え、あの人いなくなったんだけど
全然辞める感じなかったのにね
突然辞めていなくなる人ってどの職場にもいますよね。
全然辞める気配がなかった人が辞めてしまって、知らなかった周りの人は混乱してしまうものです。
誰にも言わずに辞める人は多いです
この記事の結論としてお伝えするのは、辞めるつもりなら誰にも言うべきではないということです。
- 黙って辞める人は会社や人間関係に見切りをつけているから何も言わない
- 最低限の仕事しかしなくなったりコミュニケーション量が減るという兆候がある
- 退職時の引き止めやヤメハラを避けるためにも辞めるなら黙って辞めるべき!
退職という行為は、残る側の立場からすると「裏切り」のような印象を受けます。
そのため何を言っても、いい結果にはなりません。
この記事を書いている僕は、人事を15年経験し国家資格キャリアコンサルタントをもつ転職のプロです。
また自身も転職を8回経験し、黙って辞めたことは何回もあります。
記事を最後まで読んでいただくことで、なぜ辞める人は黙って辞めるのかがわかりますし、自分が辞める時にはどんな行動を取ればいいかもわかります。
ぜひ最後まで読んでください!
黙って辞める人がいる職場の特徴
まずはじめに辞める人がなぜ黙って辞めてしまうのか、人事目線で整理してお伝えします。
共通するのは「職場」に対する諦めがあることです。
何をやっても、何を言っても無駄だと人は働きかけることを辞めてしまうのです。
- 頑張っても評価されない
- 会社の将来性に期待できない
- 労働環境や条件が悪い
頑張っても評価されない
仕事のやりがいの1つは評価されることです。
評価されるということは、自分が認められているということです。
評価されれば将来や人生に対しても、期待を持つことができるので、より仕事を頑張ることができます。
もっと頑張ろ
さらに成長できるよ
しかし、仕事を頑張っても評価されないと、逆にやる気は削がれ、黙って辞めることを選ぶことになるのです。
アデコ社の調査では、人事評価制度に不満を抱く人は約63%います。
理由は「評価基準が不透明」がトップになっています。
僕は人事評価制度をつくる仕事をしていますが、評価制度をまともに運用できている会社は少ないです。
評価が全てではないものの、評価されなければ「その会社で働く意味」が失われます。
ちなみに、人は何度頑張っても結果が伴わないと、「無駄」だということを学習してしまいます。
これを「学習性無力感」といいます。
学習性無力感とは、「自分の行動が結果を伴わないことを何度も経験していくうちに、やがて何をしても無意味だと思うようになっていき、たとえ結果を変えられるような場面でも自分から行動を起こさない状態」のことをいいます。
引用:光村図書|第3回 やる気のない無気力な子 学習性無力感
評価されず、学習性無力感を覚えてしまった従業員は、もう上司と対話することを諦めています。
上司に言っても無駄なことを、同僚に言っても意味がないので黙って辞めることを選ぶのです。
会社の将来性に期待できない
会社の将来性に期待できないと、仕事を頑張ることをしなくなり黙って辞めます。
会社の将来性といっても、さまざまな要素があります。
- 売上が悪く財務状況が悪い
- 斜陽産業で市場に期待ができない
- 働いている人たちのやる気がない
転職を考えるきっかけは、「このまま続けてもいいのかな」と不安を抱えた時です。
会社に勢いがなく、働いている人もやる気がなければ不安になるものです。
なんかうちの会社大丈夫かな
経営が安定しないと不安になるよね
ギャラップ社の調べによれば、日本のエンゲージしている従業員はわずか5%となっています。
なんと145ヶ国中最下位です。
エンゲージ(エンゲージメント)とは、簡単に言えばもっと会社や仲間のために頑張ろうと思える状態です。
「企業と社員が、お互いの成長を目的に絆を強めていく」という関係性が、エンゲージメントの特徴です。
引用:パーソル|エンゲージメントとは?重要性・メリット・向上のための施策を解説!
