仕事ができなくてやめたい…
いつまで許してもらえるんだろう
僕は新卒の時「全然つかえねぇじゃねえか!」と、ディレクター(上司)に段ボールを蹴られたことがあります。
それは入社1ヶ月目の話ですが、それはもうめちゃくちゃ凹みました。
先輩社員はドライな感じであんまりケアもしてくれないし、やめようと考えたこともありました。
本当につらかった…
この記事の結論を先にお伝えすると、新卒は仕事ができなくても当たり前で「仕方がない」ということです。
- 新卒で仕事ができないことは当たり前と考えてメンタルのバランスをとる
- 上司や先輩との積極的なコミュニケーションを心がけて報連相を意識する
- 環境に影響を受けている可能性もあるので転職も視野に現状を分析する
学生から社会に出て、会社や仕事を初めて経験する中でいきなりパフォーマンスを発揮できる人はごく一部です。
ほとんどの新卒は同じようにミスをして凹み、数年のうちに転職をするということがずっと繰り返されています。
この記事を書いている僕は、人事として15年の経験に加えて国家資格キャリアコンサルタントとMBA(経営学修士)を保有する「転職のプロ」です。
新卒の時にどんなところに注意すればいいかポイントをしっかりと伝えることができます。
この記事を最後まで読んでいただくことで、メンタルを落ち着かせることができますしミスを減らすための対処法も理解できるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください!
仕事ができないから辞めたいと思う新卒の特徴
まずは仕事ができないから辞めたいと思ってしまう新卒の特徴をお伝えします。
僕は採用担当として、多い時には年間300人くらい新卒を採用していました。
その中ですぐに辞めてしまう人や仕事ができないと悩む人には、特徴があったのでお伝えします。
- 他人と比較してしまっている
- 周囲とのコミュニケーション
- 目標が高すぎるか低すぎる
他人と比較してしまっている
新卒として入社をすると、同期入社が大勢いることが多いです。
同期や他人と比較してしまい、自分の欠点が浮き彫りになりへこむ人を多く見てきました。
同期は入社当時は和気あいあいと楽しく付き合うことができて、学校の友人のような存在です。
学情社の調べでも、同期がいることで気持ちが支えられるという意見が多くなっています。
仲間は大事だね
同期がいるといろいろ共有できる!
僕は同期がいたことのほうが少なかったので、同期という存在は安心感があるので憧れを抱いていました。
一方で、新卒入社してしばらく経つと同期のメンバーに少しずつ差が出てきます。
- 高い成果が出始める人
- 上司から気に入られている人
- 抜擢されてリーダーになる人
早ければ試用期間の間でも差が出てきますので、できていない人からすると焦る原因になってしまうのです。
僕は未だに要領がいい方ではありませんが、新卒で入社した時は仕事や会社の仕組みについていくだけで、いっぱいいっぱいになっていました。
そうした中、同期や同僚が先に進んでいるように見えてしまい、比較してしまうことで仕事ができない自分に対して、劣等感を感じて辞めてしまう人が出てくるのです。
周囲とのコミュニケーション
新卒で入社した時の最初のハードルは「コミュニケーション」です。
学生時代はなんとなく過ごしていれば、友人ができたり知り合いになれたりします。
しかし会社は仕事をするために人が集まっている場所で、学生時代のようなゆるいつながりは生まれにくいのです。
会社で友達はできにくいよ
学校とは違うのか…
会社でうまくコミュニケーションがとれないと、仕事そのものに支障がでます。
そもそも新卒として仕事の仕方がわからないので、何をどう聞けばいいのかがわからないので物事を進めることができません。
リクルート社が調べた「1年目の壁」のトップの悩みは、どうすればいいかわからなかったというものです。
会社でのコミュニケーションは様々なハードルがあるのは事実で、新卒に限らず中途も含めて苦手な人は多いです。
それは質問をすることが怖い原因に、心理的安全性に関する「4つの不安」というものがあるからです。
- 無知だと思われるのが怖い
- 邪魔をしていると思われるのが怖い
- 無能だと思われるのが怖い
- ネガティブだと思われるのが怖い
人事として数多くの新卒を見てきた経験から言うと、このコミュニケーションのハードルは自分で乗り越えるしかありません。
