転職しないと視野が狭いままなのか
転職はしたほうがいいのか
転職したことがない人のリスクは何?
転職を経験したことがないと、「このままで大丈夫かな…」と不安になってしまいますよね。
僕も20代で転職をしたことがなかった時、自分は視野が狭いのではと不安を感じていました。
そこから20年僕は8回の転職を経験して、転職のメリットとデメリットを知り尽くしました。
記事の結論としては、転職をしない人は視野が狭くリスクが高いということをお伝えします。
そうなのか
転職する価値はあるよ
この記事を書いている僕は、8回の転職経験に加えて15年の人事経験があります。
採用する企業と求職者どちらの視点も持ち合わせているので、転職しない人はどういう存在なのかということを客観的にお伝えすることができます。
またこの記事は転職についてあらためて30時間かけて、調査と執筆をおこなっています。
記事を読むことで転職をしないとどういうことが起きるのかを知ることができ、どのようなところに気をつければいいかがわかります。
ぜひ最後までお付き合いください!
もしあなたが「このままでいいのかな…」と悩んでいるなら、少しだけお時間をください!
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転職経験なしは世間知らずという事実
まず最初は、転職経験がないと「世間知らず」扱いされる事実をお伝えします。
もちろん評価は年齢に応じて変わりますが、1社に長くいることには一定のリスクが伴います。
僕がこれまで人事として見てきた、転職経験がない人の特徴を参考にしてください。
職場で視野が狭いと言われる人の特徴
1社の基準しか知らないと危険な理由
定年間際で初めて転職経験するリスク
職場で視野が狭いと言われる人の特徴
僕は職場で転職経験がなく「視野が狭い」と言われる人を数多く見てきました。
視野が狭いということは、物事を考える際の幅が狭いという状態です。
仕事というものは可能な限り選択肢を幅広く考え、答えを探していくことが重要です。
視野を広げたい
視野が狭いことに気づくことだよ
視野が狭いと、自分の考え方の中で答えを出そうとしたり、知っている範囲で物事を進めようとします。
結果的に仕事のクオリティが下がったりして、「仕事ができない人」という扱いをされます。
ここでは僕が見てきた「視野が狭い人」の特徴をお伝えします。
視野が狭い人の特徴です
フィックストマインドセット
自分の意見に固執
新しいことには挑戦しない
1つずつ説明します
フィックストマインドセット
大きな特徴として転職をしたことがない人は、現状維持を好むことが多いです。
現状維持が絶対に悪いわけではないのですが、変化に慣れていないのでできる限り維持をすることに意識を置いています。
心構えのことを「マインドセット」というのですが、このマインドセットには2つあります。
グロースマインドセット
フィックストマインドセット
「グロースマインドセット」は、自分の才能は変化して成長を続けるという信念がある状態です。
簡単に言えばどんなことでも、自分が成長するためのチャンスだと捉えて考えるタイプを言います。
一方で「フィックストマインドセット」は現状維持を好むタイプで、変化や周りの人を自分の脅威だと感じています。
そのため今持っているものを守ることへの意識が強く転職といったリスクを避けるのです。
転職をしたことがない人は、フィックストマインドセットのタイプであることが多いと感じています。
自分の意見に固執
転職をしたことがない人は、学生時代と勤めている1社の経験のみに頼って仕事をしています。
直接言われることはありませんが、中途入社した社員からは視野が狭いと思われていることがほとんどです。
自社のことだけしか知らなければ、自社の視点からしか考えられないからです。
また転職をしたことがないので他社を知りません。自分の意見が正しいとも思っています。
他社という比較対象がないので、自分の意見や自社がズレている部分に気づけない可能性が高いのです。
視野が狭いと言われる理由だよ
新しいことには挑戦しない
転職をしたことがない人には、「今のままでいい」と思っている人と「転職したいけど動けない」人の2種類がいます。
今のままでいいと思っている場合は満足している可能性が高いので、無理に転職をする必要はありません。
一方で転職したいけど動けない人の場合は、転職をする勇気を持つことができないケースが多いのです。
リクルート社の調べでは転職したいと思いながら、1年後も転職しない人は87%もいることがわかります。
内訳を見ると、「今のところ転職しなくても問題がない」が最多です。
差し迫った問題がないので動かないという人が大半ということです。
正直なところ、転職というものは何か「転機」がないと本気で考えることはありません。
つまり転職をしたことがない人は、転機のもとになる新しいことに挑戦するきっかけが少ないのです。
