舗を優先したいと思うか
◇ロイヤルティ:それぞれの企業の商品・サービス・店舗を優先して選びたいか
◇リレーション:もしもその企業が人だったら、長くつきあいたいか
◇社会必要度:その企業や商品・サービスは、これからの社会をよりよく変えると思うか
株式会社日経リサーチ社|ブランド戦略サーベイ
基準に含まれているブランドへの認知や、好感度といった多くを満たしているのが大企業の特徴です。
ブランド力の高さは、仕事をする上でも有利に働きます。
初めての取引でも「あの企業の」と、先に企業イメージをもってもらうことができているので信頼関係を築きやすくスムーズに商談が進みます。
へこへこされる
認知度ゼロのスタートアップで働いたことがありますが、まともに話を聞いてもらうだけで精一杯でした。
組織が意思決定するには、商品やサービス内容に加えて、イメージも重要です。
大企業であれば最初の信頼関係構築や、契約の審査など軽々とクリア出来てしまいます。
会社のブランド力があるだけで、仕事のしやすさが段違いなのがおわかりいただけると思います。
一方で、このブランド力を自分の実力と勘違いしてしまうと、転職時に痛い目をみることになります。
営業職の方の場合は、大手企業で優れた営業成績を上げて自信を持っていたとしても、「会社のブランド力やコストをかけたプロモーション戦略のおかげで売れたのでは」と思われることもあります。
リクナビNEXT|自信がある人ほど陥りやすい?転職にまつわるよくある勘違い
正直なところ大企業に勤め続けるなら勘違いしても大丈夫です。
しかし、一歩外に出てブランド力という武器が無くなったときに、実力と言えるものがないと厳しい現実が待っています。
僕は人事として採用する際、前職が大企業の場合は実力で実績があげられているのかどうかを質問するようにしています。
ブランド力の高さで仕事がしやすい環境だとしても、自分ならではの価値を考えて動くことをおすすめします。
役割や経験が限定され巨大組織の歯車化
大企業のように1,000人を超える規模の会社は組織が細かく設定されています。
人の管理には限界というものがあり、組織が大きくなると細かく分かれてしまうのは仕方ないことです。
スパンオブコントロールと言います。
Span of Controlとは、マネジャー1人が直接管理している部下の人数や、業務の領域。一般的な事務職では1人の上司が直接管理できる人数は5~7人程度と言われているが、様々な要因によってspan of controlは左右される。
グロービズ経営大学院 スパン・オブ・コントロール
大企業には、おおよそ7人くらいのチームが150以上あると思えば、その細かさをイメージすることができると思います。
組織が細かく分割されると、業務も細分化されます。
業務が細かく分かれて範囲が限定されるので、経験できる範囲が少ないというデメリットがあるのです。
車の製造で例えると「自分はこの部品を何のために作ってるんだろう」という具合に、自分の役割や貢献がわかりにくくなります。
一方で、中小企業であれば仕事の全体像を把握しながら、一人で何役も兼務する必要があるので多くの経験ができます。
かんき出版社の調査によると「大企業を退職する決め手になった理由」として、働き方への不満があがっています。
- 働き方に不満を感じた:27.4%
- 仕事における成長・やりがいを感じられなくなった:20.8%
業務が体系化されて、役割が細分化しているということは、誰でもできるように仕組化されていることになるので替えが利きます。
大手に転職すれば将来はある程度安泰かなと思っていたのですが、蓋を開けて1年たった今、不安に苛まれています。私は管理部門に勤めているのですが、その業務の範囲は大手ならではの厳格な縦割りの影響で、経験できる業務の幅が非常に狭く、限定的です。
Yahoo!しごとカタログ|会社にしがみつくべきか、また転職すべきか悩んでいます。。。
日々の仕事をこなして生活する上では特に問題はないものの、自分で考える部分が少なく身につくスキルや経験がかなり限定されてしまいます。
また、リクルートワークス社の調べでは、大企業に勤める若手社員の約46%がスキルや経験に不安を感じています。
「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」については、 「強くそう思う」が10.9%、「そう思う」が34.7%と、合わせて45.6%がそう思うと回答していた。
リクルートワークス|大手企業における若手育成状況調査報告書
そうした将来への不安から退職する若手社員も増加傾向で、大企業のことを『ゆるブラック企業』や『パープル企業』と揶揄するようになっているのです。
大企業は労働環境が整っていてホワイト企業と言われてきました。
しかし僕がブラック企業を渡り歩いた経験から言うと「将来潰しがきかなくなる」環境が一番のブラック企業だと考えています。
ブラック企業は正直、二度とごめんと思うほど辛い経験でしたが、そのおかげでスキルは段違いに伸びました。
高負荷ってやつだね
今では大企業出身の人達と働いていますが、大げさではなく仕事の出力量は大企業出身者と比べて二倍以上出せていると実感しています。