コミュニケーションがうまくできずに仕事をしてしまうと、ミスを報告できなかったり、わからないことが聞けなかったりします。
結果的に負のスパイラルに陥りやすく、仕事ができないと思い込んでしまうのです。
目標が高すぎるか低すぎる
何のために仕事をするのか?という問いはとても重要です。
目標を適切に定められていないと、やりがいを感じなかったり仕事そのもののモチベーションにも影響が出てしまいます。
ここでいう目標というのは、会社と個人どちらのことも指します。
会社が決めた目標も、個人的に決めた目標もズレていれば効果は出にくいものです。
- 高すぎる目標:最初から諦めるか挫折を経験してしまう
- 低すぎる目標:やりがいを感じにくくモチベーションが保てない
目標は高ければいいというわけではありません、自分が挑戦しがいのあるくらいの難易度で調整する必要があります。
バランスが重要です
高ければいいわけではないんだ
多くの新卒は自分の能力や経験が乏しいので、適切に目標を決められません。
高すぎる目標を闇雲に追ってしまい、燃え尽き症候群のようになるリスクも出てくるのです。
ここで重要なのは上司やメンターからのフィードバックです。フィードバックを受けて自分の目標や行動を修正することでバランス調整が可能になります。
しかしほとんどの新卒はフィードバックをもらう方法がわからず、問題をそのままにして間違った努力をしてしまう傾向があります。
特に高すぎる目標は悪いことではないものの、未達成による「失敗経験」として仕事への自信を失うきっかけになることもあるので注意が必要です。
新卒が仕事でミスをしてしまう根本的な原因4選
ここからは新卒がミスしてしまう根本的な原因を4つお伝えします。
ほとんどの場合は経験不足によるものですが、気をつけないとクセになってずっとミスする人になってしまうこともあります。
どんなところでミスをしてしまうのか一緒に確認していきましょう。
- 確認をしないケアレスミス
- 焦って何度も繰り返すミス
- 経験が不足していて起こすミス
- 責任感がないことで起こるミス
確認をしないケアレスミス
ケアレスミスとは不注意によって起こる間違いのことで、確認への意識が低いことが原因で起こるミスです。
自分としてはできたと思っていたとしても、どこかしらに抜けや漏れはあるものです。
確認せずに仕事を進めたり、成果物を提出した場合は高確率でケアレスミスが起こります。
- ちゃんとやったから問題ないはず
- 先輩が確認してくれるはず
- 誰かがケアしてくれるはず
上記はどれも思い込みで、そうだったらいいなという希望的観測です。
ちゃんと確認しないとダメです
面倒だけどやるか…
ケアレスミスを起こしてしまう原因は、シンプルに確認不足ですが問題はそれだけではありません。
どこが悪いかわからないままになるので、PDCAサイクルをまわすことができず改善できないのです。
このくらいでいいやと、適当に仕事をしているといつまでも仕事ができないままになります。
また、上司や同僚など仕事を一緒にする人からの信頼を失うことにもつながります。
焦って何度も繰り返すミス
何度も同じミスを繰り返してしまう原因は、仕事内容を理解しきれていないことが原因である可能性が高いです。
特にわからないことをそのままにしていたりすると、同じミスを何度も繰り返す危険性があります。
- そもそも話を聞いていない
- メモを取らない
- 質問をしない
話を聞いていないのは論外ですが、一発で仕事を覚えられるような人間はごく一部です。
メモを取らないのはミスをしようとしているようなもの。
またわからないことがあるのに質問をしないままでいるのは危険です。
人間の記憶力はアテにならない
メモ取らないといけないのか…
結果的に焦ってしまい、余計にミスが起きやすい状況になってしまいます。
同じミスを繰り返してしまうと、先輩や上司から見限られてしまうことに。
まずメモをとるだけでも、同じようなミスを繰り返すことはなくなります。
同じミスをしないように自分はどこで間違えたのか?ということを理解して修正していく必要があります。
経験が不足していて起こすミス
新卒は経験がそもそも少ないので、よくわからないことが多く失敗をしてしまうことがあります。
社会人として経験を積んでいくことができれば、経験値が増えていくので自然とミスが減っていきます。
また経験不足から、自分の能力を上回る難易度の仕事をしている可能性があります。