1社の基準しか知らないと危険な理由
僕は8回の転職を経験してきました。
その中で見てきた会社には、別の世界のように感じるほどそれぞれに仕事の基準がありました。
どの会社の基準が正しいということではありませんが、明らかに間違っている会社の基準もあったのも事実です。
間違った基準やズレた基準の中で仕事をしていると、いつの間にか世の中の感覚がわからなくなったり、仕事ができない人という扱いを受ける可能性があります。
ズレやすい会社は以下です
大企業
ブラック企業
大企業
企業が大きくなると、組織をコントロールするためにルールや部署が自然と細かくなります。
これが「大企業病」と言われる原因の1つです。
大企業では、「大人数だからできる」仕事の仕方をしています。
細かく分けられた仕事や部署の中で、任されている仕事をしていれば良いのです。
部門をまたいでコミュニケーションをとることや、自ら仕事を取りに行く必要はありません。
一方で中小企業は、部門をまたいでコミュニケーションをとる必要がありますし、「兼務」が当たり前だったりするので自分から仕事をとりにいく必要があるのです。
大企業の基準で仕事が通用するのは大企業だけです。
大企業出身の人が仕事ができないといわれてしまう原因にもなるので、1つの会社の基準が常識だと思い込むことは危険です。
大企業にはしがみつくべきではないという記事も書いていますので参考にしてください。
ブラック企業
ブラック企業はいろいろなタイプがあり、一括りにはできませんが基準が世間一般とズレていることがほとんどです。
僕はブラック企業を何社も経験してきたのでわかるのですが、ブラック企業の基準が正しいと思って仕事をしていると危険です。
ブラック企業はこわい
避けるべきだよ
僕は20代の頃、ブラック企業しか経験がなくそれが当たり前だと思い込んで精神的に追い詰められていたことがあります。
パワハラが当たり前
長時間労働は日常
有給休暇を取らせない
大企業病とはまた違う問題ですが、労働者から「搾取」するという点がブラック企業の共通点です。
たまたま入社した1社がブラック企業で、その基準が当然だと思い込んでしまうと、転職しても同じようなブラック企業を受け入れてしまうリスクがあります。
僕はそのブラック企業の基準を疑わなかったために、多くの転職に失敗してきました。
最初の1社がブラック企業で転職をしていない場合、もっと良い条件の会社があるにも関わらず動けていない可能性があるのです。
定年間際で初めて転職経験するリスク
僕は人事として何百人と採用をしてきた経験があります。
その中で、定年間際で「初めて転職する」という人を見たことがあります。
その人は「大企業」出身者でした。
なんか嫌な予感
懸念はあったよ
新卒から20年近く転職をせず、1社だけで勤めてきたのです。
辞めずに続けてきたことは、評価をされる経歴といえます。
会社としては、大企業の知見やノウハウに価値を感じての採用するケースも多いからです。
正直、中小企業の場合は、大企業の整備された環境は参考にするところが多いのです。
しかし入社後、半年経過しても一向に成果が出てくる気配はありません。
その人は、大企業在職中に自分から視野を広げる努力をせず、大企業の枠組みの中だけで仕事をすることに慣れきっていました。
3000人以上の転職・再就職をサポートしてきたCEAFOM代表の郡山史郎さんは「大企業でマネジメント職を務めてきた人ほど転職に失敗しやすい。大企業での実績やノウハウは、転職先では役に立たない」という――。
PRESIDENT|「50代以上の転職は99%が失敗する」大企業から中小に移ってきた自称エリート社員の残念な特徴
大企業という看板に乗っかり長年仕事をしていると、転職後に苦労する典型だと感じました。
周りから視野が狭いと言われるようになったその人は、大企業の習慣は身についていたものの肝心の仕事はできない人だったのです。
自分で調べることができない
仕事をとりにいけない
何を求められているかわからない
結局、仕事を依頼されない状況が続きミスマッチを感じて辞めていきました。
「転職をしたことがない」ということは、こういったミスマッチにつながるリスクがあります。
仮に20代などで転職を経験していれば、こういったミスマッチはある程度回避可能です。
転職を経験していないとフィードバックの機会が少なくなります。
その結果「井の中の蛙」の状態となり、ある意味で自分はなんでもできると勘違いした全能感を持ってしまいます。
自分の実力や何が合っているかがわからず、視野が狭い状態で転職すると高確率で失敗するので注意が必要です。
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一度は転職を経験するべき3つの理由
ここまでは僕の経験談から転職をしたことがない人が視野が狭い理由をお伝えしてきました。
