うーん志望動機なんてねーよ…
何書けばいいんだろう
転職の志望動機を難しく考えてしまうことってありますよね。
多くの人が志望動機は、書類選考や面接で1番重要なポイントだと考えてしまいがちです。
合格するために、考えていたら時間だけが過ぎていたなんてことも。
僕も昔はそういうことがありました
結論をお伝えすると、志望動機は選考基準において優先順位はたかくありません。
- 志望動機を難しく考えすぎてしまうのは本当に応募したい企業ではないから
- 志望動機は書類選考で人事がチェックする項目ではない
- 志望動機を書かなくても良いフォーマットを手に入れよう
企業が採用基準においているのは以下です。
- 人柄
- 能力とキャリアビジョン
- 成果と経験
熱い志望動機は人事的には「大丈夫かな」と逆に懸念材料になるくらいです。
この記事を書いている僕は、人事を15年経験し、国家資格キャリアコンサルタントとMBA(経営学修士)を持つ「転職のプロ」です。
また自身も転職を8回実践してキャリアアップを繰り返してきました。
記事を最後まで読んでもらうことで、人事目線もわかるので志望動機で悩まなくなることができます。
ぜひ最後まで読んでください!
転職の志望動機を難しく考えすぎてしまう原因
まずはじめに、転職の志望動機を難しく考えてしまう理由を人事目線でお伝えします。
そもそも志望動機は「何を書けばいいのかわからない」と悩む人は多いです。
なぜ悩むのかを整理していきましょう。
- 名前しか知らない企業
- 何を書けばいいのかがわからない
- 自己理解が不足している
名前しか知らない企業
転職するときに応募する企業は、必ずしも「入社したい企業」とは限りません。
転職活動は主に以下の3つの方法があります。
- 自己応募
- スカウト経由
- 転職エージェント
自己応募の場合は企業のことを知っているから応募することができます。
そのため、志望動機に困ることは比較的少ないといえます。
確かに自分で応募するならと大丈夫そう
興味ない企業には応募しないからね
一方で転職エージェント経由で応募する場合は、知らない企業に複数応募することになります。
転職活動は難しいもので、一発合格はほとんどないからです。
そのため、内定を獲得するために数多くの企業に応募する必要があります。
そんなどっちでもいい企業に対しての志望動機は、よくわからなくなるものです。
名前しか知らないような企業に対して、志望動機はそもそも思いつきません。
志望動機の欄をどうやって埋めればいいかわからず、考え過ぎてしまうことになりがちです。
応募する企業の多くが、こういった状況だと思いますので一社一社難しく考えず、ある程度適当に対応する必要があります。
何を書けばいいのかがわからない
志望動機を書く際にそもそも何を書けばいいのかがわからず、考え過ぎててしまうケースもあります。
応募した理由を書くだけですが、難しく考え過ぎてしまって手が止まってしまうことも。
特に志望度が高く、自分から応募した企業に対しては、どうアピールすればいいのかわからなくなりがちです。
志望動機で落とされたらどうしよう
真剣に考えちゃうよね
志望動機をどう伝えればいいかがわからないと、長文になってしまったりわかりづらくなります。
慣れてしまえば志望動機はそこまで悩まずに書けますが、転職経験が少ないと難しいものです。
ちなみに志望度がそこまで高くない企業の場合は、前述の通り考えても出てきません。
ある程度「型」を決めて書いたり、工夫が必要です。
ただし、適当な志望動機では転職はうまくいかないのも現実です。
エンジャパン社の調べでは、面接で失敗するケースに「志望動機が明確ではない」がトップになっています。
ちなみに僕は「自己応募」でない限り、書類選考では志望動機は不要だと考えています。
後ほどお伝えしますが、人事は書類選考段階では志望動機を細かくチェックするわけではないからです。
じゃあ志望動機はいらない?
