退職を後悔していて前職に戻りたい…
出戻りできるならしてもいいの?
また同じ後悔をする気がして心配
転職後に「前職のほうがよかった」と後悔を感じることは多いですよね。
新しい職場ですべてが良くなるような感覚だったのに、いつの間にか「前職」のことを考える機会が増えていたりします。
僕も8回の転職を経験していますが、実はほぼ全ての転職で後悔をしています。
正直「前の会社に戻りたい」と、後悔した回数は数え切れません。
ただ、今はその後悔を乗り越えて、自分の思い描くキャリアを進むことができています。
寂しかったんだね
転職は厳しいんだよ
この記事の結論としてお伝えするのは、「後悔しない転職はない」ということです。
- 退職の後悔はつきものできるだけ前職とのつながりは断つのがおすすめ
- 出戻りすることもできるけどキャリアにとってプラスかどうかよく考える
- 辞めなきゃよかったと思わないように自分のありたい姿を描く
僕が8回の転職を経験して強く感じることは、どれだけ準備しても絶対に見抜けない「リスク」があるということです。
そのため、ある程度リスクを受け入れることを前提として、転職をする心構えや対処法を学ぶ必要があります。
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この記事では「後悔の念」で苦しむあなたが、僕のように気持ちを断ち切り、前に進めるように心構えと対処法をお伝えして手助けをします。
記事を書いている僕は、人事で15年経験を積み採用する側を経験しています。勉強のために読んだ人事や転職についての専門書は100冊を超えています。
さらに会社については、MBAを3000時間かけて修めているので、誰よりも客観的なアドバイスが可能です。
また今回のために、退職の後悔についてあらためて、30時間以上の時間をかけて真剣に調査と執筆をしています。
ぜひ最後までお読みいただき、気持ちを切り替えて今に集中できる自分を手に入れてください!
退職の後悔を断ち切る3つの方法
まずはじめに僕が実践して、効果を検証済みの「思考法」と「対処法」をお伝えします。
あらゆる専門書を読んでも、退職や転職についての正解はありませんでした。
一方で、僕自身が8回の転職という実践を繰り返して得た、重要な知見をこの章でお話しします。
人事が語る前職の関係を断ち切る意味
転職を成功にする為に必要な努力とは
後悔をバネに次の転職を準備する方法
人事が語る前職の関係を断ち切る意味
僕の経験上ですが退職は不思議と、毎回「寂しい」という感情を伴います。
これはどんなに、酷いブラック企業であっても同じでした。
在職中は「早く辞めたい」と毎日思っていたのに、実際に辞めるとなると寂しさを感じるのです。
寂しさを感じる理由は以下のようなものがあります
関係を築いた仕事仲間との別れ
慣れた環境から未知の環境に移る不安
自分がいなくなっても存続する会社
この寂しいという感情は、僕の経験では転職にはあまり良い影響はありませんでした。
まさに「後髪を引かれる」ような、未練がましい思いにかられるからです。
あとに心が残って、先へ進むことができない。未練が残って、きっぱりと思い切ることができない。
コトバンク│後髪を引かれる
僕のこれまでの経験上、仕事仲間と関係が深くなったのは一番過酷な「ブラック企業」でした。
ブラック企業など過酷な環境では、修羅場を乗り越える機会も多く、自然と仲間同士は関係が深くなります。
その関係の深さは、辞める時によくわかります。とても強い絆が生まれていたことを離れる瞬間に実感することになるのです。
寂しい!
離れないとわからないよ
退職時の「寂しい」という感情にかられて、僕は退職後の付き合いを約束したりしました。
僕は新しい会社に行った後も、職場の人間関係に馴染めないこともあり、前職の仲間と定期的に飲んだりする関係を続けていたのです。
ある時、前職の仲間と話す内容で「新しい会社の愚痴」が多くなっていることに気づきました。
前職のほうが良かったと後悔している自分がいたのです。
リクルート社の調べでは、新しい職場に馴染めず辞めたいと思う人が「60%」もいることがわかっています。
実際新しい職場に馴染むには、相当努力する必要があります。
結果的に楽な前職の仲間と関係を続けてしまうのですが、それが新しい職場で馴染む速度を遅くします。
新しい職場の人と関わる機会を減らしてしまっているからです。
僕はこのことに気づいてからは、過去の会社の人たちとの関係を断つように決心しました。
極端ですが、僕の場合は今関わっている人以外とは文字通り関係を断っています。
LINEも含めた全ての連絡先をブロックして消しています。
厳しい
そうするしかないんだ
薄情なやつだと思われるかもしれませんが、転職とはそういうものだと思います。
会うたびに過去に引き戻されるような飲み会や、交流を繰り返していても自分が高まることはありません。
辞めた会社は過去、結局のところ人生は1人で前に進むほかないのです。
もちろん寂しいですし、たまには会いたくなります。
そういった感情を乗り越えて、新しい職場でつながる努力をしていくことで自分の人生が開けていきます。
僕がこういった結論に至った背景には、気持ちの切り替えが必要だと感じたことに加えて、「無駄かもしれない」と思うようになったからです。
とても根気強く世話を焼いていた後輩や、いつも一緒だった仲間も会社が変わればいつの間にか会わなくなります。
前述したように、転職後に頻繁に会っていたとしてもです。
自然消滅とでも言うのでしょうか、自ら関係を断たなくても1年か2年でパタリと連絡がなくなります。
これはどんな職場でも同じでした。
どちらかというと、連絡する理由がなくなるのだと感じます。
8回の転職で人間関係を観察してきた僕は、辞めることは関係を断つことという覚悟を持つ必要があると実感したのです。
転職を成功にする為に必要な努力とは
厳しい現実ですが、一般的に転職の成功率は高くありません。
僕自身も8回転職を繰り返して、成功だったと言える経験は少ないです。
識学社の調べによると、転職で後悔や失敗を感じている割合は「約60%」となっています。
失敗や後悔を感じる理由は以下のようなものです
給料が上げられない
組織風土が合わない
人間関係に不満がある