視野が狭くなるのには原因があります。自分からその原因に気づいて変えていくことが重要です。
ここからは転職を経験した方が、メリットが多いというお話をします。
僕が8回転職経験したからこそ、わかったこともお伝えします。
絶対身につけるべきポータブルスキル
転職経験が企業から評価される理由
転職で失敗することで可能性を考える
絶対身につけるべきポータブルスキル
転職をしたことがない人は意識しないと思いますが、身につけたスキルの中で他社で使えるものとそうではないものがあります。
持ち運びできるスキル、という意味で「ポータブルスキル」と言います。
便利なやつ
転職においても重要だよ
厚生労働省によると、以下のように定義されています。
ポータブルスキルは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのこと
コミュニケーション能力や問題解決力といった、どんなところでも応用して使えるものです。
このポータブルスキルは履歴書に書くようなものではありませんが、仕事をする上では特に重要です。
例えばどんな人とでも、柔軟にコミュニケーションができる力を身につけていれば、どこでも仕事はやりやすくなるはずです。
一方で、他社に持ち出せないスキルを「アンポータブルスキル」といいます。
アンポータブルスキルは、その企業でしか使えないスキルなので、他社で評価されることはありません。
価値がない
応用できないスキルだよ
転職したらまったく使えなかった、という経験は僕にもあります。
何度か転職を繰り返して経験することで、ポータブルスキルの見分けがついていきます。
転職したことがない人は視野が広がりにくいので、自分のスキルが「ポータブル」なのか「アンポータブル」か判断がつきません。
僕が身につけて良かったと感じるポータブルスキルは以下です。
ものごとを調べる力
問題点をまとめる力
資料をつくるデザイン力
基本的にこのポータブルスキルを磨いてきたおかげで、転職先からも評価され自分の立場を確立させることができているのです。
転職経験が企業から評価される理由
中途採用で人材を採用する理由は、他社の経験や知見を取り入れたいからです。
経験がない人を採用するのであれば新卒採用ということになります。
ちなみに、当然ですが新卒の給与が低いのは「経験がない」からです。
前述した「ポータブルスキル」が評価されることに近いのですが、転職経験は評価される面もあります。
リクルート社の調べによれば、転職回数が多くても採用したケースは3回が1番多くなっています。
3回かー
平均的な数字だよ
僕も人事として採用面接をする際、転職経験は評価します。
何社か経験しているということは、採用する側としては「ある程度変化に対応できる」と考えるからです。
ただしジョブホッパーのように、一貫性もなく短期間で転職を繰り返している場合はマイナスの評価になりやすいです。
GOLD CAREER社の調べでは、50代でも転職をしたことがない人が「約17%」もいます。
5人に1人は、転職経験がなく1社しか知らない状況です。
転職をするような転機がなければ、転職せずに40代や50代になる人は一定数います。
例えば、専門性の高い50代の人が転職をしたことがない場合、採用する側としては警戒します。
どうして?
もし企業文化に合わなかったり、ストレス耐性がない場合は「リアリティショック」を受けてしまうからです。
また、環境に馴染む適応力が養われていないので、「オンボーディング」にかかるコストが大きくなります。簡単に言うと手間がかかるのです。
終身雇用の時代は、長く勤めることが評価されていましたが今は違います。
転職を経験し、自らキャリアを築ける人が評価されるのです。
転職で失敗することで可能性を考える
転職をしない人の大きな特徴として、「面倒を避ける」ことがあげられます。
転職したくてもしない人は意外と多く、面倒だからという理由だけで現状を維持します。
PortRay社の調べでは、現職に不満があるのに転職をしない人の中で、「面倒だから」という理由の人は「約53%」です。
面倒という理由だけで、不満を持ち続けることを選んでいるのです。
それでいいのか
あまりおすすめはできないよ
「面倒」という理由のなかには以下のようなものが含まれます。
自分の将来を考えること
今より良くなる環境を見つけること
自分に合う会社を探すこと
一言で言えば、転職をしたいけどしない人は、転職することによるリスクを避けているのです。
誰でもそうですが、転職で失敗はしたくありません。
ただ識学の調べでは、転職を後悔する人の割合は「約60%」と半数を超えます。
僕も8回の転職は、ほとんど後悔しています。
悲しい
しかし、僕が記事で書いたように転職で人生が狂うような失敗をした人は確実に人間として強くなります。