しかし面接では「転職理由」として、さまざまな角度で志望動機をチェックされることになります。
そのため、エンジャパンの調べにあるように「なぜ転職するのか」「なぜ自社なのか」ということを応募段階で言語化しておく必要があるのです。
自己理解が不足している
自分のことをよく理解していなければ、志望動機は書くことができません。
なぜなら自分が「何をしたいか」を書く項目が、志望動機だからです。
リクルート社の調べによると、就活生が志望動機を書けなかった理由のトップは「自己分析が足りなかった」となっています。
確かにあんまり自分のこと知らないかも
自分のことを知るといろいろわかるよ
志望動機とは、言い方を変えれば「自分のビジョン」を伝えることといえます。
自分のビジョンは自己理解ができていないと、表現することができません。
- 価値観や強み
- 仕事で大事にすること
- キャリアビジョン
これらの自己理解を深めて言語化することができたら、ようやく応募する企業が見えてくるのです。
逆に自己理解ができていなければ、いい志望動機は書けないと思った方がいいでしょう。
一方的に企業に対する熱い想いを伝えたところで、空回りしてしまう結果に終わるだけです。
志望動機では「自分が御社に合っている」ことを伝え、企業側にも採用するメリットを感じてもらう必要があります。
志望動機を書けない人へ!人事ウケがよくなる3つのポイント
ここまでは志望動機を難しく考え過ぎてしまう原因をお伝えしました。
基本的によくわからない企業に対しては、いい志望動機は出てこないものです。
そんな志望動機が出てこないあなたに向けて、ここからは人事ウケのいい志望動機のポイントを人事の僕が直接お伝えします。
- 人材要件に合わせてMVVに共感していることを伝える
- 企業の求人に対して貢献できることを書く
- キャリアビジョンを伝える
人材要件に合わせてMVVに共感していることを伝える
実は、企業の人事は採用基準として「求める人材要件」を判断の拠り所にしていることが多いです。
人材要件とは企業が採用してもよいと考えられる「ポイント」をまとめたもので、そこに採用される志望動機のヒントがあります。
一般的な人材要件の作り方は、まず最初に企業理念やMVVを要件に入れます。
手順(1)自社の企業理念や経営戦略を要件に落とし込む
引用:パーソル|人材要件(採用要件)の作り方
手順(2)MUST・WANT・BETTER・NEGATIVEの優先度を明確にする
手順(3)定性的な要件を踏まえて採用ペルソナを設定する
手順(4)採用ターゲットへの訴求ポイントをまとめる
志望動機をつくるポイントとしては、この人材要件に含まれる「MVV」に共感していることを軸として組み立てることです。
- ミッション(M):その会社の使命
- ビジョン(V):目指している未来
- バリュー(V):大事にする価値観
よく聞くやつだ
これが企業にとっては重要だよ
人事はこのビジョンやバリューを浸透させるために、色々な努力をしています。
理想の会社を目指すために、従業員にビジョンやバリューを体現できるようになってほしいからです。
コーナー社の調べによると、MVVを認知している従業員は約55%と低いことがわかります。
MVVは1年くらいかけて作っているものです。僕も経営者と何回かつくりましたが、相当苦労しました。
言語化がめっちゃ大変なんです
しかし従業員にはその苦労は伝わらず、なかなか浸透しないので人事としては苦労することが多いのです。
説明が長くなりましたが、MVVに共感している応募者には好感を抱く可能性が高いです。
前提としてバリューやビジョンに共感していることが、採用基準としてあることも多いですし、そういった人材を採用したいと考えるからです。
企業の求人に対して貢献できることを書く
志望動機は、自分を文章で売り込むための項目です。
人事が見るとしたら「何ができるのか」という、その人の能力や貢献することができる部分です。
いくら企業に対する熱意を伝えたとしても、熱量が高いから面接で合ってみようという流れにはなりません。
一生懸命書いてもダメなのか…
熱意があってもマッチングしているわけではないからね
カリクル社の調べでは転職エージェントが重要視するポイントに、「企業に貢献してくれそうか」という項目が上位にあります。
