前職のほうが仕事楽しかったなー
なんか転職したの間違えだったかも…
頑張って転職したのに、前職のほうが良かったと感じることってありますよね。
転職をすると、誰もが一度は経験してしまうのが「前職との比較」です。
前職にいた時は気づかなかった良い面がわかったり、転職先がそもそもミスマッチだったりと出戻りをしたいと感じるものです。
僕も転職経験が浅かった時期、何も知らずに転職をして大きく後悔した経験があります。
正直20年近く経った今も少し後悔しています
ただ出戻り転職をしたくても、出戻り先の「前職」が受け入れてくれない場合も。
「頼みの綱」だった前職から断られてしまうと、唯一の退路を断たれたようなショックを受けてしまうものです。
記事の結論としてお伝えする「出戻り転職が断られる理由」は、シンプルに企業側にメリットが少ないからです。
- 出戻り転職が断られるのは前職での評価が影響している
- タイミングや条件が合わなければ出戻り転職は難しい
- 出戻りをしたい場合は前職の上司や同僚と人間関係を維持する
それに加えて人事的な観点で考えて、出戻り転職そのものにもデメリットが存在することをまとめました。
デメリットあるのか
この記事を書いている僕は、人事歴15年で国家資格キャリアコンサルタントを持つ「転職のプロ」です。
自身としても8回の転職を経験し、出戻りをしようと考えたことも、実際に出戻りをした人を見てきた経験もあります。
記事を読んでいただくことで、出戻りを断られた理由がわかると同時に、キャリアをどう考えていけばよいかわかります。
ぜひ最後までお付き合いください!
出戻り転職を断る理由【企業の本音】
まず最初に出戻り転職を断る理由について、企業側の本音をお伝えします。
僕も人事として出戻り転職を何度も見てきましたが、ぶっちゃけそこまで歓迎されていないのが現実でした。
なぜ断られるのか、重要なポイントをまとめたのでチェックしてみてください。
- 前職の辞め方と人間関係
- 人間関係と信頼関係
- 採用活動と現在の充足状況
前職の辞め方と人間関係
出戻り転職の相談や申し出があった時、企業や人事が1番に考えるのは「戻していいのか?」ということです。
戻ってくるはずではなかった、元従業員が「戻ってきたい」と言っていることに疑念を抱くからです。
- 嫌になって辞めたのになぜ
- 転職先が思っていた状況と違ったのか
- なぜこのタイミングなのか
人事的には嬉しいとか、懐かしいといった感情はなく、冷静に「部外者」扱いしています。
厳しいんだね…
出戻りは想定外の出来事だしね
出戻りする側の人からすれば、即戦力になるし出戻りできる可能性が高いと考えていることが多いですが実際は違います。
惜しまれつつ、花束をもらって円満退職したような状況であれば、人間関係に問題は問題ありません。
しかし、現実の退職は多くの場合、「辞めた後に知った」とか「特に見送られていない」といった切ない状況ばかりです。
特に働いていた部署で引き継ぎが適当だったり、身勝手に辞めてしまっていた場合は出戻りさせると人間関係に悪影響がでることも。
ビズヒッツ社の調べでは円満退職できたと感じている人は、約30%いることがわかります。
70%は円満退職だったと感じていますが、企業側は円満退職と感じていない場合も十分あります。
退職したあとも付き合いがあったり、人間関係に問題がない場合は出戻りの可能性があります。
一方で、どんな形であれ退職というのは「企業を見切った」状態です。
残された従業員側は「裏切られた」という感覚を、多かれ少なかれ抱いています。
ハッカズーク社の調べでは、辞め方が原因で退職者の印象が悪くなった人が約80%も存在していることがわかります。
このような感情を抱いたデリケートな状態の組織に、少しでもリスク要因である出戻り社員を戻すことは難しいと判断するケースがほとんどです。
在職中の態度や評価
「元従業員」だから採用したい、と考えている企業は近年増えています。
ただし出戻りできるかどうかの判断は、在職中の評価が中心になることがほとんど。
元従業員だから採用するというわけではなく、戦力になるから採用するのです。
そのため、在職中に何か問題があったり、仕事の評価が低い場合には出戻りができません。
戻れると思ったんだけどなー
現実的には現場の評価次第だよ
自分なりに評価されていたと感じていても、実際は違うこともあります。