転職を失敗したと感じるような環境に身を置くことで、自分が大切にしたい価値観があぶり出されるからです。
次の転職はその価値観に沿う環境を探すことで、転職の精度はどんどん上がります。
また、転職は本当に多くのものがリセットされます。
ゼロから新しい環境で挑戦していくことで、自分が思いもよらなかったキャリアを描ける可能性にも出会えます。
失敗を恐れて身動きがとれないままでいると、年齢だけが増えてしまいます。
選択肢は常にありますが、早い方が選択肢が多いことも事実です。
8回転職した立場からお伝えすると、「一度は失敗してみる」という考え方はありだと思います。
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1社しか経験がない人はリスクが高い
ここまでは転職することで得られる、メリットを中心にお伝えしてきました。
転職には失敗がつきものなので、転職をしないという人がいることも事実です。
しかし、転職しないという選択肢にもリスクはあります。
ここでは転職をしないと、どうなるかをまとめてお伝えします。
会社に依存するというリスク
何が自分に向いているかわからない
転職は若いほうが有利と言われる意味
会社に依存するというリスク
高度経済成長期のように終身雇用で、会社が守ってくれる時代は終わりました。
現代はどんなに大企業でも、いつ倒産するかわからない時代です。
このような、不確実性が高い現代のことを「VUCA」と表現します。
VUCAという言葉は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をとった造語です。
NRI|VUCA
先がわからない
見通しが立ちにくいよ
「いい会社に入った」と、安心しているといつの間にか足元をすくわれることになります。
ここでは人事として僕が15年以上会社を見て、ある意味悟ったことをお伝えするのでよく読んでください。
ポイントは以下の3つです
会社の寿命は短くなっている
会社の評価はあてにならない
会社のキャリアには限界がある
1つずつ説明します。
会社の寿命は短くなっている
まず重要な事実として、会社の寿命はどんどん短くなっています。
企業の平均寿命は、1980年代で「約30年」と言われていました。
しかし現代は、東京商工リサーチ社の調べによると、企業の平均寿命は「約23年」と7年近く短くなっていることがわかります。
短くなっている…
新卒で入った会社が、定年まで存在する確率はかなり低いということです。
例えば、22歳の新卒で入社して転職をしなかった場合、その会社が20年後に倒産してしまうと「42歳」と転職市場的には相当微妙な年齢です。
「定年」という言葉も近年では存在感が薄れていますが、65歳を定年とした場合20年以上残っている状態になります。
また、大企業は「早期退職」を募ったり、リストラというリスクも存在します。
東京商工リサーチ社のデータをもとに計算すると、直近5年で「平均58社」が早期退職を実施しています。
同じく直近5年で早期退職募集された人数は「平均10,964人」です。
まとめると、企業の寿命は短くなっており、大企業と言っても経営状況によっては早期退職などのリスクは存在するということです。
突然放り出されてこまるのは自分自身なので、会社に依存するということを今一度考えてみてください。
会社の評価はあてにならない
僕は人事として評価制度をつくっているので、評価制度には限界があると感じています。
評価制度は会社の仕事をできるかぎり仕組み化して、評価の枠組みに反映したものです。
そのため評価制度だけでは拾えていない評価項目や、会社への貢献があることも事実です。
評価されたい
全部は評価されないんだよ
正直会社の評価を信じて頑張っても報われないことも多々ありますし、転職する際には会社からの評価はあまり役に立ちません。
人事の採用担当としては、他社における評価は参考程度にします。なぜなら調べることは難しく「どうとでも言える」からです。
また、ライボ社の調べによれば、人事評価制度に不満がある人の割合は「約80%」とほとんどの人が不満をもっていることがわかります。
評価制度をつくっている立場から言うと、万人が満足のいく評価制度はこの世に存在しないのではないかと考えています。
ある意味で、自分に合った評価制度のある会社を探すということも視野を広げる一助にはなるはずです。
1社しか経験していなければ、1社だけの「尺度」で自分の価値を測ることになります。
評価が良くても、悪かったとしても気づけていない側面は必ずある点には注意が必要です。
会社のキャリアには限界がある
会社は成長を促すために評価制度とともに、「昇進」を用意しています。
昇進は役職を上げていくことで、収入が上がっていく人事制度の1つです。
一方で評価制度の限界と近い話ですが、会社のキャリアには限界があります。
昇進できる人の数が限られているからです。
出世!