多くの場合、「転職後にどうなるか」ということは具体的にはわかりません。
なぜならば、ひとつは面接で余計なことを聞けば不合格になる可能性があるので、踏み込んだ質問をすることを求職者が避けるからです。
さらに会社側も入社後にどういう状態になるのかは、入社しないとわかりません。
また、余計なことを伝えて、内定を辞退されたくないのです。
僕は過去に採用する側として、後悔や失敗をしてもらいたくないと考えて面接回数を「5回以上」に増やしたことがあります。
当時Googleが面接を10回以上するという、事例を参考にしたのを覚えています。
食事もしたりできるだけ、本音を伝える努力をしました。
しかし、求職者は採用されたいという強い動機があるので、本音を語ることは少ないのが実態でした。
結局その中で採用した人の中には、採用するべきではない「モンスター社員」が潜んでいて対処にとても苦労しました。
このような会社側の立場と、求職者側の立場がある以上、転職の後悔や失敗といったミスマッチがなくなることはありません。
人事を15年以上経験している中でも、根深い採用の問題だと実感しています。
本音が見えない
お互い様だよ
一方で、転職に失敗したらそれでいいのかというと、全くそんなことはありません。
失敗したからといって会社を辞めていたのでは、それこそジョブホッパーになってしまいます。
ではどうするべきかというと、「成功したと言える基準」をつくることです。
一時的に失敗や後悔を感じることは、前述のとおり避けようがなく仕方がありません。
しかし、失敗したと感じた状況を悲観しても前には進みません。
シンプルですが、自分の中で「成功した」と言えるまでは働いてみるという考え方です。
僕の失敗経験をお話しすると、騙されて希望年収から「100万円」も下げられたことがあります。
めっちゃひどい
マジメに人間不信になった
この時は正直すぐにでも辞めても良かったのですが、真剣に悩んだ結果の入社だったので、「自分の決断」を信じたかったという思いがありました。
僕は自分の選択が、正しかったと言えるようになるまでは頑張ろうと覚悟をあらためてしたのです。
その時に決めた「成功の基準」がこちらです
希望年収まで到達させる
役職をつけキャリアアップする
能力を高め市場価値を上げる
結果的に5年もいることになったのですが、そのブラック企業では上記の基準を全てクリアしました。
最終的にMBAを3000時間かけて修めており、周りの人事とは大きく差別化ができるようになったのです。
僕の例は少し極端ですが、実際に失敗を成功と言えるようになった事例です。
この時から、僕は会社は自分のために「利用するもの」だという価値観が固まりました。
後悔をバネに次の転職を準備する方法
転職では同じ失敗を繰り返さないことが重要です。
何も学ばないまま転職を繰り返すだけでは、同じ失敗を繰り返す確率が高いままだからです。
転職で失敗した結果、「前職に戻りたい」と思うほどの後悔には、必ず原因があります。
失敗したことを後悔して、泣き寝入りするのではなく、次の転職に向けて徹底的に振り返ることをおすすめします。
泣いてる場合じゃない
ある意味チャンスではある
僕も転職で後悔を感じた場合は、必ず何がいけなかったのか振り返りをしています。
そのおかげで「ジャーナリング(日記)」をつける習慣ができたほどです。
日記をつけたり、自分に起きた出来事を考えることを「リフレクション(内省)」といいます。
「リフレクション」とは「内省」や「振り返り」を意味し、自身の行動や考え方を客観的に見つめ直すプロセスです。
リカレント|リフレクションとは
転職して後悔したことをリフレクションすることで、自分の考えを整理することができます。
1人で行うリフレクションを促すには、『認知の4点セット』というフレームワークがおすすめです。
自分の意見を書き出す
出来事を書き出す
気持ちを書き出す
大切にしている価値観を書く
自分の「意見」には、「経験・感情・価値観」が隠れています。
その中でも、特に重要なのは「価値観」です。
価値観がズレた職場に転職をしてしまうと、高い確率で失敗したと後悔することになるからです。
ミスマッチ怖い
慎重にいこう
「好き」と「嫌い」という価値観は、あなたの進むべき道のコンパスのような役割を果たします。
この価値観を蔑ろにしたまま、転職を繰り返しても前には進みません。
転職をすることは、「好き」「嫌い」に触れることになります。
嫌いに触れ、自分の好きをリフレクションを通じて確認していけば、あなたにとっての「譲れないもの」が見つかります。
この「譲れないもの」こそ、リフレクションで見つけていくべき重要な価値観なのです。
転職で「後悔」を感じた場合は、自分を知るための貴重なチャンスだと考えてリフレクションをしてみてください。
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辞めるんじゃなかったと後悔する理由
ここまでは退職の後悔を断ち切る方法について、お話ししてきました。
「退職してしまった」と、悔やんでも悔やみ切れない気持ちは、自分で断ち切るしかありません。
ここからは辞めるんじゃなかったと感じる理由をお伝えします。
転職で後悔する仕組みを理解して、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。
前職のストレスから離れて美化される
全員他人!人間関係ゼロのストレス
転職のリアリティショックとは
前職のストレスから離れて美化される
人間には、過去を美化する性質があります。
「回顧バイアス」というもので、別名で「バラ色の回顧」とも呼ばれています。
人間には、いい記憶のほうが残りやすいという機能があると言われており「昔はよかった」と記憶が美化されやすい状態になるのです。
いい記憶だけが残るならまだマシですが、都合良く歪めてしまう場合もあります。
過去の出来事は記憶によって歪められ、実際の経験と思い出された経験との間にはしばしばギャップが生じます。この心理ギャップを「回顧バイアス」と呼び、私たちがつい犯してしまいがちな思考や判断の偏りとなっています。
ナゾロジー│記憶が歪む”回顧バイアス”研究―多くの人が「コロナ発生時は大したことなかった」と回答!?
