【体験談】1年で辞めるのは迷惑ではないけど落とし穴に注意

辞めることで迷惑をかけそうで心配
1年で辞めることは甘えなの?
早く辞めたいけど辞めれるか不安

1年目で仕事を辞めることは、周りに迷惑がかかりそうで躊躇してしまいますよね。

僕も9ヶ月で辞めたことがあるので、同じ気持ちを感じた経験があります。

「1年で辞めるなんて早すぎるのでは」と自問自答を繰り返すことも多く、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。

フユスケ

つらいよね

ハルシバ

追い込まれていたよ

この記事を書いている僕は転職を8回経験しており、その中で1年前後での転職は2回あります。

また、人事として15年以上、人と仕事に関する経験を積んできたので、「1年で辞めても良いのか」という悩みに対して1つの答えを出すことができます。

記事の結論を先にお伝えすると、「1年で辞めても…大丈夫!」です。

実際に僕も、1年で辞めても問題ありませんでした。ただし1年の退職を何度も繰り返すとジョブホッパー扱いされてしまうので注意が必要です。

ジョブホッパーとは一般的に、1~2年で転職を繰り返していて、1つの企業に定着しない人材のことを指します。

リクルート│ジョブホッパーとは?目安となる転職回数は?

1年で辞めても問題はない一方で、辞めた後のほうが大事です。

この記事では1年で辞めた後に、同じミスマッチを繰り返さないためのポイントをまとめました。

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僕自身の経験に加え、「1年で辞める」ことについて30時間以上かけて調査と執筆をしています。

最後まで読んでいただくことで、1年で辞めてもよいという安心感と、その後の対策を身につけられます。

ぜひ最後までおつきあいください!

この記事を書いた人

▢MBAホルダー(経営学修士)
▢国家資格キャリアコンサルタント
▢人事経験15年と転職8回

目次

1年で仕事を辞める事は迷惑ではない

1年目で辞める

まず最初に、1年で辞めることが「迷惑」ではない理由からお話します。

社会人経験が少ないと、自分が辞める影響がどの程度まで及ぶのかわからないものです。

会社の仕組みや、採用する人事が何を考えているかをわかりやすくお伝えします。

迷惑ではない理由

1年で辞めて会社が受ける影響
早期離職は採用人数に入っている
ただし辞め方には注意が必要

1年で辞めて会社が受ける影響

新人が1年で辞めても、会社が受ける影響はほんのわずかです。

会社の仕事は「仕組み化」されており、誰か1人辞めたとしても影響を受けないように設計されているからです。

そのため1人で完結する仕事は少なく、チームや部署単位で進めていく仕事がほとんどです。

会社経営の基本として、仕事を「属人化」させないという考え方があります。

業務の担い手が特定の人に限定される「属人化」は、業務プロセスがブラックボックス化することで業務効率や品質の低下といった問題を顕在化させる恐れがあります。

zendesk│属人化のリスクを回避!4つの解消方法とポイントを解説

一部の優秀な従業員に任せるような経営をしていると、その従業員が辞めると大きなリスクが生じることになるからです。

特に1年目の新人は大きな仕事は任せることはできず、わざわざ仕事を「切り出して」与えていることがほとんどです。

僕も人事として新人を受け入れる時に、一番手間がかかっていたのはこの業務の切り出しでした。

極端に言えば、仕事を新人用につくっている状態なので、もし新人が辞めたとしても誰かがその仕事を「吸収」することができるのです。

こういった背景から、新人が1人抜けても影響は少なく、迷惑ではないということが言えます。

フユスケ

気にしなくていいんだ

ハルシバ

そうだよ、影響は少ないからね

一方で、1人にかかるコストという点では、それなりに大きな損失を出すことは事実です。

採用コスト
教育コスト
雇用コスト

ミツカリ社の調べによると1年以内に新卒が辞める場合は「約657万円」のコストがかかると言われています。

入社1年後に早期離職してしまった場合にかかる損失額は、新卒採用においては657万円、中途採用においては774.0万円となります。1社あたりではなく1名あたりの平均額です。