どう考えても難易度が高いのに、無茶振りをされている場合などはブラック企業に多い傾向があります。
僕もブラック企業で無茶振りは経験した
それは自分の問題じゃないね
経験がないと仕事に対しての「優先順位」もわからないものです。
優先順位がわからないと、時間や労力をかける順番を間違えてしまうので危険です。
期日というのはビジネスシーンにおいては、約束のようなものです。
期日を守れないのは、ミス以上に信頼を失ってしまうので注意する必要があります。
経験を積むまではミスをしてしまうのは、ある程度は仕方ないです。
しかし失敗を恐れすぎて新しい経験を避けるようになると、成長が止まってしまいます。
ミスすることに臆病になり過ぎず、積極的に経験を積むことをおすすめします。
責任感がないことで起こるミス
そもそも責任感がなければ仕事に対する意識も低く、ミスが起こるのは必然と言えます。
責任感とは与えられた役割をしっかりと「やり遂げよう」とする気持ちなので、誰かに言われたから生まれるようなものではありません。
責任感の有無は、ぶっちゃけ仕事に対する意識の問題です。
これは新卒だけの問題ではないよ
ちょっと自信ないかも…
責任感の無さは、確認漏れのケアレスミスミスや、同じミスを繰り返すことにもつながります。
「このくらいでいいや」といった油断した気持ちが、細かい部分の確認漏れにつながりミスが起こります。
また、責任感のなさは仕事のクオリティにも直結しています。
雑な仕事や、やっつけ仕事をする新卒という評判になってしまうと大きな仕事を依頼されることはありません。
結果的に「使えない新卒」という扱いになってしまうのです。
僕が仕事において重要だと感じるのは、「誠実」であることだと思います。
ビジネスにおいて「誠実な人」と言ったら、たとえば、周囲の視線がないときでも、自社のために正しく振る舞える人のことを言います。
引用:リンクアンドモチベーション|誠実とは?誠実な人の特徴や意味をわかりやすく解説
誰かが見ていないところでも正しくいようとする姿勢があれば、適当に仕事をしたりすることはないでしょう。
責任感があるというのは仕事に対するスタンスのようなもの。
どんな状況でも誠実に向き合うことができれば、責任感を持つことができるようになるはずです。
仕事ができない新卒が先輩や上司にイライラされてしまうポイントはコレ!
ここからは仕事ができなくて先輩にイライラされてしまうポイントを解説します。
はじめは優しい先輩も同じミスを連発していると、いつの間にか冷たい態度になってしまうことも。
先輩に愛想を尽かされてしまわないように気をつけるポイントを一緒に整理していきましょう。
- ケアレスミスを連発してしまう…
- 「ほうれんそう」ができないのは致命的な問題
- 自分で調べようとしないし考えない
ケアレスミスを連発してしまう…
前述した通りケアレスミスというのは、確認不足で起こってしまう不注意によるミスです。
よく確認すれば防げたミスをしてしまうのは、信頼を失う原因になります。
ただ、人はロボットではありません。
先輩や上司は「人はミスをするもの」という認識を持っています。
そのため1度や2度であれば、許してくれるのが普通です。
いきなり怒ることはないよ
最初は許してくれる
しかし同じようなケアレスミスを何度もしてしまうと、責任感がなく「使えない人材」という評価を受けることになります。
僕が人事として見てきた新卒の中で、ミスが治らず評価が下がった人はこんな感じでした。
- マルチタスクが苦手でいつもテンパってる
- 1つの仕事をやり遂げることができない
- いつも気が散っていて集中力がない
要領が悪いと言ってしまうと身も蓋もないですが、どこかいつも余裕がない人が多い印象です。
余裕がないからミスが起きるし、上司や先輩に確認することも忘れてしまいます。
何度言っても治らないので、仕事はどんどん簡単なものになり評価されなくなってしまうのです。
「報連相」ができないのは致命的な問題
報連相(ほうれんそう)とは「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとったもので、部下から上司に対するコミュニケーションの型です。
ビジネスにおいて「報連相」は基本とも言えます。
報告…業務の進捗状況や結果を上司や関係者に伝えること
引用:HRpro|「報連相(ほうれんそう)」とは?