この「回顧バイアス」が働く影響で、僕たち人間は時に正しく判断することができなくなってしまうのです。
記憶が信じられない
結構記憶ってあいまい
転職には生活そのものを変える力があります。
また、会社を辞めるということには、多くの決断と労力を必要とするので簡単なものではありません。
それらの苦労を乗り越えて、転職を実現させたかったあなたがいるはずなのです。
エン・ジャパンの調べでは退職理由の上位には、「人間関係が悪い」「給与が低い」「将来が不安」となっています。
事実として、前職に何も不満がなければ退職はしていません。
僕の経験では、退職する多くの原因は人間関係に嫌気がさして辞めることがほとんどでした。
その他の給与や将来性というのは、人間関係の問題から派生して不満を感じていることが多いです。
ただ、そうした明確な退職理由があったにも関わらず、前職のほうが良かったと感じるのは「回顧バイアス」の影響と考えることができます。
僕の場合、人間関係の問題はほとんど「上司」についての問題です。
僕は社会人になってから、上司に恵まれたことはありません。
かなしい
上司ってアタリないのかも
そして大抵の場合、上司と一緒にいたくないと感じて辞めることを選ぶのです。
それなのにも関わらず、どんなに嫌な会社の上司でも「良いやつだった」というような、なぜか許せてしまうような寛大な気持ちになったりしてしまいます。
経験上、この寛大な気持ちになるのは辞めた直後からです。つまり「ストレス源」から離れた後ということになります。
しかし、この寛大な気持ちはほとんど錯覚です。
会社から切り離される「休日」にストレスを感じないように、辞めて会社と関わりがなくなるとストレスを感じること自体が難しくなります。
その結果よい記憶だけが残り「前職のほうがよかったな」と感じているだけです。
仮に前職に出戻りをしても、辞めた当時の現実は変わっていないので、同じストレスを受ける可能性は高いのでよく考える必要があります。
回顧バイアスに対しての、おすすめの対処方法は日記(ジャーナリング)です。
僕はアナログの日記に1日の感情を書いています。また、仕事中にストレスを感じたらすぐにエクセルファイルに時系列でメモしています。
今でも、2日に1回は何かしらのストレスを感じる出来事があります。そして原因はやはり上司との関係性によるものです。
1.思考を整理できる
ZaPASS│ジャーナリングの効果やメリット
2.自分の現状を客観視できる
3.新しいアイデアや考え方が見つかる
4.ネガティブな感情をリセットできる
5.ストレスが軽減される
あとで振り返ると、毎年同じストレスを感じているなど、継続していくと気づきがあるので回顧バイアスに騙されないですみます。
また、日記などの記録はハラスメントの証拠材料にもすることができるので、日常的にストレスを感じる場合はとりあえず書いてみることをおすすめします。
全員他人!人間関係ゼロのストレス
転職後の職場では、全員が他人という状況になります。
リファラル採用(縁故)で、知人がいる会社に入社していれば、コミュニケーションで困ることはありませんが、一般的な転職では全員他人です。
慣れ親しんだ前職の人間関係は在職中には、気づきにくいものですが辞めると、そのありがたさを感じます。
悩み相談の書き込みを調査したところ、前職が良かったと感じる後悔の原因は「人間関係が良かったから」という意見が多く見つかりました。
前職の方が良かったと思ってしまっています。面白い人が多くて毎日楽しくて、仕事の難易度や量もちょうど良かったです。今の会社は、そもそも人間関係が希薄で、繁忙期の残業はえぐいし、難易度が高い割にはフォローがありません。
Yahoo!知恵袋│職業とキャリア
僕も転職した後に、まったく同じように感じたことがあります。
「転職したい」と考えている時は「自分の将来」や、「やりがい」など今感じている不満に意識が向きます。
すぐそばにいる仲間の存在には、あまり意識が向かないものです。
しかし転職後に仲間がいなくなって、多くのサポートがあったことに気づかされることになります。
何気なく本音を話せる
プライベートでの自然なつながり
苦楽を協力して乗り越えた経験
実際のところ、仕事は1人で完結することはできません。
人間関係がない短期離職をのぞけば、必ず人間関係ができていて、何かしらのサポートを受けているのです。
ありがたい存在
ほんとうにそう思うよ
パーソル社の調べでは、転職後の後悔する内容の2位に経営者や社員と合わないという「人間関係の問題」があります。
多くの人が、新しい職場での人間関係で後悔していることがわかります。
しかも、人間関係や信頼関係はそう簡単には築くことはできません。
仲間のサポートを受けられず、中途採用特有の「お手並み拝見期間」を過ごさなければならないのです。
転職すると徐々に感じられる周囲からの視線――良くも悪くも「どれくらいのことができる人なのか?」と「お手並み拝見」をされるもの。
PHP|転職一年目は「結果より居場所づくり」が大事な理由
どれだけ前職が嫌だったとしても、知り合いがいる環境のありがたさを感じます。
転職はこうした、当たり前にあったものがなくなるという、大きな喪失を経験することになるので覚悟をしておく必要があります。
転職のリアリティショックとは
ここまでお伝えしたように、転職は想定外の連続です。
特にまだ慣れていない1年目は、多くの「リアリティショック」を感じます。
リアリティショックとは、想定外の現実にショックを受けることを言います。
リアリティショックとは、企業に採用された社員や新しい部署へ異動した社員などが、新しい環境に対してイメージしていた理想と現実にギャップがあったとき、戸惑いや将来に対する不安、ショックを感じることを意味する言葉です。
HR Trend Lab|リアリティショックとは
僕が8回の転職で実感していることは、リアリティショックのない転職はないということです。
