営業職って実際どうなんだろう?
給料が高そうってイメージがあるよね
「年収上げたいなー…」と思ったことありませんか?
僕は第二新卒として転職する時に、強くそう思っていました。
年収を上げたくて「営業職なら未経験でも稼げる」という、キャッチコピーに惹かれてキャリアチェンジしたことがあります。
この記事の結論を先にお伝えしておくと、未経験から営業職はやめとけと言われるけど1度経験しておくのは「アリ」ということです。
- 未経験で営業職になるのは強いプレッシャーを受けるからやめとけと言われる
- ただし営業職で身につくスキルは汎用性が高くキャリアアップが見込める
- キャリアビジョンと照らし合わせて期間限定でチャレンジするのはあり
記事を書いている僕はデザイナーから、未経験で営業職になった経験がある現役人事です。
トップになったこともあります
営業職は正直大変なことが多く、キャリアチェンジするなら覚悟が必要なことは事実です。
一方で得られる経験やスキルも多く、営業職にはメリットがあるのも事実です。
年収だけではなく、あなたがどうなりたいかで営業職へのキャリアチェンジは検討しましょう。
記事を最後まで読んでもらうと、未経験から営業職になるリスクを把握できるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください!
営業職にキャリアチェンジして受けた精神的ストレス3選
まずは未経験から営業職をやめておけと言われる、大きな原因であるストレスについてお伝えします。
ぶっちゃけこのストレスを受け流せるかどうかで全部決まります。
読んでみて大丈夫そうだと思ったらチャレンジすることを検討してもよいでしょう。
- 上司からの激詰め!ノルマが高くプレッシャーがある
- 土日も出勤?顧客対応に追われてプライベートが犠牲になる
- 22時から再開…数字を達成するために残業が発生する
上司からの激詰め!ノルマが高くプレッシャーがある
1番のストレスは、やはりなんと言ってもノルマに対するプレッシャーです。
ノルマというのは「一定期間内に求められる数値目標」です。
シンプルに言えば目標ですが営業職の場合、過度なプレッシャーを受けることになります。
それは営業職の存在意義が、数字(ノルマ)そのものだからです。
ノルマを達成できなければ、存在意義を問われ会社で居心地が悪いんです。
辛い仕事でした…
日本労働調査組合の調べでは約24%の人がノルマがあることをデメリットとしてあげています。
ノルマだけでもプレッシャーがかかるのですが、そこへさらに上司からのプレッシャーが重なります。
僕が働いていたブラック企業では「激詰め」という言葉がありました。
「詰める」というのは、責任を追及して問い詰めることです。
激詰めというのはその最上位のようなもので、あり得ないくらい怒られます。
めっちゃ怖い
シンプルにパワハラだけどね
一般的な仕事であれば、上司が詰めるようなシーンはそこまで多くないです。
しかし、営業職の場合は「ノルマ」という分かりやすい指標があるので詰めやすいのです。
また部下がノルマを達成しない場合はチーム、つまり上司の責任が問われるので感情的になりやすくなります。
ノルマという数字を達成できている時は何も心配はないのですが、ノルマが未達成の場合のプレッシャーに耐えられない人は多いのです。
土日も出勤?顧客対応に追われてプライベートが犠牲になる
営業職で大変なのは、顧客優先で仕事をする必要があることです。
顧客が希望すれば土日でも対応する必要が出てくることも。
ビジネスは本来なら対等な立場でやり取りすることが求められますが、営業職の場合はどうしても下手(したて)になりがちです。
僕は営業時代週1休みでした…
絶対嫌なんだけど
営業成績をあげるため、せっかく見つけた見込み客を逃したくはありません。
自分の休みであろうが、アポイントが取れるのであれば休日を犠牲にしてでも対応します。