おめでたいことだね
ですが、全員が昇進できるわけではありません。当然ですが、役職は限られていますし、上位の役職になるほど席数は減ります。
これが、いわゆる「出世競争」と言われるものです。
昨今では出世に興味がない人も多いですが、会社でキャリアを積み上げるためには避けては通りにくいものです。
この競争に評価制度上で勝たなければ、昇進することはできないのです。
もっと言えば昇進する人数を調整するために、評価制度があると言っても過言ではありません。
実際のところ、こういった評価制度という枠組みの中で、上位に入れる人はごく一部です。
給与についても同様に、それぞれの会社に「頭打ち」というものがあります。
一定の水準まで給与が上がったら、管理職にならなければそれ以上給与が上がりにくいという現象が起こるのです。
まとめると、会社の枠組みの中でキャリアを築くことには、限界があらゆるところに存在するということです。
何が自分に向いているかわからない
転職をしたことがない人は視野が狭く、自分に合う仕事が何かをわかっていません。
無数にある仕事の中で、最初に就いた仕事が「適職」だったという人を僕は見たことがありません。
なかなか出会えない
確率は低いね
また、今の仕事が「自分に合っていない」という人は多いです。
Indeed Japan社の調べでは、今の仕事が合っていないと感じる人は「約30%」もいます。
合っている仕事は1社の中で見つかるとは限りません。
僕の考えとしては、転職を繰り返す以外に適職を見つける方法はないと考えます。
僕の自論ですが「入ってみないとわからないのが会社、やってみないとわからないのが仕事」です。
僕はあらゆる業界で様々な仕事を経験した結果、偶然「人事」という仕事に辿り着きました。
逆にやってみて合わないと強く感じたのは、「情報システム」のような機械を相手にする仕事です。
人間相手が合ってたよ
キャリアコンサルタントとして、キャリア相談で使う考え方に「計画的偶発性理論」というものがあります。
計画的偶発性理論は心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたキャリア理論です。
キャリアの80%は偶然出来上がるという考え方です。
計画的偶発性理論をわかりやすく説明すると、「偶然をチャンスに変える」というものです。
転職はこの偶然を作り出すための絶好の機会です。
僕は会社の倒産を転機に、人事へと大きくキャリアチェンジすることができました。
これはまさしく偶然をチャンスに変えた好例だと思います。
まとめると、1つの会社だけでは自分に合う適職と巡り合う確率は低いです。
日々の充実感や幸福度を高めるためには仕事は重要です。
できるだけ偶然を作り出す努力をして、自分に合う適職を見つける行動が必要です。
転職は若いほうが有利と言われる意味
残念ながら転職は、若いうちの方が有利であることは事実です。
何歳になっても転職は可能ですが、若い方が選択肢が多いという点で有利と言えます。
リクルート社の調べでは、年齢によって不利になると感じている求職者は「約80%」となっています。
厳しい世界
現実はこんな感じだよ
さすがに「35歳限界説」はもう都市伝説レベルですが、年齢が上がるにつれて可能性が減っていきます。
「35歳限界説」とは、35歳を機に転職成功率が下がるという、転職市場での定説のこと。特に未経験の職種や業種の場合、35歳を超えてから転職することは難しいと言われます。
日本の人事部|35歳限界説
年齢が高いから不利になるということに加えて、未経験職種などに挑戦する機会が減っていくのです。
未経験職種への応募は多くが20代から30代となっており、40代以降はこれまでのキャリアを伸ばしていくことが求められます。
貴重な20代から30代を転職せずに、1社で過ごしてしまうと「挑戦する」という機会自体がなくなっていきます。
うー焦る
そのため20代から30代のうちに、何度か転職を経験しておくことをおすすめします。
「キャリアビジョン」が明確になっているのであれば、そのまま経験を積み上げていけば良いです。
一方で、何がしたいかわからない状態なのであれば、じっとせずに動いてみないとはじまりません。
そのまま思考停止の状態で、時間を過ごしているといつの間にか取り返しのつかない年齢になってしまいます。
僕は転職で多くの失敗を経験しましたが、今ではそれで良かったと思います。
過去に戻って安定した会社に入れたとしても、自分の可能性を試さずに人生の最後を迎えるのは耐えられないからです。
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転職で後悔しないキャリアの考え方
ここまでは、転職しないというリスクを説明してきました。
本音を言うと、転職しない方が将来的なリスクは高いです。
20代のうちに最低でも1回は転職を経験することをおすすめします。
ここでは、キャリア迷子にならないように、キャリアコンサルタントの資格を持っている僕がキャリアについての考え方をお伝えします。
企業に求められるT型人材とは
自由に描け!キャリアの大三角形
転職しない方がいい人の特徴とは
企業に求められるT型人材とは
キャリアを考える上では、やりたいことだけではなく「市場価値」も考慮しておくべきです。
やりたいことだけを突き詰めることも1つの考え方です。
しかし、あなたには経済的にも成功してもらいたいので、ぜひ市場価値のある人材とは何かを意識してください。
デキる人材
引っ張りだこだよ
ビジネスパーソンの分類に、タイプ別があることをご存知でしょうか。
T型人材(ティー型)
π型人材(パイ型)
△型人材(トライアングル型)
それぞれの文字は専門性の深さを示しています。
T型人材(ティー型)
T型人材は英語ではシングルメジャーと言われ、「T」の縦棒が1つの専門性の深さを表しています。