何かしら必ず想定外というか、受け入れがたい事実が後から明らかになるのです。
めちゃ怖い
避けれるなら避けたいよね
パーソル社の調べによると、リアリティショックを受ける新社会人の割合はなんと「約77%」となっています。
リアリティショックは以下のようなものに感じています
仕事のやりがい
昇進・昇格のスピード
働きやすさ
これらは新社会人に限らず、転職する人にも共通する内容です。
これ以外にも、入社しないと「体感」できないものは無数にあります。
一方で採用する人事の立場で本音を言うと、「全ては面接で伝えきれない」という事情があります。
前述したように、余計なことを言って辞退されても困るから伝える内容は、必要なことだけに限るというのが面接の実態です。
また、リアリティショックを受ける内容には、事前に伝えたくても言語化が難しかったり、伝えられないものがあります。
言語化できないものなどはこちらです
会社特有の文化
人間関係の問題
評価制度や昇給率
こうした重要な情報を知らないまま入社するので、想定外が起きても不思議ではありません。
僕の経験上、「こんなはずじゃなかった」と後悔する1番の原因がリアリティショックです。
正直なところ、現実を受け止める以外に対処法はあまりないです。
リアリティショックを乗り越えられるように、最低限自分の「ありたい姿」に向かえるかどうかだけは、入社前に確認しておく必要があります。
自分のありたい姿に向かうための、仕事内容や人間関係が想定外で改善できない場合は、また転職をしなければならなくなるからです。
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【体験談】死ぬほど後悔した退職経験
ここまでは「辞めるんじゃなかった」と、後悔する理由をお伝えしてきました。
過去が美化されたり、想定していないことが起きたりと後悔する理由は無数にあるのが転職です。
ここからは僕の実体験をもとに、死ぬほど後悔したお話しをします。
8回も転職しているので、何度も後悔はしているのですが、その中でも特にきつかった内容です。
転職先のブランド力で決めてしまった
前職の成長が気になり未練タラタラ
戻れない!キャリアチェンジを後悔
転職先のブランド力で決めてしまった
僕は一度企業の「ブランド力」で、内定を承諾してしまったことがあります。
ブランド力とは業界内の認知度の高さや、イメージの良さのことを言います。
当時の僕はずっとベンチャー企業やスタートアップ企業しか経験したことがなく、有名な企業に漠然とした憧れがありました。
ブランド力がある会社は、一見華やかで「キラキラ」しているように見えるからです。
ブランド力のある会社を経験していない僕は、そうしたキラキラした会社に魅力を感じていたのです。
それでいいの?
よくなかったよ
有名企業の選考はとんとん拍子で進みました。
業界は外食で当時の僕は未経験で、業界自体の文化も知らない状態です。
僕はオシャレな店舗やオフィスに、ただ魅了されていました。
今思うと後悔しかありませんが、オフィスやブランドといった、いわゆる外見だけで内面をあまり見ようとしなかったのです。
ちなみに、こうした都合のいい情報ばかり取得してしまうことを「確証バイアス」と言います。
自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりに目が行き、そうではない情報は軽視してしまう傾向のことを指す。
グロービス経営大学院|確証バイアス
当時の僕は、まさに確証バイアスにかかっていました。
本来確認すべき内容は以下のようなものです
会社のビジョンや理念
一緒に働くことになる人物
ビジネスモデルや将来性
有名企業の内定に舞い上がった僕は、驚くことにそういった重要な情報を確認していなかったのです。
それはダメでしょ
本当にダメでした
当然前述した本来なら確認すべき内容すべてにおいて、リアリティショックを受けました。
ビジョンのない会社
入社した有名企業にはビジョンがありませんでした。
これは衝撃でした。二代目経営者が趣味の延長線で会社を経営していたのです。
人事の仕事は、おおまかに言うと「経営者の想い」を実現することです。
その経営者に想い(ビジョン)がなければ、人事としての方向を見失います。
事実として3年後の僕は、ビジョンがないことに耐えられず辞めています。
働く意欲のない上司
一緒に働く人と会わずに内定が出るという、イレギュラーな選考でした。
よく考えれば、1番のリスクである「人間関係」を把握せずに内定承諾したのは自滅としか言いようがありません。
過去のことですが、この記事を書きながら深く反省するほどの大失敗です。
実際に入社してはじめて会った上司は、その会社の「出戻り社員」でした。
結論を言うと、その上司が仕事ができないので代わりとして、僕が雇われたという構図だったのです。
8回転職して10人以上の上司の下で働きましたが、ダントツで仕事に対する意欲がない上司だったのを覚えています。
僕のことを、自分が脅かされる存在として認識していたようで「刺客」扱いしていたくらいです。
ビジネスモデルと将来性
「外食業界」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
ブラック企業や低賃金というイメージがあると思いますが、実際にはその通りでした。
キラキラしている有名企業でも、結局のところビジネスモデルは同じで薄利多売の世界です。中身は他社と同じくブラック企業だったのです。
自分の将来を左右するのに「カッコいいから」というイメージだけで、入社を決めるのは絶対に避けるべきだと体感しました。
人事として、会社の仕組みである「人事制度」をつくったり「採用活動」をするためには、会社の成長が欠かせません。
しかし、その会社は成長することを拒んでいたのです。
正確に言うと、前述した社長にビジョンがなく「このままでいい」という考えが支配していました。