ミツカリ│若手人材の早期離職によるコストは600万円以上!損失額の内訳を知ろう

1人にかかるコストは決して少ない金額ではありませんが、このコストを個人が気にする意味はありません。

あなたは、ただでお金をもらっていたわけではなく、労働の対価として給与をもらっていただけだからです。

「コストをかけてもらって申し訳ない」という考え方は、その会社から身動きできない状態を自らつくってしまいます。

まるで、お金をただでもらっていたかのように考えることはビジネスパーソンとして危険ですので、仕事の対価として貰っているという思考に切り替えていきましょう。

採用や教育にかかるコストについても、最低限の「投資」です。

もちろん新人であるあなたが成長して、大きなリターン(貢献)を返すことが経営者が望むことです。

しかし、1年という早期離職につながった原因は、半分以上「採用した会社の責任」です。

採用時の伝え方や入社後のフォローなど、受け入れの体制にも多くの問題があるのです。

新卒は3年で3割辞めるとよく言われますが、逆に7割の新卒はそのまま働いていることになります。

1年で「辞めざるを得ない会社」を引いてしまったと考えて、切り替えていくことをおすすめします。

早期離職は採用人数に入っている

1年で辞めることについて、経営者や人事は最初から計算しています。

会社は行き当たりばったりで経営しているわけではなく、ある程度の仮説をもとに計画を立てているからです。

採用活動においても同じように「採用計画」というものがあります。

採用計画
リクルート│失敗しない採用計画の立て方とは?具体的な手順と求める人材を採用するためのコツ

会社にも目指したい姿があり、そのためには必要な人数を増やさなければなりません。

「どのくらいを、いつまで」に採用できるのかという、目指したい姿を達成するために必要な人数を試算したものが採用計画です。

フユスケ

難しそう

ハルシバ

計画は結構難しいよ

この採用計画を立てるうえで、以下の重要な要素があります。

新卒・中途どちらにするか
職種別に必要な人数
過去の離職率

まず、そもそも新卒採用にするのかという選択肢もありますが、職種別に必要な人数も含めてこのあたりは企業によります。

どの企業でも、重要になるのは「過去の離職率」です。

過去どのくらい離職が起きているのかを計算にいれなければ、実際は足りなかったという事態に陥ってしまいます。

一定の離職はどの会社でもほぼ発生するものですので、過去数年間の離職率の平均から今後の離職が発生する可能性というのは考慮しておく必要があります。

船井総合研究所│採用計画の基礎知識

そのため、人事は「過去の離職データ」をすべて把握したうえで計画を立てています。

もちろん1年以内に辞める割合もわかっているので、1年以内に辞めた新人が出たとしても迷惑がかかったり驚くような事態ではないのです。

一方で、この採用計画がかなりずさんな会社もあります。

「大量採用・大量離職」の会社は、とにかく採用して残った従業員を育てます。

こういった会社の場合は、そもそも離職を一切気にしないので心配する必要はありません。

入るところを間違えたと考えて割り切ることをおすすめします。

ただし辞め方には注意が必要

ここまでにお伝えしたように、辞めることで迷惑をかけるのではないかと、気に病むことはありません。

あなたはここまで働いてきた実績があります。退職をすることで文句を言われる筋合いはありません。

しかし注意しておかなければいけないのは、最後の辞め方です。

フユスケ

辞め方ってどういうこと?

ハルシバ

辞める時のマナーってことだね

1年で辞めることで、迷惑がまったくかからないかというわけではありません。

少なくとも上司には多少の迷惑をかけることになることは、認識しておいたほうがよいです。

念のためにお伝えしますが、気に病む必要はありません。以下のような上司が困ることをしなければ問題ないのです。

ギリギリのタイミングで言う
引き継ぎが適当
飛ぶ(音信不通になる)

いずれも社会人としてのマナーレベルの内容ですが、意外とこの辞める時のマナーが適当な人が多いのです。

辞めることは当然働く人の権利なので誰も文句は言えません。

一方で辞める時に、適当に引き継いでたりするとその人の「人間性」を疑われます。

また、音信不通になることを「飛ぶ」と言いますが、この飛ぶことはマナー違反な上、履歴にも残ってしまうので注意する必要があります。

その会社は「もう今後関係なくなるから別にいいのでは」と思うかもしれませんが、その態度や行動は次の会社でもクセになってしまうのです。

僕は人事を長くしていますが、人の本性は辞める時にこそ出ると感じています。

また、最近の採用活動で「リファレンスチェック」というものを、実施する企業が増えてきていることをご存知でしょうか。

リファレンスチェックは、英語では「Reference Check」、身元照会という意味になります。要するに応募者の前職での実績や勤務状況に偽りがないかを前職の人に確認をする調査です。

ロバート・ウォルターズ│リファレンスチェックとは?質問内容と気になるポイントを解説

ようは、不適切な行動を取っていた場合は採用の判断材料にされてしまうのです。

リファレンスチェックによって自分の知らないところで、いつのまにか不合格扱いされてしまう可能性がでてきてしまいます。

過去の会社に、リファレンスチェックが入る可能性があることを覚えておいてください。

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辞める事を深刻に考えなくてよい理由

1年目で辞める

ここまでは1年で辞めても、迷惑にならない理由をお伝えしてきました。

あなたの人生なので、会社のことを心配する必要はありません。辞める時に最低限のマナーを守れば大丈夫です。

ここからは「辞める」ということについて、僕の経験談も交えてもう少し深掘りしていきます。

深刻に考える必要がない理由

入社1年で辞めるということについて
会社を辞めるとほとんどの場合絶縁する
いつでも辞める権利が約束されている

入社1年で辞めるということについて

入社1年目は、そんなに楽な時期ではありません。

まず長い学生生活から、社会人生活へと変化すること自体大きなストレスを受けます。

「学ぶ」ことから、「働く」ことが中心になるので、生活の全てが変わると言っても過言ではありません。

さらに社会人経験がない状態で選んだ会社は、「思っていたのと違う」という想定外のことが起きることがよくあります。

想定外のことが起きてしまうことを、『リアリティショック』と言います。

「リアリティショック(reality shock)」とは、その名の通り「現実に直面した際のショック」を意味しており、とくに新しい環境に身を置いた際に「実際の状況が思い描いていたものと違った」と感じた際のギャップに思い悩むことを指す言葉です。