大企業は安定と引き換えに「成長する機会」が失われる可能性には、十分注意することが必要です。
また、ジョブローテーションが前提の大手では専門性が身につきにくく、ゼネラリストとして育てられる傾向があります。
そうなると大企業で働くだけであれば問題ないですが、40代や50代になったときにキャリアチェンジをすることが難しくなるのです。
会社の命令だけ受けて安定した仕事をすることには、そういったリスクも存在すると言えます。
数年前に、著名な経営者が「45歳定年説」を主張して波紋を呼びました。それを聞いて、「このまま会社の命を受けて仕事をこなすだけでは危ないんじゃないか」と深刻に思ったんです。まずは市場価値を知ろうと思い、転職サービスに登録しました。
引用:ビズリーチ|発端はジョブローテーションへの危機感 45歳がさとった「ゲームチェンジ」
早期退職や役職定年の現実
大企業が安定していると言われてきたのは主に以下の理由からです。
- 会社が大きく業績が安定していて潰れにくい
- 労働環境が整っていてライフワークバランスを保ちやすい
- 雇用が安定していて定年まで働ける
近年では三番目の「定年まで働ける」に陰りが見えています。
東京商工リサーチ社の調べでは、早期・希望退職者を募った上場企業は2022年は38社もあることがわかっています。
グラフを見ると減少傾向のように感じるのですが、コロナの影響で2020年は93社まで増えているだけです。
つまり大企業もやるときはやる
早期退職を募る背景は主に、組織の若返りとダイエットです。
組織の若返りとは、中高年になり生産性が低くコストの高い従業員を整理することです。
若くてコストの低い従業員に置き換え、DXやAIといった時代に適応できる組織を目指します。
そして組織のダイエットとは、採用し過ぎた従業員を整理してデジタル技術により省人化を進めることです。
近年では生成AIの台頭など、人よりも精度の高い技術が増えているので、置き換えが加速する可能性は高いです。
このように、たとえ大企業といえど、コロナのような不況時にはリストラが選択肢にあり、AIで能であれば置き換えたいと考えています。
大企業で定年まで勤めるとしても、自身の付加価値をあげる努力が必要です。
あんていしてない
さらに、一部の大企業には『役職定年』というものが存在します。
定年の前に役職から降りる、文字通りの役職の定年です。
恐ろしいことに50代前半で役職定年が設定されている企業もあり、部長職でも実質平社員に降格となります。
これはまじで嫌
東洋経済の調べでは、役職定年により年収が30%もダウンしたとの結果が出ています。
役職定年によって年収が30%以上ダウンした人が実に3割を占めている。また、役職定年後の仕事や待遇に関し、3割が不満を感じているのだ。
東洋経済|年収激減!役職定年で3割、再雇用で半減の衝撃
僕の周りで働いている大企業出身者は「役職定年後の上司の姿がみじめで退職した」と話していました。
大企業には早期退職だけではなく、役職定年のリスクにも備える必要があります。
人生の不安が大きくなってしまう前に、ポジウィルキャリアの無料相談を使ってメンタルを整えましょう。
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大企業から中小企業に転職するメリットとデメリットを解説
日本の企業のうち99.7%が中小企業です。
大企業の特徴が合わず転職する場合は、中小企業が選択肢になる可能性が高いです。
- 幅広く経験を積むことができる
- 顧客に近くやりがいを感じることができる
- 大企業よりも待遇は低く倒産する可能性がある
中小企業には不安定さもありますが、大企業にはないメリットもあります。
幅広く経験を積むことができる
中小企業は常に人手不足です。そのため、一人で何役もこなすことがあります。
言い換えれば、経験を積み成長できる機会に恵まれているのです。
厚生労働省の調べでは、管理職への登用は平均的に40代後半から50代にかけておこなわれます。
役職 | 男女平均年齢 | 男性年齢 | 女性年齢 |
---|---|---|---|
部長(管理職) | 52.8歳 | 52.8歳 | 53.1 |
課長(管理職) | 48.7歳 | 48.7歳 | 49.0 |
係長 | 45.3歳 | 45.1歳 | 45.9際 |
中小企業の場合は人手不足から、役職も空きやすく抜擢人事で昇格することができるのです。
僕も中小企業で働いていた時は20代から責任者を任され、若いうちにマネジメントについて学ぶ良い経験ができました。
そのおかげで転職では「マネジメント経験有り」と伝えることができ、応募できる求人の幅が広がり年収アップにもつながっています。
ただ、個人的にはマネジメントは好きではないことが早い段階でわかったので、今は管理職ではないキャリアを選択しています。
早くわかってよかった
また、業務の幅も広いのが中小企業の特徴です。
できる人や手を上げた人には、どんどん仕事を任せてもらえうことができるので裁量が増えていきます。