熱量や成長意欲は、貢献できるポイントがあることではじめて評価されるものです。
そこで人事ウケを狙うポイントとしては、企業の求人に書いていることが「できる」ということを書いていくことです。
人事はすべての職種に精通しているわけではありません。
履歴書や職務経歴書でキーワードを確認しながら、貢献ができそうか判断していきます。
ぶっちゃけ求人に書いているキーワードの経歴があったり、実務経験の条件を満たしていれば書類選考はとりあえず合格にすることが多いです。
そのため志望動機に、わかりやすく求人に記載している募集要項や仕事内容について自分ができるということをアピールします。
- これまでの経験があるから貢献できる
- この仕事は経験しているのでできる
- 自分ならこういったやり方を考える
このように、具体的に仕事の内容に触れつつ、入社後に自分がやりたいことを書くことで人事として社内に推せる材料が増えるのです。
キャリアビジョンを伝える
選考は企業と個人の「マッチング」の場です。
何をマッチングさせるかというと、お互いが「目指しているもの」ということが言えます。
企業も個人も目指しているものがあるから、経営をしたり働いたりするのです。
- 企業:ビジョン
- 個人:キャリアビジョン
あまり聞いたことがないかもしれませんが、個人の「キャリアビジョン」とは自分がなりたい将来の姿です。
キャリアビジョンは将来、「自分がこうなりたい」と思い描く理想像、願望、目標のこと。将来設計に役立てるために、自分の状況を考慮したり、実現性を加味したりする必要はありません。
引用:マイナビ|キャリアビジョンとは
自分がなりたいものか
考えていない人多いよ
志望動機に書くポイントは、目指しているものが、企業に入社することで叶うということです。
人事としては書類選考や面接で確認したいポイントに、マッチングしているかどうかというものがあります。
特にキャリアビジョンが自社で叶うかどうかは重要なポイントです。
自らキャリアビジョンが入社することで叶うということを伝えることができれば、人事としては安心材料になります。
もちろん面接ではしっかり確認することになりますが、書類選考の通過率は変わるはずです。
ヒトクルの調べでは採用基準として、重視するものの上位に「今後の可能性」があります。
何かを目指しているということを伝えられるだけで、可能性を感じることができます。
入社することでキャリアビジョンが叶うというメッセージは、人事に会ってみようと思わせるきっかけをつくります。
【人事監修】人事ウケのいい転職の志望動機の例文
ここまでに僕がお伝えした「3つのポイント」を含めた例文を紹介します。
- MVVへの共感
- 貢献できること
- キャリアビジョン
実際に上記3つを志望動機に入れるとそれだけでかなりのボリュームになります。
一般的に200文字から300文字がよいとされていますので、その文字数を目安に組み立てたほうがよいでしょう。
長すぎても読まれないですし、人事は正直そこまで志望動機を読み込むことはありません。
以下が例文です。
これで360文字くらいあるので、できればもう少し短くしたほうがよいと思います。
「私は御社のミッション・ビジョン・バリューに深く共感しており、特に「循環型社会を目指す」というミッションに強い魅力を感じています限られた資源を活用し、社会に新たな価値を提供するビジネスモデルは、私が大切にしている「持続可能な社会への貢献」と一致しているからです。
また 「Anywhere」のビジョンは、全ての人々に公平な機会を提供するという理想に共鳴し、私もそのことに貢献したいです。私のキャリアビジョンは、技術やサービスが社会にポジティブな影響を与えるマーケティングの経験や実績を踏まえて、御社の多様なユーザー層に価値を提供し、グローバルな展開にも貢献できると確信しています。
御社のミッション・ビジョン・バリューと私が描くキャリアビジョンが一致しているため、貴社での成長と社会への貢献に全力を尽くしていきたいと考えています。」
分解すると、まず前半に1番訴求したいミッション・ビジョン・バリューの共感を持ってきています。
なぜならそこが人事的には好感を抱きやすいからです。
あ、そっか!