日本労働調査組合の調べでも、営業職として働き続ける不安の中に「休みが休みにならない」という声があります。
法人営業ではなく個人営業なので、個人が休みの時に対応することが多かったのです。
また、契約した顧客からの問い合わせも、いつ電話がかかってくるかわかりません。
気が休まりません
自分の時間が顧客対応で削られるというのは、どんな営業であっても共通です。
顧客相手の仕事なので仕方がないものの、プライベートをしっかり確保したい人には向いていない可能性があります。
特にオンとオフの境目が曖昧になりがちな職種なので、キャリアチェンジする前によく理解しておきましょう。
22時から再開…数字を達成するために残業が発生する
最後はノルマによる「残業」が多いというお話しをします。
前述したように営業職には高いノルマがあります。
そのノルマが常に付きまとう影響で、帰りたくても帰れない状況が多くなってしまうのです。
マジメにしんどかったです…
早く帰りたい
営業職は契約をとればいいだけではなく、他にも様々なことに対応しなければなりません。
- 見込み客作り(顧客リスト作り)
- アポイント取り
- 社内会議
- 提案資料作り
- 契約手続き
- アフターフォロー
僕が経験した営業職は個人営業だったので、一人ひとりの顧客を自分で対応する必要がありました。
純粋に営業活動ができる時間は限られており、結果的に残業が増えてしまいます。
ベルフェイス社の調べでは、営業職の平均残業時間は約1.8時間となっています。
ぶっちゃけ僕は5時間くらい残業していました。
ノルマが達成出来ていなければ、帰れる雰囲気ではなく必然的に残業をすることに。
厳しい時には22時から営業することもあり、本当に過酷でした。
上司のプレッシャーがすごかった
個人プレイが許されるような、フルコミッション(完全歩合制)であれば、自分がやることをやっていれば帰れます。
しかし会社はチームで仕事をしていることが多く、1人だけ先に帰るというのが難しいのです。
結果的に個人のノルマが達成できていても、残業をすることになります。
事前に確認しておきたい営業職の種類
さてここからは営業職の種類についてお伝えします。
細かく分けるとかなりの職種がある営業職ですが、大きく分けると相手にする顧客で分かれます。
個人を相手にするか、法人を相手にするかで経験できることが変わるので自分に合った職種を選びましょう。
- 法人営業は未経験からはハードル高め…
- 個人営業は人柄で結果が出ることも?
法人営業は未経験からはハードル高め…
法人営業はその名の通り「企業」や「団体」を相手に営業する職種です。
企業相手に問題解決をするのが主な仕事内容なので、プレゼンテーション力やコミュニケーション力などが求められます。
特に企業には予算というものがあるので、闇雲に営業しても結果はでません。
予算を取るために決裁者やキーパーソンを捕まえて、段取りよく提案を進めていくことが重要です。
なるほど…
取り扱う製品やサービスは多種多様で、無形商材や有形商材などがあります。
対象とする企業の、業界構造やビジネスモデルなどに対する知見が求められます。
モノ売りとして、シンプルにモノを提案すればよいわけではなく潜在的なニーズを喚起する必要があるのです。
未経験で法人営業職を選ぶと、まずこの業界の知識や経験の無さがハンデになるでしょう。
よくわからないと全然売れません
また自社の製品のことも勉強しながらになるので、しっかり成果が出るようになるまでは時間がかかるのです。
僕は営業会社に入った時「通信回線」の営業をしていたのですが、全く知識がなくて結果が全然出なかったです。
特に新規開拓営業の場合は、自ら顧客を探して「必要と思っていないもの」を売る必要があります。
商材、業界、営業と様々なハードルを乗り越えて経験を積み上げていく必要があるので、いきなり法人営業は厳しいかもしれません。
個人営業は人柄で結果が出ることも?