兼務のように別部署の業務も増えていけば、組織を横断的に関わることができ仕事の全体像が見えやすくなります。
仕事の全体を把握できれば効率があがるだけではなく、視座が高まり自分の可能性も広げることができるようになります。
顧客に近くやりがいを感じることができる
中小企業では顧客との接点があり、どういった顧客が自社のサービスを扱っているかを知る機会が多いです。
MEITEC社の調べでも中小企業のやりがいの中に、顧客からのフィードバックがあがっています。
<顧客からのフィードバックが得られる>・現場(使用者)の意見を聞き、早期に製品に反映出来る・顧客が喜んでくれる
fabcross for エンジニア|大企業と中小企業、どこが違う? エンジニアが感じた違いは「研修制度」「福利厚生」「ブランド力」――エンジニア400人満足度調査
中小企業ではダイレクトに顧客からの反応をもらうこともできるので、このお客さんのために頑張ろうといった意欲も湧いてきます。
仕事の目的として、顧客や社会への貢献といったところを直に感じることができるのは貴重な経験です。
例えば大企業はカスタマーサクセスなどの部門が顧客支援を担当します。
そのため大企業では専門の部門でなければ顧客の反応を知ることができず、どうやって使われているかわからないまま仕事をすることになるのです。
役に立ってるかわからない
大企業を辞めて中小に転職する人の中には、顧客との距離が近い会社で働きたかったという人は意外と多いです。
大企業より待遇は低く倒産する可能性がある
中小企業は大企業に比べると賃金が低いことがわかっています。
厚生労働省の調べでは中小企業と大企業では約100万円ほどの開きができており、生活の基盤となる収入に大きな差が生まれていることがわかります。
年代 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
---|---|---|---|
45歳〜49歳 | 437万円 | 379万円 | 341万円 |
50歳〜54歳 | 485万円 | 408万円 | 347万円 |
55歳〜59歳 | 478万円 | 420万円 | 349万円 |
大企業はベースアップや定期昇給などもあり、勤続年数が増えれば年収も増える傾向にあります。
中小企業では十分な報酬制度が整っておらず、昇給する額やスピードに差が開いてしまうのが現実です。
僕は外食業界の中小で人事制度をつくっていましたが、薄利多売の事業だったのでどれだけがんばっても昇給額は雀の涙でした。
つくってて切なくなったよ
また、中小企業は外部要因によって、倒産するリスクが高いのも特徴のひとつです。
帝国データバンクの調べでは、倒産件数の70%が中小零細企業となっています。
企業倒産の7割超が負債1億円に満たない中小・零細企業で占める状況に変わりはないものの、20年度をピークにその割合は低下している。
帝国データバンク|倒産集計
倒産件数自体は2022年で0.2%と大きい数字ではありませんが、中小企業がほとんどと言える状況です。
倒産のほとんどは「販売不振」によるもので、何らかの原因で売り上げが立たなくなったことが理由になっています。
大企業であれば資金やリソースがあるので、一時的に不況が来ても耐えたり業態を変えたりすることが可能です。
中小企業の場合は限られた資源の中で経営をしているので、事業転換や耐え抜く体力がありません。
外部要因によって顧客や取引先など、どこかのバランスが崩れれば倒産するという可能性を孕んでいるのです。
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大企業からスタートアップ企業に転職するメリットとデメリットを解説
最後はスタートアップ企業という選択肢についてです。
スタートアップというと、チャレンジングでキラキラした印象を持っている人も多いと思います。
実際僕も数社スタートアップで働いたことがあるので体験談含めてお伝えします。
- 世の中を変えるというダイナミックなことに挑戦できる
- ストックオプションで大きな利益を得られる
- 常に倒産や買収されるリスクがある
世の中を変えるというダイナミックなことに挑戦できる
冒頭でお伝えしましたが、スタートアップ企業とは急成長を目指す創業数年の会社のことです。
これまでGAFAが世界を変えたことで、世の中ではスタートアップ企業が注目されることが増えました。
【GAFAの4社】Google(グーグル)Apple(アップル)Facebook(フェイスブック)Amazon(アマゾン)
パーソルテクノロジー|GAFA・GAFAM・次に来るMTSAASとは?IT市場を牽引する企業群の略称をわかりやすく解説
GAFAほど巨大な企業に成長する企業は限られますが、スタートアップには急成長を期待できる『ビジネスの種』が必ずあります。
基本的にこのビジネスの種は世の中をより良くするためのものです。
技術や製品によって世の中を変えるような、大きな流れを自分の会社で起こすことができるのがスタートアップの醍醐味と言えるでしょう。
キラキラの印象はこのあたりだよ