結果的に僕は仕事のやりがいを感じることができず、無気力な期間を過ごすことになりました。
前職の成長が気になり未練タラタラ
前職の情報を知ると、多くの場合後悔します。
前職の情報はほんの少しのことでも、解像度高く想像できてしまうからです。
僕は転職経験がまだ浅かった頃、過去の会社とのつながりを断っていない時期がありました。
特に意識もせず、転職後に前職の仲間とよくプライベートで遊んでいました。
仲が良かったんだ
苦楽をともにしたからね
僕が後に前職との関係を断ち切る決意をすることにつながるのですが、前職の仲間との会話は当然前職の「現在の話題」です。
前職に残っている仲間は、自分の会社の愚痴も話しますが「同じ環境」にいない僕は共感ができなくなっていました。
転職して直接ストレスを感じていない僕にとっては、前職の話題は興味のない話になっていたのです。
前職の話題で印象に残っているのは以下のようなものでした
会社が成長している
当時問題だった社員が辞めた
元同僚が役員になった
このように話を聞いて印象に残るのは、前職の環境が良くなっている話題ばかりです。
こういった話題を聞くと「辞めなければよかった」と、後悔を感じている自分がいることに気づきました。
そして何よりよくないのは、今の新しい職場と比較するようになっていたことです。
いつのまにか僕は前職のホームページや、SNSで採用活動をチェックするようになっていました。
刷新されたカッコいいホームページや、元同僚のイキイキとしたコメントはどこか輝いて見えます。
こうした前職との無駄な比較をしてしまい「もしも前職に残っていたら」と考えているうちに、新しい職場で不満を持つようになっていました。
僕は前職以上の「良いこと」が起こることを期待していたのです。
比較をしてしまったことで新しい職場でのモチベーションは下がり、前職のことを考えていくうちに「後悔」を感じるようになっていました。
考えすぎでは
これは本当によくなかった
僕の経験上、前職の仲間と会うことは、デメリットが多いと感じます。
会社が変わると「住む世界が変わる」くらいのインパクトがあります。共通の話題がないので、結局情報交換程度の話しかできません。
働いたことがある前職の出来事は、解像度高くイメージができてしまいます。
ちょっとした情報でも、自分が残っていたらという「もしも」を想像してしまいがちです。
この「もしも」を考えてしまう状況を例えるなら、別れた恋人とずっと友達でいようとするようなものです。
当然別れた恋人にはその後の人生があり、いつか誰かと結婚もすることになるかもしれません。
そういった情報を後で知ると心は揺さぶられますし、何よりも過去にとらわれて前に進むことができないのです。
自分の心にとって、ダメージがある情報は有害です。
このことに気づいた僕は退職をすることを決意すると同時に、前職とは「決別」するということをセットで覚悟することにしました。
とても寂しい思いをしますし、正解とは言い切れません。
しかし、決断するのはいつも「自分」です。孤独と向き合って、自分の中で答えを出しながら前に進もうとするのは正直悪くありません。
過去全ての会社と決別している僕には友達はいませんが、現職で付き合う仲間と充実した日々があります。
転職に限らず人生で重要なことは「今、ここ」に集中して、マインドフルネスになることです。
8回の転職を経験して、ようやく「今の仲間がいれば十分」と考えられるようになりました。
マインドフルネスとは、意図的に、今この瞬間に、価値判断することなく注意を向けること
東京大学│「マインドフルネス」って何だろう?
戻れない!キャリアチェンジを後悔
僕が1番後悔しているのは、キャリアチェンジをした最初の転職です。
「グラフィックデザイン」というデザインの仕事から、まったくの未経験である「営業職」という職種にキャリアチェンジをしました。
当時は転職とはどういうことなのかも知らず、ただ本当に「辞めたい」という一心で転職したのです。
しかし勢いで辞めてしまった僕は、8回の転職の中で最大の後悔を経験することになります。
エン・ジャパン社の調べによると、転職で実現したいことの上位項目は以下のようなものです。
給与・待遇のアップ
経験・能力が活かせるポジションへの転職
やりたい仕事ができる環境での就業
多くの場合、転職にはキャリアアップという目的があります。
僕の理由は割が合わないというものに加えて、自分の夢を目指すための時間が欲しいというものでした。
自分の夢は絵を描いて有名になることだったので、仕事とはややズレた世界を追っていたのです。
そんな目標があったんだね
昔の話だけどね
新卒だった僕は、社会人生活や仕事を甘く見ていました。
自分のキャリアについて深く考えず「もっと楽な仕事があるはず」と、安易な気持ちだけでデザインの仕事を辞めてしまいました。
デザインの仕事は自分に合っていたのです。
自分にデザインの仕事が合っていると気づいた時には、もう戻れないキャリアになっていました。
今思うと「楽なことを選ぶと、失敗する」という教訓だったと思います。
その後悔の経験をしてからは、自分のキャリアを深く考えて転職をするようになりました。
営業職にキャリアチェンジして結果的にキャリアアップしましたが、20年近く経った今でも後悔は少し残っています。
勢いで辞めてもなんとかなるというのは事実です。何かしらの仕事は見つかります。
一方で辞めた仕事が本当は自分には合っていて、続けるべきだったと後で気づいても遅いのです。
新卒の時の僕みたいに、「もっと良いところがあるはず」と漠然とした動機で転職をすると後悔してしまうからです。
「このままでいいのかな…」と悩みがちな20代。Re就活エージェントで未経験から始められる新たなキャリアを見つけませんか?
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転職して後悔したから出戻りたい!
