リファラル採用って受かりやすいって本当かな?
会社を紹介してくれるって人がいるけどどうしよう
転職するのって難しいですよね。まったく知らない企業に応募するので、内定をもらうまでが遠いんです…。
でもリファラル採用は「社員の紹介」で、企業に応募することができるので受かりやすいと言われています。
知り合いの紹介だから内定までが近い
この記事でお伝えする結論としては、通常の応募よりもリファラル採用は受かりやすいということです。
- リファラル採用が受かりやすいのは事実なので知人がいるなら積極的に使うべき
- 採用コストが低いから採用されるのではなくあくまでも能力や経験が重視される
- 知人との関係が重要になるので常に情報が入るように転職に前向きであることを伝える
ただ、知り合いだから受かるというわけではないので対策をしないと、リファラル採用とはいっても合格することはできません。
この記事を書いている僕は、人事として15年の経験に加えて国家資格キャリアコンサルタントとMBA(経営学修士)を保有する「転職のプロ」です。
リファラル採用で転職したこともありますし、自分がリファラル採用で紹介したこともあります。
リファラル採用の高額なインセンティブももらった経験もあるので、経験談を交えて詳しく解説可能です。
また、この記事はリファラル採用で目当ての企業に入社をしたい人にむけて、合格するためのポイントとリファラル採用の裏事情を人事視点でお伝えします。
記事を最後まで読めば、リファラル採用で気をつけることがよくわかり対策できるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください!
転職の方法としてリファラル採用はありなのか?
まずはじめにリファラル採用とはどういうものなのかを、あらためて説明します。
転職の方法としてリファラル採用を活用できると、内定をもらえる確率が高くなります。
一般的な応募との違いなど全体像をつかんでいきましょう!
- 縁故採用(コネ採用)とは違い選考がある
- リファラル採用が注目されるのは採用難だから
- 受かりやすいのは信頼関係があるから
縁故採用(コネ採用)とは違い普通に選考がある
リファラル採用とは、会社の従業員から「紹介された人」が選考を受けることを言います。
あくまでも紹介するだけに留まるので、採用されるかどうかはその後の選考に左右されます。
そして、なんとなくイメージが近い「縁故採用(コネ採用)」は、選考がなく条件を満たしていない人でも、採用されることがあります。
身内や親族を優先して採用したりすることが多いのが縁故採用の特徴です。
ただし縁故採用は不公平感や、企業内の不正などにつながる可能性もあるので、禁止する企業も増えています。
キーエンスでは募集要項に「社員・役員と三親等以内(子、兄弟、甥姪、孫など)の者は応募できない」ことが記載されています。この他に、三井住友海上火災保険株式会社でも、二親等以内の応募は禁止となっています。
引用:アルムナビ|縁故採用を禁止する企業が増えた理由 | 導入デメリットと実態
縁故採用は、選考をせずに面談だけで入社することもあるので、仕事ができない人物を増やしてしまうといったリスクもあります。
縁故採用って難しいんだね
積極的にやってるところは多くないね
一方でリファラル採用は、社員が「自分の会社」に招きたい人物を会社に紹介する採用手法です。
リファラル採用を簡単にいうと、会社と知人双方におすすめしているだけです。
- 知人に会社をおすすめする
- 社内に知人をおすすめする
知人と会社の双方が興味を持つことで紹介につながり、その後に選考することになります。
そのため縁故採用のような不公平感や不正のリスクは低く、しっかりとお互い見極めることができるのがリファラル採用の特徴です。
リファラル採用が注目されるのは採用難だから
リファラル採用が広まっていったのは、2016年前後にGAFAと言われる「Google」や「Facebook」が導入していったことがきっかけといわれています。
成功している企業が取り組んでいる採用手法だから、やってみようとするのは日本の人事ではよくあることなんです。
ただリファラル採用が注目され続けているのは、実はそれだけではありません。
日本は少子高齢化で労働力が増える見込みがないので、一人でも多くの労働力を確保するために「リファラル採用」が有効だと考えられているのです。
リクルート社の調べでは約80%の企業が採用で充足できていないことがわかります。
どこの会社も採用ができていないんだね
まず応募が集まらないんだよね
常に売り手市場である採用活動は、コストばかりかかり満足のいく採用ができないのが実態です。
そんなに採用ができないのであれば、社内の従業員に知り合いを紹介してもらったほうが早いと考えるのは、ある意味自然な流れかもしれません。
リファラル採用サービスの「MyRefer」を提供しているTalentX社が調べた結果では、リファラル採用を実施している企業が増えています。
また、リファラル採用サービスの「MyRefer」導入企業も利用社員数も伸びているデータがありました。
リファラル採用が受かりやすいという背景には、そもそも「マッチングしているかどうか」を紹介する側の社員が事前に見極めているからだといえます。
「あ、この人うちに合うかも」と思わない限り紹介しようとも思わないからです。
紹介されて受かりやすいのは信頼関係があるから
リファラル採用が受かりやすいと言われるのは、前述のように社員が事前に見極めているからです。
通常の選考では長くても数時間程度しかコミュニケーションできませんが、紹介するほどの知人なら数年単位で付き合っていることもあります。
人柄や価値観などを把握したうえで、所属する会社の企業文化に合っているかどうか見極めることができているのです。
マッチング度高そう
それがリファラル採用の強みだね
ちなみに知人に会社を勧めることで測れる指標があるのをご存知ですか?