これまでにない事に挑戦しているので、未知の状況が多くカオスな状況になりやすいですが社会人としては多くの経験を積むことができます。
日本経済新聞社によれば、若手社員は好んでこうしたスタートアップ含む新興企業へ転職をしていることがわかります。
成長も「タイパ」、若手の新興転職18倍 居心地は二の次
日本経済新聞|会社と社員 変わる力学(上)
スタートアップ企業がスムーズに事業が展開できていれば、勝ち馬に乗っている状態です。
毎年のように組織が大きくなっていくので、早い段階参画していれば高いポストにつくことも可能といった。
ストックオプションで大きな利益を得られる
スタートアップで働く大きなメリットに、ストックオプションという自社株を取得できる仕組みがあります。
ストックオプションを取得することで、上場後大きな利益を得られます。
仮に、会社が株式全体から0.1%のストックオプションを付与していたとする。日本は上場時のバリュエーション(企業価値)が2021年の初値ベースで平均250億円だったから、単純に計算しても株式報酬は2500万円の価値になる。
J-CAST|勝ち馬の「スタートアップ」への転職…伸びる会社を見極めるには?
会社が成功することで、自分の経済的な成功も手に入るので、ストックオプションはモチベーションにも直結します。
ストックオプションがない場合もあるよ
僕の知人にはストックオプションでセレブの仲間入りをした人もいるので、勢いがあり上場しそうなスタートアップ企業を探すのもありです。
また海外ではストックオプションを重視する人も多く、上場前のストックオプションを狙って転職する人もいるくらいです。
少し極端な例ですが、ネットフリックスには給与をストックオプションとして受け取れる制度があり、ストックオプションに90%割り当てていた人が実際にいます。
<ネットフリックスで働き給料の9割をストックオプションにした男>
そのうち9割にあたる1350万円をストックオプションで受け取って今でも保有していたとすると、入社1年目のストックオプション分だけでも現在の価格は25億円近い計算になります。
PRESIDENT|一攫千金を十分狙える…シリコンバレー在住14年の実業家が教える「いま転職を狙うべき3つの候補先」
ストックオプションは上場できなければただのゴミですが、上場できれば特大のボーナスが入る夢のある仕組みです。
スタートアップを選択肢にする場合は、ビジネスの種と同じくらいストックオプションがもらえるかは重要です。
常に倒産や買収されるリスクがある
スタートアップ企業最大のリスクはビジネスの種が芽吹かないことです。
つらい
ビジネスが計画通りにいかないスタートアップ企業の末路は倒産か買収になります。
スタートアップはステージによりますが、基本的に売り上げが立っていないことがほとんど。
多くのスタートアップは赤字経営を続けています。
どうやってけいえいしてるの?
出資者であるVC(ベンチャーキャピタル)などに、ビジネスの種である可能性に対して出資してもらうことで事業を続けているところがほとんどなのです。
そのため、VCが出資を止めたら会社も倒産するということになります。
帝国データバンクの調べによれば、近年のスタートアップ倒産件数は増加傾向にあるとい結果が出ています。
実際に、2023 年 1-9 月期のスタートアップ企業倒産は前年から倍増近い 32 件となり増加傾向にある。過去にベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けた企業も含まれており、成長を期待されたものの事業が急に傾いたケースも見られた。
株式会社帝国データバンク|特別企画: スタートアップ企業の成長性分析(2023 年)
ビジネスの種という山が外れたら、事業を大きく転換する「ピボット」という手段が残されていますが、急に転換して成功するケースは多くありません。
またピボットするにしても、VCを納得させられなければ方向転換する前に沈むことになります。
ただ、今では有名なSmartHR社は、12回もの事業転換を経て現在の事業に辿り着いているので、ピボットで復活できる可能性は十分にあると言えます。
早めの失敗が重要
先輩起業家であるFONDの福山さんの「10回ピボットした」というインタビュー記事を見ていたおかげで「10回までは頑張ろう」と思って、その10個目がSmartHRだったんですから。
DIAMONDSIGNAL|「12回の事業転換」世の中の課題見つけられずに SmartHR・宮田昇始社長
このさきに漠然とした不安があるなら、45分も無料相談できるポジウィルキャリアがおすすめです。
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大企業で働き続けて世間知らずになる前にやるべきこと
ここまでは、大企業にしがみつくべきではないという僕の考えのもと、大企業意外の特徴をお伝えしました。
あらためて、この記事を通してお伝えしたいポイントは自分軸を見つけるということです。
ここでは僕が実践してきた、モヤモヤしなくなる自分軸の見つけ方をお伝えします!