ここまでは、僕の退職して後悔した体験談をお伝えしました。
転職経験がまだ浅かった時は、転職するたびに後悔をしていたように思います。
転職経験を積むことで自分の軸や価値観が明確になり、後悔は減っていったように思います。
ここからは、出戻りについてお話ししていきます。
前職に出戻りするメリット
出戻りして感じる失敗や後悔
転職回数増加!覚悟が必要な出戻り
前職に出戻りするメリット
退職したことを後悔すると、前職に戻りたくなるものです。
新しい職場の環境に馴染めないと、慣れ親しんだ前職が恋しくなるからです。
僕も転職後になかなか職場に馴染めず、出戻りしたいという思いがよぎったことは何回もあるのが正直なところです。。
出戻りを制度として、整えている会社もあります。
一般的には「アルムナイ制度」や「カムバック制度」とも呼ばれています。
エン・ジャパン社の調べでは、出戻りを制度として整えている会社の割合は「約8%」と少なめの数字になっています。
出戻り制度が少ない理由について、人事で制度づくりをしている僕の立場から考えると、そこまで手が回らないというのが正直なところだと思います。
一方大手企業ではリソースも十分にあるため、「プロキャリア・カムバック制度」など、独自のネーミングで制度が整備されています。
プロキャリア・カムバック制度
アルムナイネットワーク
A Better Career
「出戻り」という言葉に、ネガティブな印象を持たせないように工夫しているのです。
このようになぜ出戻り制度があるのかというと、経営や人事視点で考えると出戻りにはメリットがあるからです。
気心の知れた人間が多い
会社の文化をよく知っている
外を見たことで視野が広がる
多くの場合、会社は従業員のことを「資産」だと考えています。
数年働いていた場合は、教育や経験といった従業員を育てるための投資をしています。
投資をして育った従業員が戻って来てくれれば、新しく採用してミスマッチを引き起こすリスクをとるよりも安全なのです。
教育しなくていい
会社的にも安心できるよ
その裏付けとして、プロフェッショナルバンク社の調べでは、出戻りを実施したことがある会社の割合は「約67%」となっています。
制度としては整備されていなくても、ほとんどの会社では、出戻りを歓迎していることがわかります。
実際に僕が働いていた会社のほとんどは、出戻りを受け入れていました。
出戻り社員を受け入れることは採用や教育コストという観点でもプラスですが、企業のブランディングとしても良い印象を与えることができます。
経営者の考えを聞いたことがありますが、他社という外の世界を見て戻ってくれたら定着率も高くなると考えているようです。
確かに「前のほうが良かった」という思いから出戻りをした場合、同じような転職はもうしないはずです。
また、出戻りは「出戻りをする側」にとっても、慣れているということ以外にもメリットがあります。
それは採用のハードルがとても低いことです。
戻っておいでよ
この楽さが罠だったりするよ
出戻りする側も、出戻りを受け入れる側もお互いを知っている者同士なので通常の選考のように厳しく確認する必要がありません。
そのため、形式上の面接や選考が行われることが多く、出戻りを受入れることが可能であればすんなり合格します。
ただし、出戻りをする前職の辞め方が、「雑」だった場合は注意が必要になります。
ハッカズーク社の調べでは、退職時に印象が悪くなったと感じた人の割合は「約80%」にものぼります。
出戻りが可能だとしても、受け入れる側が納得しなければ絶対に採用されないのが出戻りです。
辞める際の態度や、それまでの信頼関係などによって心象は決まります。
適当な引き継ぎをしたりしていた場合は、出戻りできる可能性は低くなってしまいます。
辞める時に「いい会社だったな」と、出戻りをする気持ちが少しでもある場合には常に丁寧な対応を心がけるべきということです。
出戻りして感じる失敗や後悔
出戻りにはメリットがある一方で、出戻りをして感じるデメリットもあります。
一度辞めることを決断した事実がある会社に戻ることには、それなりのリスクがあるのです。
転職をしたことで「前職がよかったな」と感じることは誰にでもあります。
一方で人間の性質として「回顧バイアス」という、前述した思い出を美化する傾向があるのです。
僕も経験がありますが、会社を辞めてストレスから開放された瞬間に「嫌だった上司」さえ許せるほど心が広くなったり、ポジティブな印象に変わったことがあります。
そもそも僕は過去の全ての会社や人物と関係を断ってきました。事実として、それほどのストレスを抱えていたのです。
しかし、僕が経験した8回の転職を今、振り返っても「ストレス」を再現して感じることはできません。
僕のようにトラウマを感じたほどの記憶でさえ、今ではストレスを感じないので「回顧バイアス」の存在は決して気のせいのようなものではないと感じます。
昔はよかった
そう思うのには理由があったんだね
また、出戻りをして失敗や後悔を感じる理由としては以下のようなものがあります
人間関係が以前と変わらない
働く部署が同じとは限らない
全員が受け入れている訳ではない
出戻りして働きやすいかどうかは、辞めた人の態度や辞めるまでに積み上げた信頼関係が大きく影響するのです。
出戻りが文化のようになっていた会社のお話しですが、僕はそこで人事として出戻りを受け入れる側でした。
その会社は外食業界だったのですが、競合他社よりも「働きやすい」ことで有名でした。
そのため、辞めた従業員は他社の厳しさを体験して、数年で一定数が出戻りするという構図ができていたのです。
極端な例で言うと、盛大な送別会をした後に「すぐ出戻りしたくなった」ため、退職を撤回するような人もいたくらいです。
それはどうなの
人騒がせだよね
一方で、愛社精神の高い従業員も多くいる会社でした。
勤続年数は10年を超える従業員が多く、ずっとその会社で働いているというケースも珍しくなかったのです。
そのような従業員からすると、出戻りした人は「一度辞めた人」という扱いになります。
出戻りというのは、見方を変えれば会社を見捨てて出ていったのに、都合よく戻ってきたというようにとらえられても仕方ありません。
結果的に、出戻り従業員のことを「受け入れない人」との関係は、あまり良好であったとは言えませんでした。
マイナビ社の調べでも、出戻りについては受け入れていない人が一部いることがわかります。
出戻り直後は周囲が冷ややかだったが、業務が始まったらすんなり打ち解けた
マイナビ│人事担当者に聞いた!「出戻り転職」って実際どう…?