「eNPS」というもので、従業員がその会社のことを「どれだけ気に入っているか」の指標として人事のピープルアナリティクスで使われるものです。
質問はとてもシンプルです。
「親しい知人や友人にあなたの職場をどれくらい勧めたいか」
何が言いたいのかというと、リファラル採用をする従業員はその会社のことを気に入っている可能性が高いということです。
ブラック企業やホワイト企業という言葉はありますが、自分に合った「いい会社」を見つけることは本当に困難です。
ただしリファラル採用で紹介してくれる企業は、あなたのことを知っている社員がお気に入りの企業を紹介してくれているので、自分にとってもいい会社であるかもしれません。
「この人だったら」という想いがない限り、リファラル採用というのは基本的に機能しないものです。
それは嬉しいかも
また紹介を受ける側の会社としても、既に働いている従業員からの紹介なので一定の信頼があります。
- おかしな人は紹介しないだろう
- この人の紹介なら大丈夫だろう
会社と社員にも信頼関係がすでにあるので、紹介された人は通常の選考と比較した際に受かりやすいということができます。
人事は選考でおかしな人を不合格にしていくのですが、「紹介される人」というのはおかしな人ではないことが多いのです。
リファラル採用経由の選考メリット
ここではリファラル採用を使うメリットをお伝えします。
人事的にも個人的にもリファラル採用は、ミスマッチの可能性が低いのでおすすめできます。
実際に入社して「こんなはずじゃなかった」というのが、少ないのがリファラル採用の特徴だからです。
- 通常の選考よりは合格率は高い
- 知人がいるので「人間関係」の構築がスムーズ
- ミスマッチの可能性が低い
通常の選考よりは合格率は高い
リファラル採用の合格率は、TalentX社の調べでは約20%といわれています。
5人に1人の確率なので、一般的な中途採用の合格率とは比べ物にならない数字です。
リファラル採用は、既に社員と知り合いなので通常の応募者とは土俵が違うことは明らかです。
リファラルでの応募の場合、他のチャネルからの応募に比べ10倍以上の内定率になっているので、選考の効率が上がることもメリットの一つですね。
引用:Refcome|IT業界×中途採用:株式会社SmartHR
僕の人事としての経験上、紹介者の気を悪くしないように書類選考は行わないことがほとんどです。
「紹介者」が、一次選考を済ませた状態とみなして話が進みます。
なんとなくわかる
人事的な立場で合格率が高くなるポイントは以下です。
- 紹介者(社員)が社内で信頼できる人物である
- 入社すれば紹介者(社員)も知人も働きやすくなる
- 紹介者(社員)との付き合いで人柄が詳しくわかる
ある意味スキルマッチと、企業文化のカルチャーマッチを見極めれば採用ができる状態です。
通常の選考では見極めにくい人柄などを、事前にクリアできている点が合格率を高くするのです。
採用されるチームに所属している社員からの紹介であれば、見立てもズレていないため高い確率で採用されるでしょう。
知人がいるので「人間関係」の構築がスムーズ
僕は8回転職を経験していますが、毎回「人間関係」で苦労します。
仕事のストレスや悩みの大半は人間関係と言われていますが、転職後は周りが「他人」ばかりなので特につらい状況を迎えます。
なかなか仲良くなるきっかけが作れないまま時間が過ぎてしまうことも。
スタジオテイル社の調べでは、転職後に人間関係で苦労した人は83%もいることがわかっています。
転職後に人間関係がうまくいかないとそのまま離職につながります。
現実的に定着率は採用の大きな課題です
TalentX社の調べではリファラル採用で入社した場合、一般採用された入社者よりも離職率が20%低下したというデータがあります。
リファラル採用の場合は、知人がすでに社内に「ネットワーク」を持っています。
その社内ネットワークを使って、紹介してもらうことでスムーズに人間関係を築くことができるのです。
たとえばランチなども知人に気軽に誘ってもらうことができるので、孤立することが少なく最初から安心して働くことが可能です。
ミスマッチの可能性が低い
ミスマッチとは転職したものの、能力が活かせなかったり、企業文化が合わないことです。
厚生労働省の調べでは転職している人のうち、約50%がミスマッチを理由に転職していることがわかっています。