一般的に従業員は自分がどんな評価を受けていたのかは、人事評価でしか知りません。
企業でどんな評価をされていたのかを、正しく把握しているのは人事くらいのものです。
仕事での評価というのは「他人の評価」がすべてです。人事評価や査定に不満がある場合、たいていは「自己評価」と「他人の評価」にズレがあります。
引用:東洋経済|仕事での評価は「他人の評価」がすべて
さらにいうと、人事評価は判断材料の「ごく一部」。
人事評価では伝えきれない判断材料が、裏で数多く存在しているのです。
- 仕事の成果
- 勤務態度
- 人間関係や信頼関係
仕事を単発で任せたいだけであれば、業務委託のほうが企業としてはコントロールしやすくメリットが大きいです。
一方で社員として再雇用するというのは、あらためてその社員に投資をするかどうかということとイコールになります。
そのため人事評価以外の要素などすべて考えたうえで、企業にとってメリットが弱ければ出戻りを断られる結果になるのです。
採用活動と現在の充足状況
断られる理由として3つ目にあげるのが、企業の採用活動の状況です。
シンプルに充足していれば、いくら出戻り社員でも採用はしないものです。
退職者が出た場合に、企業が行う行動は2つあります。
- 採用で欠員分を充足させる
- 何もしない
前者の場合、当然ですが1人辞めるから1人採用するといったものです。
採用して後任が決まっているので、戻ってくる席がないということになります。
やっぱりそうだよね…
何人も雇えないからね
一方で後者の場合は、出戻りできる可能性も。
特に急いで補充する必要がない場合は、採用しないままでいることもあるのです。
不在の状態で仕事が回ることがわかった場合は、そもそも不要だったポジションの可能性もあります。
辞めてくれたおかげで整理ができたということもあり得るのです。
その場合は、出戻りを断られてしまうことに。
ちなみに出戻り社員の対応をしたことがなく、受け入れた前例もない場合は面倒だと感じて断ることも。
退職者を元の組織に戻すというのは、人事からすれば相当リスクのあることだからです。
人事的な観点から言うと、よっぽどのことがない限り出戻りは受け入れないと考えた方がよいと思います。
出戻り転職が落とされる背景を人事が解説
ここまでは企業側が、出戻り転職を断る理由について解説してきました。
だから出戻りは「想定外」であり、対応に困るというのがざっくりとしたイメージです。
さてここからは、補足的な意味もかねて出戻り転職が落とされる背景をお話しします。
- 退職者が出た際に企業はどんな対応をするのか
- 企業が出戻りを受け入れる理由
退職者が出た際に企業はどんな対応をするのか
退職者が出たら人事は退職手続きをします。
実は結構手間がかかります。
引用:freee|退職手続きはいつまでに何をやるべき?従業員側・会社側それぞれの作業を解説
- 退職届の受理
- 貸与物や健康保険証を従業員から回収
- 社会保険の喪失手続き
- 雇用保険の喪失手続き
- 所得税、住民税関連の手続き
- 離職票や源泉徴収票などの発行・郵送
これらの労務手続きを終えて、ようやく辞めたことになります。
手続き多いんだね
複数人重なるとバタバタしがち
手続きをして終わりならそれでもいいのですが、退職者の欠員分を補う必要があります。
退職するということがわかった段階で、求人を出して採用活動がはじまっているのです。
採用にかかる期間はポジションや時期によっても難易度は違いますが、求人を出してから短くても3ヶ月から6ヶ月は必要。
そして補うために1人採用するためのコストは、ミツカリ社の調べでは中途は700万円以上になる試算も。
入社1年後に早期離職してしまった場合にかかる損失額は、新卒採用においては657万円、中途採用においては774.0万円となります。
引用:ミツカリ若手人材の早期離職によるコストは600万円以上!損失額の内訳を知ろう
めちゃくちゃ高い…
退職者が欠けた分を補うには、実際はこのくらいのコストはかかっているのです。
こういった退職の処理、採用活動における充足などがようやく落ち着くのが半年後から1年後。
辞めて戻ることは、そんなに簡単なことではないということです。
落ち着いたタイミングで、退職者から「出戻り転職をしたい」と唐突に言われてしまうと想定外の事態に現場はバタついてしまうものです。