あまりよく思われていない
多数から反感を買ってしまい、今後の出戻り転職受け入れに対するハードルが上がった
僕の元上司も、その会社で出戻りをした人でした。
その元上司は、出戻りをしたことで現場から「管理部責任者」に役割が変更になっていたのです。
しかし「会社の方針」などの情報を発信する側の人物が「出戻り」だったため、従業員に対して求心力はほとんどありませんでした。
結局その人は管理部では能力を発揮できず、ふたたび退職を選択することになっていました。
転職回数増加!覚悟が必要な出戻り
結論として、「楽だから」という理由で出戻りをすることはおすすめできません。
出戻りをすることは、転職回数が「1回」プラスになるからです。
この1回増えることは、絶対に覚えておいてください。
一生「出戻りした会社」で働く覚悟があるなら別ですが、おそらく転職を検討する機会はまたきます。
出戻りした会社をふたたび辞めると、合計で「3回」の転職回数がプラスになるのです。
1回目を辞める時によくかんがえましょう
1回目:退職(A社)
2回目:退職(B社)
3回目:退職(A社)
リクルート社の調べでは、3回以上の転職回数を経験している割合は全年代20%を下回ります。
転職回数だけで言うと、出戻りした会社を辞めるだけで「ジョブホッパー扱い」を受ける可能性が出てくるのです。
それは嫌すぎる
これが1番リスクかも
安易に出戻りするとこういったリスクを一生背負って、キャリアを形成していかなければならなくなります。
僕は採用する立場として「出戻りして辞めた求職者」を何度も面接してきました。
採用する僕の立場で考えると、出戻りしたこと自体はあまりマイナス評価ではありません。
しかし、出戻りした会社を再度辞めたことについては、本音を言うと大きなマイナス評価になります。
そもそも転職回数が「プラス3回」されて、合計5回から6回の転職回数の印象がよいわけはありません。
そのうえで、さらに出戻りした会社を「再度辞めた」という事実は、その人の「計画性」を疑いたくなるものです。
僕の面接の経験上、ほとんどの場合「結局、また嫌になってやめた」というパターンでした。
多くの場合、安易に前職から声がかかって出戻りをしています。
戻ってこないか
そういう場合は何かワケがあるよ
そして「出戻りをしたい」と考えている時は、仕事で何らかの不満を抱えているものです。
面接で「たまたま声がかかった」と言う人は多いですが、実際のところは不満が溜まったタイミングに相談したと想像できます。
まとめると、出戻りの転職をする人はジョブホッパーの門をくぐっているということです。
偶然かもしれませんが、僕は出戻りして再度辞めた求職者を採用したことはありません。
転職回数が増えたことを説明するのは大変です。
そして出戻りして再度辞めると、転職回数の多さに加えて「なぜ同じことを繰り返したのか」についての説明も加わります。
出戻りをして転職をするということは、その後の転職を相当不利にするという覚悟が必要なのです。
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安易な退職は確実に後悔する【悲惨】
ここまでは、出戻りはありなのかということをお話ししました。
結論として、「出戻り」は選択肢の1つとしてありです。
一方でそれなりの「覚悟」が必要なこともお伝えできたと思います。
ここからは最後に、退職を後悔してしまう行動についてお話をします。
何度も言うようですが、転職で大事なことは「繰り返さない」ことです。
自己理解不足の落とし穴
正直難しい!未経験職種への挑戦
勢いで先に会社を辞める無計画な行動
自己理解不足の落とし穴
転職だけではありませんが、人生においても自分を知ることは重要です。
少し唐突ですが、フランスの画家『ゴーギャン』の有名な言葉があります。
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
この言葉の通り、私たちは自分のことをあまり知りません。
そして何に向かっているのかもよくわからないまま、年齢を重ねる人が大半です。
あまり自分のこと知らない
僕もそうだったよ
一方で僕たちキャリアコンサルタントが「キャリア」の相談にのる際に、重視する要素は自己分析つまりは、「自己理解」についてです。
自分のことをよく理解していないのに、進むべき方向を考えるようなキャリアコンサルティングはできないからです。
自己理解するための「自己分析」という言葉は、若者や新卒だけの言葉のように扱われますが実は一生を通じて行うべきなのです。
「自分」というものは、経験を通じて価値観や目指したいものなどが変わります。
その変化を自分で観察していくことで、人生で成し遂げたいと思えるような目標にようやく出会えます。
初めから見つかる人はごくわずかです。
リクルート社の調べでは、新卒でさえ自己分析をしている割合は「63%」にとどまっています。
残りの約40%は自己分析さえせずに、就職活動をしているということになります。
大丈夫じゃなさそう
自己分析は結構疲れるからね
あらためて退職を後悔してしまわないように意識するべきことは、「自分はどうしたいのか」です。
本当に、これ以外にありません。
大事なのでもう一度言います。本当にこれ以外にないのです。
これまでお伝えしたように、転職は後悔する可能性が非常に高いです。
一方で、転職をしなければ叶えられないこともあるのは事実です。
後悔しないためには、自分がめざしたいと思える「ありたい姿」を強く意識することが重要になります。
ありたい姿のことを「Being(ビーイング)」と言います。
【Being】どうありたいかという、自分の理想の姿
【Doing】何をするかという、短期や中期的で具体的にやるべき行動
では、どうすれありたい姿を見つけられるのかというと、「Will・Can・must」というフレームワークがおすすめです。
Will:やりたいこと
Can:できること
Must:やらなければいけないこと
この3つの要素が重なった部分に、自分の得意なことや目指したいものがある可能性があります。
以下のシートを参考に考えてみましょう。
「Will・Can・must」である程度自分の要素を書き出したら、目指すべきありたい姿を決めます。
ありたい姿を決める基準は、冗談抜きで「ワクワクできるか」と「カラーでイメージできるか」の2つです。
ワクワクというのはかなり抽象的な表現ですが、価値観や自分の直感が反応する方向に向かう時、人は「ワクワク」します。
実際に僕はこのワクワクという気持ちに従うようになってからは、後悔することが激減しました。
感じることだね
直感ともいうよね
また、カラーでイメージできるかどうかも重要です。
できれば下手でもいいので、ありたい姿を想像して絵に描いておくと実現する可能性が高くなります。
少し幼稚に聞こえるかもしれませんが、実はこの手法は僕や人事コンサルタントが「会社のビジョン」を作成するときも、同様の手法で考えるのです。
なぜなら人間には具体的にイメージすることで、実現する力を引き上げる能力があるからです。そのため大真面目に経営者が絵を描きます。
イメージが実現した例をお伝えします。
この絵は現代の僕たちがこの絵を見れば、タブレット端末を操作しているように見えます。
実は1972年に描かれたものです。
パソコンがまだ存在しない時代に、のちにパソコンの父と呼ばれるようになった『アラン・ケイ』によって描かれたのです。
このエピソードは僕がとても好きなものですが、この他にもイメージが実現した例は無数に存在します。
自分にありたい姿を具体的にイメージしてみましょう。
正直難しい!未経験職種への挑戦
転職を後悔する理由の1つに、未経験職種への挑戦があります。
実際にやってみたら仕事が合わなかったという事例は転職市場には無数にあります。
経験したことがない職種なので、合うか合わないかはやってみないとわからないのです。
学情の調べによると、20代の転職する目的は「約54%」がキャリアチェンジになっています。
20代の半数以上は自分の可能性を試してみるために、キャリアチェンジをするのです。
なんでもできそうな気がする
努力次第でできるよ!