会社の経営が悪く、将来性に期待ができなくなればエンゲージメントが低くなってしまいます。
このエンゲージメントが低い会社はやる気が低い人が多いですし、経営も不安定になるという負のスパイラルに。
もっと頑張ろうと思えなくなった人は、やる気のない人や将来性のない会社に見切りをつけます。
転職活動で次の職場を探して、あっさり辞めてしまうのです。
労働環境や条件が悪い
労働環境が悪い職場は、ブラック企業であることがほとんどです。
僕も経験がありますが、ブラック企業は長時間労働やパワハラなど、長く働けない劣悪な環境です。
- 長時間労働
- パワハラやセクハラ
- 業務量が多いのに給料が低い
ブラック企業などの場合は辞めることを言った瞬間に、ハラスメントがひどくなるケースもあるので、誰にも言わずに辞める人が増えてしまいます。
ちなみに、こういった嫌がらせを「ヤメハラ」と言います。
怖くて辞めることを言い出せない職場もありますが、そういった職場は退職代行を使うのが良いです。
さっさと辞めたい
言い出せない経験は僕もあるよ
厚生労働省の調べでは、「給与・報酬が少なかったから」が退職理由のトップになっています。
1年前の仕事をやめた者の退職理由は、「正規→正規」の男では「給与・報酬が少なかったから」、女では「会社の経営方針に不満を感じたから」が最も多い。
引用:厚生労働省|仕事をやめたものの退職理由
働いても給料が上がる見込みがなく、もらえる給料が割に合わなければ、誰にも言わず静かに辞めていく人が増えていくのです。
また労働環境が悪いブラック企業では、人間関係も希薄になりトラブルも起こりやすくなります。
エン・ジャパン社の調べでは、本当の退職理由のトップに「職場の人間関係が悪い」があがっています。
人間関係が悪いと、そもそも退職することを相談しようと思うことはありません。
辞めようと思ったら誰にも言わず、転職活動を進めてあっさり辞めてしまうのです。
本当に辞める人が周りに言わない理由
ここまでは黙って辞める人がいるような、職場の特徴をお伝えしてきました。
ブラック企業をはじめ、会社に見切りをつけた人はだれにも辞めることを言わなくなるものです。
ここからは辞める人が周りに何も言わない理由をまとめました。
結論としては、話すだけ「無駄」だと感じているから誰にも言わないのです。
- 引き留められたくない
- 転職先が決まっている
- 相談しても無駄だと思っている
引き止められたくない
退職する時に誰にも言いたくない理由としては、引き止められることが面倒だと感じている場合があります。
退職することを伝えた瞬間に態度が変わって、しつこく引き止められるということはよくあるからです。
パーソル社の調べによれば、退職時に引き止められた人の割合は50%を超えます。
上司としては、普通に働いているだけでは部下の本音を知る機会はありません。
退職の機会にはじめて本音を聞く形になり、引き止められてしまうのです。
エン・ジャパン社の調べでは退職時のトラブルのトップに「会社・上司からの引き止め」があります。
そんなに引き止められるのか
こじれると面倒なことになるよ
引き止めの内容が友好的であればよいですが、そうではない場合さらに面倒なことになります。
- 退職時期の先延ばし
- 後任が見つかるまで延長
- 退職の拒否
ぶっちゃけ退職を断られても、辞めることを意思表示した「退職届」を出せば2週間で退職が可能です。
退職届は、従業員が会社に対して一方的に退職する旨の意思表示を行うもので、あくまでも一方的な意思表示ですから、それが会社側に到達した時点で、民法第627条の解約告知としての効力が生じます。
引用:山﨑・中嶋法律事務所|労働問題⑤ ~退職届と退職願~
しかし辞める心情としては円満退職とまではいかなくても、誰でも問題は起こしたくはないもの。
引き止めにあって余計なトラブルを招かないように、誰にも相談せず黙って辞めることを選ぶのです。
転職先が決まっている
転職先を決めてから退職するのは、転職活動においてのセオリーです。
次の職場が決まっている場合は、有無を言わさずに退職日を決めてしまいたいと考えるのが普通です。
黙って辞める人は、現職のことはもはやどうでもよく、一刻も早く次の職場で働きたい気持ちでいっぱいだからです。
辞めたい気持ちしかない
いつ辞められるか不安になるんだよね
転職先が決まっている場合、社内にはもう未練はなくいかに有給を消化して、次の職場にスムーズに入社することしか興味はありません。
次の職場の入社日から逆算して、退職するための段取りを組み立てて計画的に動くようになるのです。