人事の図書館│「リアリティショック」とは?起こる要因と企業が取る対策を解説

僕も社会人になった最初の1年目は、上司がすごく厳しかったこともあり、現実の厳しさにリアリティショックを受けました。

また、朝から晩まで働くこと自体に疲れ果てて、憧れていた社会人生活とはかけ離れていて「絶望」したことを覚えています。

ラーニングエージェンシー社の調べによると、社会人1年目に感じるギャップには「生活リズムや社会人の考え方」が1位になっています。

入社ギャップ
ラーニングエージェンシー│社会人1年目が直面する壁が明らかに!上司からの働きかけが大きく影響

多くの人が規則的な生活リズムや、社会人特有の考え方にギャップを感じリアリティショックを受けていることがわかります。

フユスケ

朝起きれない

ハルシバ

夜も遅いしね

そういった現実の厳しさや環境の変化に耐えられず、入社1年目で辞める人は一定数いるのです。

厚生労働省の調べでは大学卒の新入社員のうち、「約11%」は1年で辞めていることがわかっています。

1年目の離職率
厚生労働省│新規学卒就職者の離職状況を公表します

大学卒の新入社員は約40万人いますので、4.4万人程度は入社1年で辞めることになります。

3年目までの合計を見てみると、「約31%」と1年ごとに10%程度増えています。

3年合計の辞める人数は12万人と、かなりの人数が1社目を去るのです。

これらの数字が示すように、会社に定着することはなかなか難しく、個々の会社というより社会全体の問題とも言える状況です。

結論として1年目で辞めることを気にする必要はなく、自分のタイミングで次の会社を探すことは特別ではなく自然なことだと考えてよいのです。

会社を辞めるとほとんど絶縁する

会社を辞めると「他人」だったことに気付きます。

辞めることがわかった瞬間や辞めた後に、会社の人たちの態度はわかりやすく変わるからです。

会社にいる期間はお互いの利害関係があるので、仕事仲間としてのつながりや「仲間意識」を感じることができます。

辞める時にこの仲間意識を感じて、「迷惑をかけてしまうのではないか」と心配してしまう気持ちもわかります。

しかし仲間意識というのは、「会社の仕事」という共通の目的があることで成り立っています。

そのため、辞める人は仲間ではなくなるので、これまで感じていたような仲間意識は急に消えてしまうのです。

そのため、仲間や会社に対して心配することで、判断が遅れてしまうことにあまり意味がありません。

フユスケ

結構きつい

ハルシバ

割り切るようになったよ

また、どこかで会うのではないか、またお世話になるのではないかという「もしかすると」も気を遣う要素の1つです。

僕は20代のころ、この「また会うかもしれない」ということを気にして、判断が鈍くなっていました。

しかし、社会人を20年経験した今、感じているのは当時の気遣いは本当に無駄だったということです。

辞めた後に会うことはありませんし、何か感動的な再会があるわけでもありませんでした。

8回転職しているので言い切れるのですが、シンプルに「自分の世界」から会社ごと存在が消えます。

結婚式やホームパーティーに呼ばれるほど、プライベートでも仲良くしていたこともあります。

そうした、本当に仲間だと感じられた会社でも、共通の「目的」がなくなれば関係は数年で消えます。

僕の場合は、辞めた後に続く関係は長くても「2年」くらいでした。

こういった経験から僕は、辞めた会社とは自らすべての「縁」を切るようにしています。

「なんだか寂しそう」と思われるかもしれないのですが、実際寂しいです。

ただ、ダラダラと過去の会社の人たちと仲良くしていると、次の会社で馴染むことができなくなるのです。

さらに昔の会社のほうが良く見えるので、出戻りしたくなる気持ちも出てきてしまいます。

これは個人的な例えですが、「別れた恋人」とずっと友達でいるような感覚です。

つながりを維持していると、自分が辞めた(別れた)ことを後悔するような、知りたくないことを知ることになるので僕は縁を切るようにしています。

いつでも辞める権利が約束されている

仕事はいつでも辞められます。

僕たちが自由に仕事を選ぶことができるのは、「国」が保証してくれているからです。

まず憲法の22条第1項で、「職業選択の自由」が守られています。

何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択 の自由を有する。

厚生労働省│憲法22条に規定する職業選択の自由について

前提として、僕たちには仕事を自由に選ぶ権利があるのです。

さらに、民法の627条1項には「退職の自由」についても書かれています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法|e-Gov法令検索

少し引用が多くて申し訳ないのですが、加えて労働基準法の15条には、労働条件が違った場合はすぐに辞められるとあります。

前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

労働基準法|e-Gov法令検索
フユスケ

色んなところに働く保証があるね

ハルシバ

労働者は立場的に弱いからね

憲法は国の最高法規です。

つまり、憲法で「職業選択の自由」が与えられている以上、僕たちは誰にも拘束されないのです。

そのため、1年で辞めたいという思いは、いつでも実現できます。

ただし、それぞれの会社には「就業規則」というものが存在します。

この就業規則に「辞める時のルール」が書かれているので、事前に確認しておく必要があるのです。

就業規則には以下のように記載されている項目になります。

「退職に関する規定

一般的には「1ヶ月前」に申し出る必要がある、と書いていることが多いです。

民法で2週間と書いてるので2週間でもよいのですが、現実的には引き継ぎなどがあります。

また、過去の会社の行動はさかのぼって調べることができるのです。

人事目線で言うと、できる限り会社のルールである、就業規則を守ることをおすすめします。

一方でブラック企業と言われるような会社は、この退職までの期間をわざと長く設定していたりします。

このような場合には、民法が優先されますので原則2週間で退職することは可能です。

一般的に「退職は3ヵ月前に申し出ること」とする就業規則よりも効力が強く、優先されると考えられています。つまり、たとえ就業規則に「退職は3ヵ月前に申し出ること」と書かれていても、民法第627条1項が優先されるということです。

アディーレ法律事務所│「退職は3ヵ月前に申し出ること」という就業規則。絶対に守らなきゃダメ?

辞める前に『ミイダス』で、自分に市場価値や客観的な評価を知ることをおすすめしています。

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【体験談】僕が約1年で辞めた2つの話

1年目で辞める

ここまでは、辞めることを深刻に考える必要はない、という点を説明してきました。

終身雇用の時代でもないので、あまり会社を辞めるという失敗にとらわれない方がよいです。

それよりも、「次」をどうするかが重要になっていきます。

ここからは僕が実際に、「1年前後で辞めた経験」を振り返りつつ、気づいたポイントをお伝えしていきます。

1年でやめた体験談

1年半で辞めるつもりはなかった新卒時代
9ヶ月で辞めて後悔しなかった転職経験
人事の僕が見てきた早期離職者の実態

1年半で辞めるつもりはなかった新卒時代

僕は新卒で入った会社を、1年半で辞めたことがあります。

正直1年目のタイミングで辞めることを考えていたのですが、結果的に1年半で辞めることになりました。

僕が新卒でキャリアをスタートさせたのは、「グラフィックデザイナー」という紙媒体のデザインの仕事でした。

電車の中吊りや、雑誌の広告の制作が主な仕事です。

ちなみに僕はインターンからそのまま入社する予定だった、地方のデザイン会社を卒業前に辞めています。

理由は収入が低く、ブラック企業体質だったからです。

インターンでキツめの0.5社目を経験した僕は、そこで貯めたお金を元手に東京に行くことにしました。

当初の目的は「東京見学」くらいの軽い気持ちでした。

途中からただで帰るのはもったいないと考えるようになり、無謀にもそのまま就職活動をはじめます。

ポートフォリオ(作品集)をまとめ、ブカブカの安売りスーツを着てデザイン会社に直接アポを取って面接に行っていました。

フユスケ

すごいね!