連絡…業務上の事実や決定事項を上司や関係者に共有すること
相談…業務の問題や課題に対して上司や関係者に助言や意見を求めること
上司は部下が何をしているか、細かく把握することはできません。
何に困っているか、どこに躓いているのかという情報は部下から言ってもらえない限りわからないのです。
ちゃんと言わなきゃ
上司や先輩も自分のしごとがあるからね
情報が共有できてない程度であれば問題はないのですが、ミスやトラブルを共有できていないと大きな問題に発展することも。
特に新卒の頃はミスを報告することが怖くて、隠したり報告が遅くなってしまうことがあります。
細かく共有しておけば問題にならなかったことも、後で発覚することで大問題になってしまうのです。
MoreJob社の調べによれば、困る部下の特徴の上位に「報連相ができない」があがっています。
正直言うと、僕も上司として働いていた時「報連相」をしない部下にはイライラしていました。
というよりは、報連相をしないので信頼を置くことができず、細かくチェックするマイクロマネジメントをするしかありません。
ミスや失敗をしても責任を取るのは上司である僕だからです。
上司や先輩には仕事を管理する役割があります。
報連相ができない新卒には、どうしても厳しくあたってしまうのです。
自分で調べようとしないし考えない
最後にお伝えするイライラする新卒の特徴は「調べない人」です。
前提として、調べればわかることを人に聞くのはビジネスシーンでなくても嫌われます。
ググれって言われた
調べる習慣が身についていないと難しいですよね
なんでもかんでも聞いてくる新卒は鬱陶しいと感じてしまいますし、自分で調べて欲しいというのが本音です。
厚生労働省の調べでは、わからないことを調べたり人に聞く人の方が、「理解度が高い」という結果が出ています。
現代はWebで検索したりAIに質問をすれば、ほとんど答えに辿り着くことができます。
もちろん精度の高さで言えば書籍などでも調べることは可能です。
わからないことを調べるというのは、現代のビジネスパーソンにとって必須のスキルといえます。
調べることは重要なスキルだよ
ちなみに僕がビジネススクールのMBAで学んだ、1番のスキルはこの「調べる力」でした。
僕が学んだのは一流の経営コンサルティング会社マッキンゼー社のノウハウです。
経営コンサルタントのスキルとしても調べる能力はとても重要であり、すべての基礎になっていることがわかったのです。
つまり、新卒の頃から調べることについて努力してできるようになっていけば、先輩にもイライラされないビジネスパーソンになることが可能です。
評価されるためには?仕事ができる新卒の特徴をベテラン人事が解説!
ここからは仕事ができる新卒の特徴をまとめてお伝えします。
これまで僕が人事として見てきた新卒や、世の中で評価されている新卒の特徴をまとめました。
最初から仕事ができる人は一握りですが、ポイントを抑えれば誰でも評価される人材になることは可能です。
- 他人に答えを求めず自分で1度考える
- 必要な情報を共有する
- 雑務も積極的にやる
- 目の前の仕事に責任をもつ
- 能動的に動く
- ハードワークもできる
他人に答えを求めず自分で1度考える
自分なりの考えを持っていることは、新卒に限らずビジネスパーソンに求められる要素です。
世の中にある情報やAIによる回答がすべて正しいとは限らないからです。
よくビジネスシーンでは、考えないで仕事をする人のことを「思考停止」していると揶揄します。
物事に対して疑問を持つことは大事だよ
難しいけど頑張る!