候補者のイメージがよくなるよ
端的にミッション・ビジョン・バリューに共感していることを伝え、、企業理解もできていることを伝えます。
次に貢献できること、キャリアビジョンに合っていることをまとめて伝えます。
長文で書くことができないので、貢献できることとキャリアビジョンは一緒に伝えた方がわかりやすくなります。
できるだけ長くならないようにすることがポイントです。
まとめるとこんな感じです。
- はじめにミッション・ビジョン・バリューへの共感
- 次に貢献できる点とキャリアビジョンの一致を伝える
特に型が決まっているわけではありませんが、これらの要素を入れて書いていけば人事のウケはよくなります。
即不合格!ダメな転職の志望動機の2パターン
ここまでは人事ウケのいい志望動機についてまとめてきました。
人事として書いてあると嬉しいのは、企業への共感です。
それを示しやすいのがミッション・ビジョン・バリューへの共感です。
ここからは、逆に減点されてしまう志望動機の例を人事目線でお伝えします。
- 薄っぺらい志望動機
- どこにでも使える内容
薄っぺらい志望動機
この記事でお伝えしているように、書類選考では志望動機はあまり重視されることはありません。
ただ、少しでも加点を目指すなら企業が「採用するメリット」を書くべきです。
熱い応募理由は採用するメリットがあることで、はじめて意味があるものになります。
貢献できることを書いていく
マッチングしてることを伝えていこう
一方で、適当に志望動機を書いていた場合は、減点される可能性が高くなります。
- ホームページの情報だけ
- ワークライフバランスをとりたい
- 離職や独立を感じさせる
人事の採用担当は1日多ければ何十枚もの履歴書を確認します。
そのなかで薄っぺらい志望動機を書いていたりすると、すぐにはじかれてしまうことに。
特に自分本位ともいえるような内容を書いていると、「相手の立場がわからない人かもしれない」などと余計な懸念材料にもなります。
それは避けたい
履歴書からいろいろ読み取るよ
例えばワークライフバランスをとりたいとか、福利厚生面など自分がメリットを受けられる内容は書くべきではありません。
ワークライフバランスは結果的にそういった環境なだけであって、応募する段階から求めるべきではないのです。
仕事へフルコミットしてくれる意欲を感じさせなければ採用されることはありません。
また、ホームページの情報で書けることだけだったりするのは論外です。
応募者の人柄がわからない想いの籠っていない志望動機は、加点されることはなく減点されてしまいます。
最後に「短期的に離職や独立したいのかな」と思わせる内容は気をつけた方がよいです。
明らかに応募している企業では、叶いそうにない目標を志望動機で熱く語っていると「他所に行ってください」と言われて終わりです。
独立やステップアップさせるために、わざわざ採用する企業は存在しないからです。
どこにでも使える内容
書類選考をしていると、たまにテンプレートのような志望動機を見かけることがあります。
テンプレートのような志望動機の何が悪いかといえば、「その会社でなくてもよい」ということ。
つまりどこにでも使えるような、「想い」のない内容になってしまっているのです。
- 企業の魅力をただ並べただけ
- 自分の経歴とキャリアビジョンだけ
- AIで書いたような機械的な印象
書類選考をする人事としては、上記のような想いがない志望動機は減点します。
そもそもどこでも使えるような薄い内容の志望動機を書くということは、企業に対して想いがない可能性があります。
いつも使ってる志望動機だめなのか
少なくとも企業に対する熱意は必要だね
その会社でなければダメだということが、わからない志望動機は書く意味がありません。
どこにでも使えてしまう志望動機は、志望度の低さが伝わってしまいます。
「なぜ応募したのか」、「何がやりたいのか」という一見シンプルですが重要なポイントを志望動機には入れましょう。
前述の通りビジョンやバリューへの共感や、自分に合う理由を意識して書いていけば「その企業向け」の志望動機ができあがります。
志望動機なんて適当でいい!人事が気にしない理由
ここまでは、よい志望動機やダメな志望動機をみてきました。