ハルシバ

今考えると無謀過ぎる

すると、まさかの第一志望のデザイン会社から、内定をもらうことができたのです。

当時飛ぶように内定を喜んだことを今でも覚えていますし、おそらく人生で一番嬉しかった内定だったと思います。

しかし入社後、新卒で社会のことを何もわからない僕は、多くのリアリティショックを受けることになります。

夕飯を20時くらいに食べて仕事再開
タクシーで帰宅することは日常
休日も上司の趣味に付き合う必要がある

正直体力面が一番辛かったです。

加えて上司のディレクターが職人気質だったので、ほとんど何も教えてくれません。

僕はだんだんと、デザインの仕事が「嫌い」になっていきました。

ちょうど1年目くらいのタイミングで、求人が目に入るようになっていきます。

求人には「高収入」のキャッチコピーと、楽しげな「営業職」の写真が掲載されていました。

僕は世の中には、「もっと楽しくて稼げる仕事」があるのかと衝撃を覚えました。

当時は結婚も考えていたので、稼ぐことに意識が向いていたのです。

今考えるとあり得ないのですが、「営業」のことを何も知らないのに僕はその求人に飛びついてしまいます。

結果的にすぐに内定が出て、「転職とはこんなに簡単なのか」と勘違いをしていました。

フユスケ

怪しい・・・

ハルシバ

そう結局そこはブラック企業だった

当時は相談する相手もいなかったので、1年半くらいのタイミングで会社に辞めることを告げました。

その時の周りの反応は、かなり必死に止めてくれていたのを今でも覚えています。

カフェで社長や部長が時間をつくってくれたのは、「ありがたいこと」だったんだなと今では振り返ることができます。

おそらく上京して身寄りのない僕を心配してくれていたのだと思います。

結局、転職した後「営業」という新しい仕事で、本物の「ブラック企業」を経験することになって、大きく後悔することになりました。

9ヶ月で辞めて後悔しなかった転職経験

僕は新卒で1年半で辞めた、グラフィックデザインの仕事を大きく後悔しています。

一方で30代に「9ヶ月」で辞めた会社は全く後悔することはありませんでした。

なぜ9ヶ月で辞めたのか、迷惑をかけることは気にならなかったのかという点をお話しします。

その会社は老舗の葬儀会社で、数十年黒字というすごく安定した会社でした。

当時の僕の転職軸は「安定」だったので、まさにこの業界でこの会社だと考えていました。

葬儀業界
矢野経済研究所│葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2023年)

葬儀業界は転職市場での認知度は高くありませんでしたが、基本的に需要がなくならず、今後も市場としては伸びていくことに将来の安定を確信しました。

すでに何回か転職で失敗や倒産という経験をしていたので、業界動向など含めて調査はしっかりしていたと思います。

フユスケ

学んだんだ

ハルシバ

同じミスマッチはしたくないしね

無事に内定を得ることができたので、エージェントとも相談して入社を決めることにしました。

入社して直後は問題はありませんでしたが、1ヶ月も経たない間にリアリティショックを受けることになります。

社長がワンマンでパワハラ
関連会社から来た仕事のできない幹部
聞いていない夜勤業務の対応

面接をした社長は落ち着いていて「人格者」のような印象だったのですが、一緒に仕事をするとワンマンでパワハラ体質だったのです。

そのことが原因で、僕のすぐ後に入社した従業員から「訴訟」を起こされるといった、大きめのトラブルを自ら引き起こしていました。

僕自身も人事なので、ワンマン社長と関わることがあります。ほぼ初対面の状態で理不尽な言いがかりをつけられたりしていたので、高いストレスを感じていました。

どれだけストレスを感じていたかというと、「突然泣き出す」ような精神状態でした。今考えると適応障害の症状だったのかもしれません。

環境変化によるストレスが個人の順応力を越えた時に生じる情緒面および行動面の不調です。うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態です。