リクルート社の調べではキャリアチェンジをしてよかったと答えている人は「約68%」と比較的多くなっています。
ただし、30%前後の人はキャリアチェンジを失敗したととらえています。
3分の1が失敗するというのは、見過ごせない数字です。
実際に僕もキャリアチェンジは2回しています。
グラフィックデザイナー
営業職
人事職
僕が失敗したと感じたキャリアチェンジは「営業職」への転職でした。
人に営業するということ自体経験がなかったので、仕事内容が合わず後悔したのを覚えています。
数字によるプレッシャーなど精神的にも悪い環境だったので、前職のデザインの仕事に戻りたいと考えたほどです。
コールセンターでの営業だったのでキャリアになりにくいことも気になっていました。
きつかったんだ
営業はもういいかな
なんとなくのイメージだけで、キャリアチェンジをすると高確率で失敗してしまいます。
十分に職業について調べることはもちろん必要ですが、それ以上になぜその「職業」を選ぶのかを良く考えるべきです。
僕が営業職を選んだのは、楽に稼げそうというとても安易なもので結果失敗をしました。
事務職が楽そうだとか、大手企業が安定しているなどという「ステレオタイプ(先入観)」を持つと危険です。
新卒の就職人気企業ランキングがステレオタイプの典型です。
ランクインしている企業は、CMやコンテンツで馴染みのある「B2C(個人向けビジネス)」ばかりです。身近ではない会社は絶対にランクインしないのです。
仮にですが、ランキングトップの企業に入れたとしても成功するとは限らないということを覚えておいてください。
勢いで先に会社を辞める無計画な行動
僕はどんなことがあっても、先に内定を決めるようアドバイスします。
先に勢いで辞めることはリスクしかないからです。
やってはいけない6つの過ちという記事でもお伝えしています。
それこそ、退職したことを後悔して前職に出戻りしたいと考える原因になります。
勢いで先に辞めると以下のようなリスクがあります
内定がゴールになる
空白期間が増え続ける
選考での評価が下がる
1つずつ説明します。
内定がゴールになるというのは、シンプルに転職活動の焦りによるものです。
エン・ジャパンの調べでは、50%以上の人が1ヶ月から3ヶ月で内定を決めています。一方で4ヶ月以上必要というケースも20%前後の割合で存在します。
8回転職した経験から言うと、最短2ヶ月というところでしょうか。正直最短で決まっても、納得いかなければそこまでの内定を辞退して仕切り直しになります。
あっという間に半年が経過するということは可能性として十分あります。結果的に内定が目的になって妥協してしまうのです。
早く内定ほしい
転職は焦ったらだめだよ
また、空白期間が増え続けるというのも前述の転職期間に関係します。
空白期間が増えれば履歴書に一生書かなければならなくなります。面接のたびに「勢いで辞めてしまった」ということを言わなければならないのです。
空白期間のように「傷」が残ることも考えておくべきです。
最後に選考での評価が下がるというのは、これまでお伝えした内容が影響するからです。
内定がきまっていないという期間が長引けば、他社も手を引いたという印象を人事は持ちます。
さらにもう離職中であることが、計画性のなさを露呈することになり書類選考の段階で評価が下がるのです。
この状態から、自信満々にアピールをしていくのは骨が折れるというものです。
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退職の後悔についてよくある質問
- やってみたい仕事に転職したのですが、あっていなくて後悔しています。どう乗り越えればいいのでしょうか?
-
まずは勢いで辞めないことをおすすめします。そのうえでせっかく転職を実現している現状をうまく利用するべきだと考えます。
合わない理由を徹底的に書き出してみてください。さらにそこから、本当であればどういうことを求めているのかも書きます。
この書き出したことがあなたの価値観のヒントになりますので、現職で叶えられるかをよく考えます。まずは判断をするためにも、慣れるまでは続けてみたほうがいいと思います。 - 前職の上司に相談したところ、出戻りができる可能性があるようです。出戻りしても問題ないのでしょうか?
-
出戻りすることは問題ありません。特に上司から声がかかっているのであれば採用のハードルも低くすぐに復帰可能だと思われます。
一方で記事でもお伝えした通り、今後もし転職をするとなった場合「出戻りした会社を再度辞める」という行動はかなりマイナスの印象を与えます。
十分注意して行動を検討してみてください。 - 少なくとも何年かは働かないと落ちぶれて惨めな思いをすると上司から脅されたことがあります。短期の転職は後悔することになるのでしょうか?
-
一度の短期離職で落ちぶれるようなことはありません。
一般的に選考で評価が下がると言われるジョブホッパーは、3回以上短期の転職を繰り返す人をいいます。
短期離職であっても明確に理由があり伝えることができれば問題はないのです。しかし、勢いで辞めてしまうと後悔する可能性があるので、辞める前によく検討する必要があります。
後悔する前提でなりたい自分を目指す
最後まで読んでいただきありがとうございました。
どうもです!
ありがとうございます!
退職の後悔は転職にはつきものですが、なかなか断ち切れないものだと思います。
自分が納得するということが1番重要なので、焦らずに少しずつ今の職場に慣れていくようにしましょう。
記事の内容をまとめます。
- 退職の後悔はつきものできるだけ前職とのつながりは断つのがおすすめ
- 出戻りすることもできるけどキャリアにとってプラスかどうかよく考える
- 辞めなきゃよかったと思わないように自分のありたい姿を描く
転職のポイントは「ありたい姿」です。
どんな自分になりたいのかというイメージがない限り、どれだけ優良企業に入社しても転職を繰り返すことになります。
一方でありたい姿に向かっている実感を得られれば、逆にどんなに小さい会社でも充実感があります。
最後に大事なことをお伝えします。
何をしているかより「どこに向かっているか」を意識すると人生の充実感が増します。
それは仕事だけに限らず、副業や勉強など自分の行動すべてにおいて同じことが言えます。
今の自分は、「ありたい姿」の方向に向かっているかということを日々確認していきましょう。
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