- 価値観を磨いて自分がどうありたいか見極める
- スキルを磨いて稼ぐ力を身に着ける
- 副業や転職で市場価値を確認し続ける
価値観を磨いて自分がどうありたいか見極める
大企業にしがみつくべきかモヤモヤするのであれば、あなたの価値観を見つけて磨くことを最優先にしましょう。
価値観とは「好き」か「嫌い」の基準です。
毎日は選択の連続で一日に3万5千回もの選択を迫られていると言われています。
この選択を会社任せにしたり、適当に選んでいるとモヤモヤが大きくなり「このままでいいのかなぁ」と漠然とした不安に襲われます。
めっちゃわかる
自分が好きなことを知れば判断する精度が高まり、納得感のある日々を過ごすことができるようになります。
これをキャリアコンサルタント用語では『キャリアアンカー』と言います。
彼(エドガー・H・シャイン)は長期的な仕事生活において個人が拠り所としているものがあることを発見し、それを「キャリア・アンカー」と名づけ、職業人にとって自分のキャリア・アンカーを理解することが、キャリア選択を明確に、生涯キャリア発達を促す手助けとなることを提唱している。
リクナビNEXT|キャリア・アンカーとは?自己分析や適職探しに活かす方法を解説
仕事の価値観と言えるキャリアアンカーを知るために、以下の3つの問いを自分にしてみてください。
【動機】どんな仕事がしたいのか
【コアコンピタンス】自分は何が得意なのか
【価値観】何に価値を感じるのか
・・・
自分の答えが出てこなければ価値観にまだ気付いていない証拠です。
自分がどんな人間なのかを知ることはどんな仕事をするかより遥かに重要です。
価値観を客観的に把握したい場合は『クリフトンストレングス』をおすすめします。
自分が本来得意とすることを発見する
自分の最も優れた才能を強みにする方法を学ぶ
個別化された結果とレポートを使用して、潜在能力を最大限発揮する
Gallup|クリフトンストレングス・テストを使用して、あなたの最も優れた才能を発見・育成する
僕はこのクリフトンストレングスを受けて、自分の価値観を棚卸しすることで人事にキャリアチェンジできました。
書籍『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』にも簡易版のクリフトンストレングスがついていますが、おすすめはフルパッケージのテストです。
価値観に関する全ての項目がわかり、得意不得意がはっきりします。
やる価値はあるよ
僕はこれまで2回受けて価値観の変化を確認していますが、知り合いには毎年受けているすごい人もいます。
大事なのは自分が気付けていなかった「自分」に気付くことです。
スキルを磨いて副業で稼ぐ力を身に着ける
価値観を知ることは最重要ですが価値観がわかっても、自分のやりたいことができるかは別の話です。
大企業にしがみつく発想の最大のリスクは、潰しのきかない人材になってしまうこと。
いつの間にか「働かないおじさん」や「妖精さん」などと、陰口を言われてしまうのは誰でも避けたいところです。
きついよ
僕は人事として、大企業出身者を何名も採用したことがあります。
多くの人は枠組みの中で仕事をすることに慣れきっていて、残念ながら優秀と思える人はいませんでした。
特に厳しいと感じたのは、全てが受け身だったこと。基本姿勢が指示待ちなので、指示があるまでは待機状態です。
大企業にしがみついた結果、潰しのきかない人材にならないようにすることが重要です。
リクルート社が提唱して有名になった『Will-Can-Must』というフレームワークがあります。
やりたいこと(Will)とできること(Can)、やらねばならないこと(Must)を整理することで会社の中での目標を整理することなどに使われています。
従業員一人ひとりが仕事を通じて実現したいこと(Will)を明らかにし、マネジャーとすり合わせ、その実現のために何ができるか、どのようなことができるようになる必要があるか(Can)を確認した上で、何をすべきか(Must)を考えるサイクルを半期ごとに行っています。
株式会社リクルート|【Will-Can-Mustシート】リクルートの活用事例~メンバーの本当に実現したいことを対話する方法
Will-Can-Mustで言う「できること(Can)」を広げてていくことが、稼ぐ力を磨くためには重要になります。
大企業の枠組みだけで仕事をしていると、経験が限定されてしまうので副業などで自分のできることや興味の幅を広げることをおすすめします。
大企業で安定して働きながら、自分の得意分野を見つけることができるのでリスクはとても低いです。
できることが増えることで、社内に限らず自分の市場価値は高まり、活躍できるフィールドが広がり価値観に合う仕事を選ぶことができるようになります。
転職活動を通して市場価値を確認し続ける
自分の市場価値はどのくらいかわかりますか?