厚生労働省│適応障害

正直こうした会社の文化や、他人の人格を事前に調べることは難しく、ガチャ要素が強いので「ハズレ」を引いたと言うしかありません。

一方で、夜勤業務があったことについては、何も知らされておらず衝撃を受けました。エージェントからも聞いておらず、まさに前述した「労働基準法15条」違反でした。

日中に8時間の業務をして、そのまま朝まで夜勤として待機するのです。

フユスケ

それはきつい

ハルシバ

いや普通はあり得ないから

1日通しての労働時間は24時間を超えており、労働時間でも「労働基準法32条」に違反していました。

使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

労働基準法|e-Gov法令検索

36協定を結んでいたとしても、余裕で労働基準法の上限を突破しています。

体力と精神どちらも限界を迎えていた僕は、自分史上最短の9ヶ月で辞めることになったのです。

この時、誰かに迷惑をかけるのではないかと考える余裕はありませんでした。

自分を守るために「辞めなければ」という、想いのほうが勝っていたのだと思います。

経験を積んでしっかり選び、条件もぴったりだった会社でさえ、「これだけ多くの地雷があるのか」と実感した会社でした。

そのまま続けていたとしても、夜勤の事故やパワハラによる精神疾患などを起こしていた可能性もあるので、見切りをつけてよかったと本当に思っています。

人事の僕が見てきた早期離職者の実態

この章の最後では、僕が人事として面接で見てきた人たちの話をお伝えします。

僕自身、転職を8回経験していますが、人事としても3000人以上は面接をしています。

面接をしてきた人たちの中には、1年未満で辞めた経験がある人も一定数いました。

1年以内で辞めている人に共通していたのは、「予期せぬできごと」が退職理由の大半を占めていることでした。

予期せぬできごととは、主にトラブルを指します。

仕事内容が変わった
会社が倒産した
ブラック企業だった

僕自身も「予期せぬできごと」で辞めることを何度も経験しているので、とても他人事とは思えませんでした。

フユスケ

共感するよね

ハルシバ

「わかる」って感じだよ

ただ、年齢によって早期離職の状況は少し違っています。

例えば、経験を積んだ30代や40代が、1年で辞めるケースは高確率で「予期せぬできごと」が原因です。

誰も辞めるつもりで、苦労して転職をすることはしないからです。

慎重に転職活動をしているにも関わらず、辞めなければいけないような状況になってしまうのです。

もしそうなった場合、僕も経験しましたが、かなり苦しい転職活動が待っています。

一方で20代など経験が少ない人たちは、「予期せぬできごと」のレベルが違います。

経験が少ないので仕方がないことなのですが、主に入社前に想像していたこととの違いが辞める原因です。

「こんなはずじゃない」、「もっと他にもいいところがありそう」、といったものが主な理由です。

僕が社会人を20年経験して実感しているのは、この「青い鳥症候群」はジョブホッパーになる危険性があると感じていることです。

現実の自分や、取り巻く環境、待遇などを受け入れられず、自分にはもっと力があり、もっと能力を発揮できる場所があるはずだ、という考えを捨てられず、理想の職場を求めて転職を繰り返す人のこと

厚生労働省|青い鳥症候群

ただ、入ってみないとわからないのが会社で、やってみないとわからないのが仕事です。

30代以降のミドル世代と比べると、20代の頃は「なんとなく自分に合わない」という理由で、軽めに辞めているケースが多いです。

ようは、検証しないまま辞めているということが言えます。

そのため、面接で「これからどうしたい」という部分を質問しても、曖昧な回答が返ってくるだけです。

1年以内に辞めることで、迷惑をかけてしまうのではないかと心配するよりも、自分の「これからどうしたい」を先に決める方が前向きに動けます。

1年で辞めることは恥ずかしいことではありません。自分の価値観に気づいて勇気を出して行動した結果です。

フユスケ

がんばれ!

ハルシバ

僕も乗り越えたよ

また、勤めている会社は、いつか「損切り」する必要があると僕は考えています。

損切りとは、投資家が損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させることをいいます。

SMBC日興証券│損切り

引用の通り、損切りとは投資の言葉です。

投資を経験したことがないと、想像することが難しいかもしれないのですが、参考にしてください。

自分が投資しているものに対しては、「もしかしたら」という都合よく楽観的に考える力が働きます。

これは働いている会社にも同じことが言えます。

「自分が選んだ会社だから大丈夫」という信じたい気持ちが、考えを鈍らせて退職の時期を遅らせます。

客観的にみて、自分には合わないと言うことがわかれば会社を「損切り」してできるだけ早めに動くべきなのです。

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1年で退職する事になる深刻な理由

1年目で辞める

ここまでは僕の1年前後で辞めた2つのケースと、人事から見る早期離職についてお話ししてきました。

思ったよりも早く辞めることは、悪いことではありません。

検証して同じようなミスマッチを、繰り返さないようにすればいいだけなのです。

ここからは、本人では気づきにくい、「早期離職につながる要素」について、キャリアコンサルタント視点を加えてお伝えします。

1年で退職することになる理由

どうしても気づけないリスクとは
見落としがちな自己理解と仕事理解とは
受け身と他責のクセがあるなら要注意

どうしても気づけないリスクとは

実際に中で仕事をしないと、離職につながるリスクに気づくことはできません。

就職や転職でミスマッチがなくならない原因は、入るまで「わからないこと」があるからです。

僕も8回転職して痛い目をみていますが、いくら会社のことを入念に調べたり、面接を重ねても必ず必ず何かを見落としてしまいます。

特に言語化しにくく目に見えない部分は、働くうえで影響力が大きい傾向があります。

企業文化
人間関係の良し悪し
財務体質や経営状態

企業文化というものをわかりやすく説明すると、その会社の「暗黙のルール」のようなものです。

意識せず会社の価値観に沿って、行動したり考えたりすることを企業文化と言います。

企業文化とは、企業と従業員との間で共有される価値観や行動規範のことをいいます。企業が掲げるビジョンやミッション、バリューに向けて企業全体でその体質を形成し、従業員一人ひとりが目標に向けた行動を起こす文化のことです。 