- 仕事の引き継ぎ
- マニュアルの整理
- デスクまわりの片付け
「なんか最近整理をしはじめたな」と思っていたら、いつの間にか退職をしたということは珍しくありません。
僕も黙って辞める時は同じようなことをしました。
複雑で引き継ぎに時間がかかる業務は事前に引き継ぎ、後任を決めておくことで辞める時のトラブルを減らすのです。
計画的な行動だ
黙って辞める人は社内に交渉や相談する価値を感じていません。もう既に現職を見切ったうえで転職活動をすませて転職先を見つけたからです。
在職してはいるものの、気持ちは既に退職済みといったところです。
相談しても無駄だと思っている
実は職場では、上司や同僚は頼りにされない存在です。
GOAL-B社の調査によれば、仕事やキャリアについて最初に相談したい相手として、上司や同僚は4%しかないことがわかっています。
僕も人事を15年経験していますが、上司に相談してものごとが解決できたことはありません。
どちらかといえば内情をバラされて、問題をこじらせられたことのほうが多いくらいです。
そもそも上司と部下という主従関係にある状態では、相手を信頼して相談することは難しいのかもしれません。
まともな上司はいなかった
上司だから有能ってことではないよ
黙って辞める人は、上司に相談しても意味がないことを経験から感じてしまっています。
ちなみに上司が無能になりやすい原因の1つに「ピーターの法則」というものがあります。
能力があっても、無能になる地位まで昇進し続けてしまうというものです。
時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。
引用:プロフェッショナルバンク|ピーターの法則とは?明快に解説!無能組織を作らない対策とおすすめ本
世の中の上司が「使えない」と感じるのは、このピーターの法則が働いているからかもしれません。
上司が有能であれば問題解決も可能だと思いますが、有能ではないから「黙って辞める」ことしか選択肢がなくなってしまうのです。
そんな上司に相談することはありません。
予兆でわかる辞める人の特徴
ここまでは辞める人が誰にも言わない理由をまとめてきました。
退職というショッキングなことを伝えるのは面倒な事態を招く可能性もあります。
それだったら黙っておこうと思うのが自然なことだといえます。
さて、ここでは辞める人に見られる共通する特徴を人事目線でお伝えしていきます。
- 会社のイベントに参加しない
- 人間関係を築く努力をしなくなる
- 最低限の仕事しかしなくなる
会社のイベントに参加しない
辞めることを決めている人は会社のイベントに参加をしなくなります。
特に任意のイベントや交流を深めるためのイベントにはまったく顔を出さなくなります。
- 飲み会(忘年会・新年会)
- 勉強会
- ワークショップ
辞めることが決まっていれば、会社のことに興味がなくなるからです。
次の職場が決まっていない段階では、会社に興味がなくても付き合っていたものの、転職先が決まったら露骨に行動に現れるようになります。
できるだけ関わりたくない
それはそうだよね
ちなみにJTB社の調べでは「自分達の手で作り上げる社内イベント」が1番参加したくないイベントとしてあげられています。
人事の立場から言うと社内イベントにはすべて目的があり、あえて交流が生まれるように設計しています。
そんな手作りイベントや飲み会は、辞めることを決めている人からすれば面倒なもの以外なにものでもありません。
HISの忘年会の調査でも、気を使うのが疲れるというのが参加したくない大きな理由になっていることがわかります。
辞めることが決まっている人は、そもそも気を使いたくないという思いがあります。
さらにいえば、現職のできごとに興味が全くないので、無駄な時間になるイベントごとは参加する価値がなくなってしまうのです。
人間関係を築く努力をしなくなる
会社を辞めることを決めると、人は人間関係に気を配らなくなります。
当然ですが、もう関わることがなくなる人に対して時間や労力を割く意味はなくなるからです。
ハッカズーク社の調べでは、辞め方で退職者に対する印象が悪くなったことがある人の割合は約80%となっています。
ほとんどが最後は人間関係をないがしろにしていることがわかります。
僕も辞める時は正直どうでもよくなります
もう気分は他人だもんね
会社の人間関係は特殊で、辞めたらそれまでということが多いです。
僕自身も辞めた後は、前職の同僚や上司との関係は後悔しないように断ち切ります。