僕は「会社は入ってみないとわからない」ということを、何回転職しても感じます。
事前にわかれば避けられるんだけど…
ミスマッチの中でも特に悲惨なのが企業文化が合わなかった場合です。
Unipos社の調べでは、企業文化が原因で退職した人は60%近くいることがわかります。
企業文化とは簡単にいうと「その会社のやり方」、価値観が合わない会社で働くことはストレス以外のなにものでもありません。
リファラル採用であれば、紹介者(社員)が企業文化を体感しています。
しかも知人の価値観や人柄も知っているので、合うか合わないかがよくわかるのです。
企業文化は言葉にすることが難しいですし、選考のような短時間で伝えることはできません。
しかし紹介者(社員)を介して具体的なエピソードや体験談を聞くことができれば職場の解像度があがりミスマッチを避けることができます。
リファラル採用経由の選考デメリット
ここからはリファラル採用を使うデメリットをお伝えします。
リファラル採用だから合格するというものではなく、選考があるので条件に満たない場合はお見送りになります。
知人とも若干気まずい雰囲気になったりする点は、リファラル採用のデメリットといえます。
- 募集ポジション以外の合格は難しい
- 不合格になると気まずい関係になる
- 入社すると知人とのしがらみがうまれる
募集ポジション以外の合格は難しい
僕は人事としてリファラル採用を何度も見てきましたが、基本的には募集ポジション以外はあまり合格しません。
一般的に「オープンポジション」と言われる職種や、職務内容を定めず応募者に合ったものを検討することです。
応募者の能力や経験を考慮して新たなポジションをつくるということは、なかなか難しいものなのです。
特別扱いは難しいんだ
リファラル採用で合格する可能性があるのは、社内で必要とされている職種がほとんど。
必要なポジションに、たまたま紹介できる人がいた時に合格します。
だから自分で狙ってリファラル採用を使えるわけではなく、募集時期などタイミングが重要といえます。
ちなみにリファラル採用は「紹介されること」以外は、通常の選考と大して変わりません。
いくら知人でも「合う仕事は何かないですか?」という状態だと、選考できる人もいないのでいくら社員の紹介だとしてもマッチングしません。
知り合いだから受かるわけではないのです。
自分のなりたいキャリアビジョンと、会社が求めているものが一致していて、そこにたまたま知人がいたという時にリファラル採用で合格します。
不合格になると気まずい関係になる
リファラル採用の合格率は一般的には20%と言われますが、この数値は企業によって様々です。
社員が活発にリファラル採用するような会社であれば、母数が多くなるので合格率も下がります。
そのため、社員の紹介でもマッチングしない可能性は十分あるのです。
なんか気まずくなりそう
会社を紹介することは、スカウトに近いものがあります。もともと本人が希望しているわけではなく選考にきてもらうかたちだからです。
しかし結果的に、スキルや経験によっては不合格になることもあります。
そうなると紹介した側もされた側も、気まずい雰囲気になるのはよくあることです。
そういった気まずさをケアする企業もあるほど。
『ごめんねごはん制度』というものを作りました。この制度は社員に紹介いただいた方が選考で採用に至らなかった場合、会社負担でその方を会食にお連れ出来る制度です。
引用:Refcome| IT業界×中途採用:株式会社SmartHR
合格してもしなくても「紹介者」との関係に影響が出るものです。
知人との関係に影響を与えたくない場合は、気軽に使いにくい点がリファラル採用のデメリットといえます。
入社すると知人とのしがらみがうまれる
リファラル採用は会社を紹介してくれた「知人」との関係に依存しています。
そのため、入社後もその知人とは関わりを持ち続けることになります。
例えばですが、紹介してくれた会社が自分に合わなくて退職をしたいと考えた時、知人とのしがらみがあるので動きにくいということが考えられます。
本来辞めてしまえばそれまでの関係ですが、もともと知り合いだった場合その後も関係が続くからです。
実際に僕もリファラル採用で転職をしたことがありますが、知人の顔をつぶすことになってしまうので辞めたくても辞められないことがありました。
気まずかったなー
紹介者も会社を紹介した手前、気を使われることがしばらくは続きます。