1度自分の頭で考えた「仮説」を持っていれば、上司や先輩の答えを鵜呑みにせず議論ができるので存在感もアップします。
考える力を高めるポイントはこんな感じです。
- 疑問を持ち続ける
- 具体と抽象を行き来する
- バイアスに気をつける
- フレームワークやAIを活用する
1番のポイントは「本当かな?」と疑問を持つことです。疑問を持てば別の視点から捉えることができます。
また具体と抽象という言葉はあまり耳馴染みがないかもしれませんが、細部を考えるだけではなく俯瞰したりして状況を整理するということです。
メタ思考とも言われており、これができるようになるとビジネスパーソンとして一歩前進します。
バイアスというのは、人間が持つ思考の偏りのことです。無意識な思い込みがあると正しく判断できなくなるのでバイアスについて理解しておきましょう。
このような考え方のテクニックを活用して、自分なりの仮説を持っておくことで先輩や上司からできる新卒と思われるようになります。
ただしAIに頼りすぎていると考える力は身につかないので、活用のバランスを考えていきましょう。
必要な情報を共有する
必要な情報とは上司が求めている情報です。
コミュニケーションが苦手だからという理由で、報告をしなかったり情報が不足していると上司から信頼されません。
特に新卒の場合は自分で抱えていると、トラブルになる情報もあるので共有しておくことで身を守ることにもつながります。
上司を巻き込んでおこう
相談しておくようにしよ…
仕事の進め方や進捗度合いについては、刻一刻と状況が変わります。
放って置くといつの間にか上司が想定していなかった状況になっていて、上司から怒られてしまうことも。
何かあったら報告するの、「何か」の基準を下げてできるだけ細かく上司へ情報を共有していくことをおすすめします。
最初は面倒だと感じるかもしれませんが、情報を共有していくうちにお互いの認識が合ってきて、必要な情報と不要な情報を見分けられるようになります。
雑務も積極的にやる
雑務というのは、メインタスクではなく、一見誰の仕事でもないような仕事のことです。
誰かの職務というわけではないことが多く、どの会社でも宙に浮きがちなものが雑務。
- ゴミ捨て
- オフィスの清掃
- 任意のイベント運営
特に中小企業ではこの雑務は誰かがやらないといけないのですが、雑務をやっていると「暇だと思われる」ことを恐れてやらない人がほとんど。
これは4つの不安が原因しているのです
確かに暇だと思われそう…
しかし雑務をやることは新卒にとって大きなメリットが2つあります。
- タスクばらしの訓練になる
- 上司や先輩からの評判が上がる
タスクばらしの訓練になる
雑務の意外な効果としてあげられるのが「タスクばらし」の訓練になるということです。
タスクばらしとは文字通り、タスクをバラすことでエンジニア界隈ではよく認知されたビジネススキルの1つです。
「タスクばらし」のためには、取り掛かる仕事を頭の中でシミュレーションできなければならない。経験ある分野であれば、ある程度まで詳細にイメージがつくので、タスクの洗い出しも順番決めもできるため、精度の高い見通しができる。
引用:ソニックガーデン|セルフマネジメントの必須スキル「タスクばらし」そのポイント
できるビジネスパーソンはタスクを分解しています。
メインタスクでこのタスクばらしができていないのであれば、雑用のタスクを分解して訓練することができます。
ゴミ捨ての例です
- ゴミ袋を1度すべて回収する
- ゴミを袋にまとめる
- ゴミ箱に新しい袋を取り付ける
ゴミ捨てはすごくシンプルですが、段取りを決めて効率を上げることがは可能です。
タスクばらしは仕事の要素を分解して、どのように進めるか自分なりに見立てることがポイントです。
メインタスクがなかなかうまくいかない場合は、雑務でタスクばらしを訓練して段取り力を高めることをおすすめします。
上司や先輩からの評判が上がる
もう1つのメリットは上司や先輩からの評判が上がるということ。
あまりあざとくやるのも気が引けるかもしれませんが、新卒のころはそんなこと気にせずやるべきだと思ったことはやった方がいいです。