選考で重要になるのは「マッチング」しているかどうかです。志望動機を通してそれを伝えられると通過率が変わります。
さて、ここからは人事の僕が志望動機は適当でいいという、ここまでとは若干矛盾した内容をお伝えします。
なぜ適当でいいのかというと、書類選考の段階では志望動機が判断基準になることは少ないからです。
よい志望動機を考えるのは大事ですが、人事が見ているのはそこではありません。
- 読んでいる暇がない
- 書類選考で重要な項目ではない
- 売り手市場だから
読んでいる暇がない
人事はどこの会社でも忙しいのが基本です。
パーソル社の調査によれば、人事が忙しい業務では「採用」がトップとなっています。
採用担当をしていると、席に座る暇がないほど業務が連続します。
- 応募対応
- 面接対応
- 社内調整
とにかく1人の応募が動けば、あらゆる関係者が動くので調整が必要になるのです。
特に応募は書類選考をしなければならないですし、「変な人」を通したら自分の首を苦しめるだけ。
必要なポイントをチェックして合否判定をしていきます。
めちゃ忙しいです
休む暇なさそう
書類選考は多ければ1日に何十枚も対応することもありますし、「採用」できなければ時間をかけた分が全部無駄になります。
自社の社員になるかどうかわからない人のことをじっくり見ようとは思わないのです。
ぶっちゃけ書類選考の時間がなくて面接で見極めることもあります。
書類選考で重要な項目ではない
書類選考の通過率はおおよそ30%程度と言われますが、実際は10%以下の場合もよくあります。
書類選考は無駄な時間を割かないようにするためのフィルターだから可能な限り不合格にするものです。
厳しいな
全員と会ってたら仕事が終わらないよ
エンジャパン社の調べでも書類選考の目的は、対象外の応募者を除外することが半数近くを占めています。
「全く対象外の応募者を外すため」41%
引用:エンジャパン|書類選考の目的に関する調査
「採用できそうな人を絞り込むため」29%
そんな厳しい書類選考において、人事がチェックする重要項目は「志望動機」ではありません。
自社に貢献ができるかどうかがポイントです。
- これまでの経験や実績
- 現在の年収や年齢
- 転職回数と勤続年数
当然ですが、募集要項に満たしているかどうかが最低ラインになります。
その上で年収や年齢のバランス、離職リスクがないか転職回数や勤続年数の確認を機械的に行うのです。
僕が書類選考をする場合は上記のようなポイントを、チェックリスト化して確認しています。
志望動機をしっかり確認するのは1次面接の直前か、内定を出す判断の前に「そういえば」くらいの感覚で読み直します。
売り手市場だから
転職市場は売り手市場、つまり求職者の方が選ぶ立場にいます。
厚生労働省の調べでは、有効求人倍率は「1」より高い状況が続いていることがわかります。
これは求職者1人に対して、1件以上の求人がある状態です。
求人が多ければ必要な人数を採用できない企業が増えます。
リクルート社の調べでは、未充足の企業が81%も存在することがわかります。
ほとんど採用できてないんだ
これが現実だよ
何が言いたいのかというと、採用する企業は選ぶ立場ではないということです。
応募してくれただけで感謝するほど採用に困っています。
また人事の採用担当には、採用目標というノルマがあります。
ノルマを達成するためには、1%でも可能性があるなら書類選考を通したいというのが実際のところです。
結構切実です
そうした状況の中、「志望動機」を理由に上から目線で不合格にするような余裕はありません。
採用の基準に満たしているなら、ぶっちゃけ志望動機欄が「空欄」でも書類選考合格になります。
転職の面接を難しく考えすぎていた体験談
ここまでは書類選考で志望動機が、重要ではない理由を人事目線でお伝えしました。
お伝えしたことは採用現場のリアルな事情なので参考にしてください。
ここからは、そういった人事や、求職者として経験した志望動機にまつわる体験談をお伝えします。
- 企業は志望動機なんて気にしていなかった
- 面接で聞かれるのは経験と成果だった
企業は志望動機なんて気にしていなかった
いきなりですが、僕は自分で履歴書と職務経歴書を作っています。
なぜなら「志望動機」を書きたくないからです。
え、どういうこと?