HRBrain│企業文化の例を事例で解説!日本と海外の企業文化は大きく違う

この企業文化は基本的にビジョンや、経営理念に沿って出来上がっていることが多いです。

というよりは、経営と人事は「ビジョンに沿った文化ができるように」会社を動かしています。

就職するときには、あまり気にしなかったかもしれませんが、実はビジョンにはかなり影響力があるので要注意です。

そして企業文化は「空気」のようなものなので、入社して体感する以外ありません。

フユスケ

体育会系は無理

ハルシバ

やたら会社愛が強いところも怖い

そして、企業文化よりも、さらにわかりにくいのが「人間関係」の問題です。

お局やモンスター社員
働かないおじさん
パワハラ社長や上司

もはや転職や就職における、一番のリスクは会社に「どんな人間がいるのか」ということです。

個人的な思いとしては、どのような人物が働いているのか、会社は開示するべきだと思います。

それくらい大きなリスクが人間関係には潜んでいますし、実際僕が辞める原因になった理由の多くは人間関係です。

エンジャパンの調べでも、退職理由の1位は「人間関係」です。

退職理由
エン・ジャパン│ユーザーアンケート

アドラー心理学によれば、「ストレスの90%は人間関係が原因」と言われています。

「人間関係」という、一番のリスクが一番わかりにくいのです。

また、上場していれば経営状態はわかりますが、日本の上場企業割合は「約0.09%」と少ないのが実態です。

そのため、実際に入るまで経営状態はよくわからない場合がほとんどです。

これは僕が飲食業界にはじめて飛び込んだ時の話です。

働く条件は特に問題はなく、人間関係もそこまで悪くありませんでした。

しかし、入社後に「利益率の低さ」と「売上の推移」を知り、ずっとここで働いてていいのかといきなり悩んだことがあります。

フユスケ

入らないと気づけないね

ハルシバ

知らないほうが幸せだったりする

ある程度、業界の現実は理解していたつもりでしたが、それを超える「つまらない現実」にショックを覚えました。

少し話が逸れますが、「婚活市場」に例えるなら、相手に年収条件を求めるように、会社にも年収条件(経営状態)を求める意識を持つことが重要です。

経営状態は自分の将来を決める要素だからです。

エージェントなどを使って転職活動をする場合は、できるだけ「数字の情報」をもらうようしましょう。

見落としがちな自己理解と仕事理解とは

就職活動は色々なことを、「自分1人」で考えて決めていかないといけません。

エージェントなどはサポートしてくれますが、最終的には他人に戻るので、重要な意思決定は自分で行うしかないのです。

ただ、20代で転職活動の豊富な経験を持っている人は、少ないのが現実です。

エン・ジャパンの調べによると、20代の転職回数は「1回」という回答が最多となっています。

転職回数
エン・ジャパン│ユーザーアンケート

20代の半数以上は、「転職経験がない」と回答しているため、20代の約70%が転職回数は「1回以内」ということがわかります。

この状態で転職活動をして、うまく成功したというケースを僕はあまり見たことがありません。

結局のところミスマッチを経験して修正している人がほとんどだと思います。

何度かお伝えしているように、入ってみないとわからないのが会社で、やってみないとわからないのが仕事です。

このように経験がない状態で仕事を辞めることや、転職について悩むには限界があります。

フユスケ

想像するしかないのかな

ハルシバ

できることはあるよ

そこで、キャリアコンサルタントが使う「キャリア形成の6ステップ」の一部をお伝えします。

学校や会社では教えてくれませんが、基本的にこのキャリア形成の6ステップを意識することで、1年で辞めるような事態を避けることができます。

キャリア形成6ステップ
厚生労働省│キャリア・コンサルティング技法等に関する調査研究報告書の概要

このステップは、転職を8回した僕から見ても有用だと感じます。

すべてのステップを説明すると長くなってしまうので、重要な「自己理解」と「仕事理解」のポイントを説明します。

自己理解とは

まず、自己理解については就職活動のときに、多くの人は自己分析をしたと思います。

就職活動の時はみんなやってるから仕方なくやったという人もいるのではないでしょうか。

ちなみに僕が新卒の時は、自己分析をしていませんでした。

自己分析がなぜ大事かというのは、「自己理解」につながるからです。

自己理解は一度でわかるものではなく、時間や経験とともに変化していきます。

そのため、「1年で辞める」という転機を前にした今、あなたの価値観などは変わりつつあるのです。

自己理解を深めるには、『クリフトンストレングス』がおすすめです。

フユスケ

はじめて聞いた

ハルシバ

海外では上場企業も導入しているよ

有料ですが自分の強みを把握することができ、自分が何に向いてるか客観視できます。

僕は20代の時に、このクリフトンストレングスを参考に今の人事という仕事にキャリアチェンジしました。

また自己理解が深まるメリットとして、「自分の中にある働く動機」に気づくことができます。

これを「内発的動機づけ」といいます。

お金など外部から動機づけされるものよりも、強いパワーを発揮できるようになるのでおすすめです。

内発的動機づけとは、報酬や評価などの外部要因を受けずに、自身の内側から湧き上がる興味・関心や向上心などによって動機づけられている状態のことです。

日本の人事部|内発的動機づけ

仕事理解とは

仕事理解という言葉は、あまり耳馴染みがない人が多いのではないでしょうか。

意味はそのまま、「仕事に対する理解」です。主にキャリアコンサルタントの用語として使われる言葉です。

仕事については、実践以外であまり学ぶ機会がないので言葉として浸透していないのかもしれません。

しかし、仕事について正しく理解をしていないと、1年で辞めるようなミスマッチを経験することになります。

できるだけ興味のある仕事に対しての、「解像度」を上げる必要があるのです。

フユスケ

どうすればいいのかな?