僕が3年ほど経験したのは個人営業でした。
個人営業は法人営業と異なり、個人を相手に製品やサービスを提案します。
個人向けに扱う製品は、日常的に目にするものが多く、馴染みやすいのが特徴です。
- 通信関連
- ウォーターサーバー
- 金融商品関連
テレビCMなどでも目にしていたり、自分でも使ったことがあるものもあるので法人営業よりハードルが低いです。
僕は金融商品である「保険」の営業をしていたことがあります。
個人相手なので、1対1のコミュニケーションが重要になります。
特に世の中には、怪しいビジネスもあるのでまずはこちらを信頼してもらう必要があるのです。
信頼してもらうの難しそう
他人が営業してくるから警戒します
個人営業では企業の信頼性に加えて、その人の人柄も営業成績に大きく影響します。
同じ商品でも信頼できる人から買いたいというのは、自然なことだからです。
僕はご高齢の顧客に気に入ってもらうことが多く、その流れで契約も自然と取れるようになったのです。
個人営業と法人営業はどちらも経験をしたことがありますが、僕は個人営業の方が向いているなと感じました。
特に扱う製品やサービスを本当に良いと思えたら、無理なく勧めることができるのでやりがいも感じることができます。
営業職に向いていない人の特徴
ここからは、営業職には向いていない人の特徴をお伝えします。
営業職の性質に合わないと感じる場合は、別のキャリアを検討してみましょう。
ちなみに、ここまでにお伝えした営業職のストレス自体が無理だと感じるならやめておいたほうがいいです。
- チームワークを発揮して働きたい人
- マイペースで仕事をしたい人
チームワークを発揮して働きたい人
営業職は基本的に個人プレーになります。
チームワークを発揮して仲間と成果を出したい人にとっては向いていない可能性があります。
営業職でもチームは存在しますが、ノルマが個人単位で設定されるため、個人で仕事をしているような感覚になりがちです。
例えば5人チームなら以下のような感じでノルマが設定されます。
- チーム目標:売上1,000万円
- 個人目標:200万円
チーム全体で達成しなければいけないノルマは1,000万円ですが、それを個人に振り分けて目標にするのです。
新人は少なくなったりするよ
プレッシャーがすごい
チームワークが発揮できそうと感じるかもしれませんが、基本的にチームのことを考えている余裕はありません。
自分に課せられたノルマをクリアするので手一杯だからです。
特に自分がチームの足を引っ張っている場合、そのプレッシャーは半端ではありません。
胃が痛くなるよ
また基本的に営業会社は、競争を起こして競わせる企業文化が多い傾向にあります。
僕は全員ライバルのような感覚だったので、仲良くすることは難しいと感じました。
マイペースで仕事をしたい人
営業職はマイペースで仕事をしたい、言い換えると自分でコントロールして仕事がしたいという人には向いていません。
いろんな考えがあると思いますが、営業職は顧客最優先の仕事です。
すべて顧客のためにスケジュールが組まれるので、自分の時間をコントロールすることが難しくなるからです。
せっかくのアポイントを逃したくない…
またもう1点、記事でもお伝えしたように営業職には高いノルマが課せられます。
ノルマは上司から課せられるため、こちらも自分でどうすることもできません。
評価のサイクルが短い営業会社だと、1ヶ月単位で目標がリセットされます。
せっかくノルマをクリアできたのに、また最初からということが繰り返されてしまうのです。
何が言いたいかというと、営業職でいる限りノルマは付きまとうので残業が少なくなるということはありません。
それはしんどい
僕が営業職のキャリアをやめたのは上記の理由が大きいです。
一方で事務職などであれば、自分に課せられている仕事が終われば早く帰ることは可能になります。
- 時間を自分でコントロールしたい
- 仕事が終わったら早く帰りたい
- プライベートでやりたいことがある
自分の時間が欲しい人は強い目的がない限りは営業職にはならない方がいいでしょう。
未経験でも営業職に向いている人の特徴
ここからは未経験で営業職にキャリアチェンジした僕が、営業職に向いている人の特徴をお伝えします。
営業職は目的がハッキリしていれば、チャレンジする価値のある職種です。
僕はもう営業職をしたくはないですが、営業職を経験したおかげで今の自分のキャリアに辿り着くことができました。
- コミュニケーション能力を高めたい人