「T」の横棒部分は知識の広さという意味があります。
1つの専門性だけではなく、幅広い知識があることでより活躍できるステージが広がります。
π型人材(パイ型)
π型人材は英語ではダブルメジャーと言われています。
T型人材が1つの専門性だったのに対して、2つの専門性を持つ人材です。
2つの専門性が掛け合わされることで、視野を広く持つことができます。
T型人材の上位互換と言えます。
△型人材(トライアングル型)
△型人材は英語ではトリプルメジャーと言われています。
3つの専門性を持つかなり貴重な人材ですが、この領域に到達するまでには長い年月を要します。
どれもすごい人材
実はこれまでの日本では「I型人材」という専門性だけがある人材が評価されていました。
しかし、変化の激しい現代においては、1つの専門性だけでは視野が狭くなり良いアイデアは生まれません。
T型人材のように専門性に加え幅広い知識といった、視野の広さが求められるのが現代の転職市場です。
複雑かつ変動的な社会の中で、競争優位性を高めるには、「スペシャリスト要素」と「分野を超えた経験により新しい知見を習得する能力」を併せ持つT型人材の必要性が高まっているのです。
プロフェッショナルバンク|T型人材とは?企業が育成に取り組むべき理由、育成のポイント、人物タイプの比較を解説。
これは文部科学省が、幅広い知識を学ばせるために提唱している「STEAM教育」にも通じるものがあります。
このように、現代では視野を広く持つことが重要であり、市場価値を高めていくと言えるのです。
1つの専門性に賭けることは、陳腐化するというリスクを背負うことになります。
まずは専門性を深めて「I型」になり、次に転職や自己投資をすることで、知見を広げ「T型」を目指すことをおすすめします。
自由に描け!キャリアの大三角形
キャリアに正解はありません。
どのようなキャリアであっても、生活や自己実現のための立派な手段です。
一方で、キャリアの築き方によって経済的な優劣が生まれることは事実です。
将来の夢を追いかけるために、経済的に認められることを放棄しているのであれば構いません。
それも1つのキャリアだと思いますし誇れるものです。
自由なんだね
人生に正解がないのと同じだよ
ここでは、自分の思い描いたキャリアを築き、経済的にも認められるためにはどうすればいいのか、という視点からお伝えします。
元リクルートの藤原和博氏が提唱する、「キャリアの大三角形」という考え方をご存知でしょうか。
1つめのキャリアで基礎を築いて、2つ目のキャリアで大きく別の領域に軸足を移し、3つ目のキャリアで完成させるという考え方です。
3つのキャリアをかけ合わせることで唯一無二のキャリアを作れるので、「レアカード化」という表現が使われています。
前述した「△型人材」と、考え方はほぼ同じです。
僕は人事でありキャリアコンサルタントの資格を保有していますが、その立場から考えてもこのキャリア理論は有用だと考えています。
転職市場は需要と希少性で、「給与」という値段がつきます。
まさに市場
需要を見極めて、2歩目、3歩目のキャリアを戦略的に描けたら、確実に希少性の高い人材になれます。
自分のやりたいことに加えて、この「需要」と「希少性」という観点を戦略に取り入れることで、視野が広がるのです。
実際に僕は、この「キャリアの大三角形」の考え方をベースにキャリアを築いてきました。
1歩目:デザイナー職
2歩目:営業職
3歩目:人事職
それぞれのキャリアで経験したことすべてが、今の人事の仕事に生かされていると実感しています。
デザイナーで資料作りや見せ方の基礎を身につけ、営業職でコミュニケーション能力を磨いたことが役に立っているのです。
結果的にデザイナーや営業を経験した「人事」はほとんどおらず、独自のレアなキャリアとして転職市場にも認められています。
事実として比較的年収の低い人事で、日本に「約5%」しかいない700万円台の年収に到達することができています。
転職しない方がいい人の特徴とは
ここまでは、転職を一度くらいは経験したほうがいいというお話をしてきました。
転職を経験することに価値があるということは事実です。
単純に収入を上げるといった条件面の改善だけではなく、「自分を知る」よいきっかけになるからです。
自己理解だね
意外と知らないこと多いよ
一方で転職を「しない方がいい」タイプの人もいます。
それは、今の職場に大きな不満がない人です。
今の職場が居心地が良いのであればそれに越したことはありません。どちらかというととても幸運な状況と言えます。
世の中の多くの人は、大きな不満を抱えながら職場で過ごしているからです。
アントプロダクション社の調べでは「約55%」もの人が職場に対して不満を抱えていることがわかります。
僕は8回の転職を経験していますが、望んで転職したわけではありません。
ブラック企業の厳しい環境に耐えかねて、転職せざるを得なかったというのが実際のところです。
僕の経験から言うと、転職は「もう耐えられない」時期にするものだと考えています。
環境に耐えられない
人間関係に耐えられない
停滞感に耐えられない
何かしらの課題に対する問題意識が生まれた時、初めて「転職」という選択肢を考えればよいのです。
あらためて言いますが、大きな不満がない状態は幸運です。
識学社の調べでは、「約60%」の人が転職を後悔しています。
僕も最初のキャリアであるデザイン職を辞めたことを当時本当に後悔しました。
厳しい現実ですが、多くの場合転職後は元に戻ることはできません。
現状に大きな不満がない場合は、あまり転職を焦る必要はないのです。
ただし、思考停止することはせず、自分のありたい姿を考える続けることをおすすめします。
未経験転職も安心!経験豊富なアドバイザーと一緒にキャリアを描く、Re就活エージェントのサポートを体験してみませんか?