ハーバード・ビジネス・レビューによれば関係を維持するためには継続性、脆弱性、肯定性の3つが必要と言われています。
引用:ハーバード・ビジネス・レビュー|退職しても、職場の友人と親しい関係を続ける方法
- 継続性(consistency):互いに経験を共有し、定期的に交流する。
- 脆弱性(vulnerability):互いに理解し合っていると感じ、本当の自分をさらけ出せる。
- 肯定性(positivity):ともに楽しみ、相手を受け入れ、互いに評価されていると感じることで、相手との関係によって報われていると感じる。
会社で働いている時には、継続性として同じ目標に向かって仕事をするという要素があります。
しかし辞めるとなれば、その目標はもはや「他人事」で興味がありません。
職場で人間関係を築こうとしていたモチベーションは、目標を達成するべく仕事をスムーズにするためです。
黙って辞める人は、会社の人間関係に興味がなくなっているので関係を築くことがなくなるのです。
最低限の仕事しかしなくなる
黙って辞めようとする人の予兆としてわかりやすいものとして、仕事に積極性がなくなるということがあります。
必要最低限の業務しかしなくなるからです。
もう辞めることがわかっている職場で必要以上に努力することや、周りを気にすることは無意味です。
日本労働調査組合の調べでは、辞めたい理由のトップは同率で「人間関係」と「評価の不満」です。
この理由はもはや退職理由のツートップ
ほとんどこの理由だね
人間関係や評価に対して不満を抱き続けていた人が、次の職場を見つけたら仕事をしなくなるのは当然といえば当然です。
- 突然定時で帰るようになる
- 有給休暇を確認する
- 仕事のスピードが遅くなる
次が決まっているので、本人の中では文字通り「消化試合」です。いかに消耗せず静かに辞めることができるかしか考えていません。
僕も経験がありますが、在職中は周りの目を気にしていて定時からプラス1、2時間残業するのが普通でしたが、辞めると決まった瞬間どうでもよくなるのです。
体裁を気にしなくてよくなったので、定時になったらピタッと帰れるようになりました。
露骨に態度が変わった僕に対して周りは冷ややかな目を向けていましたが、辞めることが決まっているので何も気になりません。
なんか清々しかったのは覚えています
また急いで仕事をしても仕方がないので、仕事のスピードを調整して定時で帰っても問題がないくらいの仕事量を常にキープするようになります。
会社をあっさり辞めた僕の体験談
ここまでは黙って辞める人の予兆をまとめてお伝えしました。
人事として色々な退職者を見てきましたし、僕も辞めたことは何度もありますが辞めることが決まっている人にモチベーションはありません。
頑張らなくなったら「もうすぐ辞めるんだろうな」ということが予兆としてわかります。
さて、ここでは僕自身があっさり辞めてきた体験談をお伝えします。
誰でもそうですが、はじめから辞めようとしていたわけではありません。きっかけがありあっさり辞めることになるのです。
- 5年間耐えて黙って辞めた理由
- 上司が頼りにならなくて辞めた
5年間耐えて黙って辞めた理由
僕が1番あっさりと辞めた経験として思い出すのは、5年間勤め上げた会社のエピソードです。
その会社はリファラル採用で入社して、人事としての師匠のような人からの紹介で入社した会社でした。
当時はとてもやる気に満ちて、本当に望んでハードワークで働こうと思っていたほどでした。
まじで頑張るつもりだった
やる気を感じる!
でもですね、この紹介してくれた人も入社した会社も期待を大きく下回るようなものだったんです。
- 入社条件で嘘をつく上司
- パワハラとセクハラの日常
- 離職率90%のブラック企業
僕が転職して人生が狂ったのはこの会社です。
何をやっても評価されず、理不尽に怒鳴られるような毎日に僕はメンタルヘルス不調に陥ったこともあります。
そんな会社になんで5年もいたのかというのは、シンプルに次の職場が見つからないだろうという心配があったから。
アシロ社の調べでは退職に向けて行動できない理由の上位に「次の仕事が見つかるか不安だから」というものがあります。
同じことを繰り返してしまうような不安から、身動きが取れなくなるものです。
引用:アシロ|退職に向けて行動できない理由の1位は「経済的な不安」
僕自身はその会社を辞めるために、MBA(経営学修士)をとったり、転職するためだけに上司に従ったふりをしてマネージャーまで昇格しました。
超つらかった…!