いきなり人事などに連絡してもビックリされるだけです。
少なくとも出戻り先の元上長には相談をしておくなど、ある程度根回しをしておいたほうがよいでしょう。
企業が出戻りを受け入れるのはなぜか
出戻り転職を受け入れる理由はいくつかありますが、出戻り社員は、一度外の現実を知って帰ってくるので定着する可能性が高いです。
ビジネスリサーチラボ社の調べでは、出戻り社員の方が離職率が20%弱低いことがわかります。
分析の結果、ブーメラン従業員は初めての従業員よりも有意に低い離職率であることが明らかになりました。具体的には、離職率が20%弱ほど違っていました。この結果は、ブーメラン従業員が組織に留まりやすいことを示唆しています。
引用:ビジネスリサーチラボ|離職者を味方につける:出戻り採用の可能性
またエンジャパン社の調べによると、約70%の企業が受け入れた実績があると回答。
実際に多くの企業が、出戻り転職を受け入れたことがあることになります。
ある意味企業としては出戻りを期待している側面も
企業が出戻り社員を受け入れる理由は以下のような感じです。
- 人手不足で困っている
- 採用広報としていい会社のアピールをしている
- ミスマッチのリスクがなく即戦力
僕が勤めていた企業でも、出戻り社員を受け入れる再雇用制度はありました。
外部へのアピール目的に加えて、外食業界だったので常に人手不足が主な理由でした。
出戻りしてもいいんだ
すぐに戦力になるのはありがたいよ
多くの企業が出戻りを受け入れる制度を整えています。
ちなみに、このようにコーポレートサイト上で、再雇用をアピールしている企業はホワイト企業である可能性が高いです。
なぜなら退職者が「戻れる」「戻りたくなる」という環境が整っているからです。
ただエンジャパンの調べでは、出戻り転職できた人たちの多くが、「前職から声がかかった」と回答しています。
出戻りで採用される実態としては、企業側から求められるケースが多いことがわかります。
そのため出戻りをする可能性がある場合は、関係を維持しておく必要があるのです。
自分から「出戻りをしたい」と望んでも、実際は評価が低かったりタイミングが合わずに落とされてしまうということがあるのです。
直談判したいほど出戻りがしたい事情
ここまでは主に企業側の目線で、出戻り転職を断る背景をお伝えしました。
企業としては出戻り転職を受け入れているものの、タイミングや本人の評価によっては歓迎されないこともあります。
では、今度は退職した人の目線でなぜ「出戻り」を考えてしまうのかご説明します。
- 前職のほうが良かったと後悔する
- 転職活動が怖いと感じている
前職のほうが良かったと後悔する
8回転職した僕の自論は「会社は入ってみないとわからない、仕事はやってみないとわからない」ということです。
何を言っているかというと、転職においては「予測」が難しいということ。
どれだけ準備したり入念にチェックしても、想定外が起こるのが常でした。
その結果、思っていた状況と違うことがきっかけとなり、前職と比べてしまったりすることに。
僕のように「前職のほうがマシだった」と思うことは、決して珍しいことではありません。
後悔するんですよね転職って
それは怖いなー
パーソル社の調べでは、転職で後悔したことの上位はこちらです。
- 給料が希望と異なる
- 経営者や社員と合わない
- 社風が合わない
給料以外は、どれも面接では伝えきれない要素のものばかりなのが特徴的です。
条件面は入社前になんとか確認することはできますが、正直面接などでは人事制度の細かい情報を確認することはできません。
オファー面談で確認したとしても、内定で浮かれている状況では細かいところまで気が回らないものです。
僕は以前、入社後に出された条件が全く異なっていたことがあります。
なんと、年収を100万円も下げられてしまっていたのです。
さすがにこんなひどいケースは少ないと思いますが、入社後に条件が違ったということは転職市場では結構あります。
条件悪くなるなら転職したくない
そして転職で1番予測しにくいものが、人間関係が合わなかったり、その会社独特のカルチャーが合わなかったりすることです。
人事や面接官は、ミスマッチを減らすために少しでも情報を伝えようとします。
しかし、その会社のカルチャーが「外から」どう見えるかは、中にいるとわかりにくく伝えにくいものです。