- 短期間で実力主義の世界で稼ぎたい人
- 自分の気に入った製品やサービスを売りたい人
コミュニケーション能力を高めたい人
営業職のコアスキルは間違いなく「コミュニケーション能力」です。
コミュニケーションを通じて、顧客が望むものを提供したり、顧客が気付いてさえいなかった欲求に気付かせる必要があるからです。
僕は営業職を数年経験したおかげで、人事の採用担当として結果を出すことができました。
日本労働調査組合の調べでも、営業職のメリットとしてコミュニケーション能力の向上があがっています。
営業職を経験すると必然的にレベルアップします
お伝えしたいポイントとしては、コミュニケーション能力が高い人だけではなく「高めたい人」も含まれること。
営業職はコミュニケーション能力が高くなければならないのかというと、そんなことはありません。
コミュニケーション能力を高めたいと考える人にもおすすめできるのが営業職です。
僕はデザイナーから営業職になったのですが、キャリアチェンジしたばかりのタイミングではまったくコミュニケーション能力はありませんでした。
電話の対応もわからなかった…
しかし営業職を経験することで、様々な気づきを得てコミュニケーション能力を引き上げることができました。
- 相手の立場や気持ちで考える
- 求められているものを想像する
- 心地よく話せる距離感
営業職での気づきは、デザイナーの経験だけでは気付けなかったことばかりです。
コミュニケーション能力を高めることができたおかげで、人事職にキャリアチェンジをして結果を出すことができました。
短期間で実力主義の世界で稼ぎたい人
営業職の大きなメリットとして「高収入」という条件があります。
売上や利益に直結している職種なので、セールスインセンティブが設定されているのです。
営業における歩合・インセンティブとは、通常の給与に対して+αで支払われる特別な手当てのことです。
引用:パーソル|営業歩合・インセンティブについて
頑張った分だけ収入に反映されるセールスインセンティブは、営業職のやりがいそのものともいえます。
- 年収上がるのはいいね
- わかりやすいよね
パーソル社の調べでも、営業職の平均年収は比較的上位に位置しています。
無視できないほどのストレスがあるのが営業職のデメリットですが、それを上回る要素が収入面です。
僕が経験した営業会社もそうだったのですが、とにかくハードワークでした。
ただ、そのハードワークも自分の収入につながっていると考えたら踏ん張ることができたのです。
欲しいもの買えたりしました
僕は営業職は20代でリタイアしましたが、数年などの単位で短期間で稼ぐつもりなら営業職はよい選択です。
ビジネスパーソンとしての基礎的なコミュニケーション能力も上がるので、キャリアの選択肢が広い20代などであればおすすめできます。
営業職で身についた経験を活かしてキャリアチェンジしていくこともできるはずです。
自分の気に入った製品やサービスを売りたい人
僕は営業職に転職して気付いたことがあります。
それは自分の好きなものは、熱量を高く提案することができるということです。
製品やサービスについてよく理解していくと、自分でも欲しくなるくらい魅力的な要素があることに気付きます。
営業職としてのやりがいになります
個人的に僕は営業職について、どこか嫌がられる存在のようなイメージを抱いていました。
確かに断られることも多く、押し売りのようになるケースもなくはないです。
ただ、自分が取り扱う製品やサービスを本気で「良い」と思えたら、おすすめしたくなるものなんです。
特に個人営業(BtoC)の製品やサービスは、自分も触れることができるので比較的お気に入りを見つけやすいのです。
僕も好きな製品やサービスはたくさんあります
まだ知られていない製品やサービスは、営業パーソンがいなければ知ることができません。
良いものをもっと広めたいという気持ちがあれば、営業活動全般がやりがいになるのです。
そのため、営業職に興味を持っている人は、自分の好きな製品やサービスを扱う会社を選ぶこともよいと思います。
僕は他社よりも自社が取り扱っている製品の方が、明らかに優れていたので積極的にお客さんにアピールをしていきました。
ただし注意点として「代理店」という形態は、他社の製品を扱うので主力製品が変わる可能性があります。
お気に入りの製品やサービスを見つけたのであれば、代理店ではなくメーカーの営業職を目指すことをおすすめします。