また、採用した会社も紹介者との関係を気にすることが多く、配置転換などが難しい場合もあります。
さらには紹介者自身が先に辞めて居場所がなくなってしまうというリスクも。
会社も気を使っている状態がしばらく続くので、最初のうちは紹介者とのしがらみがどうしてもうまれてしまうのです。
紹介者と「セット」とまではいかないものの、両者の関係を意識されてしまうことに。
このように、紹介してくれた知人とのしがらみがうまれるという点は、リファラル採用で転職するデメリットになります。
リファラル採用で転職して失敗した体験談
ここまではリファラル採用を使った転職のメリットとデメリットを、まとめてお伝えしました。
紹介者との関係を利用することになるので、気軽には使えないというのがリファラル採用の特徴だと感じます。
さて、ここからは僕自身がリファラル採用で失敗したお話をお伝えします。
- 大事な人をブラック企業に転職させてしまった経験
- 知り合いの会社に転職したら年収を100万円下げられた経験
大事な人をブラック企業に転職させてしまった経験
僕の中でリファラル採用での1番の失敗経験は、大事な人をブラック企業に転職させてしまったことです。
なぜそんな失敗をしたのかというと、僕自身が紹介した会社で働いている人を尊敬していたからです。
そのブラック企業で働いている役員は、僕が人事になるきっかけをくれた人物だったのでかなり信頼をしていたのです。
だから、その会社や人物をおすすめしていました。
僕自身は実際に働くまではブラック企業だとわからなかったのです。
紹介されたらブラックだったとか辛い
かなり後悔してます
そのブラック企業には僕も入社しているのですが、入社前からリファラル採用に協力をしていました。
僕は自分と一緒に働く人を探すイメージで、現職で活躍している人に声をかけていまいた。
結果的に僕を信じてくれた、人達がついて来てくれることに。
しかし実際働いてみると、尊敬していた人は豹変しただのパワハラ上司だったことがわかりました。
外面はよかった
長時間労働やパワハラなど、ブラック企業っぽいことが全部あるような職場のリファラル採用に協力していたのです。
自分自身、人の本性を見抜けなかったことが悔しかったですし、何より紹介したことを後悔しました。このように紹介者も会社の事情をよくわかっていない場合はたまにあります。
僕は責任を感じてその紹介した人たちのことを、できる限りサポートすることに決めたのです。
自分が嫌だから辞めるということはせず、メンタル面のサポートを続けました。
そういった事情もあって、結果的に5年くらい勤めることに。
おそらくリファラル採用のしがらみがなければ、もっと早く辞めていたと思います。
知り合いの会社に転職したら年収を100万円下げられた経験
僕は知人からの紹介で入社した際に年収でいうと、100万円も下げられたことがあります。
知人からのリファラル採用だったのですが、条件面などは口頭やLINEの確認だけでした。
当時はLINEのやり取りしかせず、紹介者を信用していたので細かく確認していなかったので僕にも非があると思います。
その会社人事がいなかったんだよね
なんかやばそうな感じ
リファラル採用は紹介者のことを信用していることが前提にあります。
まさか条件面で騙すようなことがあるとは思いもしません。
しかし、入社後の雇用契約手続きにおいて聞いていた話と違うことが発覚します。
冒頭でお伝えしたように、年収の100万円分くらいが「補填」としてついていたのです。
これには驚きました…
簡単にいうと、半年くらいで100万円分の補填が外れる条件になっていたのです。
紹介者はできるだけ安く採用しようと、条件を不利な内容に変えていました。
後になってわかるのですが、残念ながらその紹介者は外面のいい「ソシオパス」というタイプの人種でした。
会社を紹介してくれる人を、信じ切ってしまっていたことを反省しました。
リファラル採用でも落ちる?不合格になる原因
ここまでは僕のリファラル採用の経験をお伝えしました。
僕の場合は失敗例ですが、紹介してくれるからと言ってもいい情報ばかり信じないことが大事です。
さてここからはリファラル採用でも、不合格になる原因を人事視点でお伝えします。
- 単純に能力が不足している
- 知人以外との相性に問題がありそう
- 採用コストが低いから採用されるという幻想
単純に能力が不足している