企業のカルチャーは中にいる人からすれば「常識」でも、外の人から見たら「非常識」なことはよくあります。
言語化して伝えられないこともあるんです
僕は人事なので、社長と一緒に仕事をすることが多いのですが、入社したら「パワハラ気質のワンマン社長」だったというケースがありました。
その会社には1年も在籍することができなかったのですが、入社してすぐに前職のほうがマシだったと後悔したのを今でも覚えています。
転職活動が怖いと感じている
出戻りしたい事情として意外と多いのが、転職活動が怖いと感じていることです。
なぜなら、出戻りをしたいと考えるほど、転職は難しいことを現職で経験したばかりだからです。
失敗したばかりだしね
実際転職は難しいし怖いものだと思うよ
転職して、またミスマッチを経験してしまうよりは、慣れ親しんだ前職に戻ったほうがいいと考えるのは普通のこと。
たしかに短期間で辞める場合は、転職活動において不利に働く可能性があるのも事実です。
- また同じミスマッチをしたくない
- 前職のほうがよかった
- 自分が何がしたいかわからなくなった
特に転職経験が少ない人の場合、再度転職することが難しいと感じてしまうものです。
ライズ・スクウェア社の調べによれば、転職が怖い理由のトップは「転職先の人間関係・社風」となっています。
僕が8回ほど転職活動をして実感していることとして、人間関係や社風は半年以上仕事をしないとわからないということです。
絶対何か予想外のことが起こります
入社前は良さそうな雰囲気だったとしても、実際に入ったら違ったというケースは多いものです。
また、一度ミスマッチを経験してしまったことによりキャリアに迷うこともあります。
転職するということは、大きな決断をしていることになるのですが、ミスマッチをしてしまったことで自分のキャリアに疑問が出てくるのです。
結果的に転職をしてチャレンジすることはやめて、生活のために慣れた前職に戻りたいという気持ちが強くなっていきます。
恥ずかしい出戻り転職の体験談
ここまで、前職に戻りたくなる事情をお伝えしました。
一度ミスマッチを経験してしまうと、次からは転職そのものが怖くなるというのは本当です。
ここでは僕が見てきた、恥ずかしい出戻り転職をしたケースをお伝えします。
- 喧嘩別れして出戻り
- 退職後に即出戻り
喧嘩別れして出戻り
僕の上司だった人は、在籍期間が長い人でした。
ただ過去に一度、辞めたことがあるということがあるということを聞いていました。
当時、上司は現場の責任者として活躍していたのですが、上層部の幹部と相性が悪かったのです。
上司も上司と仲が悪かったのか
中間管理職ってやつだね
僕の上司は、ある時その幹部と喧嘩別れして辞めてしまうことになります。
長年勤めた会社を辞めて自分の道を歩もうとした上司でしたが、どうやらそんなに甘くなかったようです。
初めての転職では様々な困難があり、思い描くような進路には進めず数カ月間の転職期間をダラダラ過ごしただけに。
ふと、前職のことを考えると待遇や相性が良かったのだと気づきます。
- 実はホワイト企業だった
- 長年勤めたほど相性がよかった
- 人間関係がよかった
結果的にその上司は、出戻り転職をすることができました。
僕の上司のように転職活動をすることで、前職のことが良かったと気づくことは少なくありません。
『ヤバいっす。転職失敗したっす。恥ずかしいですが、戻れる可能性があるなら戻りたいかもしれないです』と恥を忍んで伝えたところ、『素直に言えるのがあなたらしいよね。もしよかったら私から会社に聞いてみようか?』そんな流れになりました」
引用:東洋経済|わずか8カ月で「出戻り転職」した31歳男性の成長
多少の気まずさはあるものの、正直そんなものは最初の1ヶ月くらいでなくなります。
馴染んでしまえば元通り働ける可能性が高いです。
退職後に即出戻り
僕の昔の同僚に、すぐに出戻りをした人がいました。
これは僕の知る「出戻りエピソード」でも、かなり珍しいケースです。
そんな人いるんだ…
本当に珍しいと思う
本人の言葉を借りて、端的に言うと「辞めたくなくなった」とのことでした。
もともと本人としては嫌なことがあったから辞めるというわけではなく、キャリアアップのために転職をしようとしていたのです。
盛大な送別会をされ、仲間の存在を実感しているうちに前職のほうがいいと思ったようです。
実際にその人は退職した後、すぐに前職へ出戻りをすることになります。