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ずっと同じ職場にいる人にならない
ここまでは僕のキャリアに対する考え方をお伝えしてきました。
キャリアに正解はありませんが、より良くすることは努力次第で可能です。
一方でずっと同じ職場にいても、大きな変化は期待できません。
ここからは、思い描いたキャリアを実現できるように視野の広げ方をお伝えします。
ずっとこのまま?ありたい姿を描く
視野を広げるための定期的な転職活動
カジュアル面談で企業と自分を知る
ずっとこのまま?ありたい姿を描く
ありたい姿というのは、目指したい姿という目標です。
「キャリアビジョン」とも言います。
ありたい姿を持っていない人は、目指すべきところがないのでその場に留まり続けます。
僕はどうしたら…
焦らなくてもいいよ
少し極端な言い方ですが、ありたい姿がない状態で転職しても後悔するだけです。
自分はどうありたいのか?ということは自分の中からしか出てきません。
これまでの人生を振り返ったり、価値観を棚卸しすることで少しずつ形にしていくことをおすすめします。
エン・ジャパン社の調べでは若手の「約73%」は、ありたい姿をぼんやりとでも描いていることがわかります。
なぜ、ここまでありたい姿にこだわるかというと、あなたの成長に直接的に影響するからです。
「クリエイティブテンション」というものをご存知でしょうか。
クリエイティブテンションを簡単に説明すると、目標とのギャップに気づいた時に「目標に引っ張られる力」のことです。
クリエイティブ・テンションとは、個々がビジョンを明確にして、(能力の及ぶ限り)現実の状況についての真実を語るときに生み出されるエネルギーのことである。
ITmedia|クリエイティブ・テンションとエモーショナル・テンション
ちょっと難しい…
例えば、「経営者」になりたいという目標があるとします。
しかし今はまだ社会人1年目で、経営者とは程遠い位置にいるとしたらどうでしょうか。
A:ありたい姿である経営者
B:現在地としての社会人1年目
このAとBの間にはギャップが生まれます。
ありたい姿があることでギャップが生じ、そのギャップを埋める方法を考えていくことができるのです。
このギャップを埋めていく行動や思考が、成長を促し実際にありたい姿に近づかせてくれるのです。
これがクリエイティブテンションの力です。
一方で、目標がないまま日々を過ごしていると、目標とのギャップも存在しないわけですからこのクリエイティブテンションは生まれません。
ずっとこのままでいいのか不安になっているのであれば、まずはありたい姿を描きましょう。
その目標と現在地の間に生まれるギャップに気づくことが最初の1歩になるはずです。
視野を広げるための定期的な転職活動
転職をしなくても転職活動をすることは可能です。
自分の市場価値を調べるために、転職活動を利用するということをおすすめします。
え、転職しなくていいの?