ブラック企業で5年も修羅場を乗り越えた僕は、いつのまにか組織の中核を担っている重要人物になっていたのです。
そんな僕があっさり辞めるなんて周りは誰も思っていません。
ですが、僕は5年間ただ黙って辞めることだけを考えて準備してきたのです。
全部の準備が整って、上司に「退職届」をLINEで叩きつけたのは今でも思い出せるほど達成感がありました。
すごく勇気が必要だった
退職届は有無を言わさずに退職することができるので、上司に交渉の余地はありません。
誰かに言えば上司に漏れる可能性があったので、上司に言うまで本当に誰にも言わずに準備していました。
黙って辞める人の心理としては、辞めるために余計なリスクをとりたくないというものがあります。
誰かに言うメリットとデメリットを天秤にかけた場合、デメリットのほうが大きいから黙って辞めるという選択をするのです。
上司が頼りにならなくて辞めた
もう1つのあっさり辞めたエピソードは、上司が頼りにならなさ過ぎて辞めた会社の話です。
その会社は最終的に3年ほど勤めていたのですが、当時僕の上司は仕事ができないことで社内でも有名でした。
そもそも僕が採用されたのは、その上司の尻拭いとして採用された背景があったことを入社後に知りました。
本当にきつかった
ダメな上司はしんどそうだね
役割としては管理部門のトップだったのに、Excelの「全選択」ができないレベルのITリテラシーです。
正直何も出来ないレベルの人物だったので、結果的に僕がすべての実務を担うことに。
そうした中、組織を拡大するために新人を採用することになるのですが、採用した新人がまさかのモンスター社員だったのです。
僕はこの新人に逆パワハラを繰り返されメンタルヘルス不調になりました。
お酒がないと眠られないほどでした
何度も上司には新人の態度や行動をどうにかしてほしいと相談していたのですが、まったく動くこともなく新人はずっと逆パワハラを繰り返していたのです。
僕はそんな何もしない上司や、何も対処しない会社に見切りを付けて退職を決意。
頑張って1年ほど耐えたのですが、これ以上は無理だと判断しました。
見切りを付けてからは転職活動に注力をするために、現職の仕事は最低限にして定時で帰るようになりました。
これまで付き合っていた上司とのランチや飲みなどは全く行かなくなり、態度や行動は露骨に変わったと思います。
そして転職先が決まったら、上司に退職を告げてあっさり辞めました。
辞めると決めたらすぐ行動しました
辞めるということは見切りを付けたということなので、その会社での関わりは僕にとって無価値なものに変わっていました。
事情を知っている同僚などは気を使って送別会もしてくれましたが、何も思うことはありませんでした。
ぶっちゃけ送別会さえ不要だと思っていたほど疲れていました。
あっさり辞めたいならやってはいけないこと3選
最後はあっさりと辞めたいならやってはいけないことを、人事目線でお伝えしますね。
正直僕が人事として見てきた退職者の多くが黙って辞めるタイプでした。
結論として、退職においては黙って辞めるのが正解だと考えています。
- 誰にも言うべきではない
- 退職する前に静かな退職も視野にいれる
- 辞められないなら退職代行がある
誰にも言うべきではない
退職を決意したら誰にも言うべきではありません。
この記事でお伝えしてきたように、退職する理由は「人間関係」と「評価の不満」です。
基本的にはこの2つに退職理由は集約されていきます。
特に人間関係は分解していくと、上司との関係性が影響が大きいことがわかります。
アシロ社の調べによれば上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがある人は「約67%」います。
結局のところ、自責にしろ他責にしろ上司との関係がうまく築けず評価に納得しないから辞めるというのが大半です。
上司の問題って深いんだね
正直どの会社でも同じ
そういった上司があなたが辞めることを事前に知った場合、ヤメハラなどの被害にあってしまう可能性があるのです。
僕も経験がありますが引き止めくらいなら別にたいしたことはないのですが、ヤメハラは正直居心地が悪いですし消耗するだけです。
ワークポート社の調べでも、ヤメハラなどの被害を受けることなどの退職の不安がある人は約48%いることがわかります。
みんな怖いんだね
気の緩みで同僚などと話してしまうと、上司にリークされてしまう可能性があります。
親友と呼べるレベルの信頼関係を築けていない限りは黙って辞めたほうが良いでしょう。
次の仕事が決まって上司に退職届を出すまでは誰にも言うべきではありません。
退職する前に静かな退職も視野にいれる
退職だけがすべてではありません。
現職で働きながら副業やスキルアップをしていく考え方もあります。
それが日本でも少しずつ広がりをみせる「静かな退職」です。
静かな退職とは、仕事に全力投球するのを止め、必要最低限の業務をこなす働き方のことで、退職・転職するつもりはないが、積極的に仕事に意義を見出さない状態を指します。
引用:GPTW Japan|静かな退職