リファラル採用で不合格になる大きな原因に「能力不足」があります。
いくら社員の紹介だからと言っても能力や経験が、求めている水準でない場合は採用されることはありません。
リファラル採用は社内に紹介者がいることで、一定の信頼は得られますし通常応募よりは有利です。
しかし底上げされるのは信頼性だけであり、採用基準は別の話です。
紹介されるから受かると思ってた
それとこれは別の話だよ
僕がこれまでに見てきたリファラル採用での不合格は、多くの場合この能力や経験不足が原因でした。
紹介者としては「一緒に働ける人」くらいの基準で紹介しますが、選考に関わる管理職などは別の視点で厳しくみます。
そのため、前提となる採用基準は「通常の選考」と大きな違いはありません。
紹介してくれたから採用するのではなく、能力があるから採用されるのです。
企業が求める基準に達していない場合は不合格になります。
知人以外との相性に問題がありそう
リファラル採用は、紹介者(社員)との人間関係は問題ないことがわかっています。
紹介してくれるほどの仲なので、心配する必要はありません。
一方で、その他の社員との関係は、正直会ってみないとわからないことが多いです。
確かに話さないとわからないかも
溶け込むことができるかって観点が重要です
紹介者がよくても、他の社員との相性に問題がありそうな場合はお見送りになります。
また相性の問題でいうと「企業文化」との相性も判断基準になります。
スキルや能力があって優秀な人物だとしても、企業が重視する価値観とズレていることがわかったら採用はされません。
リファラル採用は比較的そういった相性の問題が起こる可能性は低いのですが、選考やカジュアル面談ではしっかりと見極められているのです。
応募する際には、企業文化についてよく理解したうえで選考に進むことをおすすめします。
採用コストが低いから採用されるという幻想
リファラル採用は採用するコストが低いことは事実です。
一般的に1人採用するためには、100万円から200万円くらいは必要になります。
その点、リファラル採用であれば0円で採用ができてしまうのです。
企業によっては紹介のインセンティブを設定しているところもありますが、それでも数10万円程度です。
リファラル採用ってコスパがいいんだね
採用はお金がかかるよ
プロフェッショナルバンク社の調べでは、リファラル採用のメリットに採用コストが抑えられるという理由がトップになっています。
企業がリファラル採用を積極的に行うのは採用コストが低いからなのは事実です。
しかし、「採用コスト」が安いから採用するわけではありません。
この記事でお伝えしてきたように、リファラル採用は「選考」があります。
求めている仕事ができるかどうかが焦点です。
採用コストは選考基準ではありません
大量採用しているような企業以外は、採用コストが安いから採用しようという文脈にはならないのが人事の経験から言えることです。
リファラル採用のメリットにある採用コストが安いというのはあくまでも結果であって、判断するポイントにはならないのです。
コストが低いから受かるという幻想は抱かない方が無難と言えます。
人事が教えるリファラル採用で合格するための3つのポイント
最後はリファラル採用をフル活用して合格するためのポイントをお伝えします。
リファラル採用で転職した経験や人事目線で、リファラル採用でどうやったら受かりやすくなるかをまとめました。
貴重な機会を無駄にしないように把握しておきましょう。
- 知人から情報が入るようにする
- 知人を通じて売り込む
- カジュアル面談で知り合いになる
知人から情報が入るようにする
知人から情報を入手するのはリファラル採用の基本です。
募集開始から求人が終わるまでは、一般的に数ヶ月しかないからです。
募集されていることを知ることができなければ、応募することもできません。
常に募集しているような職種や企業は、ブラック企業の可能性があるので避けた方がいいでしょう。
気をつけないと
関係作りが重要です
求人が公開されたタイミングで、紹介者から声がかかるようにいくつかポイントがあります。
- 日頃からコンタクトをとる
- 得意な分野やスキルを伝えておく
- 転職に前向きであることを伝える
紹介者との関係性によるので、一概には言えませんが「声をかける」というのはハードルがあります。
余計なお世話だと思われたりするのは誰だって怖いものです。