未経験から営業職に転職して得られたスキル【体験談】
ここからは僕が営業職にキャリアチェンジして、得たスキルを紹介します。
営業職で身につけたスキルは今でも役に立っていますし、経験している人とそうでない人には明らかな差があります。
- プレゼンテーション能力(営業力)
- コミュニケーション能力(共感力)
- 目標や数字に対する管理能力
プレゼンテーション能力(営業力)
営業職としての武器である「プレゼンテーション能力」は、身につけて良かったと感じるスキルです。
プレゼンテーション能力を鍛えたことで、相手に行動を促す(契約してもらう)ということが出来るようになりました。
営業職のプレゼンテーション能力には以下の要素が必要です。
- 論理的思考力
- 惹きつける話し方や流れ
- わかりやすいメッセージ
- 相手が得られるベネフィット
営業職が取り扱う製品やサービスは、認知度が低いものもあるのでしっかりと魅力を伝える必要があります。
なかなか伝わらないです…
営業職を経験することで、わかりやすく相手に伝えるための能力が上がります。
論理的思考力とは、全体を把握しながらものごとを順序立てて筋道を立てる力です。
顧客の抱える課題は複雑な場合が多く、1つずつ分解し整理していくことで説得力のある提案が可能になるのです。
わかりにくい製品だとしても、論理的思考力があれば整理して相手に伝えることができます。
よく「結論から言いましょう」と言われているのは、結論を述べた後に根拠や具体例を説明することで論理的に相手につたえられるからです。
だから結論からって言われてるんだー
説明がごちゃごちゃしないよ
プレゼンテーション能力を構成する論理的思考力は、日々の営業活動で鍛えることができます。
毎日顧客に提案する生活を数年でも経験すれば、ものごとを論理的に考える力は身についているはずです。
コミュニケーション能力(共感力)
個人的に身につけて良かったのは、プレゼンテーション能力よりもコミュニケーション能力です。
どっちが重要というわけではないですが、コミュニケーション能力は日常生活や、人事など別の職種にキャリアチェンジしても役に立つ汎用性の高いスキルです。
毎日コミュニケーション能力は必要です
コミュニケーションはざっくり以下の要素で分かれます。
- 言語:相手に伝える力
- 言語:相手の話を聴く力
- 非言語:ジェスチャーや聴く姿勢など
- 非言語:相手の様子を見る力(洞察力)
ポイントは相手とコミュニケーションするためには、言語(バーバル)と、非言語(ノンバーバル)を使う必要があるということです。
相手に伝える力は、前述したプレゼンテーション能力にも通じる内容です。
実は伝えるだけでは、契約などの成果につながることはありません。
顧客の話をしっかりと聴くことで、営業の提案を聞こうという状態なるのです。
デキる営業パーソンは7割聴いて、話には3割と言われているほど。
聴く割合の方が多いんだね
相手のことを知ろう
特に非言語として現れる、表情や雰囲気にもメッセージがあることに気づけたのは大きいです。
相手の様子をよく観察して、どう感じているのか、何を思っているのかということを、相手になったつもりで考えることができるようになりました。
結果的に相手に共感を示せるようになったのです。
ちなみに、これはキャリアコンサルタントの世界では「共感的理解」といいます。
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
引用:厚生労働省|共感的理解
共感的理解ができるようになると、相手と距離が縮まり話が噛み合うようになります。
営業職では日常的にコミュニケーション能力を磨く機会があります。
他の職種と比べて話しやすい人が多いのはこうしたスキルが身についているからです。
営業職で身につけたコミュニケーション能力は、日常生活や人事といった別のキャリアでも有効といえます。
目標や数字に対する管理能力
営業は数字の世界です。
適当に毎日ルーチンワークをしていればいいわけではなく、ノルマを達成するためにすべて逆算していかなければならないからです。
だから営業職は数字に強くなると言われていますし、実際に営業が強い人は数字の強い人です。
なんだか難しそう…
経験を積むと誰でも数字には強くなるよ
どんな感じで数字を使うのかというと、例えば、1,000万円の売上目標というノルマがあるとします。
商品の単価が100 万円だとすると、単純計算で10人の顧客を見つける必要があります。