特に会社では雑務や誰も拾わないような仕事は放置されがちです。
面倒だと思っている人がほとんど
そうした雑務も積極的に取り組む人に対しては好感を抱くのは自然なことですし、周囲も協力的にもなります。
評判を上げるためにやるというよりは、雑務を巻き取れるくらい仕事を回せるようにならないとスキルは上がっていきません。
自己管理をビジネスシーンでは「セルフマネジメント」というのですが、雑務ができるくらい自分の行動を管理できるようになれば自然と評価も高くなっていきます。
目の前の仕事に責任をもつ
目の前の仕事に集中しましょう。
大きなことをやりたいという気持ちは誰でも持っているものですが、小さな仕事をこなせなければ任せてもらうことはできません。
自分に与えられた仕事に対して責任感がありやり遂げることができて、はじめて信頼が少しずつ貯まっていくのです。
責任感は言い換えれば「当事者意識」です。
自分ごととして考えることができれば責任感を持つことができるようになりますし、信頼を得ることもできます。
ちなみに当事者意識という言葉を使う会社としては、リクルート社が有名です。
圧倒的な当事者意識
引用:リクルート|人事制度・仕組み
高い当事者意識、強い意志をもって物事に取り組む姿勢
全員が高い当事者意識を持って仕事をしているからこそ、リクルート社のような圧倒的な業績を残すことが出来ていると考えています。
自分が今できることに責任を持ち、自分のことだと考えて取り組むことで評価されていきます。
能動的に動く
社会人になったら受け身でいることはリスクが高いのでおすすめできません。
誰かが指示を出さない限り動けない人の市場価値は低いからです。
それは新卒も同じで、指示待ちをしていると評価はどんどん下がっていきます。
それは避けたい…
評価される新卒は能動的に動ける人です。
自分から問題を見つけて行動することで、仕事のスピードも上がります。
また自ら周りに働きかけて行動できるので、やる気があるような印象を与えられます。
新卒は何をすればいいかわからないタイミングが多いですが、その場合でも上司や先輩に聞いて動けば積極的な印象を与えることができます。
ハードワークもできる
ハードワークというのは、一般的には仕事の量が多いことや精神的にも肉体的にもきつい労働のことです。
ここでいうハードワークは仕事量の多さについてです。
効率よく仕事をして残業をせずに帰るのは悪いことではありません。
しかし現場で仕事をしていると、修羅場を経験することもあります。
めっちゃ大変です
忙しい時でも自分の都合だけしか考えていない人は、見限られるので注意が必要です。
一方で仕事量が増え過ぎて残業続きになってしまうような時期も諦めずに、ハードワークをこなすことができれば評価は上がります。
周りのことも考えてハードワークができる人は加点されるものです。
新卒が仕事できないままになる環境を僕の体験談から解説
ここからは僕自身が新卒として経験したことをお伝えします。
新卒は能力が低くて仕事ができないこともありますが、環境に影響されることもかなりあります。
あまり恵まれていない環境にいる場合は転職を検討しましょう。
- 教育研修がなくて何をすればいいかわからない
- パワハラや人間関係が悪くて萎縮してしまう
教育研修がなくて何をすればいいかわからない
教育研修がない会社は意外と多いです。
僕はスタートアップ企業や中小企業で長く働いてきましたが、まともな研修を受けたことはありません。
誰も教えてくれない会社ばかりでした
仕事の仕方がわからない…
リクルート社の調べでは、Off-JTの機会は大手企業でも38%減少していることがわかります。
日本はそもそも人材教育にお金と時間をかけることをしないので、人が育ちにくいと言われています。
僕が新卒で入社したデザイン会社は、数十人規模の中小企業でした。
当然教育研修の機会なんてなくて、いきなり実務を任せられてしまうような環境です。
当時は何をすればいいかわからなかった…
一般的には新卒に対する研修には、こんなものがあります。