モノのような例えで恐縮ですが、僕たち人材も流通する資源の一つとして市場価値が存在します。
市場価値とは転職時につく年収、つまり値札のことです。
大企業に勤めていると年収のベースが高く、自分の市場価値を錯覚してしまう可能性があります。
実際大企業と中小企業には100万円ほど年収に差があるのです。
大企業が安定してると言われる理由だよ
採用する側からすると、大企業出身者は年収が高すぎるので採用できないということも多いです。
一般的に大手企業は「市場への参入障壁が高く競合が少ない」「分業化が進み生産性が高い」「ブランド力があり販売や採用力に長けている」などの理由から、年収水準が高い傾向にあります。そのため、現職または前職よりも規模の小さい企業に転職すると、年収ダウンになる可能性が高くなります。
リクルート株式会社|転職で年収は下がる? 年収が下がる転職の傾向や許容範囲を解説
大企業にしがみつきたくないと考えて、いざ中小企業やスタートアップに転職するとこうした現実にショックを受けます。
そうならないために転職するつもりがない段階で、エージェントに相談して準備を進めていくことをおすすめします。
自分の今の市場価値である年収を知り、どのような企業が選択肢にあがるのかを知るだけでもエージェントの話を聞く価値はあります。
仮に転職をするにしても3か月から半年はかかるものなので、じっくり長期戦の構えで挑む必要があるのです。
僕はMBAを学んでいた時、大前研一学長からしつこく言われていたことがあります。
それは大企業のブランド力という看板が無くなったときに、名札と値札がつく仕事ができる人材になれと教えられました。
名札とは指名されることで、値札は自分の仕事に値段がつくことです。
この考え方大事
転職活動を通して自分の市場価値を知り、足りない能力や経験を大企業や副業、または学び直しで高めていくことで稼げる人材になることが重要です。
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安定に囚われず自分が何をしたいかでキャリアを考えることが重要
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を通してお伝えしたかったことは以下です。
大企業はしがみつくべきではなく利用するべき
大企業以外にも選択肢がある
価値観を明確にしてやりたいことができる人材を目指す
正直大企業は客観的に見れば安定しています。僕も正直大企業で一生を終えられるならそうしたいという気持ちもあります。
一方で人生という長い目で見たとき、本当にそれでよいかは冷静に考える必要があります。
大企業に勤めることを否定しているのではなく、自分の価値観にあっているかを考えてみましょうということです。
そして、僕の経験から最後にお伝えしたい重要なことは、「何がしたい」「どうなりたい」ということはピンチに遭遇しないと気付きにくいということです。
失敗経験は大事
とことんリスクを避けて安定だけを選んでいると、同時にチャンスを逃している可能性もあるという点に注意してください。
時にはリスクをとり失敗するという経験が、自分を高めてくれたりするものです。
この記事があなたの役に立てていれば嬉しいです。
ここで、企業の「人事」として、またキャリアコンサルタントとして、少しだけアドバイスさせてください。
これまで多くの方の採用やキャリアに向き合ってきた経験からお伝えすると、「キャリア相談」は、迷ったその瞬間がベストなタイミングです!
なぜなら年齢を重ねるほどに選べる道が少しずつ狭まってしまうから…。
今ならまだ選択肢はたくさんあります。
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実は僕も、キャリア相談がきっかけで「天職」と思える人事の仕事に出会えました。迷いや不安を抱えたままでいるのは、もったいないと思いませんか?
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