しかし日頃から、関係性を築き転職にも前向きという姿勢を伝えておくことで、声がかかりやすくなります。
ポイントは、世の中に公開していないようなクローズドな求人が出たときに声をかけてもらうこと。
わざわざ求人を出すまではないけど、こんな人いたらいいなという状況は結構あります。
そうした条件にハマることができれば、好条件な求人にアクセスすることができるのです。
公開されていない求人であれば競争相手も少なく有利に選考を進められます。
知人を通じて売り込む
もう1つのポイントは、どうしても入りたい企業にアプローチする場合です。
リファラル採用は求人ありきで、紹介者が声をかけます。
自社の求人に合いそうな人を知り合いの中から探すのが一般的です。
しかし、自分が入りたい企業に知り合いがいる場合は、リファラル採用を使ってチャンスをつくることもできます。
お願いしてみよう
意外と効果はあるよ
知人に対して自分の経験やスキルをアピールして、企業のキーパーソンに打ち込んでもらうのです。
紹介者が協力してくれれば、選考に進むことができるようになります。
僕は何人か紹介者として、知人のスキルや人柄を売り込んで転職を成功させたことがあります。
人事だったこともあり、採用会議などで「こういう人材がいる」と伝えることができたのも大きかったです。
人事の知り合い強い
人事でなかったとしても、企業の中で活躍している人が紹介者なら影響力は高いはず。
積極的に自分を売り込み、入りたい企業に転職するチャンスを掴んでください。
カジュアル面談で知り合いになる
3つ目はカジュアル面談を活用するということです。
カジュアル面談は面接ではなく、お互いが対等な立場で情報交換するというものです。
「選考」をお願いすると、嫌でも合否が出ることになりますが、カジュアル面談なら合否はありません。
ぶっちゃけリファラル採用は、このカジュアル面談だけでいいと思います。
合否をつける必要もないので気まずくなることもなく、選考と同程度のコミュニケーションができるからです。
- 最初の相性をみるため
- 自分を売り込むため
カジュアル面談は文字通りカジュアルに話すことができるので、お互いリラックスして話すことができます。
お互いの相性をよく見ることでミスマッチを防ぐことも可能です。
また何度かカジュアル面談をしていれば、いつの間にか知り合いのようになることも。
仲良くなるのは大事
相手によく知ってもらうことで、いざ選考を受ける時の合格率を高めておくことができます。
カジュアル面談は紹介者にお願いすることになるので、多少ハードルはありますがやっておく価値はあります。
ちなみに僕はリファラル採用を使うときは、ランチや飲み会などカジュアル面談と称してコミュニケーションする場を用意してもらいます。
多いときには3回くらい一緒に食事をして、転職した経験もあります。
その場で盛り上がって選考が進むなんてこともあるので、話す機会を作って知り合いになることは重要です。
リファラル採用についてよくある質問
リファラル採用で転職する選択はアリ!デメリットを理解して後悔しないようにしよう
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事をまとめます。
- リファラル採用が受かりやすいのは事実なので知人がいるなら積極的に使うべき
- 採用コストが低いから採用されるのではなくあくまでも能力や経験が重視される
- 知人との関係が重要になるので常に情報が入るように転職に前向きであることを伝える
リファラル採用は転職最大のリスクである「企業文化」のミスマッチの確率を大幅に下げてくれます。
また社員の中に知人もいるため人間関係構築がスムーズになるというメリットもあります。
こういった視点から考えるとリファラル採用を使うことは積極的に検討してもよいと思います。
ポジティブな材料が多いです
しかし、紹介されたから入社できるというものではなく、実力が伴うことと求人にマッチングしていることが前提になります。
また、紹介してくれた人との関係をベースに転職をするので合格にせよ、不合格にせよ今後のしがらみがうまれることになります。
1度入社した場合は仮に合わなければ辞めにくいことも頭に入れておく必要があるのです。
そういったデメリットを理解したうえで、自分の入りたい企業に知人がいるのであれば、相談してみることをおすすめします。
この記事があなたの役に立っていれば嬉しいです。