- 企業文化理解の研修
- ビジネスマナーの研修
- 新入社員同士での交流
社会人として必要なスキルを身につけてもらおうとするものが多いのが特徴です。
大手の企業ではこの新卒研修をなんと6ヶ月くらい実施してくれます。
社会人のベースを会社が叩き込んでくれるのでとてもありがたいですが、実際にできるのは本当にごく一部の大手くらいです。
残念ながら僕は新卒時代に、教育研修を受けることができなかったのでかなり悩みました。
当時は上司から嫌われていたと思う
研修を受けられなかった僕は、とにかく仕事をこなすことに集中するしかありません。
がむしゃらに入社1年目は過ごしましたが、今思うと「ちゃんと教えてほしかった」という思いがあります。
学校と会社ではルールも作法も違います。
研修のない会社でうまくいっていないのであれば、研修が充実している会社に転職するのも選択肢になります。
パワハラや人間関係が悪くて萎縮してしまう
研修がないことより深刻なのが、人間関係が悪いことです。
入社後でしか人間関係はわからないので、ある意味ガチャにような要素です。
- パワハラ上司
- お局おばさん
- モンスター社員
どれか1種類のタイプでも存在していると、居心地が悪く自分らしく振る舞うことができません。
特に上司がパワハラ気質だと、萎縮してしまったりテンパってしまうのでパフォーマンスは下がります。
エンジャパン社の調べでは、退職理由のトップは「人間関係が悪い」です。
僕も退職理由は人間関係が多いかも
嫌な人っているよね…
人間関係が悪い職場は、個人の力ではどうこうすることはできません。
僕は何度か新卒時代に関係を改善しようと試みたのですが、こじれるだけでした。
もしすでにメンタルにダメージを受けるほど、影響があるのであれば早めに相談するか、転職したほうがいい場合もあります。
転職エージェントは第三者として、客観的なアドバイスもくれるので一度相談してみてもいいでしょう。
新卒で仕事ができないのは当たり前!失敗をカバーする対処法
最後の章として、僕自身が新卒時代から40代に至るまでに身につけたノウハウをお伝えします。
新卒が仕事ができなくないのは仕方がないことです。
一方でお伝えするノウハウを身につければ、少しずつ仕事ができる人材になっていくことができます。
- スピード報告で重大なミスにつなげない【原因と改善をセット】
- 効果は抜群だ!自分だけのオリジナルマニュアルをつくる
- 第二新卒として早めに環境を変えることを検討する
スピード報告で重大なミスにつなげない【原因と改善をセット】
最初にお伝えするのは、上司とのコミュニケーションの話です。
上司とのコミュニケーションは苦手意識を持つ人が多いですが、そこを攻略しないとなかなか前には進めません。
特に仕事でミスやトラブルが発覚した場合のアクションはスピード勝負。
いかに普段からコミュニケーションをとっているかによって、結果は変わってきます。
毎日何回か話すようにしよう
えー面倒くさい〜
日々コミュニケーションをとって、細かいことを報告していれば信頼を得られますし問題にも気付いてもらいやすくなります。
もしミスやトラブルが起きた場合には、「やばいです」と報告するだけではなく問題を整理しましょう。
- なぜ起きたのか原因を追究
- どうやったら防げるのか改善点を整理
上記の原因と改善点をセットで伝えることで、上司も安心できますし優秀だという印象を与えられます。
僕が上司として新卒のマネジメントをしていた時、問題を整理して報告してくれた人には好感を持つことができました。
一方でテンパって上司に丸投げするようなタイプに対しては、大きな仕事は任せられないと感じます。
前者の方が評価が高くなるのは明白です。
効果は抜群だ!自分だけのオリジナルマニュアルをつくる
人は忘れる生き物ということを前提に、作業のマニュアルをつくることをおすすめします。
手書きのメモでもいいですが、解像度が低く忘れてしまう部分も出てきてしまうのでマニュアルの方が安全です。
僕は人事という立場上、何でも屋みたいなポジションになりがちです。
総務や経理を兼務していることもあります