ハルシバ

僕が実践したものを紹介するよ

まずはネットで分かることも複数あります。『JobPicks』などの職業図鑑で、仕事の概要を掴むところから始めてみましょう。

働いている人のコメントが1番わかりやすいうえに、生々しい情報を得ることができます。

会社の口コミサイトの『OpenWork』などでも、仕事を実際にしている人のコメントを知ることができるのでおすすめです。

ポイントとしては、生々しいコメントから「現実」を直視することです。

また、僕の一番のおすすめは書店の「専門書コーナー」です。

どんな職業にも入門書はありますし、そこには具体的な手順が書かれています。

2、3冊読めばどのような仕事で、なにが大変なのかということがわかります。

他にもYouTubeなどの動画サイトで、「職業名+現実」というようなキーワードをいれることで、実態を知ることができます。

こうしたインプットを通じて、「大変そうだな」とか「きつそう」といった、自分の感情をまずは味わいましょう。

それでも「やってみたい」と思える、魅力があるかを確認していくことが重要です。

仕事理解のポイントは、「しんどいこと」を知ることです。

基本的に興味を持つ仕事には、原体験として「憧れ」があります。

僕もグラフィックデザイナーの「キラキラした世界」に憧れていました。

しかしどのような仕事にも「しんどいこと」はあります。

そのしんどさを知った上で、転職やキャリアチェンジをすることで、ミスマッチを減らすことにつながるのです。

受け身と他責のクセがあるなら要注意

受け身と他責のクセは、自覚しないと変わりません。

受け身と他責はキャリアに、「悪影響」があるということを認識しない限りは、考え方は変わらないのです。

特に指導してくれる人がいない職場で働いている場合は、いつまでも自覚することができないので注意が必要です。

受け身とは

受け身というのは、「指示待ち」の状態を言います。

自分のキャリアをつくるうえでは、誰かが道を用意してくれることはありません。

どのような職場だとしても、自分で道を作っていくしかないのです。

上司から指示をされた仕事をこなすことに慣れてしまうと、自分で考えることが苦手になってしまいます。

僕が採用した人の中で、大企業で受け身でいることに慣れきっていたため、中小企業ではパフォーマンスを出せないケースを見てきました。

フユスケ

気づけないの怖い

ハルシバ

ツッコミ役不在になるよ

仕事で受け身にならないためには20代のうちに、「課題発見力」を高めていくことがおすすめです。

課題発見力とは、現状から問題を見つけていく力です。

問題を見つけ取り組む課題がわかれば、自分で仕事をつくることができます。

基本的に会社は問題だらけなので、この能力は生涯使うことができます。

また、課題発見力はMBA(経営学修士)などのビジネススクールで、1つの単位として確立されているほど重要なのです。

他責とは

他責とは文字通り、責任の所在は他人にあるということです。

そうした考え方を「他責思考」と呼びます。他責思考はビジネスシーンだけに限らず、自分の行動に影響が出るため注意が必要です。

基本的に自分の「外」に問題があると考えているので、自分の中に問題があるとは考えません。

環境が悪い
上司が悪い
会社が悪い

過去の僕は他責思考のほうが楽だったので、自責(自分に問題がある)という考え方が、あまり出来ていませんでした。

実際に他責思考は自分の中にある問題に目を向けないので、ストレスを感じにくいというメリットはあります。

しかし「気づき」と「成長の機会」を失うという、デメリットのほうが圧倒的に大きいことに気付き、僕は他責思考をやめることができました。

フユスケ

もったいないね

ハルシバ

スルーするところだった…

他責思考が向く方向は「他人」です。しかし他人は変えることはできません。

変えられないものに対して不満を感じたり、文句を言っていても、現実は変わらないということです。

他責思考は、思考しているようで実は思考停止しています。

僕はこのことを仕事を通して実感したことで、「自分を変えよう」という自責に切り替えることができました。

今のあなたのように1年で辞める場合は、「他責」にしたい要素は多く存在すると思います。

一方で他責にしても目の前の現実は変わらないので、1年で辞めることをきっかけにして、自分の中にある問題に目を向ける習慣を意識することをおすすめします。

『ミイダス』なら客観的な評価で、自己理解を深めることもできます。

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1年で辞めるつもりなら知るべき事

1年目で辞める

ここまでは、1年で辞めることになる理由をまとめてお伝えしました。

辞める原因になるものは、入社しないとわからないことがあるのは事実です。一方で自分で動いて変えられるものもあります。

自分を変えるためには、期待するような「いつか」と「だれか」は、いつまでも来ないということを、早めに気づけるかがポイントです。

そうした幻想を持ち続けて、50歳を超えている人たちを数多く見てきました。

ここからは1年という短い期間で辞めるなら、知っておいたほうがいいことを、対処方法込みでお伝えします。

1年で辞めるなら知っておくべき事

3年で転職を繰り返すリスク
1年で辞めるつもりなら内定が先
仮説と自分のストーリーを考える

3年で転職を繰り返すリスク

1年で辞める場合は、短期間での転職を繰り返す可能性があります。

理由としては、最初の会社で得られるはずだった「経験」をしていないからです。

学生という「守られた世界」から、社会に飛び込むことになる1年目は、前述したように数多くのリアリティショックを受けることになります。

リアリティショックに耐えられず、何割かの新卒は早めに辞めることを選択します。

ディスコ社の調べによると、入社1年目で転職を検討しているのは40%となっています。

1年目の転職意向
ディスコ│入社1年目社員のキャリア満⾜度調査

実際に1年目で辞めるのは10%の4万人ですが、辞めるかどうかを悩んでいるのは、新卒の半数近く「16万人」ということになると言えます。

何度もお伝えしますが、辞めるという選択肢が悪いということを言うつもりはありません。

仕事には1年を通して、一定のサイクル(周期)があります。

仕事のサイクルを経験することは、成長するための重要な役割を果たします。

仕事に慣れることで要領を掴んだり、様々な場面に対処することができるようになるからです。

また、余裕が生まれることで試行錯誤することもできるため、結果的に「仕事の質」が上がっていきます。

こうした理由から長く同じ会社にいる場合は、成果を出しやすくなる可能性があるのです。

フユスケ

慣れるんだね

ハルシバ

成長の1つだよ

ただし、他責思考など何も考えずに過ごしていた場合は、何も変わりません。

サイクルの中でいろいろな修羅場(大きなトラブル)を経験することにより、成長につながっていきます。

一方で1年という短い期間で辞める場合は、当然その後の2年目、3年目、という仕事のサイクルを経験できません。

1年目はリアリティショックは受けるものの、それは学生生活との違いによるものです。

最初の1年の経験としてはほとんど無風です。

冒頭にお伝えしたようにチュートリアルの段階なので、大きな修羅場を味わうことなく過ぎていきます。

僕の経験からお伝えすると、結局はどこかで修羅場を経験することになります。

それが早いか遅いかの違いです。

もし修羅場に遭遇しなかった場合、新卒の時と何も変わらないという厳しい状況になります。

とにかくいろいろなことを経験する、それに尽きます。何よりも大切なのは、いろんな経験を繰り返すことで、それがスキルやマインドにつながりキャリアとなります。

日経転職版│「失敗しに行く」のも大事 修羅場体験がキャリア磨く

そのため1年で辞めた場合は、次の会社ではある程度覚悟しておく必要があります。

修羅場を経験せずに転職すると、次の会社で修羅場を経験して不満を感じるようになるからです。

そして、理想を求めて、3年くらいの周期で転職を繰り返す癖がついてしまうのです。

転職を繰り返すことは悪くはありませんが、理想を探し続けるジョブホッパーになることだけは避けるべきです。

1年で辞めるつもりなら内定が先

転職において、絶対守ってほしいのが「内定が先」ということです。

転職活動をあまくみて、辞めてから考える人がいますが多くのリスクを抱えることになります。

ビズヒッツ社の調べによると、辞めてから転職活動を行う人は「約49%」となっています。

辞めてから転職する割合
ビズヒッツ│「働きながら転職活動」と「辞めてから転職活動」どっちがいい?