10人の顧客を見つけるためには、100人とアポイントを取らなければいけないという過去の実績があればそれを参考に1日あたりの数字を計算するイメージです。
大きな目標を一発でクリアすることはできないですが、目標に向けた小さなタスクに分解すれば実現可能になるのです。
営業職は論理的思考をつかって分解するのもスキルです
近年の営業界隈では「The Model」という、海外のセールス手法がトレンドです。
多くの営業会社やマーケティング会社で「The Model」の仕組みが取り入れられています。
このThe Modelも結局のところ、契約までの営業プロセスを細かく分解してるだけです。
そしてフェーズごとに担当を分けで分業による効率化を目指しているのです。
僕は営業職を経験したことで、目標に向かうための道筋を立てる力がついたと思っています。
人事の採用目標や、タスクの期限などの管理が容易になりました。
数字に強いというのは、言い換えればゴールまでの道筋を立てるのが上手いということです。
そして見立てた道筋と現実がズレてきたら修正をする。
このスピードが速い人がビジネスパーソンとして成長しますし、評価もされるのです。
営業職を経験したことで人事にキャリアチェンジができた話
僕は営業職を経験したおかげで、天職である人事にキャリアチェンジすることができました。
未経験で営業職になろうと思ったのは、シンプルに稼ぎたいと考えたからです。
元々デザイナーだった僕は、ハードワークの割に低い給料(手取り17万円…)に絶望していたのです。
シンプルに割が合わないです
営業職は本当に未経験だったので、正直最初の1年くらいは後悔しかありませんでした。
当時上京したてだった僕は、地元に帰ることが都落ちのような感じがしたので営業職を辞めることができなかったのです。
結果的に、背水の陣で営業で結果を出すことにコミットすることで生き残ることができました。
しかし残念ながら、その会社は倒産することになります。
マジでヤバかった…
その倒産がきっかけで僕は人事を目指すことになるのです。
倒産した当時、営業職として数字に追われることに疲れていた僕は、別のキャリアを模索していました。
元々、人事に対してなんとなく「かっこいい」というイメージを持っていたことと、従業員のために活躍をしていた姿を見てさらに興味が湧いたのを覚えています。
運良く次の会社では人事になることができて、そこから15年以上人事としてキャリアを積んでいます。
営業職をやっていて良かったと感じるのは、人事の採用業務はほとんど営業職と変わらないということ。
扱うのが「人材」になっただけで、やっていることはほぼ営業です。
営業職やっててよかったと思います
営業職そのものは、確かにハードでプレッシャーがある職種ですが応用が効きます。
営業職でスキルを身につけて、自分がなりたいキャリアを目指すという考え方は有効です。
現場の感覚や数字に対する感度など磨かれます。
特に僕のように人事を目指したい人には、1度営業職を経験しておくことをおすすめします。
営業職についてよくある質問
営業職はやめとけと言われるけどキャリアアップも可能!1度経験するのはおすすめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事をまとめます
- 未経験で営業職になるのは強いプレッシャーを受けるからやめとけと言われる
- ただし営業職で身につくスキルは汎用性が高くキャリアアップが見込める
- キャリアビジョンと照らし合わせて期間限定でチャレンジするのはあり
営業職はストレスが高く、きつい仕事であることは間違いありません。
毎日数字に追われる生活は、実際に経験をしなければわからないものです。
しかし記事でお伝えしたように、僕自身が人事職にキャリアチェンジできたのは営業職のおかげ。
そういう意味ではやってて本当によかった
営業職の経験やスキルがなければ、キャリアは違ったものになっていたでしょう。
ある意味でキャリアアップのために営業を経験するのはありだと思います。
また、楽な仕事は存在しないという考え方をすれば、営業職だけがきついわけではありません。
営業職の経験を積む中で、ストレスに慣れて自分に合うかもしれないのです。
実際に営業を天職としている人はすくなくありません。
少し先の自分の姿を想像して、営業職のスキルが必要そうであれば気合いを入れてチャレンジするのもおすすめです。
この記事があなたの役に立っていれば嬉しいです。