いろいろやるの大変そう
ミスが許されない仕事も多いので、ツールの操作方法などの画面のスクショを撮ってマニュアル化するようにしています。
マニュアルを作るメリットはこんな感じです。
- タスクばらしができる
- 非効率な工程を改善できる
- 引き継ぐのが簡単で辞めやすい
マニュアルは工程を可視化しないとつくれないので、1つずつ工程を分解する必要があります。
工程を分解することはタスクばらしになるので、理解度がグッとたかくなるのです。
マニュアルを作るだけでミスが減ります
僕はわかりやすいようにパワーポイントでつくってますが、自分がやりやすいツールでいいと思います。
またマニュアルを作っておけば、自分だけではなく他人にも引き継ぎができます。
そのため、いざとなったら協力してもらうこともできますし、会社を辞めることになったとしてもスムーズに辞めることができます。
マニュアルを作ること自体はとても面倒ではあるものの、自分でマニュアルを作って作業管理をしているというのは上司からすれば加点ポイントにもなるのです。
第二新卒として早めに環境を変えることを検討する
最後は転職という選択肢です。
記事でもお伝えしたように、新卒として仕事ができないのは自分だけの責任ではない可能性もあります。
何らかのストレスを抱えている場合は、環境をかえることで、人間関係が改善されたり研修が充実したりすることで仕事がしやすくなることも。
僕自身の経験で言えば、ブラック企業からホワイト企業に転職できたことで「問題がある人」がいなくなって仕事がしやすくなりました。
ブラック企業は問題のある人も多いです
しんどそう…
新卒で3年以内くらいであれば、「第二新卒」という扱いを受けることができます。
第二新卒は転職市場において人気があり、受け入れてくれる会社も多いです。
第二新卒を採用する会社は、一度会社とのミスマッチを経験しているので定着する可能性が高いと考えているのです。
仕事にも失敗があるように、就職や転職にも失敗はつきものです。
最初の会社選びに失敗しても次の会社選びで正解をひけばいいのです。
ビズヒッツ社の調べによれば、新卒3年以内に転職した人の約87%は満足しています。
僕も新卒入社後、1年ちょっとで転職をしましたが今となってはよかったと感じています。
そうは言っても転職活動は仕事をしながらになりますし、時間も必要です。
まずは「外の世界」を知るつもりで、転職エージェントに相談することをおすすめします。
新卒に関してよくある質問
人はミスをするという前提を持つことが重要!ミスを潰していくことで仕事はできるようになる
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
この記事をまとめます
- 新卒で仕事ができないことは当たり前と考えてメンタルのバランスをとる
- 上司や先輩との積極的なコミュニケーションを心がけて報連相を意識する
- 環境に影響を受けている可能性もあるので転職も視野に現状を分析する
学校から会社というまったく違う環境に変化しているので、新卒で仕事ができないのは当たり前といえば当たり前です。
周りと比較したり、自分でハードルを上げていたり自信を失うきっかけは多いのでメンタルは自分で守らなければいけないのです。
僕もよくへこんでいました…
一方で上司や先輩とのコミュニケーションを怖がって避けてしまうと、フィードバックやアドバイスを得られず成長ができません。
上司や先輩は、自分で気付けない問題や課題に気づいてくれる存在です。
自分の成長を助けてもらうつもりで、素直に頼ってみることをおすすめします。
自分で考えずに、質問ばかりする新卒は嫌われるので注意が必要ですが、上司や先輩として頼られるのは悪い気はしません。
最初から自立して仕事ができる人は存在しないので、はじめの3年くらいはサポートを受けながら前に進むくらいの感覚で大丈夫です。
もしそのサポートが受けられないのであれば転職を検討し始めたほうがいいでしょう。
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