おそらく現実的にはもっと少ないと思いますが、それでも一定数は「辞めてから転職活動をする」人がいることは事実です。

僕自身も辞めてから転職活動をしたことがありますが、急に転職活動がハードモードになります。

内定が出るかどうかは不確定要素です。

いつ内定が決まるかわからない状態で、転職活動をはじめると「負の連鎖」が起こりやすくなるのです。

決まらない限り空白期間が伸びる
内定がゴールの転職活動になる
計画性の無さがマイナス評価になる

特に内定をゴールにした瞬間に、ミスマッチの確率はグッと上がります。

なかなか内定が出ないということは、多くの不合格が出ている状態です。

不合格が続けば自己肯定感が低くなり、自分を信じられなくなります。

仮にそんな心理状態の時に、「内定」が出たら誰でも飛びつきたくなるものです。

フユスケ

だってしんどいし

ハルシバ

僕がそうだったからわかるよ

僕の経験から言えることですが、本心で「いきたい」と思っていない限りは、結局数年で辞めることになります。

飛びついた内定を「買い物」で例えるなら、バーゲンセールの商品を衝動買いすることに近いです。

『安物買いの銭失い』という言葉がありますが、転職においても安い(簡単にもらえる)内定に飛びつくと結局すぐに転職することになります。

安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えなければならなかったりするので、かえって損になるということ。

コトバンク│安物買いの銭失い

一方で在職中に転職活動をすれば、「安物の内定」に飛びつくことなく、じっくり会社を選べます。

さらに大きなメリットとして、面接でのフィードバックや書類選考の結果から、「自分の課題」を知ることができるのです。

自己理解を深めることは、1人でできることに限界があります。

僕も実践してきたことですが、転職活動という現実からフィードバックを受けるほうが、自己理解が深まるスピードが早いです。

仮に不合格続きで力不足を感じたり、自分のやりたいことが、見えなくなったとしても現職に残ればよいのです。

自分の課題が見えた状態で現職を続けると、違う視点で取り組むことができます。

仮説と自分のストーリーを考える

自分のキャリアを見つけていくためには、仮説とストーリーが重要です。

本記事でもお伝えしてきましたが、人生は待っていても「だれか」と「いつか」はきません。

これは僕の「上京、MBA、起業、倒産、8回転職」など、数多くの経験から言うことができます。

すべて自分から動かなければ、何も起こりませんでした。

ただ、何度も書きますが、1年で辞めることによる迷惑を考える必要はありません。

基本的に人生は、まず自分のストーリーを考えないと何も動かないのです。

ここで言うストーリーとは、キャリアの「はじまり」から「おわり」までの繋がりをいいます。

辞めた次にどうしたいのかはもちろんですが、最終的にどうありたいのかを、「ぼんやり」とでもいいので考えましょう。

自分のストーリーの中に、1年で辞めた意味があればいいのです。

フユスケ

自分の考えが大事なんだ

ハルシバ

辞めたいだけだと厳しいよ

自分のストーリーに加えて、自分なりの仮説を持つようにすると、失敗の確率を下げることができます。

仮説とは自分が「本当に大切にしたいもの」や、「価値観」などについてです。

そのためにおすすめなのが、『静かな退職(Quiet Quitting)』というものです。

『静かな退職』という言葉はあまり聞かないかもしれませんが、退職したような気持ちで淡々と働くことをいいます。

仕事は仕事と割り切り、自分もがんばりすぎない働き方です。

ギャラップ社の調べでは、世界の労働者12万人のうち「約59%」が仕事に打ち込んでおらず、静かな退職状態であることがわかっています。

静かな退職
BUSINESS INSIDER│「静かな退職」は世界的な現象で、その損失は8.8兆ドル…調査対象の労働者の59%が該当

僕も見切りをつけた会社では、この『静かな退職』状態で仕事をしています。

静かな退職状態になるのは、在職中に転職活動をしている時期です。会社に何も期待せず、とにかく自分に目を向けるのです。

ずっと静かな退職状態でいることは、キャリアにとってマイナスになるので期間限定で切り替えることをおすすめします。

一定の期間を区切り、自分の本当に大切にしたい「価値観」とは何なのか、ということの仮説を立てていきます。

Quiet Quittingは少し省エネモードで過ごしながら給料をもらい、自分の価値観を再考し、自分が求めるライフスタイルに最適な仕事を見極める素晴らしい戦略だと思います

HUFFPOST│最低限の仕事だけこなし、それ以上は頑張らない。「Quiet Quitting(静かな退職)」が海外でトレンドに。なぜ?

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まとめ:辞めるのは簡単だけど要検証

最後までお読みいただきありがとうございました!

フユスケ

どうもです!

ハルシバ

ありがとうございました!

1年で辞めるかどうかという悩みは、多くの人が抱えています。

一方で、自分の人生は自分で「決めていく」必要があります。

会社を辞めた後は、数ヶ月で自分の世界からは消え、仲間だった人たちは「同じ目的」を失うことで他人に戻ります。

あまり深く悩まず、まずは自分がどういうものを大事にしたいか、を考え決めていきましょう。

この記事をまとめていきます
1年で辞めることは迷惑ではない
辞めるという行動には価値がある

辞める経験から自分の価値観を考える

まずは他人のことや会社のことは、横に置いて大丈夫です。

逆に他人のことに気を配れるほど余裕がある状態なら、辞めずに様子を見たほうがいいかもしれません。

もしあなたが、「自分に合う仕事がわからない…」と悩んでいるならミイダスについて少しだけお話させてください!

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正直なところ、「本当に辞めなければいけない」ときにはそんな余裕はありません。

1年で辞めるようなタイミングでは、ぜひ自分のことだけに集中するようにしてください。

この記事があなたの役に立てていれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

ハルシバのアバター ハルシバ MBA/国家資格キャリアコンサルタント/人事

これまで8回の転職をした現役の人事です。就職氷河期世代であり、ほぼすべてが超ブラック企業という過酷な環境を乗り越えてきました。

ついでに倒産や起業も経験しています。このブログではブラック企業の経験やMBA、国家資格キャリアコンサルタントを学んで社会人としてのブランディングに成功した経験をお伝えしていきます。

https://twitter.com/ten_keshi

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