志望動機は必須項目じゃないよ
この記事でお伝えしてきたように、人事は書類選考において志望動機を重視しません。
その証拠に僕は、志望動機のない履歴書で4回以上転職を成功させています。
僕は転職回数も8回と多いですが、本業の人事として書類選考の実務をするうちに志望動機がいらないことに気づいたのです。
応募してくる求職者の履歴書フォーマットには志望動機の欄がないものもありました。
実績が評価されれば志望動機の有無に関わらず、通過していく求職者を数多く見てきたのです。
志望動機は話題にあがらない
また企業への応募には、転職エージェント経由で応募する場合があります。
その場合は転職エージェントの推薦状を確認します。
人事は志望動機より、第3者である転職エージェントの評価を見て履歴書などの内容を照合していくのです。
僕はこういった実情を加味して、志望動機を書くことを辞めました。
標準的な履歴書フォーマットには、 志望動機の欄がありますがオリジナルで作れば志望動機の欄を無くすことが可能です。
ちなみに僕が作ったテンプレートはnoteで販売しているので、興味があれば読んでみてください。
面接で聞かれるのは経験と成果だった
僕は転職回数が8回あります。
もう書類選考や面接はベテランの領域です。
圧迫面接やカジュアル面接、リファラル採用などありとあらゆる採用手法を求職者として経験してきました。
どんな面接でも共通していたのは、志望動機は直接的に聞かれないということです。
「なぜ我が社を」
みたいな面接官は新卒採用くらいしか出会わないでしょう。
売り手市場の今そんな横柄な質問をしている企業は、採用力が低い可能性すらあります。
たしかにあんまり聞かれないかも
聞いたところで準備してるし意味ないよ
企業が採用する理由は「困っていること」を解決してくれるからです。
その困っていることを解決できる経験や成果があったから、面接の場に呼ばれているのです。
別に興味本位で呼んでいるわけではありません。
具体的なエピソードを聞きながら実力を確かめつつ、応対の細かな反応で地頭の良さや人柄を同時にチェックします。
これはどんな企業でも、採用に慣れているならやり方はだいたい同じです。
ちなみに志望動機を直接的に聞かなくても、キャリアビジョンややりたいことを聞いていくうちに動機は伝わっていきます。
面接はアトラクトという企業に惹きつけるという場でもあります。
横柄に志望動機を聞くような企業はナンセンスと言えます。
アトラクト(attract)とは、「引きつける、魅了する」という意味の英語です。採用活動においては、企業が候補者と接触する機会に自社の魅力を効果的に伝え、一人ひとりの入社意向を高める働きかけをさします。
引用:Wantedly|自社の魅力づけをするアトラクトの重要性
志望動機についてよくある質問
転職の志望動機は優先度低め!実務経験と成果を中心にアピールしていくべき
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事をまとめます。
- 志望動機を難しく考えすぎてしまうのは本当に応募したい企業ではないから
- 志望動機は書類選考で人事がチェックする項目ではない
- 志望動機を書かなくても良いフォーマットを手に入れよう
記事でお伝えしてきた通り、志望動機はそこまで優先順位の高い項目ではありません。
なぜなら応募してきている以上、そこには働きたい理由があるということはわかっているからです。
働きたいから働かせる企業は少なく、実績や経験が求められます。
選考でチェックするのはこの実績や経験があり、自社の困りごとを解決できる人材かどうかです。
熱い志望動機ではありません
僕も毎回応募企業ごとに「志望動機なんてねーよ」という感じだったので、今では自分でオリジナルの履歴書フォーマットを作成しています。
このフォーマットを使っても、志望動機がないから書いてくださいと転職エージェントや企業からツッコミを受けたことはありません。
記事を通してお伝えしたかったのは志望動機で悩むのであれば、自己理解や企業理解が浅いということです。
志望動機そのものは優先順位は低いものの、自分の中で働きたい意欲がなければ仮に内定をもらったところで本末転倒です。
まずは自分が本当に興味を持つことができる仕事や企業とは何かというところから考えてみることをおすすめします。
この記事があなたの役に立っていれば嬉しいです。