僕が知る限り、ここまではやく出戻りをしている人はこのケース以外知りません。
ただ「辞める」ということを意識すると、前職の良かった点が見えてくるのは事実です。
このケースのように、仲間と離れる寂しさもこみ上げてくることもあります。
僕も経験があります
経験者から言わせてもらうと、もともと人間関係が良かったり、寂しさがこみ上げてくるような職場は簡単に辞めるべきではありません。
自分の相性にあった良い環境である可能性が高いです。
転職して同じような環境に巡り会えるかは運次第ですし、結局前職の人たちとのつながりが強いままになることも多いです。
余計な職歴を残さないようにするためにも、辞める前に自分にとって今の環境が本当に合わないのかを確認する必要があります。
出戻り転職のデメリット!本当はやめたほうがいい理由
ここまでは出戻り転職のエピソードをお伝えしました。
どちらも「前職のほうがよかった」と気づいたことが特徴的で、重要なポイントだと思います。
さて、ここからは僕の人事的な視点を加え、出戻り転職のデメリットをまとめてお伝えします。
- また辞める可能性と転職市場における評価
- 一生出戻り社員のレッテルが残り続ける
- 出戻りして状況が悪くなることもある
また辞める可能性と転職市場における評価
出戻り転職の1番のリスクは、また退職してしまうことです。
1度辞めた職場には、自分が辞めたくなる原因が残っているからです。
辞めた原因になった「鬼上司」や「モンスター社員」がいなくなったりしていたら話は別ですが、現実的には状況は変わっていないことがほとんど。
仮に1度辞めて、出戻りをして、再度辞めることになったらそれだけで3回の職歴が履歴書に追加されることになります。
3回は多い…
出戻りはこういうリスクもあるよ
転職市場において、人事が気にする転職回数は「3回」が圧倒的に多くなっていることがわかります。
出戻り転職に失敗すると、前述の通り3回の転職がいっきに職歴に加わってしまうのです。
また僕が人事として面接をしている時に、評価している点は転職回数だけではなくその理由です。
正直、出戻り転職後に「再度辞めた人」の評価は低いのが現実です。
採用したことがありません
なぜなら同じことを繰り返しそうだからです。
出戻りをして辞めると人事としては、複数の懸念が湧いてきます。
- 戻るくらいなら辞めなければいいのに
- なんで出戻りしたんだろう
- 出戻りしたのになんでまた辞めたんだろう
ほとんどの人が「声をかけられたから戻った」と言いますが、それでもまた辞めたことに意思の弱さを感じてしまいます。
このように出戻りをすることは、その後のキャリア形成においても影響を与えるのは確実です。
出戻り先の会社で一生働くのであれば問題ないのですが、どこかまた転職をする気があるのであれば出戻り転職の経歴はデメリットが大きいと言わざるを得ません。
一生出戻り社員のレッテルが残り続ける
出戻り転職のデメリット2つ目は、在職中「出戻り社員」というレッテルが残り続けること。
一度辞めたという事実は、信頼関係を築きにくくします。
一度辞めた社員に対しては、残った従業員はネガティブな感情を抱くからです。
- 裏切られた
- 見捨てられた
退職理由がどうであれ、今まで同じ目標に向かって仕事をしていた側からすると不信感が残ったままに。
僕は人事を長くやっていますが、辞めた人のことをよく思っている人に会ったことがありません。
辞めたらそれまでの関係です
なんか仕方ないけど切ないね
退職した場合は、一般的にはもう2度と一緒に働くことがないです。
そのため、残った人の中で退職者は「過去の人」に。
しかし出戻り転職は、そんな退職者が戻ってきてしまいます。
嬉しい人もいると思いますが、快く思わない人もいるのが現実です。
そういった状況の中で、働き続けることを覚悟する必要はあります。
もう一度「信頼関係を築く」という強い意志がないと、居心地が悪いままになってしまうかもしれません。
出戻りして状況が悪くなることもある
出戻り転職の最後のデメリットは、状況が悪くなっている場合です。
前職を辞めた時から、時間が経過しているので状況が変わっていてもおかしくありません。
転職先でミスマッチを経験したので、前職に出戻りしたいというのは意外と多くの人が感じていることです。
前の方がよかった
美化されるからね!