冷やかしじゃなければ大丈夫
僕は転職を8回も経験したので、転職することには慣れています。
いつの間にか、「いつでも転職できる」くらいの気持ちで働くことが習慣になりました。
実際、突然会社が倒産したり、早期退職を促されたりすることは現実的に起こります。
ちなみに僕はどちらも経験しました。
一方で、一般的な転職回数は3回程度と、数年に1度あるかないかの人がほとんどです。
その場合、転職活動は非日常的な特別なものになります。
基本的には「いざ転職をするぞ」というタイミングまで、キャリアや将来について考えないのです。
しかし、転職を経験したことがない人は、もしかすると環境に恵まれた結果ずっと同じ会社にいる可能性もあります。
そうなると他社や転職市場のことはわからずに、視野は狭くなってしまいがちです。
ちなみに、会社は「人材を囲います」流出を避けるために、副業にさえ消極的なのが日本の会社の実態です。
そういった会社の思惑もあって、自発的に動かない限り転職の機会は訪れない可能性があります。
怖い
よくあるよ
転職活動を定期的に行い、キャリアの棚卸しのために使うことをおすすめします。
転職活動を通じて気づくことは山のようにあるからです。
最新の募集要件
募集している企業
自分の経験とのギャップ
転職市場の今の需要を知ることだけでも気づきはありますが、書類選考や面接でのフィードバックはとても貴重です。
なぜなら、あなたのキャリアについての反応が得られるからです。
反応を見ることで、自分に不足しているものや持っている強みに気づくことができます。
選考で他社と関わることで、今の職場にとらわれず視野を広く持つトレーニングにもなるのです。
カジュアル面談で企業と自分を知る
転職活動はハードルが高いという人には、「カジュアル面談修行」をおすすめします。
カジュアル面談とは選考ではなく、企業と情報交換するような面談です。
カジュアル面談は合否判定がないため、候補者が本音ベースで話しやすいのが特徴です。
カジュアル面談はテレビCMなどでよく見かける、会社からスカウトをもらうサービスを通じて行うことができます。
有名なところでは「ビズリーチ」や「Wantedly」があります。
スカウトをもらう流れを簡単に説明すると、自分の職務経歴を登録して待つだけです。
基本的にそれ以外はやることはありません。
あなたの職業や経験に需要があれば、毎日のようにスカウトが届くはずです。
僕は人事の中でも、専門性の高い職種のため週に1件届く程度です。
それでも、有名な会社からのスカウトが届けば嬉しいものです。
いいなスカウト
登録すれば届くようになるよ
ビズリーチなどに登録してもスカウトが届かない場合は、経験が足りない証拠です。
「届かない」ということにも何かしらの気づきがあるのです。
スカウトは、会社から「一度話しませんか?」というお誘いです。
選考に入る前に会社のことを知ってもらい、応募してもらうことがスカウトを送る目的です。
そのため、リラックスした状態で面接では聞けないようなことも聞けます。
また、カジュアル面談を通じて、自分の経歴に対する反応を直接見ることができます。
スカウト数で自分の需要を確認し、カジュアル面談で価値観の棚卸しをするのです。
有効活用!
会社が合うか合わないかは、直接話して相性を見る必要があります。
リラックスして話せるカジュアル面談は、その相性を見るために丁度いい場なのです。
何度もカジュアル面談をしていくことで、好きか嫌いかや合うか合わないか自分なりの「物差し」を持つことができます。
1社しか知らなければ、物差しは1つしかなく視野が狭くなりがちです。
カジュアル面談という修行を積むことで、会社を測る物差しを増やしていくことができます。
ビズリーチにおけるカジュアル面談をしっかり書いた記事もありますので参考にしてください。
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転職についてよくある質問
- 転職しない人と転職する人の違いはなんでしょう?
-
転職する人の理由は様々ですが、目標に近づくために転職をすることが一般的です。転職がネガティブな理由の場合、1番多いのは人間関係の問題です。逆に転職をしない人は現状に満足していたり、特に大きな不満を持っていない場合が多いです。
- 転職する人の多くが失敗すると言われてますが本当でしょうか?
-
事実です。転職して後悔する人は50%を超えます。転職後の新しい環境では、何かしら想定外の問題(リアリティショック)が起こるので失敗したと感じやすくなります。一方で自分の選択を信じて「成功」するまで努力していくといった姿勢も重要です。
- 転職して成功する人と失敗する人の違いは何ですか?
-
転職には失敗はつきものです。むしろ成功する確率のほうが低いと言っても過言ではありません。失敗する確率が高いのは新しい環境は予測不可能だからです。自分が期待していなかった出来事が起こると人は後悔や失敗を感じてしまいます。逆に転職で成功する人は、自己理解を深めて転職を何度か経験することである程度正しい予測ができる人です。
転職しないのはリスク!視野を広げよ
最後までお読みいただきありがとうございました。
嬉しいです!
お付き合いありがとうございます!
ここまで読んでいただいたことで、転職をしたことがない人は視野が狭いと言われる理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。
まとめとして、一度は転職を経験するべきだと僕は考えています。なぜなら会社によって価値観は全く異なりますし自分の可能性も広げられるからです。
一方で1社に留まり続けていれば、それだけで自ら可能性を限定しているということになります。
今の職場に満足しているのであれば、焦って動く必要はありませんがずっと同じ職場でよいのかは「自問自答」をし続けてみてください。
失敗やリスクを避け続けて、転職をしないことも1つの選択肢ではあります。
しかし、会社が人生やキャリアを約束してくれない現代では、自ら考えて行動する必要があるのです。
僕は転職を繰り返すことで、時給換算で650円から3500円まで上げることが実現できています。
約5倍アップ…!
「あの時転職していれば」と後悔をしないためにも、自分のありたい姿を考える習慣を身につけましょう。
この記事があなたの役に立てていれば嬉しいです。
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