静かな退職とは働いているけど、割り切って最低限のことしかしない状態です。まさに退職しているように働く人のことを指します。
GPTW Japan社の調査によると、静かな退職を実践している人の71%が働き始めてからで、きっかけは努力が報われないからといったものです。
実は僕も静かな退職を実践したことがあります。
なぜなら会社を辞めて転職しても、状況が変わらないと感じたことがあったからです。
正直この記事でお伝えしてきたように、転職の理由は「人間関係」と「評価への不満」がほとんどです。
もちろん長時間労働やブラック企業が原因になっていることもありますが、だいたいはこの2つの理由になります。
どこにいっても同じだったりするのか
人間同士の仕事は結局問題が似ているんだ
転職したからといっても問題が解決するわけではなく、どちらかというと悪化する場合も。
下手に転職をするよりは、静かな退職を実践しながら副業を育てたり、自分の能力を上げたりする時間にまわしたほうが得策という場合も多いです。
ちなみに人事やキャリアコンサルタント目線でアドバイスをすると、人間関係や評価に対する問題はどこかでまじめに向き合う必要があります。
上司をマネジメントする力とかですね
さっさと黙って辞めてもいいのですが、自分の課題を冷静に見極めて次の職場で同じようなミスマッチを繰り返さない努力は必要です。
そのために1度静かな退職をして割り切って会社で働くというのも1つの手段といえるのです。
辞められないなら退職代行がある
引き止めや上司が怖くて、現職を退職することができないのであれば「退職代行」を検討するのもありです。
退職代行というものは、簡単に言うと「退職することを代わりに伝えてくれるサービス」です。
退職代行を使うことは頭がおかしいなどといわれるケースもあるようですが、それは昔の価値観で働いている世代です。
現代の20代や30代は退職代行を退職の選択肢として普通に使っています。
なんか便利そうだね
実際に使っている人は多いよ
退職代行を運営するアルバトロスの調べでは20代が圧倒的に多く、利用者のうち約61%もの割合を占めます。
なんとなく抵抗があるのは、自分で伝えたほうがいいのではないかという葛藤があるからだと思います。
しかし、本来労働というのは雇用契約を結んでいるに過ぎず、働いた分に対して対価をもらっているだけの関係です。
しかし周りの目や上司が怖くて言い出せずに留まっている人もいます。
僕は体験談でお伝えしたような会社で「辞めます」と伝えるまで数ヶ月かかりました。実際、鬼上司に退職届をたたきつけるのは勇気が必要です。
振り返ると勇気を振り絞るための数ヶ月間は、時間の無駄だったように感じます。
当時退職代行があれば、さっさと使って黙って辞められたのではないかと後悔しているほどです。
GO TO MARKET社の調べでは、退職代行を利用した人のうち「約79%」がリピートをすると言っています。
それだけ便利ってことだね
お伝えしたように辞める会社に対する気遣いは本当に時間の無駄です。
辞めたあと関わることは一切ないと言っても過言ではありません。
自分の時間や次の職場に向けた準備など、有意義な時間に充てるためにもぜひ退職代行を検討してみてください。
退職についてよくある質問
退職する時は誰にも言うな!次の会社にだけ意識を向けていればいい
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事をまとめます。
- 黙って辞める人は会社や人間関係に見切りをつけているから何も言わない
- 最低限の仕事しかしなくなったりコミュニケーション量が減るという兆候がある
- 退職時の引き止めやヤメハラを避けるためにも辞めるなら黙って辞めるべき!
僕もそうですが、好きで転職をする人は少ないです。
そもそも頑張るために入社したのに、いつの間にかやる気を失って退職という選択をすることになるのです。
その辞めるきっかけになるのが記事でもお伝えしてきた2つです。
- 人間関係の問題
- 評価に対する不満
この原因の大部分は上司に起因していることがほとんどで、その上司に対して「実はこう思っていた」などというわけがありません。
僕たちのように黙って辞める人は、マーケティング用語で例えるなら「サイレントクレーマー」と言えます。
「サイレントクレーマー」とは、商品やサービスに対する不満を直接企業に伝えずに、その企業の商品・サービスの利用をやめる顧客を指します。
引用:NTT|サイレントクレーマーのリスクや日本人の割合・対策方法を解説
何も言わない人が1番怖いです
企業や上司はせっかく、頑張ろうという想いをもって入社した人を黙って辞めさせてしまっていることになります。
これは辞める人が悪いのではなく、労働環境を提供する経営者や上司に問題があることが多いです。
そのため、黙って辞めることになった会社は「それまでの会社」として見切りをつけていいと思います。
一方で人間関係や評価が完璧な会社は存在しません。
どこかで折り合いをつけて対処できる対人関係能力を高める努力が必要だということを頭に入れておいてください。
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