エン・ジャパン社の調べでは、以前の職場に戻りたいと思ったことがある人は36%です。
しかし、その戻りたかった職場は辞めた当時の状況です。
現在の状況はどうなっているかわかりません。
さすがに誰かの紹介がなければ出戻りは難しいので、現状を知ることはできますが限界があります。
例えば以下のようなことがあります。
- 経営状況が悪化している
- 頼りにした上司が辞める
- 配属される部署が違う
正直どれが起こっても大きなリスクですし、起こる可能性は十分あります。
ちなみに、辞めた「当時の問題」は何も変わっていないことがほとんどです。
あの上司がいるもんなー…
出戻りをしてしばらくしているうちに、同じようなストレスと向き合うことも覚悟しておきましょう。
出戻りをさせてくれる以上、わがままを言うことは難しいはず。
前職に戻れるならば「どんな状況でもやり遂げる」という強い意志が必要です。
出戻り転職は早い方がいいけど後悔しないように
この記事では出戻りのデメリットや、企業側の事情についてお伝えしてきました。
もし出戻りを検討するなら、早い方がいいことは事実です。
- 後任が採用されていない
- 慣れている環境に戻れる
- 同じ配属になる可能性がある
早いタイミングで出戻りをした場合、以前と変わらない環境に戻れる可能性が高いです。
辞めた人のことを覚えていますし、元通りになりやすいのです。
規模の大きな企業であれば、辞めたことさえ伝わっていないことも。
転職先でミスマッチを経験した場合、一定の我慢は必要ですが見切りをつけることも必要です。
特に人間関係やカルチャーが合わないと感じてしまった場合、改善する見込みは低いと考えた方が良いでしょう。
上司と馬が合わない…
相性は働かないとわからないんだよね
もし、出戻りする可能性があるなら関係性を維持しておく必要があります。
特に関係を保っておくべきなのは、元の部署の上司や、社内で影響力を持つ人物といった人たちです。
人事ではありません。
人事は決裁権を持っていないですし、いくら仲が良かったとしても受け入れる現場が拒否すれば太刀打ちできないのです。
出戻りを「推薦してくれる人の組織」への出戻りなら可能性があります。
ただし条件はもちろんあります。
- 成果を出している
- 信頼関係がある
丁寧に引き継ぎして辞めている
もしはじめての転職で、チャレンジングな企業や職種にいく場合は元の職場の上司に転職について相談をしておくことがおすすめです。
簡単に言えば上司を頼ること。
自分勝手に辞めた人より、進路をきちんと相談してくれていた人の方が出戻りさせてもいいと思ってもらえるからです。
ただし、出戻りをした後は、その上司が在籍していることなど約束されるわけではありません。
いなくなっても出戻りを後悔しないようにしましょう。
出戻り転職でよくある質問
同じことを繰り返さない!出戻り転職する前に自分のキャリアを整理する
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事をまとめます。
- 出戻り転職が断られるのは前職での評価が影響している
- タイミングや条件が合わなければ出戻り転職は難しい
- 出戻りをしたい場合は前職の上司や同僚と人間関係を維持する
記事でもお伝えした通り、出戻りというのは前職にとっては想定外です。
わざわざ出戻りするくらいなら、普通は辞めないからです。
そりゃそうだよね
唐突に出戻りをしたいといって戻れるほど採用はあまくありません。
基本的にはあらためて面接したり、出戻りをさせるかどうか見極められます。
仮に出戻りをする可能性があるなら、勢いで転職をせず上司に相談しながら話を進めた方がよいでしょう。
そうすれば仮に出戻りをすることになっても上司は再度話を聞いてくれるかもしれません。
一方で何度もお伝えしたように、出戻りには複数のデメリットがあります。
出戻りができてもまた辞めるという人もいます。
その場合は転職回数がいっきに増えますし、転職市場においても評判は悪くなります。
転職は自分で決めるしかないのですが、出戻りをする場合には後悔をしないようにしてください。
ちなみに、僕は出戻りをしない決意をして退職します。退職後に後悔しないようにするためです。
この記事があなたの役に立っていれば嬉しいです。